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日常編(単発)
ちゃんと働いてます
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ある日、レヴェルは久しぶりに店を閉めて武器の製造作業に没頭していた。
そう、何も彼女はただの変態ストーカーでは無いのだ。実際は質のいい武器を手作りで作り続ける、上級勇者からもその腕を保証される凄腕鍛冶屋なのだ。
「ん?五百メートル先、西北西にマルセルくんの気配!」
やっぱりこいつはただの変態ストーカーだった。
ここは、デープ国きっての繁華街。洋服店や飲食店が立ち並び、多くの人が行き来しているが、レヴェルはそこに混じることなく、ビルの上を伝ってマルセルを探していた。
「マルセルくんどこ……あっ!いた!」
レヴェルの目線の先には、金髪の青年と歩く白髪の人がいる。
どうやら彼女には、マルセルから発せられる特殊な生体反応的なのを感じられるらしい。なんでかは知らねぇけど。
「あんな金髪の子、マルセルくんの友達にいたかな?フーリは金髪だけど染めてるし、クライブくんは灰色、イーデリッヒくんは紫でしょ……」
レヴェルは一人でブツブツ言っている。どうやらマルセルのことで分からないことがあるのが気に入らないらしい。
そんなことを考えていると、金髪の青年が横を向き、顔が見えた。
「あれ?ルイス?」
ルイスは、フーリの弟でレヴェルから見ると従兄弟にあたる。
確かにルイスとマルセルはお互いに面識はあるが、休日に二人で出かけるような仲ではない。
不審に思っていると、レヴェルはあることに気づく。
「ん……これ、マルセルくんの気配じゃない!」
本人曰く、凄く似ているが本人とは何かが違うらしい。何が違うのかは知らんけど。そして、この違いを考えると、どうやらあの人はマルセルではなくマルセラらしい。理屈は知らんけど。
「ちぇ。マルセラかよ。妹だからって似たような気を放ちやがって」
言いがかりもいいところだ。ってか気ってなんだよ。
ともかく、マルセラがレヴェルを騙した(?)ことは彼女の逆鱗に触れ、マルセラに精神的な嫌がらせをしようと思ったが、ルイスに免じて今日は引き上げた。
ちなみに、ルイスはマルセラの荷物持ちとして呼ばれていたが、役に立たなかった。
そう、何も彼女はただの変態ストーカーでは無いのだ。実際は質のいい武器を手作りで作り続ける、上級勇者からもその腕を保証される凄腕鍛冶屋なのだ。
「ん?五百メートル先、西北西にマルセルくんの気配!」
やっぱりこいつはただの変態ストーカーだった。
ここは、デープ国きっての繁華街。洋服店や飲食店が立ち並び、多くの人が行き来しているが、レヴェルはそこに混じることなく、ビルの上を伝ってマルセルを探していた。
「マルセルくんどこ……あっ!いた!」
レヴェルの目線の先には、金髪の青年と歩く白髪の人がいる。
どうやら彼女には、マルセルから発せられる特殊な生体反応的なのを感じられるらしい。なんでかは知らねぇけど。
「あんな金髪の子、マルセルくんの友達にいたかな?フーリは金髪だけど染めてるし、クライブくんは灰色、イーデリッヒくんは紫でしょ……」
レヴェルは一人でブツブツ言っている。どうやらマルセルのことで分からないことがあるのが気に入らないらしい。
そんなことを考えていると、金髪の青年が横を向き、顔が見えた。
「あれ?ルイス?」
ルイスは、フーリの弟でレヴェルから見ると従兄弟にあたる。
確かにルイスとマルセルはお互いに面識はあるが、休日に二人で出かけるような仲ではない。
不審に思っていると、レヴェルはあることに気づく。
「ん……これ、マルセルくんの気配じゃない!」
本人曰く、凄く似ているが本人とは何かが違うらしい。何が違うのかは知らんけど。そして、この違いを考えると、どうやらあの人はマルセルではなくマルセラらしい。理屈は知らんけど。
「ちぇ。マルセラかよ。妹だからって似たような気を放ちやがって」
言いがかりもいいところだ。ってか気ってなんだよ。
ともかく、マルセラがレヴェルを騙した(?)ことは彼女の逆鱗に触れ、マルセラに精神的な嫌がらせをしようと思ったが、ルイスに免じて今日は引き上げた。
ちなみに、ルイスはマルセラの荷物持ちとして呼ばれていたが、役に立たなかった。
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