ゲームで見たことある悪役令嬢になったけど…あれ、この娘って生えてなかったかな？

第三話

 さて、金髪のドリルツインテールの子になった事を確認すると、僕はとりあえず制服に着替えて学園に向かう。しかし、この恐ろしい状況に危機感を覚えながら、僕は冷静になってくる。

まず、こうなった中で気をつけないといけないのは、ゲームの主人公である転校生相手に悪意を買われてはいけない事だ。
彼に睨まれると最悪の場合は家が潰されて路頭に迷う地獄の様なルートが起きてしまう。そして、僕がその次に気をつけないといけないのは、婚約者であるヘロイ王子の好意も管理しないといけないのだ。

ヘロイ王子はこの国の次期国王であり、同じ学園に通っている私、セレスティアル・セントリック・セントマリア・セレナの婚約者である。しかし、そんな王子は婚約者に元々は普通の男であったセレスティアル・セントリック・セントマリア・セレナに女装を強制して自分の妃にしてしまおうと計画する男の娘大好きな変態なのだ。

そんな王子に気に入られないと婚約破棄されて私の家は潰されて、またまた路頭に迷う可能性が高くなる。主人公としてゲームをプレイしている時はそこまで大変ではなかったが、主人公であろう転校生も可愛らしい男の娘なので、絶対に王子に好意を持たせてはいけない。そうなると、王子と主人公のせいで僕がまた婚約破棄されてしまう。

つまり、この金髪ツインテールのドリルの様なカールが巻かれているセレスティアル・セントリック・セントマリア・セレナとして安寧に生きるためには…。


・主人公と他のヒロインをくっつける。
・王子の好感度を下げない
・絶対に王子と主人公をくっつけてはいけない
の３つをクリアしないとハッピーエンドにならない筈だ。

あぁ～もう既に憂鬱だな。
そんな事を考えながら、学校への身支度を整えて向かう。