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久しぶりの入院生活
正式な退院
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次の日
僕は、朝一で退院となった。
八時に起きて、荷物を準備している
「お兄ちゃん帰っちゃんうんだっけ?」
「そうだよ」
「お姉ちゃんを頼んだよ」
「任せて」
「あのことはお姉ちゃんには伝えるの?」
「今はまだ伝えたくないかな
でも、いつかは絶対に伝えるよ」
「私たちには、時間が残されてないんだから
いつかやるって思ったことは、今やらなきゃ」
そうだ。
僕に残されている時間は少ないんだった。
暁さんとのうのうと過ごしていたせいで、完璧に忘れていた。
伝えたいことは今のうちに伝える
これは、重病人の掟のひとつだ。
チャンスは少ない。
だからこそ、できるタイミングで
「わかった」
「それじゃあ、今度はお見舞いでね
また入院したとか言ったら怒るから」
「わかった」
その後も準備を続け、10時に退院手続きを済ませた。
さすがに暁さんは学校があったので、家帰ってから会うことになった。
途中から学校に行く気も起きなかったので、家でのんびりと過ごすことにした。
しかし、病院の設備っていうのはすごいもんだ、
体の疲れとか、痛みも全部抜けていた。
入院するのは嫌だが、たまに来るのはいいかもしれない。
人工透析的なノリで、点滴だけやってくれるかも。
誰もいない家というのは、寂しいもんだ。
話しかける相手もいない。
一緒に勉強してくれる相手もいない。
こうしていると、暁さんの寂しさが身に染みて伝わってくる。
僕がこのうちに来るまで、こんな経験をずっとしていたのだろう。
こうやって思ってみると、意外と少しは役に立ててるかもしれない。
話し相手になっていると言うだけでも、役には立ててるのかな
そしたら、少し嬉しい気がした。
ゆったりとした時間は早く過ぎ去っていく。
受験も間際なので、単語帳や文法の復習、公式の見直し、漢字の見直しをしていた。
気がつけば日が傾き、暁さんから連絡が入った。
「今から帰ります」
ということらしい。
僕が退院したことを知っているのは確実となった。
なんせ、知らなければ、わざわざ送ってはこないだろう。
まあ、2人とも忙しいし、短期間だから、退院パーティーとかもなしか。
まあ別に期待してたわけじゃないんだけどね
いやほんとだから
別に、もしかしたらなんて思ってないから
まあ、ケーキのひとつぐらいは欲しかったけど
それから、少しの間勉強を続けていると
「たっだいま~」
暁さんが帰ってきた。
「蓮いる?」
「いるよ~」
「良かった退院出来て
ホントならパーティーでもしたい所だけど、それはまたいつか
今は受験があるからね」
「わかった」
そのまま、暁さんは手を洗いに行ってしまった。
いや、サプライズとか期待してないし
まあ、受検終わればケーキとか待ってるんだろうし
うんうん
なんて、謎の自己暗示をかけてみた。
そんなことをしていたら、暁さんがご飯を作ってくれた。
そのまま、いつものように、ご飯を食べ終わった。
二人で話しながら食べるのは楽しかった。
「そんじゃ、風呂はいってきます」
と言って、風呂に入った。
なんとなくのままここまで過ごしていた。
だから、考えるべきことを忘れていた。
暁さんに伝えるべきか否か
伝えないとしたら、理由はなんだろう
怖いから?
信用してないから?
それとも...
いや、伝えるべきだ
伝えなきゃなんにも始まらないじゃないか
その意気込みと同じくらいの勢いで立ち上がったら
「うわっ」
貧血で浴槽に逆戻りしましたとさ
そして、風呂を出て、暁さんが風呂に入った。
どんな感じに話そうか
ちょっと気まずくなるかもなぁ
そんなことばかり考えていたら、暁さんが風呂から出てしまった。
「光」
「ん?」
「ちょっと話したいことあるんだけど」
「大事な話?」
「うん」
「いいよ、今なら」
「僕の家族についてなんだけど
僕の家族が海外にいるってのは嘘なんだ」
「やっぱり」
「気が付いてた?
まあ、僕は嘘つくの下手くそだからね
そんじゃ、今の親がどうしているのか
まあ、はっきり言うと、もういないよ」
「...」
「僕の親はすごい優しかったんだ
僕が病気だって知っても、責めたりはしなかった
ちょっと優しすぎたからなんだけどね
僕の入院が決まってから、入院費をしっかり稼ごうとしたんだ
そのために、ともバタで、深夜まで残業し通しだった
しかも、僕にクリスマスプレゼントを買ってこようとしたんだ
しかもサプライズでね
そのために、もっと働き詰めになってたんだ
あの日は覚えてるかな
雪の降るクリスマスイブ」
「覚えてる
とても綺麗だったもん」
「それが仇になった
眠い目を擦りながら、僕の病院に車で来たんだ
しかも、雪の中で
そして、スリップ事故を起こしたんだ
他の車は巻き込まなないで、自分の車だけの事故だった」
「それで、亡くなったの?」
「そうだよ
だから、僕には家を売る選択しか無かった
でも、家を売ってすぐに退院したから、まあまあお金があるって感じかな」
「そうだったんだ
だから、蓮の親に会うことは出来ないし、電話も出来なかったのか」
「いなけりゃ話せるわけないもんね」
「教えてくれてありがとね」
「へ?」
「だって、私のことを信用してくれたってことでしょ
きっと、家族ぐらいの仲だと思ってくれたんだろうし」
「うん」
「それじゃあ、ちょっと気晴らしに勉強しよっか
蓮だってさすがに3日ぐらい勉強してないから、まずいんじゃない?」
「一緒に勉強しよっか」
やっと隠し事がひとつ話せた
しかも、嘘をついていたことについては何も言われなかった
話してくれたからいいらしい
正直、ちょっと悪い気がしていたが、許してくれたからいいんだろう
このスッキリとした心持ちで、勉強に臨むのだった。
僕は、朝一で退院となった。
八時に起きて、荷物を準備している
「お兄ちゃん帰っちゃんうんだっけ?」
「そうだよ」
「お姉ちゃんを頼んだよ」
「任せて」
「あのことはお姉ちゃんには伝えるの?」
「今はまだ伝えたくないかな
でも、いつかは絶対に伝えるよ」
「私たちには、時間が残されてないんだから
いつかやるって思ったことは、今やらなきゃ」
そうだ。
僕に残されている時間は少ないんだった。
暁さんとのうのうと過ごしていたせいで、完璧に忘れていた。
伝えたいことは今のうちに伝える
これは、重病人の掟のひとつだ。
チャンスは少ない。
だからこそ、できるタイミングで
「わかった」
「それじゃあ、今度はお見舞いでね
また入院したとか言ったら怒るから」
「わかった」
その後も準備を続け、10時に退院手続きを済ませた。
さすがに暁さんは学校があったので、家帰ってから会うことになった。
途中から学校に行く気も起きなかったので、家でのんびりと過ごすことにした。
しかし、病院の設備っていうのはすごいもんだ、
体の疲れとか、痛みも全部抜けていた。
入院するのは嫌だが、たまに来るのはいいかもしれない。
人工透析的なノリで、点滴だけやってくれるかも。
誰もいない家というのは、寂しいもんだ。
話しかける相手もいない。
一緒に勉強してくれる相手もいない。
こうしていると、暁さんの寂しさが身に染みて伝わってくる。
僕がこのうちに来るまで、こんな経験をずっとしていたのだろう。
こうやって思ってみると、意外と少しは役に立ててるかもしれない。
話し相手になっていると言うだけでも、役には立ててるのかな
そしたら、少し嬉しい気がした。
ゆったりとした時間は早く過ぎ去っていく。
受験も間際なので、単語帳や文法の復習、公式の見直し、漢字の見直しをしていた。
気がつけば日が傾き、暁さんから連絡が入った。
「今から帰ります」
ということらしい。
僕が退院したことを知っているのは確実となった。
なんせ、知らなければ、わざわざ送ってはこないだろう。
まあ、2人とも忙しいし、短期間だから、退院パーティーとかもなしか。
まあ別に期待してたわけじゃないんだけどね
いやほんとだから
別に、もしかしたらなんて思ってないから
まあ、ケーキのひとつぐらいは欲しかったけど
それから、少しの間勉強を続けていると
「たっだいま~」
暁さんが帰ってきた。
「蓮いる?」
「いるよ~」
「良かった退院出来て
ホントならパーティーでもしたい所だけど、それはまたいつか
今は受験があるからね」
「わかった」
そのまま、暁さんは手を洗いに行ってしまった。
いや、サプライズとか期待してないし
まあ、受検終わればケーキとか待ってるんだろうし
うんうん
なんて、謎の自己暗示をかけてみた。
そんなことをしていたら、暁さんがご飯を作ってくれた。
そのまま、いつものように、ご飯を食べ終わった。
二人で話しながら食べるのは楽しかった。
「そんじゃ、風呂はいってきます」
と言って、風呂に入った。
なんとなくのままここまで過ごしていた。
だから、考えるべきことを忘れていた。
暁さんに伝えるべきか否か
伝えないとしたら、理由はなんだろう
怖いから?
信用してないから?
それとも...
いや、伝えるべきだ
伝えなきゃなんにも始まらないじゃないか
その意気込みと同じくらいの勢いで立ち上がったら
「うわっ」
貧血で浴槽に逆戻りしましたとさ
そして、風呂を出て、暁さんが風呂に入った。
どんな感じに話そうか
ちょっと気まずくなるかもなぁ
そんなことばかり考えていたら、暁さんが風呂から出てしまった。
「光」
「ん?」
「ちょっと話したいことあるんだけど」
「大事な話?」
「うん」
「いいよ、今なら」
「僕の家族についてなんだけど
僕の家族が海外にいるってのは嘘なんだ」
「やっぱり」
「気が付いてた?
まあ、僕は嘘つくの下手くそだからね
そんじゃ、今の親がどうしているのか
まあ、はっきり言うと、もういないよ」
「...」
「僕の親はすごい優しかったんだ
僕が病気だって知っても、責めたりはしなかった
ちょっと優しすぎたからなんだけどね
僕の入院が決まってから、入院費をしっかり稼ごうとしたんだ
そのために、ともバタで、深夜まで残業し通しだった
しかも、僕にクリスマスプレゼントを買ってこようとしたんだ
しかもサプライズでね
そのために、もっと働き詰めになってたんだ
あの日は覚えてるかな
雪の降るクリスマスイブ」
「覚えてる
とても綺麗だったもん」
「それが仇になった
眠い目を擦りながら、僕の病院に車で来たんだ
しかも、雪の中で
そして、スリップ事故を起こしたんだ
他の車は巻き込まなないで、自分の車だけの事故だった」
「それで、亡くなったの?」
「そうだよ
だから、僕には家を売る選択しか無かった
でも、家を売ってすぐに退院したから、まあまあお金があるって感じかな」
「そうだったんだ
だから、蓮の親に会うことは出来ないし、電話も出来なかったのか」
「いなけりゃ話せるわけないもんね」
「教えてくれてありがとね」
「へ?」
「だって、私のことを信用してくれたってことでしょ
きっと、家族ぐらいの仲だと思ってくれたんだろうし」
「うん」
「それじゃあ、ちょっと気晴らしに勉強しよっか
蓮だってさすがに3日ぐらい勉強してないから、まずいんじゃない?」
「一緒に勉強しよっか」
やっと隠し事がひとつ話せた
しかも、嘘をついていたことについては何も言われなかった
話してくれたからいいらしい
正直、ちょっと悪い気がしていたが、許してくれたからいいんだろう
このスッキリとした心持ちで、勉強に臨むのだった。
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