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日常編(単発)
ショッピングモールデート
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ある日、マルセラとルイスは大型ショッピングモールに来ていた。先程入店したばかりで、今は休憩のためソファーに座っているところだ。しかし、マルセラは顔を赤くしてバツが悪そうにルイスの横に座っていた。
その理由は、遡ること三十分前、ルイスと集合した時……。
「マルセラさーん!ごめん遅くなっちゃった」
「マルセラさーん!ごめん遅くなっちゃった」
「マルセラさーん!ごめん遅くなっちゃった」
マルセラが集合場所に向かっていた時、そこには少し遅れたことを詫びる練習をしているルイスが遠目に見えた。
「ルイスくん……何やってるのかな?」
少々人間性を疑ったが、まぁ彼なりのサプライズのつもりなのだろう。そしてよく考えれば彼はフーリの弟なのだ。忘れかけていたがフーリは結構変人なのであいつ……あの人の影響を受けている弟も例外ではないだろう。確かに今まで変人具合はたまに露呈していたが、ここまで派手に来たのは初めてだ。勿論これでマルセラがルイスを嫌いになったわけでは無いので安心安心。
(まぁ気にしなくてもいっか。この物語の中じゃルイスくんまとも枠だし)
メタ発言はお控え願いたいです。
マルセラが思考を一旦止めて集合場所に歩を進めると、ついにルイスがこちらの姿に気づき、遅れて来たという前提を守るために垣根にダイビングした。
(そこまでしなくてもいいのに……)
そう思いながらもとりあえず気づいていないふりをしてベンチに座った。ルイスのいる垣根の中から思念というか、強い思いがヒシヒシと伝わってくる。そして暫くすると、ガサガサグギャギャバキバキグルングルンドッピャーと聞こえてきた。恐らくルイスが移動したのだろう。
(どんなオノマトペよ……)
これからまた暫く、軽快な足音と共に体中に葉っぱを付けたルイスが現れた。
「やぁマ、マルフェ……マルセラさん!遅うなってしまいました事をお詫び奉る!」
「噛み噛みじゃん!っていうか後半大和言葉だし!せっかくさっきまであんなに練習してたのに……」
「えっ、なんか言った?」
「う、ううん!何も言ってないよ!それより早く行こ!」
周りからの目線が痛い……。マルセラは半ば強引にルイスの腕を引っ張って、その場から急いで離れるように早歩きでショッピングモールの中に駆け込むと、初めは度肝を抜かれていたルイスはクスクスと笑い始めた。
「な、何?どうしたの?」
「いや、なんかマルセラさんがヒナタさんに似てるな~って」
「え?誰よその女!」
「何!?胸ぐら掴まないでよ!フ、フー兄さんの彼女!フー兄さんのだから!」
「そ、そう。ごめん……」
マルセラは顔をルイスから反らして赤面した。
「ヒナタさんもこうやって胸ぐら掴んでくるってリアンさんも言ってたな……。ますます似て見えるよ」
「もういいわよその人の話は……」
早歩きで来た疲れからかマルセラは深くため息をついて近くにあったソファーに座った。
「疲れちゃった?少し休もっか」
ルイスはマルセラの横に座ってくると、こちらをマジマジと覗いてくる。
「な、何?なにか付いてる?」
「いや、今日のマルセラさんオシャレって言うか、可愛いって言うか……」
「かっ、かかかか……かわ……!?か!か!かー?」
マルセラはまるでとち狂った烏みたいな声を出した。そう、昨日ルイスに買い物に誘われた時から彼女はこの白いワンピースを着ようと考えていたのだ。このワンピースは初デートの時に着ようと思ってずっとクローゼットにかけておいたのだが、ついにこの日が来たかと思うとその嬉しさから異常なテンションで着て来てしまった。つまり、マルセラは彼のことを……。
「そんなに可愛いのにマルセラさん彼氏できないんだね。悪魔だって召喚できるのに」
「悪魔は関係ないでしょ」
恥ずかしさを押さえ込み指をつんつんしながらながらマルセラは答えた。
「じゃあ、そろそろ買い物に行っていい?」
「うん……。って言うかさ、何買う予定なの?」
「フー兄さんから頼まれててさ……これ」
ルイスはスマホの画面にフーリから送られた商品の紹介ページのスクショを見せる。そこには……
「なにこれ……」
あからさまなオトナの玩具が表示されていた。
「だめ!そんなの買っちゃ!」
「え?なんで?」
「何がなんでも!」
「って言うかこれなんなの?変な筒みたいな……」
「これ以上この話は……」
「フー兄さんぼかして言ってくるから何だか分からなくてさ。『ヌルヌルで気持ちいい!』とか言ってくるし……」
「黙らっしゃい!」
マルセラに召喚されたイブリースによる全力の拳をぶつけられたルイスは半分気絶してしまった。こうしてマルセラの初デート(主観的判断)はルイスの純粋な心を利用したフーリのエロ心によって踏みにじられてしまったのであった。
その理由は、遡ること三十分前、ルイスと集合した時……。
「マルセラさーん!ごめん遅くなっちゃった」
「マルセラさーん!ごめん遅くなっちゃった」
「マルセラさーん!ごめん遅くなっちゃった」
マルセラが集合場所に向かっていた時、そこには少し遅れたことを詫びる練習をしているルイスが遠目に見えた。
「ルイスくん……何やってるのかな?」
少々人間性を疑ったが、まぁ彼なりのサプライズのつもりなのだろう。そしてよく考えれば彼はフーリの弟なのだ。忘れかけていたがフーリは結構変人なのであいつ……あの人の影響を受けている弟も例外ではないだろう。確かに今まで変人具合はたまに露呈していたが、ここまで派手に来たのは初めてだ。勿論これでマルセラがルイスを嫌いになったわけでは無いので安心安心。
(まぁ気にしなくてもいっか。この物語の中じゃルイスくんまとも枠だし)
メタ発言はお控え願いたいです。
マルセラが思考を一旦止めて集合場所に歩を進めると、ついにルイスがこちらの姿に気づき、遅れて来たという前提を守るために垣根にダイビングした。
(そこまでしなくてもいいのに……)
そう思いながらもとりあえず気づいていないふりをしてベンチに座った。ルイスのいる垣根の中から思念というか、強い思いがヒシヒシと伝わってくる。そして暫くすると、ガサガサグギャギャバキバキグルングルンドッピャーと聞こえてきた。恐らくルイスが移動したのだろう。
(どんなオノマトペよ……)
これからまた暫く、軽快な足音と共に体中に葉っぱを付けたルイスが現れた。
「やぁマ、マルフェ……マルセラさん!遅うなってしまいました事をお詫び奉る!」
「噛み噛みじゃん!っていうか後半大和言葉だし!せっかくさっきまであんなに練習してたのに……」
「えっ、なんか言った?」
「う、ううん!何も言ってないよ!それより早く行こ!」
周りからの目線が痛い……。マルセラは半ば強引にルイスの腕を引っ張って、その場から急いで離れるように早歩きでショッピングモールの中に駆け込むと、初めは度肝を抜かれていたルイスはクスクスと笑い始めた。
「な、何?どうしたの?」
「いや、なんかマルセラさんがヒナタさんに似てるな~って」
「え?誰よその女!」
「何!?胸ぐら掴まないでよ!フ、フー兄さんの彼女!フー兄さんのだから!」
「そ、そう。ごめん……」
マルセラは顔をルイスから反らして赤面した。
「ヒナタさんもこうやって胸ぐら掴んでくるってリアンさんも言ってたな……。ますます似て見えるよ」
「もういいわよその人の話は……」
早歩きで来た疲れからかマルセラは深くため息をついて近くにあったソファーに座った。
「疲れちゃった?少し休もっか」
ルイスはマルセラの横に座ってくると、こちらをマジマジと覗いてくる。
「な、何?なにか付いてる?」
「いや、今日のマルセラさんオシャレって言うか、可愛いって言うか……」
「かっ、かかかか……かわ……!?か!か!かー?」
マルセラはまるでとち狂った烏みたいな声を出した。そう、昨日ルイスに買い物に誘われた時から彼女はこの白いワンピースを着ようと考えていたのだ。このワンピースは初デートの時に着ようと思ってずっとクローゼットにかけておいたのだが、ついにこの日が来たかと思うとその嬉しさから異常なテンションで着て来てしまった。つまり、マルセラは彼のことを……。
「そんなに可愛いのにマルセラさん彼氏できないんだね。悪魔だって召喚できるのに」
「悪魔は関係ないでしょ」
恥ずかしさを押さえ込み指をつんつんしながらながらマルセラは答えた。
「じゃあ、そろそろ買い物に行っていい?」
「うん……。って言うかさ、何買う予定なの?」
「フー兄さんから頼まれててさ……これ」
ルイスはスマホの画面にフーリから送られた商品の紹介ページのスクショを見せる。そこには……
「なにこれ……」
あからさまなオトナの玩具が表示されていた。
「だめ!そんなの買っちゃ!」
「え?なんで?」
「何がなんでも!」
「って言うかこれなんなの?変な筒みたいな……」
「これ以上この話は……」
「フー兄さんぼかして言ってくるから何だか分からなくてさ。『ヌルヌルで気持ちいい!』とか言ってくるし……」
「黙らっしゃい!」
マルセラに召喚されたイブリースによる全力の拳をぶつけられたルイスは半分気絶してしまった。こうしてマルセラの初デート(主観的判断)はルイスの純粋な心を利用したフーリのエロ心によって踏みにじられてしまったのであった。
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