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ACT3-2
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いや、同一人物のはずがない。
この女は、美しさの他に洗練された仕草と独特の色気がある。
それに顔もスタイルもまるで違うじゃないか。
万が一整形したとしても、あのしのぶが、これほど完璧なスタイルと顔立ちになるはずがない。
そんなことを考えていた俺に、艶やかな微笑みで美麗は言う。
「結局あなたは、その『しのぶ』のことをどう思っていたの?」
「都合の良い女としか、思えなかったな」
「都合の良い女、ね・・・」
美麗は可笑しそうに喉の奥だけで笑って、カクテルグラスに唇をつける。
俺は、水割りを飲みながらなんとなく昔話を続けた。
しのぶは、決して性格の悪い女ではなかった。
ただ、田舎臭くてブスなだけだった。
あの日の夕方、至極素直にしのぶは俺の家に電話をかけてきた。
当時の俺も一人暮らし、しのぶも一人暮らしだった。
確かあの時、飯を食いに行かないか?と言ったのは俺の方だった気がする。
しのぶは、俺に対して何の疑いも無さそうに、待ち合わせしたファミレスにやってきた。
普通に飯を食った後、「しのぶの部屋に行っていい?」と聞いたら、しのぶは躊躇いながら「うん」と答えた。
結局、出会ってその日のうちにセックスすることになった。
案の定、しのぶは処女だった。
それでもしのぶは俺を受け入れた。
部屋の電気を消して、極力しのぶの顔を見ないように、ただ、目の前で揺れる巨乳だけを見ながら事に及んでいたのを覚えてる。
「ずっと、処女のままだと思ってたの・・・私、ほら、可愛くないから」
全ての事が終わったあと、放心状態で俺の腕に寄りかかったしのぶはそう言った。
俺はタバコをふかしながら、上の空で「そうなんだ・・・」と答えたような気がする。
しのぶはブスだったけど、俺のことを不愉快にするような態度も言動もしない女だった。
そういう意味では、居心地がよかったのかもしれない。
それからしばらく、しのぶとの関係は続いた。
もちろん、他の女が捕まらい時のキープとしてだ。
俺はまだ学生で、しのぶは一応社会人。
気づいたら、俺の飲食代は全てしのぶ持ちになっていた。
親の仕送りで遊んで金が尽きたら、しのぶに言えば金を貸してくれた。
他の女と遊ぶ金、サークルの合宿にかかる費用、洋服、その他生活にかかる金のほとんどを、しのぶに出させていた。
俺が言えば、しのぶは喜んで金を出した。
だけど、そんなある日。
俺がいつもように金を借りに行くと、しのぶは、浮かない顔をしていた。
「どうしたん?」
そう聞いた俺に、しのぶは、うつむき加減のまま遠慮がちに言った。
「お父ちゃんが倒れて、入院費、私が出さないといけなくなったから・・・
柴田くん、ごめん・・・今日はお金出せない・・・」
今まで、俺の言うことに逆らったことのないしのぶが、初めて俺の言葉に逆らった。
その事実が、俺には無償に許せなかった。
「今日は踊りに行くから金用意しとけって言っただろ?
なんで急にそんなこと言い出すんだよ?」
不機嫌そうにそう言った俺に、しのぶはやけに悲しそうな顔をして答えた。
この女は、美しさの他に洗練された仕草と独特の色気がある。
それに顔もスタイルもまるで違うじゃないか。
万が一整形したとしても、あのしのぶが、これほど完璧なスタイルと顔立ちになるはずがない。
そんなことを考えていた俺に、艶やかな微笑みで美麗は言う。
「結局あなたは、その『しのぶ』のことをどう思っていたの?」
「都合の良い女としか、思えなかったな」
「都合の良い女、ね・・・」
美麗は可笑しそうに喉の奥だけで笑って、カクテルグラスに唇をつける。
俺は、水割りを飲みながらなんとなく昔話を続けた。
しのぶは、決して性格の悪い女ではなかった。
ただ、田舎臭くてブスなだけだった。
あの日の夕方、至極素直にしのぶは俺の家に電話をかけてきた。
当時の俺も一人暮らし、しのぶも一人暮らしだった。
確かあの時、飯を食いに行かないか?と言ったのは俺の方だった気がする。
しのぶは、俺に対して何の疑いも無さそうに、待ち合わせしたファミレスにやってきた。
普通に飯を食った後、「しのぶの部屋に行っていい?」と聞いたら、しのぶは躊躇いながら「うん」と答えた。
結局、出会ってその日のうちにセックスすることになった。
案の定、しのぶは処女だった。
それでもしのぶは俺を受け入れた。
部屋の電気を消して、極力しのぶの顔を見ないように、ただ、目の前で揺れる巨乳だけを見ながら事に及んでいたのを覚えてる。
「ずっと、処女のままだと思ってたの・・・私、ほら、可愛くないから」
全ての事が終わったあと、放心状態で俺の腕に寄りかかったしのぶはそう言った。
俺はタバコをふかしながら、上の空で「そうなんだ・・・」と答えたような気がする。
しのぶはブスだったけど、俺のことを不愉快にするような態度も言動もしない女だった。
そういう意味では、居心地がよかったのかもしれない。
それからしばらく、しのぶとの関係は続いた。
もちろん、他の女が捕まらい時のキープとしてだ。
俺はまだ学生で、しのぶは一応社会人。
気づいたら、俺の飲食代は全てしのぶ持ちになっていた。
親の仕送りで遊んで金が尽きたら、しのぶに言えば金を貸してくれた。
他の女と遊ぶ金、サークルの合宿にかかる費用、洋服、その他生活にかかる金のほとんどを、しのぶに出させていた。
俺が言えば、しのぶは喜んで金を出した。
だけど、そんなある日。
俺がいつもように金を借りに行くと、しのぶは、浮かない顔をしていた。
「どうしたん?」
そう聞いた俺に、しのぶは、うつむき加減のまま遠慮がちに言った。
「お父ちゃんが倒れて、入院費、私が出さないといけなくなったから・・・
柴田くん、ごめん・・・今日はお金出せない・・・」
今まで、俺の言うことに逆らったことのないしのぶが、初めて俺の言葉に逆らった。
その事実が、俺には無償に許せなかった。
「今日は踊りに行くから金用意しとけって言っただろ?
なんで急にそんなこと言い出すんだよ?」
不機嫌そうにそう言った俺に、しのぶはやけに悲しそうな顔をして答えた。
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