15 / 44
15 いじわるな指※
しおりを挟む
アランに笑われているとわかっているのに身体の動きが止められない。触れているのがあのあたたかいアランの手だと思うと、訳が分からないほど興奮した。
かくかくと腰を動かして、恭弥は涙目になっている。
「あ、あ……」
先端だけの快感がもどかしい。もっとちゃんと触ってほしいのに。もっとちゃんと触ってくれたら、一瞬で射精できるのに。
「へこへこ我慢できないねぇ、んん? お兄さんの手、気持ちいいね」
恭弥の耳に唇をつけ、アランは優しくささやく。ぞくぞくと甘いものが背筋をのぼる。
熱いものが管を駆け上ってくる。もうすぐ楽になる。
「いきそ?」
恭弥は答えることもできず、一生懸命自分のものを擦りつけた。もう少し。あとちょっと――――
「そっか。でも」
アランは含み笑いした。
「ここで素直に出させてあげるのは、ぼくらしくないと思わない?」
ひどくあっさりと手が離れた。恭弥は呆然とした。
「だってこっち触ったら、恭弥くん、きっともっと気持ちよくなれるのに」
アランはそっと恭弥の太ももを押し上げる。
するり、と指が恭弥の尻の溝に這った。
「んあ」
昂り切った恭弥の身体が、まったく別の種類の快楽を与えられて跳ねる。
恭弥のものが腹の上で弾んで、蜜を撒き散らした。
「こっちも気持ちよくなれるようにしよ? その方がずっと楽しいぞ」
びりびりとした感覚が、恭弥の尾てい骨から背骨へと駆け上がっていく。
(なにこれ、なに……)
「ん、う……」
細長い指がなめらかに恭弥の蕾を撫でる。あの優雅なアランの指が、恭弥の身体のいちばん恥ずかしい部分を撫でている。
(なんで……気持ち、いいんだよ……)
恭弥の意思とは無関係に、そこは痙攣する。
「んん……んっ」
「ひくひくしてる。いれてってお願いしてる」
きゅん、と蕾が締まる。まるでアランの言葉を肯定しているかのように。
「待ってて。ゴムとローションとってくる」
暗闇の中を、アランが手探りしていく気配がする。
急にひとりにされて、恭弥の身体が猛烈な寂しさを訴えはじめる。前にもうしろにもアランの愛撫がほしくてたまらないのに、アランがいない。
「あった。ぼくったら用意周到」
小袋を破く音をぼんやりと聞いている。
「指にはめて、濡らして、と。よし、これで――――」
アランがふたたび、ぎしりとマットレスに乗り上げた。
「――――ちゃんと恭弥くんをかわいがれる」
ひょいと恭弥の足を持ち上げ、アランはささやく。
薄いラテックスの被覆をまとった指が、蕾に触れる。
「ひゃあ」
ローションでぬるぬると縁を濡らしたあと、アランの指は恭弥のその場所をぐっと押し込んだ。
「っ……!」
「力抜いてよ、はいんないよ」
アランは笑っている。
「は、はいるわけ、ねえ、だろ、ぁ」
当たり前だ。女の場所とちがって、何かをいれるためにできているのではないのだから。
「ぁ、ぅ、……っ、ぅあ」
撫でて、さすって、アランはそこがひらくのをじっと待っている。うしろで指がうごめくたび、恭弥の感覚は鋭くなって、胸の先も性器も尖り切った。
「はいんないかなぁ」
アランは不満そうに言いながら、空いている方の手で恭弥の乳首をそっと触った。
「ふあ」
胸の先から生まれた、じんとした痺れがうしろの孔に伝わっていく。
ひくん、と恭弥の蕾が痙攣する。
そこを狙って、アランの優雅な細い指がぬるん、と恭弥の中にもぐりこんだ。
「ああっ!」
ばちん、と恭弥の身体が跳ねた。
(なに、これ)
「へえ、恭弥くん、乳首さわったら指はいるの? 何その仕組み。エッチすぎない?」
こわかった。痛みより何より、そんな異物を簡単に身体におさめてしまったことが。
なのに気持ちいいのが、もっとこわかった。
「ぁ、あ……っ」
恭弥は思わずアランの首にすがった。アランの指一本が全身の感覚を支配している。ひどい痺れだ。
身体の内側から雄の付け根を刺激され、いいようにされている感じだった。アランの指がゆっくりと中を擦るだけで、あとからあとから蜜が溢れだして止まらない。
「あ、んなぁ、とめ、て……っ」
「嘘、もう感じちゃってる?」
そんな場所に指を入れられて、感じてしまっている。情けなくて、恥ずかしかった。だがそう思うほど、恭弥の中で快楽はみるみる育っていく。
「わあ、ぼく、すごい子拾っちゃったな。初めてなのに胸もお尻も感じるなんて」
「ひ、あ、こわい、これぇ、こわ、いぃ」
「ん? 大丈夫大丈夫。君ならいける。才能あるもん」
優しくもいい加減にあやしながら、アランはゆるゆると恭弥の中を撫でている。
かくかくと腰を動かして、恭弥は涙目になっている。
「あ、あ……」
先端だけの快感がもどかしい。もっとちゃんと触ってほしいのに。もっとちゃんと触ってくれたら、一瞬で射精できるのに。
「へこへこ我慢できないねぇ、んん? お兄さんの手、気持ちいいね」
恭弥の耳に唇をつけ、アランは優しくささやく。ぞくぞくと甘いものが背筋をのぼる。
熱いものが管を駆け上ってくる。もうすぐ楽になる。
「いきそ?」
恭弥は答えることもできず、一生懸命自分のものを擦りつけた。もう少し。あとちょっと――――
「そっか。でも」
アランは含み笑いした。
「ここで素直に出させてあげるのは、ぼくらしくないと思わない?」
ひどくあっさりと手が離れた。恭弥は呆然とした。
「だってこっち触ったら、恭弥くん、きっともっと気持ちよくなれるのに」
アランはそっと恭弥の太ももを押し上げる。
するり、と指が恭弥の尻の溝に這った。
「んあ」
昂り切った恭弥の身体が、まったく別の種類の快楽を与えられて跳ねる。
恭弥のものが腹の上で弾んで、蜜を撒き散らした。
「こっちも気持ちよくなれるようにしよ? その方がずっと楽しいぞ」
びりびりとした感覚が、恭弥の尾てい骨から背骨へと駆け上がっていく。
(なにこれ、なに……)
「ん、う……」
細長い指がなめらかに恭弥の蕾を撫でる。あの優雅なアランの指が、恭弥の身体のいちばん恥ずかしい部分を撫でている。
(なんで……気持ち、いいんだよ……)
恭弥の意思とは無関係に、そこは痙攣する。
「んん……んっ」
「ひくひくしてる。いれてってお願いしてる」
きゅん、と蕾が締まる。まるでアランの言葉を肯定しているかのように。
「待ってて。ゴムとローションとってくる」
暗闇の中を、アランが手探りしていく気配がする。
急にひとりにされて、恭弥の身体が猛烈な寂しさを訴えはじめる。前にもうしろにもアランの愛撫がほしくてたまらないのに、アランがいない。
「あった。ぼくったら用意周到」
小袋を破く音をぼんやりと聞いている。
「指にはめて、濡らして、と。よし、これで――――」
アランがふたたび、ぎしりとマットレスに乗り上げた。
「――――ちゃんと恭弥くんをかわいがれる」
ひょいと恭弥の足を持ち上げ、アランはささやく。
薄いラテックスの被覆をまとった指が、蕾に触れる。
「ひゃあ」
ローションでぬるぬると縁を濡らしたあと、アランの指は恭弥のその場所をぐっと押し込んだ。
「っ……!」
「力抜いてよ、はいんないよ」
アランは笑っている。
「は、はいるわけ、ねえ、だろ、ぁ」
当たり前だ。女の場所とちがって、何かをいれるためにできているのではないのだから。
「ぁ、ぅ、……っ、ぅあ」
撫でて、さすって、アランはそこがひらくのをじっと待っている。うしろで指がうごめくたび、恭弥の感覚は鋭くなって、胸の先も性器も尖り切った。
「はいんないかなぁ」
アランは不満そうに言いながら、空いている方の手で恭弥の乳首をそっと触った。
「ふあ」
胸の先から生まれた、じんとした痺れがうしろの孔に伝わっていく。
ひくん、と恭弥の蕾が痙攣する。
そこを狙って、アランの優雅な細い指がぬるん、と恭弥の中にもぐりこんだ。
「ああっ!」
ばちん、と恭弥の身体が跳ねた。
(なに、これ)
「へえ、恭弥くん、乳首さわったら指はいるの? 何その仕組み。エッチすぎない?」
こわかった。痛みより何より、そんな異物を簡単に身体におさめてしまったことが。
なのに気持ちいいのが、もっとこわかった。
「ぁ、あ……っ」
恭弥は思わずアランの首にすがった。アランの指一本が全身の感覚を支配している。ひどい痺れだ。
身体の内側から雄の付け根を刺激され、いいようにされている感じだった。アランの指がゆっくりと中を擦るだけで、あとからあとから蜜が溢れだして止まらない。
「あ、んなぁ、とめ、て……っ」
「嘘、もう感じちゃってる?」
そんな場所に指を入れられて、感じてしまっている。情けなくて、恥ずかしかった。だがそう思うほど、恭弥の中で快楽はみるみる育っていく。
「わあ、ぼく、すごい子拾っちゃったな。初めてなのに胸もお尻も感じるなんて」
「ひ、あ、こわい、これぇ、こわ、いぃ」
「ん? 大丈夫大丈夫。君ならいける。才能あるもん」
優しくもいい加減にあやしながら、アランはゆるゆると恭弥の中を撫でている。
42
お気に入りに追加
109
あなたにおすすめの小説
侯爵令息セドリックの憂鬱な日
めちゅう
BL
第二王子の婚約者候補侯爵令息セドリック・グランツはある日王子の婚約者が決定した事を聞いてしまう。しかし先に王子からお呼びがかかったのはもう一人の候補だった。候補落ちを確信し泣き腫らした次の日は憂鬱な気分で幕を開ける———
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初投稿で拙い文章ですが楽しんでいただけますと幸いです。
陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
まったり書いていきます。
2024.05.14
閲覧ありがとうございます。
午後4時に更新します。
よろしくお願いします。
栞、お気に入り嬉しいです。
いつもありがとうございます。
2024.05.29
閲覧ありがとうございます。
m(_ _)m
明日のおまけで完結します。
反応ありがとうございます。
とても嬉しいです。
明後日より新作が始まります。
良かったら覗いてみてください。
(^O^)
モフモフになった魔術師はエリート騎士の愛に困惑中
risashy
BL
魔術師団の落ちこぼれ魔術師、ローランド。
任務中にひょんなことからモフモフに変幻し、人間に戻れなくなってしまう。そんなところを騎士団の有望株アルヴィンに拾われ、命拾いしていた。
快適なペット生活を満喫する中、実はアルヴィンが自分を好きだと知る。
アルヴィンから語られる自分への愛に、ローランドは戸惑うものの——?
24000字程度の短編です。
※BL(ボーイズラブ)作品です。
この作品は小説家になろうさんでも公開します。
初心者オメガは執着アルファの腕のなか
深嶋
BL
自分がベータであることを信じて疑わずに生きてきた圭人は、見知らぬアルファに声をかけられたことがきっかけとなり、二次性の再検査をすることに。その結果、自身が本当はオメガであったと知り、愕然とする。
オメガだと判明したことで否応なく変化していく日常に圭人は戸惑い、悩み、葛藤する日々。そんな圭人の前に、「運命の番」を自称するアルファの男が再び現れて……。
オメガとして未成熟な大学生の圭人と、圭人を番にしたい社会人アルファの男が、ゆっくりと愛を深めていきます。
穏やかさに滲む執着愛。望まぬ幸運に恵まれた主人公が、悩みながらも運命の出会いに向き合っていくお話です。本編、攻め編ともに完結済。
期待外れの後妻だったはずですが、なぜか溺愛されています
ぽんちゃん
BL
病弱な義弟がいじめられている現場を目撃したフラヴィオは、カッとなって手を出していた。
謹慎することになったが、なぜかそれから調子が悪くなり、ベッドの住人に……。
五年ほどで体調が回復したものの、その間にとんでもない噂を流されていた。
剣の腕を磨いていた異母弟ミゲルが、学園の剣術大会で優勝。
加えて筋肉隆々のマッチョになっていたことにより、フラヴィオはさらに屈強な大男だと勘違いされていたのだ。
そしてフラヴィオが殴った相手は、ミゲルが一度も勝てたことのない相手。
次期騎士団長として注目を浴びているため、そんな強者を倒したフラヴィオは、手に負えない野蛮な男だと思われていた。
一方、偽りの噂を耳にした強面公爵の母親。
妻に強さを求める息子にぴったりの相手だと、後妻にならないかと持ちかけていた。
我が子に爵位を継いで欲しいフラヴィオの義母は快諾し、冷遇確定の地へと前妻の子を送り出す。
こうして青春を謳歌することもできず、引きこもりになっていたフラヴィオは、国民から恐れられている戦場の鬼神の後妻として嫁ぐことになるのだが――。
同性婚が当たり前の世界。
女性も登場しますが、恋愛には発展しません。
俺は北国の王子の失脚を狙う悪の側近に転生したらしいが、寒いのは苦手なのでトンズラします
椿谷あずる
BL
ここはとある北の国。綺麗な金髪碧眼のイケメン王子様の側近に転生した俺は、どうやら彼を失脚させようと陰謀を張り巡らせていたらしい……。いやいや一切興味がないし!寒いところ嫌いだし!よし、やめよう!
こうして俺は逃亡することに決めた。
大嫌いだったアイツの子なんか絶対に身籠りません!
みづき
BL
国王の妾の子として、宮廷の片隅で母親とひっそりと暮らしていたユズハ。宮廷ではオメガの子だからと『下層の子』と蔑まれ、次期国王の子であるアサギからはしょっちゅういたずらをされていて、ユズハは大嫌いだった。
そんなある日、国王交代のタイミングで宮廷を追い出されたユズハ。娼館のスタッフとして働いていたが、十八歳になり、男娼となる。
初めての夜、客として現れたのは、幼い頃大嫌いだったアサギ、しかも「俺の子を孕め」なんて言ってきて――絶対に嫌! と思うユズハだが……
架空の近未来世界を舞台にした、再会から始まるオメガバースです。
好きなあいつの嫉妬がすごい
カムカム
BL
新しいクラスで新しい友達ができることを楽しみにしていたが、特に気になる存在がいた。それは幼馴染のランだった。
ランはいつもクールで落ち着いていて、どこか遠くを見ているような眼差しが印象的だった。レンとは対照的に、内向的で多くの人と打ち解けることが少なかった。しかし、レンだけは違った。ランはレンに対してだけ心を開き、笑顔を見せることが多かった。
教室に入ると、運命的にレンとランは隣同士の席になった。レンは心の中でガッツポーズをしながら、ランに話しかけた。
「ラン、おはよう!今年も一緒のクラスだね。」
ランは少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑み返した。「おはよう、レン。そうだね、今年もよろしく。」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる