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5話 北部奪還作戦
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カイ:「あっけないな」
(ミミは両足で地面を蹴り、距離を取った)
ミミ:「……!」
カイ:「なるほど、私が殺した2人のクラウソードを抜刀したか」
(2人はクラウソードで押し合う)
ミミ:「隊長。いいえ、慈江カイ。何者ですか?」
カイ:「時間稼ぎか?それなら無意味だ。私はZ周波数を何段階上げようとも、体の負荷は出ないよ」
カイはチカラを込めた。
カイ:「……!」
ミミ:「きゃあ!」
ミミ:「(息が荒くなる)単純な興味です。カイ、あなた何者?」
カイ:「私は……、ムゲン体だよ」
ミミはクラウソードごと吹き飛ぶ。
ミミ:「えっ」
ミミ:ミミは地面に片膝をつく。
ミミ:(M)もう、カラダを持ち上げるのもツライや。ずっと見ていたハズの隊長の姿は、偽物だったのかな。私を殺した後、コロロちゃんを殺すのかな。
ミミ:(M)それは嫌だなー。コロロちゃん、可愛いから。私たちの分まで、生きてほしいよ。最後に一撃、試してみるかな。
ミミ:「いつから?いつから、ムゲン体ですか?」
カイ:「その質問を、最期にするか」
ミミ:「よっこいしょ」
ミミ:(M)もうボロボロの2本のクラウソードを、重ね合わせてZエネルギーを最大出力にする。持ち上げて……。
ミミ(M)振り下ろす!!
カイ:(M)なるほど。この一撃は、予想外だ。クラウ砲と同じ要領か。クラウ砲よりも威力は強い。
ミミ:(M)命の光。最期の一撃。気づいた時には両腕の骨が抉れていた。痛みを自覚する前に、禅帝ミミは光線の衝撃でカラダを軋ませ、その生涯を終えた。
(カイ、ほぼ無傷)
カイ:「ミミ、最初からだ。産まれた時から……私はムゲン体だよ」
(間)
(洞爺湖 西)
コロロ:(M)ダメだ。数が多いし強い!
コロロ:(M)少しずつだけど、数は減っていく。何体斬ったのか、分からないや。
コロロ:「皆んな!もう少し!もう少しだから……!」
(間)
コロロ:「もう、私しか……いない」
コロロ:(M)3方向から巨大なムゲン体が迫ってくる。限定解除をしたせいで、頭がフラつく。
カイ:「コロロだけか?」
コロロ:「隊長!」
コロロ:(M)私を取り囲むムゲン体の動きが停止した。隊長が……倒してくれたのかな?
コロロ:「た……隊長、無事だったんですね。皆んな、死んじゃって。私も……もう、動けなくて」
カイ:「そうか」
コロロ:「頑張ったんですけど、数が多くて……。ぐっ……」
カイ:「大丈夫だ。安心しろ。作戦は終わった。直に、JACKの救助部隊が来るだろう」
カイ:「副隊長……コウはどこにいる?」
コロロ:「大きい石の下にいます……。私たちが来た時には、既に」
カイ:「そうか」
コロロ:「ミミ……。ミミちゃんは?」
カイ:「ミミか。ミミも最期まで、頑張っていたぞ」
コロロ:「え。最後……」
カイ:「後のことは、コロロ……頼んだよ」
カイ:(M)全てはミミの音声データに残っているはずだ。
コロロ:「え、隊長。どこへいくんですか?」
カイ:「安心しろ。目的は達成された。お互いね。北部は無事奪還。我々は第8部隊の脅威を潰せた」
コロロ:(M)隊長は…何を言っているんですか?隊長がムゲン体と一緒に湖へ歩んでいく……。
カイ:「本当は、1番隊と3番隊を相手取っても良かったんだが。最善ではない。相性も悪いしな」
コロロ:「た……隊長?なんで、湖に消えてい……く」
コロロ:(M)私の意識はそこで失った。脳への負荷が凄まじく、3ヶ月間昏睡状態となった。
(間)
コロロ:(M)北部奪還作戦の概要
(コロロによる音読)
コロロ:死者37名。
コロロ:生存者1名。
コロロ:行方不明者1名。
コロロ:本作戦はJACK設立後、最も悲惨な作戦である。
コロロ:多くの犠牲と同時に、JACKの杜撰な組織体制が露見した。
コロロ:Z周波の扱い。隊員に対してのバックアップの少なさなど。
(間)
(前よりゆっくりめな口調)
コロロ:「はい。染毬博士。え?……部隊は続けますよ。怖くないと言ったら嘘になりますが」
コロロ:「脳への障害?コレといった不便さは感じませんけど」
コロロ:「私の次の所属先ですか?第……11部隊?」
コロロ:「多い部隊は嫌です……。仲間を……大切になった人を失うのが……怖いので」
コロロ:「……少ないんだ。……良かったぁ」
コロロ:「ジュース、買ってきてくれたんですか?ありがとうございます。時々、遊びに来てもいいですか?」
コロロ:「嬉しい……です」
END
(ミミは両足で地面を蹴り、距離を取った)
ミミ:「……!」
カイ:「なるほど、私が殺した2人のクラウソードを抜刀したか」
(2人はクラウソードで押し合う)
ミミ:「隊長。いいえ、慈江カイ。何者ですか?」
カイ:「時間稼ぎか?それなら無意味だ。私はZ周波数を何段階上げようとも、体の負荷は出ないよ」
カイはチカラを込めた。
カイ:「……!」
ミミ:「きゃあ!」
ミミ:「(息が荒くなる)単純な興味です。カイ、あなた何者?」
カイ:「私は……、ムゲン体だよ」
ミミはクラウソードごと吹き飛ぶ。
ミミ:「えっ」
ミミ:ミミは地面に片膝をつく。
ミミ:(M)もう、カラダを持ち上げるのもツライや。ずっと見ていたハズの隊長の姿は、偽物だったのかな。私を殺した後、コロロちゃんを殺すのかな。
ミミ:(M)それは嫌だなー。コロロちゃん、可愛いから。私たちの分まで、生きてほしいよ。最後に一撃、試してみるかな。
ミミ:「いつから?いつから、ムゲン体ですか?」
カイ:「その質問を、最期にするか」
ミミ:「よっこいしょ」
ミミ:(M)もうボロボロの2本のクラウソードを、重ね合わせてZエネルギーを最大出力にする。持ち上げて……。
ミミ(M)振り下ろす!!
カイ:(M)なるほど。この一撃は、予想外だ。クラウ砲と同じ要領か。クラウ砲よりも威力は強い。
ミミ:(M)命の光。最期の一撃。気づいた時には両腕の骨が抉れていた。痛みを自覚する前に、禅帝ミミは光線の衝撃でカラダを軋ませ、その生涯を終えた。
(カイ、ほぼ無傷)
カイ:「ミミ、最初からだ。産まれた時から……私はムゲン体だよ」
(間)
(洞爺湖 西)
コロロ:(M)ダメだ。数が多いし強い!
コロロ:(M)少しずつだけど、数は減っていく。何体斬ったのか、分からないや。
コロロ:「皆んな!もう少し!もう少しだから……!」
(間)
コロロ:「もう、私しか……いない」
コロロ:(M)3方向から巨大なムゲン体が迫ってくる。限定解除をしたせいで、頭がフラつく。
カイ:「コロロだけか?」
コロロ:「隊長!」
コロロ:(M)私を取り囲むムゲン体の動きが停止した。隊長が……倒してくれたのかな?
コロロ:「た……隊長、無事だったんですね。皆んな、死んじゃって。私も……もう、動けなくて」
カイ:「そうか」
コロロ:「頑張ったんですけど、数が多くて……。ぐっ……」
カイ:「大丈夫だ。安心しろ。作戦は終わった。直に、JACKの救助部隊が来るだろう」
カイ:「副隊長……コウはどこにいる?」
コロロ:「大きい石の下にいます……。私たちが来た時には、既に」
カイ:「そうか」
コロロ:「ミミ……。ミミちゃんは?」
カイ:「ミミか。ミミも最期まで、頑張っていたぞ」
コロロ:「え。最後……」
カイ:「後のことは、コロロ……頼んだよ」
カイ:(M)全てはミミの音声データに残っているはずだ。
コロロ:「え、隊長。どこへいくんですか?」
カイ:「安心しろ。目的は達成された。お互いね。北部は無事奪還。我々は第8部隊の脅威を潰せた」
コロロ:(M)隊長は…何を言っているんですか?隊長がムゲン体と一緒に湖へ歩んでいく……。
カイ:「本当は、1番隊と3番隊を相手取っても良かったんだが。最善ではない。相性も悪いしな」
コロロ:「た……隊長?なんで、湖に消えてい……く」
コロロ:(M)私の意識はそこで失った。脳への負荷が凄まじく、3ヶ月間昏睡状態となった。
(間)
コロロ:(M)北部奪還作戦の概要
(コロロによる音読)
コロロ:死者37名。
コロロ:生存者1名。
コロロ:行方不明者1名。
コロロ:本作戦はJACK設立後、最も悲惨な作戦である。
コロロ:多くの犠牲と同時に、JACKの杜撰な組織体制が露見した。
コロロ:Z周波の扱い。隊員に対してのバックアップの少なさなど。
(間)
(前よりゆっくりめな口調)
コロロ:「はい。染毬博士。え?……部隊は続けますよ。怖くないと言ったら嘘になりますが」
コロロ:「脳への障害?コレといった不便さは感じませんけど」
コロロ:「私の次の所属先ですか?第……11部隊?」
コロロ:「多い部隊は嫌です……。仲間を……大切になった人を失うのが……怖いので」
コロロ:「……少ないんだ。……良かったぁ」
コロロ:「ジュース、買ってきてくれたんですか?ありがとうございます。時々、遊びに来てもいいですか?」
コロロ:「嬉しい……です」
END
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