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Episode 30 男の娘 夜美お嬢様②
しおりを挟む「じゃ、行こっか、ゆうと」
「は、はい、夜美お姉…様……」
ボクは、夜美ちゃんと一緒に貴族の方がお待ちになられている応接室へと向かった。
行く途中、夜美ちゃんから今日来ているレイナード卿の事について聞かされる。
子爵家の嫡男で、最近貴族派閥の中でもメキメキと力をつけてきている有望株の男性だという。
ただし、幾つかの派閥を蝙蝠の様に渡り歩くタイプなので王寄りの派閥に止めておきたい人らしい……
レイナード卿は、少し変わった性癖の持ち主で、夜美ちゃんは、彼を接待するように言われていると言う。
話を聞いていると、それがただの接待には、到底思えなかった。
夜美ちゃんは、これからそのレイナード卿という人とどんな事をするのだろう?
ボクの頭の中は、不安でいっぱいだった。
◇
コンコン…
「失礼致します。レイナード卿」
ガチャリ…
応接室に入ると、皮張りの長椅子に一人の紳士が座っていた。
立派な口髭ときちんとセットされた横分けの髪は、綺麗なロマンスグレーをしていた。
高級そうなブラウスにマオカラーのベストを合わせた着こなしは、いかにも貴族という上品さを感じさせる。
ボクの中での印象は、ご主人様程じゃないけど、ダンディーで格好良いおじさまという感じだった。
「これは、これは、夜美お嬢様。このレイナード、お会い出来る日を待ち望んでおりましたぞ」
「レイナード様、お久しぶりでございます。お変わり無さそうで何よりです」
「で、其方のお嬢様は?」
「あ、この子は、ゆうと。最近この後宮に入った子で……今日は、勉強の為に付き添わせました。お気に召されませんか?」
「そ、その様な事は……これ程の美しい男の娘に見られ……い、いや、ゴホンッ、ご一緒出来るとは、光栄でございます故に……」
レイナード卿は、チラリとボクの方に視線をやる。
先程迄のダンディーな雰囲気が一瞬だけ変わった気がした。
「は、初めまして。ゆ、ゆうとです。宜しくお願いします」
ボクは、丁寧に腰を曲げてお辞儀をした。
「さっ、それでは、レイナード様。場所を変えましょうか?」
「そ、そうですな、夜美お嬢様。このレイナード、胸の高鳴りを抑えられぬが故……」
ギシッ…
レイナード卿がゆっくりと椅子から立ち上がる。
気のせいかお召しになられているトラウザーパンツの前面が……
少し膨らんでいる様に思えた。
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