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日常編(単発)
案内【後編】
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「よしルイス。まず新しい町で最も場所を覚える優先順位の高い店はどこだと思う?」
「どこだろ……」
「これがなかったら困る!ってとこ。あるだろ?」
「あるんだけどさ……」
「じゃあ何で困るってんだ?」
「フー兄さんの頭から血飛沫が出てて質問に集中できなくて困ってるよ!いつまで出しっぱなしなの?てか何リットル出るの!?出過ぎだよ!」
「僕の血液は無限!でも時間は有限。さっさと質問に答えた方がいいかもよ」
「色々とやかましいな……」
フーリは血を吹き出しながら妙に正論っぽい何かを言ってくる。
「困るところ……スーパーとか?」
「はい残念間違えたー!ばーかばーか!」
「煽る要素あった?」
「正解はコンビニだよコンビニ。コンビニエンスストア」
「あぁ……まぁ言いたいことは分かるよ?すごく」
「じゃあお前コンビニ無くなっても生きていけんの?」
「頑張ればいけるでしょ。てかコンビニよりスーパーの方が値段安いし」
「はぁ?分かってないな~。お前もせっかく都会に来たんだからコンビニの素晴らしさを知れ!田舎と違ってな、都会は混むんだ。だからこそ要所要所にあるコンビニが大切なわけだ」
そう言ってフーリは店の隣にある広めの路地を通る。抜けた先の向こう側に「ファミリーイレブンソン」、いわゆる「ブンソン」があるらしい。
「フー兄さんはブンソンって言うんだ」
「こっちではな。あっちだとファイソンだろ?なんか言いにくくない?」
「別に?むしろブンソンの方が変な感じ」
「まぁ呼び方なんてどうでもいいんだ!ついでにファイチキでも買お……」
路地を抜け目の前の景色が開けると、そこにはテナント募集の張り紙がされ看板を降ろされた哀れな元コンビニの建物だけが残されていた。
「あ~……潰れちゃったみたいだね」
フーリは唖然としてピクリとも動かない。レヴェルといいフーリといいよく止まるやつだ。
「フー兄さんさ、よく来るんだったら事前に知らなかったの?」
「知らねぇよ!僕がファリアとか異世界とか行ってた間何があったんだよ!」
フーリは地面にヘナヘナと崩れ落ちる。なんか仲間を無残にも殺されたあとに己の無力さを知った主人公みたい。そして、そんな哀れな主人公に一人の老人が話しかけてきた。
「おやフーリ君じゃないか。どうしたんだい?」
「ジョージさん!どうしたんですか?」
フーリに聞いたところジョージは潰れた例のコンビニの店員だったらしい。
「へ~仲良かったんだ」
「うん。ジョージさんはスパゲティを買うと先っぽがギザギザのスプーンを入れてくるで有名な店員だよ」
「ちょっと害悪だね」
「なんで潰れちゃったんすか?」
「最近入ったバイトの子が犯罪者だったらしくてね……。それが噂で広まって客が来なくなり、経営破綻してしまったわけだよ」
「その犯罪者心当たりあるわ~。で、今ジョージさんどうやって稼いでるんすか?」
「ネコババや空き巣の日々じゃよ」
「ふ~ん後で勇者団に突き出しておきますね」
即通報して無事逮捕された。しかし、その後フーリは取り憑かれたように暗くなり家へと踵を返す。それ程までにショックな出来事だったらしい。
「フー兄さん大丈夫?もう帰るの?」
「ああ……なんかもう……メンタル的に……駄目」
「そうだよね、あんなにコンビニのこと大事に思ってたのに」
「通報してから憲兵隊が来るの五分だと思ってたのに2分で来やがって」
「そこ?」
こうして、メンタルをぐちゃぐちゃにやられたフーリは部屋に戻り三十分寝込んだ。そして、町の案内に関してはマルセラが引き受けてくれた。ちなみに、レヴェルは未だ固まったままだったらしい。
「どこだろ……」
「これがなかったら困る!ってとこ。あるだろ?」
「あるんだけどさ……」
「じゃあ何で困るってんだ?」
「フー兄さんの頭から血飛沫が出てて質問に集中できなくて困ってるよ!いつまで出しっぱなしなの?てか何リットル出るの!?出過ぎだよ!」
「僕の血液は無限!でも時間は有限。さっさと質問に答えた方がいいかもよ」
「色々とやかましいな……」
フーリは血を吹き出しながら妙に正論っぽい何かを言ってくる。
「困るところ……スーパーとか?」
「はい残念間違えたー!ばーかばーか!」
「煽る要素あった?」
「正解はコンビニだよコンビニ。コンビニエンスストア」
「あぁ……まぁ言いたいことは分かるよ?すごく」
「じゃあお前コンビニ無くなっても生きていけんの?」
「頑張ればいけるでしょ。てかコンビニよりスーパーの方が値段安いし」
「はぁ?分かってないな~。お前もせっかく都会に来たんだからコンビニの素晴らしさを知れ!田舎と違ってな、都会は混むんだ。だからこそ要所要所にあるコンビニが大切なわけだ」
そう言ってフーリは店の隣にある広めの路地を通る。抜けた先の向こう側に「ファミリーイレブンソン」、いわゆる「ブンソン」があるらしい。
「フー兄さんはブンソンって言うんだ」
「こっちではな。あっちだとファイソンだろ?なんか言いにくくない?」
「別に?むしろブンソンの方が変な感じ」
「まぁ呼び方なんてどうでもいいんだ!ついでにファイチキでも買お……」
路地を抜け目の前の景色が開けると、そこにはテナント募集の張り紙がされ看板を降ろされた哀れな元コンビニの建物だけが残されていた。
「あ~……潰れちゃったみたいだね」
フーリは唖然としてピクリとも動かない。レヴェルといいフーリといいよく止まるやつだ。
「フー兄さんさ、よく来るんだったら事前に知らなかったの?」
「知らねぇよ!僕がファリアとか異世界とか行ってた間何があったんだよ!」
フーリは地面にヘナヘナと崩れ落ちる。なんか仲間を無残にも殺されたあとに己の無力さを知った主人公みたい。そして、そんな哀れな主人公に一人の老人が話しかけてきた。
「おやフーリ君じゃないか。どうしたんだい?」
「ジョージさん!どうしたんですか?」
フーリに聞いたところジョージは潰れた例のコンビニの店員だったらしい。
「へ~仲良かったんだ」
「うん。ジョージさんはスパゲティを買うと先っぽがギザギザのスプーンを入れてくるで有名な店員だよ」
「ちょっと害悪だね」
「なんで潰れちゃったんすか?」
「最近入ったバイトの子が犯罪者だったらしくてね……。それが噂で広まって客が来なくなり、経営破綻してしまったわけだよ」
「その犯罪者心当たりあるわ~。で、今ジョージさんどうやって稼いでるんすか?」
「ネコババや空き巣の日々じゃよ」
「ふ~ん後で勇者団に突き出しておきますね」
即通報して無事逮捕された。しかし、その後フーリは取り憑かれたように暗くなり家へと踵を返す。それ程までにショックな出来事だったらしい。
「フー兄さん大丈夫?もう帰るの?」
「ああ……なんかもう……メンタル的に……駄目」
「そうだよね、あんなにコンビニのこと大事に思ってたのに」
「通報してから憲兵隊が来るの五分だと思ってたのに2分で来やがって」
「そこ?」
こうして、メンタルをぐちゃぐちゃにやられたフーリは部屋に戻り三十分寝込んだ。そして、町の案内に関してはマルセラが引き受けてくれた。ちなみに、レヴェルは未だ固まったままだったらしい。
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