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第8章 人族の中の竜

第8章 人族の中の竜 7~THE UNFORGIVEN

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第8章 人族の中の竜 7~THE UNFORGIVEN

●S-1:男爵領上空/飛行船内


 帝国から侵入してきた教会・バラント男爵連合軍は全面的に潰走をしていた。
 飛行船の艦橋から見下ろすと蜘蛛の子を散らすように逃げ惑う兵士たちが見えた。
 その姿は略奪と殺戮を約束された獰猛な姿はなく、恐怖と混乱の中で必死に逃げ惑っているものだった。
 無様というしかないのだが、それが戦いで敗北するという事でもある。
 敗色が見えると兵士は真っ先に逃げ出すのだ。
 そこには守るべき郷土愛もなにもない。
 奪う側から奪われる立場に墜ちた惨めな生物の生存本能の発露でしかない。

「これで逃げ去ってくれると良いんスがね」
 クローリーは微かに安堵の色を見せながら零した。
 指先で襟元を直す。
 緊張が解れたのだ。

「……追撃して殲滅した方が良い、そうは考えないのか?」
 ヴァースがクローリーを見る。
 そこに表情はない。
 クローリーの反応を見ているようであった。

「ん。あー?めんどくせーっス」
 クローリーは笑う。
「それにあのうちの何人かでも後悔して改心してくれたら、戦いは減っていくんスよ」
 これは彼の本心でもある。
 世の中を斜に構えて見ている割には人間を性善説で見ているふしがある。
 それは領主としては甘い考えなのだが、彼には理想があった。
 小さな幸せを積み上げた世界。
 そこそこ困らない程度に庶民が生活できることで、社会全体が平和で豊かになるんじゃないかというものだ。
 最も豊かな時代に生きた賢者セージとの雑談の中で感じたことだった。
 衣食足りて礼節を知るというのが彼の求める世界なのだ。

「ただ……今後、戦いの準備はちゃんとしなくちゃなんねーっスな」
「ほう?」
 ヴァースの声が少し低くなった。
「今度はこちらから攻めていくのか?」

「まさか」
 クローリーは頭を振った。
「相手は異世界召喚者ワタリ……エルフの大魔法を使ってきたんス」
「それで……?」
「今回はたまたま相性が良くて何とかなった。でも、別の属性の魔法を使うやつが出てきたら厄介なことになるんス」

 クローリーは指先で羅針盤をとんとんと叩いた。
 考える時に指先を動かすのは彼の癖だ。
「向こうは地の精霊魔法だったっス。だから空を飛ぶ飛行船にはすぐに対処できなかった。でも、これが炎の精霊魔法だったら……こっちが丸焼けになったっスな」
「どういう意味だ?」
「いやね。オレも完全に理解してるわけじゃねーっスが、精霊魔法は属性があるっス」
 羅針盤の方位を指さす。
「地、水、火、風。まあ、それだけじゃねーんスが大まかな所ではそう。この4つの属性はこう……車輪の様に4竦みな関係なんス」
 ヴァースはクローリーの指先を見る。

「地の属性は水に強い。水の属性は火に強い。火の属性は風に強い。風の属性は地に強い……って感じで」
「ロック、ペーパー、シザーズみたいじゃな」
 ヒンカが横から口を出した。
 岩(ロック)、紙(ペーパー)、鋏(シザーズ)はジャンケンのことである。
「あー。まさにそれっスな」
 クローリーが肯定する。

「つまり、今回は空を飛ぶ風の立場だから優位に立ったんスが、次は相手が火の大魔法をもって来たら目も当てられないっス」
 クローリーが両掌をぱーっ開いて見せる。
「だから、何か対策を用意しておかないと次が危ないってことっスな」
「何か考えがあるの?」
「いや。まー。そっちはねーこともねーっスな。ほら、あそこに」
 クローリーが沙那を指差した。
 少年を優しく抱いたまま、ぺんぎんたちに囲まれている姿があった。
 ほとんど幼稚園児に囲まれる保母さんだ。

「さにゃには水の精霊イズミちゃんがついてるっス。ありゃあ妖精女王フェアリー・クイーン級のとんでもねーシロモノなんス」
妖精女王フェアリー・クイーン?」
 ヴァースがぎょっとして沙那を見る。
 時折、見え隠れするオーラは確かに強大な精霊のものだった。
 本来なら人間の召還に応じるような存在ではない。
 ましてや人間物質界に常駐することなどありえないはずなのだが……。

「それだけでもすげーことなんスけど、可能な限りの対処法を持っておくことが必要って思ったんス」
「それはそうだな」
 シュラハトが頷いた。
「俺も大魔法を目にしたの初めてなんで確実なことは言えねえが。対処法が無ければ一方的に蹂躙されかねねえ。……なるほど、王や大貴族が異世界召喚者ワタリを欲しがるはずだぜ。万単位の軍隊でも一掃できそうだ  
「そーっス。んで、それを見せつければ脅しに使える戦略兵器にもなるんス」
「戦略……なんだって?」
 シュラハトが首を傾げた。

「交渉っていうほどにもならないっス。これを食らいたくなければ何でも差し出せって脅かせるんス。逆らうことが出来なければいうことを訊くしかないんスな」
「ふむ。逆に言えば……それを持っていれば一方的に発言権……いや、もう命令権だな、を手に入れることになるのか」
「そーっス」
「核兵器みたいなものデスナ」
 マーチスも同意する。
 持つものと持たざる者で、実質的に支配者と被支配者に立場を固定しかねない。
  
「……ならば。異世界からエルフを召喚しまくる気なのか?」
「まさか。そんなめんどくせーことしねーっス」
 クローリーが笑った。
「何百何千と召還しても大魔法を使える異世界召喚者ワタリはまず現れないんスよ。確率が恐ろしいほど低すぎるんスな」
「なら、どうするというのだ?」
 ヴァースにはクローリーの言いたいことが見えなかった。
「さにゃたちみたいなの持ってる知識……科学っていうらしいんスが、そいつでなんとかできねーか試す方が確実っぽい気がするんス」

「ほう……?確実に勝てるとは限らないぞ」
「勝てなくても良いんスよー」
 右手と左手で形を作る。
「ロック、ペーパー、シザーズ。で、ロックとロックなら引き分けっス。戦いは必ず勝たなくても、負けなければ充分なんスよ」
 右手のグーと左手のグーを突き合わせる。
「つまり……戦争の意味をなくして侵略する気をなくせばオッケーってことっス。こっちが攻めていかないうちは」

「なるほど……」
 ヴァースは頷く。
「おまえはルキウスに少し似てるな……」
 1000年前の記憶にある金髪の青年を思い出した。
「誰っスか……?」
「なに。古い友人のことを思い出したのだ」
「へー」
 クローリーは補助椅子に腰を下ろした。

「いやー。古代の英雄のことかと思ったすよ。ヴァースさん、謎めいてるし」
「古代の英雄……?」
「そーっス。大きな町の広場にはちょいちょい彫像が立ってるものなんスが、見たことないので?」
「彫像……?」
 ヴァースが眉を顰める。
 大きな町もなにも人間世界に降り立ったのは1000年ぶりなのだ。
 当時にも何かあっただろうか?

「帝国の初代皇帝ルキウス1世の像っスな。必ずセットで相棒だったという伝説のドラゴンがセットなんス」
「……ドラゴン……の相棒?」
「戦乱の大陸を纏め上げて、蛮族を追い払ったドラゴンライダーだった……ってことになってるっス。脚色が入ってるんだろーけども」
「……それは少し興味深いな」
 そうか。
 ヴァースは心の中で頷く。
 あの金髪の青年は平和で豊かな国を作るという夢をある程度は果たしたのだろう。
 胸に何かが込み上げてくる。
 途中で袂を分かったので、その先までは知らなかったが。

「ヴァル……なんだっけ。ヴァルスキウスとかって名前の……」
 彫像にはたいてい簡単な説明が彫ったプレートあるものだ。
 ついでに怪しい伝説も付随してたりするが。
「んでー。そのドラゴンが色っぽい、こーいう……」
 クローリーが手をくねくねと動かした。
 何かを形取ってるらしい。
「グラマーでセクシーな超絶美少女な上に皇帝の恋人だったとかで。胸を開けた子供の教育には良くない……なんつーか、えっちくさい彫像になってて」
「なんだそれは!」
「いやあ。あんな綺麗なねーちゃんが彼女ならそりゃあ『パパ頑張っちゃうぞ!』て気になって世界征服したくなるのかもしれねーっスな」
 クローリーはげらげらと笑った。

「ちょっと待て。……筋肉質の美しい青年の像になってたりはしないのか?」
「なってねーし。それじゃ美しくねーっスよ?英雄の相棒はやっぱり綺麗なおねーちゃんに限るっス」
「やり直しを要求したい……」
 ヴァースは天を仰いだ。
 1000年前の自分がまさか美少女化されていようとは。
「オレが似てるなんて言ったら、不敬罪で逮捕されるっスな」

 もしかしたら何でもかんでも美少女化するのは日本のサブカルチャーだけではなく、世界や時代や人種や民族をも超えて共通のことなのかも知れない。
 


●S-2:帝国賢人会議ウィティナイエモート

「教会の枢機卿が惨殺されたのです!」
 イストが立ち上がって声を上げた。
 その声は黄金宮ドーム・オリィトと呼ばれる会議場に響き渡った。
 宮殿といっても皇族の住居などではない。
 ごく一握りの権力者だけが集う会議に使われる場所だった。
 花の薫りが漂う長円形の巨大なマホガニー製のテーブルについている者は数えるほどだ。
 言葉から受ける印象とは異なり、帝国中枢の密室会議なのだった。
 政務に無頓着な現皇帝やその一族を他所に、実質的に帝国の意思決定機関が、この帝国賢人会議ウィティナイエモートだった。

 イストがこの場に立てるのは極めて異例なのだが、エムレイン伯爵家は家柄と格式だけならば帝国創世から続く由緒ある家系だ。
 凋落しつつあるとはいえコネクションはある。
 それでも伯爵家の次男程度の地位では参加できる場でないことも確かなはずだったが。
 今の彼は伯爵家当主だった。
 次期当主であった凡庸な兄は不慮の事故で亡くなった。
 前当主であった父も重い病で倒れた。
 結果として彼が後継者となったのだ。
 イストはいよいよ大きな舞台に立てる立場になったのだった。

「神の敵としてアレキサンダー男爵を告発するものであります」

 その姿を数人のメンバーが退屈そうに眺めていた。
 興味がない、というわけではない。
 各々に様々な思惑があるからだった。
 自分に損にならないよう、かつ自分の利益になるように。
 どう立ち回るべきか脳内は忙しく働いていることだろう。
 ただ、内心を誰にも探られたくないために無関心を装っているに過ぎない。

 帝国教会大主教ゲラルもその一人だった。
 大主教とは枢機卿会議の長であり、教会の頂点である。
 神の~という言葉が気にならない……というよりも気に食わなかったのだが、乗るべきか少し悩んでいた。
 否定的な意味ではない。
 むしろ前向きなのだった。
 
 正直なところ神がどうこうには全く興味がなかった。
 神官でありながら神を信じていないのだ。
 彼にあるのは欲望。
 権力欲、名誉欲、金銭欲……紛れもない生臭坊主だった。
 だからこそ門地のない彼が出世するには教会が一番だった。
 王侯貴族ではない彼が成り上がっていくためには最も確実な手段が宗教なのだ。

 マリエッラの姉ルチアのように生命力を他人に渡すことのできる少年少女を集めて、その命と引き換えに私腹を肥やした張本人だった。
 若返りや延命に繋がる奇跡の魔法は高く売れた。
 貴族どころか皇室にまで食い込めるようになった。
 すでに何不自由のない生活ができる立場にあった。
 むしろ富貴の限りを尽くせるといっても良い。
 それほどの立場にあっても彼は強欲だった。

「邪悪な魔女を用いた魔法でクライスキー枢機卿を殺害したのです」

 そう訴えるイストの声をぼんやりと、否、表面上は厳粛そうに聞いて頷いた。
 実際のところ枢機卿が一人死んだところで痛くも痒くもない。
 大主教の地位を狙える立場にあるライバルが一人減っただけのことだ。
 むしろ邪魔者を消してくれたクローリーにはお褒めの言葉でも与えたいくらいだった。

 ただ、ゲラルが気にしていたのはクライスキーもまた強欲な人物であることを熟知していたところだった。
 クライスキーもまた信心深いとは程遠い人物なのだ。
 何かしらの大きな見返りが無ければ自ら動いたり、陛下の神殿騎士団を動かしたりはしないはずだった。
 金だろうか。辺境の貧しい男爵程度にどれ程の資産があるだろう
 今一つ合点がいかない。
 いや。魔女?

「……魔女とは、エルフの大魔法とは異なるものなのであろうか?」
 思い当たるのはそれくらいだった。

「かの魔女は召喚されたエルフではありますが、大魔法を使えないことは召喚時に確認済みであります」

「そう、であるか。どのようなものであるかは判明しておるのか?」

「いえ。明確には存じませんが何やら未知の魔法ではあったようです」 

「ほう。未知の」
 ゲラルは唾を飲み込んだ。
 なるほど。クライスキーは何かを嗅ぎ付けたのだろうか。
 強大なエルフの大魔法ではないとしても何かしら捨て置けないほどの効果があるものなのかもしれない。
 奇跡の魔法か、あるいはそれに類するものかもしれない。
 イストに恩を売りつつ、利用される振りをして横から掠め取るのもありかもしれない。


「それは少しばかり興味がありますねえ」
 二人の話を眠たそうに窺っていた老人が口を開いた。
 帝国学術院総裁にして魔術学院長ジュールだった。
 虹色の光沢をもつフードマントを揺らして、じっとイストを見詰める。
「どのような効果なのかも判らないのですか?」

「……未確認でありますが、目撃情報でよければ」
 イストは手元にある羊皮紙のメモに目を落とす。
「煙を吐きながら走る馬車。これからは水流が噴出していたという報告もあります。あとは空を飛ぶ……砦のようなもの」

「砦?」

「はい。その飛行する砦から……眉唾ではありますが火球や石礫などを撃ち出してきた模様です。石弓でしょうか」

「……ふむ」
 ジュールは目を細めた。
 彼は魔法自体よりも、魔法装置として捉えていた。
 何を隠そう、クローリーの研究に興味を持った教授とは彼の事なのだ。
 いよいよその研究成果が出てきたのかもしれないと考えたのだった。
 クローリーが何を作ったのかに興味があった。
 主に家庭用品を作ろうとしていた気がしていたのだが、兵器に応用できる何かがあったのだろうか。


「ともかくも。神に仇なす者を放置はできないのではありませんか?」
 イストはあくまで教会を動かそうとしていた。
 教会の名を掲げることが出来れば諸侯を動かしやすい。
 しかし、なかなか決断はされないことに苛立ちを感じていた。
 皆それぞれの思惑があり、手間を掛けたくないからだ。


「……では、どうしましょう」 
 ほとんど眠っているような表情だった老人が発言を始めた。
 帝国宰相ボルフォート公爵である。
 切れ者というよりはのらりくらりと政界を渡り歩いてきた男だった。
 旗色を鮮明にしないことで立場を守ってきたといって良い。
 そして、彼は他人に労力を押し付ける人物でもあった。

「教会の立場では無視はできないでしょう。多少の出兵は致し方ないとは思われますな」
 陰気で皺枯れた声だった。
「ですが、大規模な出兵は内乱を呼びかねません」
 教会とイストに配慮した言葉だった。
「ですからここは……東方を預かるエステルラレン王に対処を任せしたいと思います」 

 エステルラレン王ヘインリヒは野心家というよりも略奪を好む種類の人間である。
 自分の懐を潤し、征服欲を満足させることが生きがいのように見えた。
 何かカネになりそうなものがあると思えば喜んで馳せ参じよう。
 ボルフォートはそのことを良く知っていた。
 彼はイストの言葉に呼応するつもりはなかった。
 むしろ何を行おうとしているのかを確認したかった。

 すなわち。
 教会の面子を立てつつ、イストの考えを確認し、そのためには適当な戦争狂ウォーモンガーを動かせば良いと考えていた。
 野心を利用すべきだった。
 何か失敗が起きても自分の手は汚さない。
 玉虫色の回答でお茶を濁すのだ。
 
「鎮圧できれば良し。栄えある教会騎士団と勇猛なるヘインリヒ王ならば不覚は取りますまい」
 そして意味のない追従。
 ここで多少なりと動けばきちんと対処したように見える。
 結果は辺境の男爵領が一つ消えるだけだ。
 ボルフォート公爵的にも何一つ手を下さないために失うものはない。

「……では、期待いたします」
 イストは少し引き下がった。
 帝国としては大した手間でもないが、クローリーを滅ぼすには充分だと思われた。
 彼にとって満足すべき結論ではないものの充分だろう。



 クローリーたちはそう柔ではなかったのだが。
 
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