1 / 3
プロローグ
しおりを挟む
新学期の1日前。僕と幼馴染の牡丹は学校の生徒会室にいきなり呼び出された。
その日は寮の部屋割りの抽選があったから早めに帰りたかったのだが、生徒会の呼び出しなので、無下には出来ずに仕方なく、いく羽目になった。
「でも、百合君が呼ばれるのは意外だね?何か悪いことした?」
「あんまり見に覚えはないかな?最近は大人しくしていたからな。会長にはもう勧誘もされなくなったはずなんだが…」
2人で話しながら、生徒会室に入ると会長と副会長が待っていた。会長は座っており、横に副会長が立っていた。
2人とも、他校の生徒が出待ちして今時なのに、ラブレターを渡すほどのイケメンなだけに2人が揃うだけでも絵になりそうだ。
「君たち2人を呼んだのは、他でもない。このプロジェクトに協力して欲しいんだ」
副会長に渡されたのは数十枚くらいの紙がホッチキスで纏められた資料であり、その中には校舎などの写真とともに、色々と書かれたいた。
「…鳳凰学園、共学化に伴う制服導入」
資料をざっと見ていると、会長さんがチラチラっと見てきたので、早々に読み終えて簡潔に感想を述べた。
「共学化ですか。まぁ、一部の男子以外は彼女どころか教室に女っ気もなかったから。共学化は別にいいんだけど。この共学化はなんの意図があるんだ?」
「別に?そこまで気になるのかい?」
「そうだよ!別に普通に共学化したいだけじゃないの?」
生徒会長は笑みを浮かべ、牡丹は不思議そうな顔をしていた。
「…わざわざ新学期前にここに呼び出して、それに僕達2人にわざわざこんなのを見せる…。その意味があるんでしょ?」
「…まぁ、相変わらず鈍いようで気がつく時はすぐに気がつくんだね。そうだよ君の大方の予想どうりだよ?」
僕は生徒会長を見て、ちょっとだけ怒りながら分かっていない牡丹に説明していく。
「…この制服の事について事細かく書いてあるページに。『1年間女子制服を適任者に着用させて学園生活で不備が無いかを確認する』と書いてあり、制服製造の担当が『華宝院グループ』って書いてある。つまり、僕達2人が呼ばれたのはこれから女子の制服を着ろっていうことなんでしょ?さしずめ母と叔母さんの差し金なんでしょ?」
「察しがいいのは本当に助かるね。じゃあ君たちが断れないのもなんとなく分かるよね?」
僕と牡丹は2人ともが母親と約束をしている。その約束の条件にある程度の言うことを聞くのも含まれていたが、まさか、こんな荒技で仕掛けてくるとは…。
「チッ!またか!仕方ない来ますよ!来て一年耐えればいいんでしょ!」
僕は渋々副会長が準備していた制服をひったくった!
「百合君は着るようだが?牡丹君はどうする?」
牡丹の方を見ると、少し強張ってはいたが覚悟を決めたのか制服を受け取った。
「僕も母との約束がありますから…。僕は絶対に逃げられないですから」
2人で制服を受け取ると今後の話を1時間ほどしてから生徒会室を出る。
「結構いろんな説明とかあったから時間かかったな。これじゃ寮の部屋決めには間に合いそうにもないな…」
「まぁ、くじを引くだけだから居なくても問題はないはずだよ」
「相変わらず牡丹は分かっていないな!あんな行事は参加してワイワイ楽しむのが醍醐味なんだよ!まぁ、来年があるさ…」
「そうだよ、百合君も来年は部屋分け参加できるよ!」
「…そういえば牡丹はどんな約束を叔母さんとしてるんだよ?」
「えっ!秘密だよ!」
2人は話しながら、適当に自販機で飲みものを買ってゆっくりと寮に向かった。
「会長、本当に良かったんですか?」
「えっ、何か問題があったか?」
「あれ半分は2人の母親からの依頼で、半分は会長の趣味で2人に提案したんでしょ?」
「まぁね!だって!百合君の小さくて可愛いプニプニボディと牡丹君の清楚系の女装だよ!興奮するなんて言う方が無理じゃない!」
「会長!公私混同しないでくださいね!」
「大丈夫!写真撮って夜のおかずに使うだけだから!」
「盗撮とか犯罪ですよ!やめてくださいね」
「そんな殺生な!僕は2人の可愛い姿で息子を成長させたいだけなんだ!」
「二度と他人に言わないでくださいよ、その妄言。刑務所にぶち込みますよ」
「警視総監の子供が言うと冗談に聞こえないからやめて欲しいな」
「それなら、手を煩わせないでくださいよ」
「それは彼ら次第かな~」
生徒会長はカメラを綺麗に手入れしていた。レンズも磨いて念入りに。副会長はそれを見ながら大きなため息をして別の仕事を始めた。
これから始まるのは華宝院グループの御曹司2人。百合と牡丹の学園での物語。
百合は牡丹のために母との約束をし、牡丹も百合のために母と約束をしている。
その約束が例え、
『高校を卒業すれば牡丹と結婚するために企業を継ぐ』と『百合君を幸せな花嫁であり旦那さんにするために卒業すればグループを継ぐ』だったとしても。
その日は寮の部屋割りの抽選があったから早めに帰りたかったのだが、生徒会の呼び出しなので、無下には出来ずに仕方なく、いく羽目になった。
「でも、百合君が呼ばれるのは意外だね?何か悪いことした?」
「あんまり見に覚えはないかな?最近は大人しくしていたからな。会長にはもう勧誘もされなくなったはずなんだが…」
2人で話しながら、生徒会室に入ると会長と副会長が待っていた。会長は座っており、横に副会長が立っていた。
2人とも、他校の生徒が出待ちして今時なのに、ラブレターを渡すほどのイケメンなだけに2人が揃うだけでも絵になりそうだ。
「君たち2人を呼んだのは、他でもない。このプロジェクトに協力して欲しいんだ」
副会長に渡されたのは数十枚くらいの紙がホッチキスで纏められた資料であり、その中には校舎などの写真とともに、色々と書かれたいた。
「…鳳凰学園、共学化に伴う制服導入」
資料をざっと見ていると、会長さんがチラチラっと見てきたので、早々に読み終えて簡潔に感想を述べた。
「共学化ですか。まぁ、一部の男子以外は彼女どころか教室に女っ気もなかったから。共学化は別にいいんだけど。この共学化はなんの意図があるんだ?」
「別に?そこまで気になるのかい?」
「そうだよ!別に普通に共学化したいだけじゃないの?」
生徒会長は笑みを浮かべ、牡丹は不思議そうな顔をしていた。
「…わざわざ新学期前にここに呼び出して、それに僕達2人にわざわざこんなのを見せる…。その意味があるんでしょ?」
「…まぁ、相変わらず鈍いようで気がつく時はすぐに気がつくんだね。そうだよ君の大方の予想どうりだよ?」
僕は生徒会長を見て、ちょっとだけ怒りながら分かっていない牡丹に説明していく。
「…この制服の事について事細かく書いてあるページに。『1年間女子制服を適任者に着用させて学園生活で不備が無いかを確認する』と書いてあり、制服製造の担当が『華宝院グループ』って書いてある。つまり、僕達2人が呼ばれたのはこれから女子の制服を着ろっていうことなんでしょ?さしずめ母と叔母さんの差し金なんでしょ?」
「察しがいいのは本当に助かるね。じゃあ君たちが断れないのもなんとなく分かるよね?」
僕と牡丹は2人ともが母親と約束をしている。その約束の条件にある程度の言うことを聞くのも含まれていたが、まさか、こんな荒技で仕掛けてくるとは…。
「チッ!またか!仕方ない来ますよ!来て一年耐えればいいんでしょ!」
僕は渋々副会長が準備していた制服をひったくった!
「百合君は着るようだが?牡丹君はどうする?」
牡丹の方を見ると、少し強張ってはいたが覚悟を決めたのか制服を受け取った。
「僕も母との約束がありますから…。僕は絶対に逃げられないですから」
2人で制服を受け取ると今後の話を1時間ほどしてから生徒会室を出る。
「結構いろんな説明とかあったから時間かかったな。これじゃ寮の部屋決めには間に合いそうにもないな…」
「まぁ、くじを引くだけだから居なくても問題はないはずだよ」
「相変わらず牡丹は分かっていないな!あんな行事は参加してワイワイ楽しむのが醍醐味なんだよ!まぁ、来年があるさ…」
「そうだよ、百合君も来年は部屋分け参加できるよ!」
「…そういえば牡丹はどんな約束を叔母さんとしてるんだよ?」
「えっ!秘密だよ!」
2人は話しながら、適当に自販機で飲みものを買ってゆっくりと寮に向かった。
「会長、本当に良かったんですか?」
「えっ、何か問題があったか?」
「あれ半分は2人の母親からの依頼で、半分は会長の趣味で2人に提案したんでしょ?」
「まぁね!だって!百合君の小さくて可愛いプニプニボディと牡丹君の清楚系の女装だよ!興奮するなんて言う方が無理じゃない!」
「会長!公私混同しないでくださいね!」
「大丈夫!写真撮って夜のおかずに使うだけだから!」
「盗撮とか犯罪ですよ!やめてくださいね」
「そんな殺生な!僕は2人の可愛い姿で息子を成長させたいだけなんだ!」
「二度と他人に言わないでくださいよ、その妄言。刑務所にぶち込みますよ」
「警視総監の子供が言うと冗談に聞こえないからやめて欲しいな」
「それなら、手を煩わせないでくださいよ」
「それは彼ら次第かな~」
生徒会長はカメラを綺麗に手入れしていた。レンズも磨いて念入りに。副会長はそれを見ながら大きなため息をして別の仕事を始めた。
これから始まるのは華宝院グループの御曹司2人。百合と牡丹の学園での物語。
百合は牡丹のために母との約束をし、牡丹も百合のために母と約束をしている。
その約束が例え、
『高校を卒業すれば牡丹と結婚するために企業を継ぐ』と『百合君を幸せな花嫁であり旦那さんにするために卒業すればグループを継ぐ』だったとしても。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
嫌われ者の長男
りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....
pretty preschool teacher
フロイライン
BL
愛多幼稚園新人教諭の石川遥は、その美貌と優しい性格から、子供達は勿論のこと、その保護者からも圧倒的な支持が寄せられていた。
しかし、遥には誰にも言えない秘密があった…
病弱な悪役令息兄様のバッドエンドは僕が全力で回避します!
松原硝子
BL
三枝貴人は総合病院で働くゲーム大好きの医者。
ある日貴人は乙女ゲームの制作会社で働いている同居中の妹から依頼されて開発中のBLゲーム『シークレット・ラバー』をプレイする。
ゲームは「レイ・ヴァイオレット」という公爵令息をさまざまなキャラクターが攻略するというもので、攻略対象が1人だけという斬新なゲームだった。
プレイヤーは複数のキャラクターから気に入った主人公を選んでプレイし、レイを攻略する。
一緒に渡された設定資料には、主人公のライバル役として登場し、最後には断罪されるレイの婚約者「アシュリー・クロフォード」についての裏設定も書かれていた。
ゲームでは主人公をいじめ倒すアシュリー。だが実は体が弱く、さらに顔と手足を除く体のあちこちに謎の湿疹ができており、常に体調が悪かった。
両親やごく親しい周囲の人間以外には病弱であることを隠していたため、レイの目にはいつも不機嫌でわがままな婚約者としてしか映っていなかったのだ。
設定資料を読んだ三枝は「アシュリーが可哀想すぎる!」とアシュリー推しになる。
「もしも俺がアシュリーの兄弟や親友だったらこんな結末にさせないのに!」
そんな中、通勤途中の事故で死んだ三枝は名前しか出てこないアシュリーの義弟、「ルイス・クロフォードに転生する。前世の記憶を取り戻したルイスは推しであり兄のアシュリーを幸せにする為、全力でバッドエンド回避計画を実行するのだが――!?
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
【完結】婚約破棄された僕はギルドのドSリーダー様に溺愛されています
八神紫音
BL
魔道士はひ弱そうだからいらない。
そういう理由で国の姫から婚約破棄されて追放された僕は、隣国のギルドの町へとたどり着く。
そこでドSなギルドリーダー様に拾われて、
ギルドのみんなに可愛いとちやほやされることに……。
攻略対象5の俺が攻略対象1の婚約者になってました
白兪
BL
前世で妹がプレイしていた乙女ゲーム「君とユニバース」に転生してしまったアース。
攻略対象者ってことはイケメンだし将来も安泰じゃん!と喜ぶが、アースは人気最下位キャラ。あんまりパッとするところがないアースだが、気がついたら王太子の婚約者になっていた…。
なんとか友達に戻ろうとする主人公と離そうとしない激甘王太子の攻防はいかに!?
ゆっくり書き進めていこうと思います。拙い文章ですが最後まで読んでいただけると嬉しいです。
転生令息の、のんびりまったりな日々
かもめ みい
BL
3歳の時に前世の記憶を思い出した僕の、まったりした日々のお話。
※ふんわり、緩やか設定な世界観です。男性が女性より多い世界となっております。なので同性愛は普通の世界です。不思議パワーで男性妊娠もあります。R15は保険です。
痛いのや暗いのはなるべく避けています。全体的にR15展開がある事すらお約束できません。男性妊娠のある世界観の為、ボーイズラブ作品とさせて頂いております。こちらはムーンライトノベル様にも投稿しておりますが、一部加筆修正しております。更新速度はまったりです。
※無断転載はおやめください。Repost is prohibited.
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる