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日常編(単発)
晩御飯バトルロワイヤル
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ある日、クライブが本屋で物色していると突然本の隙間からフーリが飛び出してきた。
「よぉクライブ」
「よぉ。こんな所で何やってんだ?逮捕されるぞ」
「そんなことよりさ、今日の晩御飯でバトルロワイヤルするから家来て。てか来い」
「お前はなんで訳の分からないものを俺に強制するんだ?」
「心配しなくて平気平気!クライブの他にも沢山来てくれる予定だから」
「別に心配してるわけじゃねぇよ」
こうして、晩御飯バトルロワイヤルが開催される事が決定した。
十八時。フーリの部屋で謎の食事会が開かれた。そこには他のメンバーとしてマルセル、アイン、リーダーがいる。
「まだ濃いメンバーだな。マルセルとアインはいいとしてリーダーは仕事大丈夫なのかよ」
「安心しろ、秘書に全部押し付けてきた」
「あーいつものやつね。本当最低だわお前」
肝心の主催者が来ないのでただのお喋り会になっている。 クライブとリーダーは緑茶と紅茶の話、マルセルとアインはじゃんけんをして時間を潰す。しばらくすると、ワゴンに大量の料理を乗せたフーリが部屋に入ってきた。
「うぃーす遅れた。並べるの手伝ってくれね」
米料理に麺料理、肉料理と豪勢なものが並ぶ。
「で、バトルロワイヤルって何すんの?最後の一人になるまで食べ続けろとか」
「ルールは難しい!」
「難しいのかよ。簡単であれ」
「この料理を食べていくだけの簡単なルールだ。そして、一個だけ毒入りの料理があるからそれを食べて死んだやつが勝ちってルールだ」
「最初に死んだ人が勝ち……逆バトルロワイヤルってこと?」
「マルセルにしては理解が早いな。つまりそういう事だ」
「にしても、料理結構美味そうじゃん。秘書置いてきた甲斐が有るわ」
「あ、フーリ先輩!質問いいっすか?」
「何?」
「これって、逆バトルロワイヤルと言うよりは逆ロシアンルーレットな気が……」
アインがそう言った瞬間、手前に置いてあったフォークがアインの胸目がけて勢いよく飛んで突き刺さった。
「うぎゃぁぁぁぁああああ」
「アイン!?なにこれ!?心霊?」
「説明し忘れてたけど、ルールに違反するとフォークが殺しにかかってくるよ。ちなみにそのルールは非公開だよ」
「わー理不尽」
「フーリ先輩酷いっすよ!」
「アイン生きてたのか!?」
「うっす!元陸上部は無敵になるっす!」
「アビリティがつくんだな」
「そんなことよりさっさと食おうぜ。俺もう腹減って仕方が無いんだ」
リーダーのこの声を皮切りに各々食事に手を出した。
「どうクライブ?その角煮結構よくできたと思うんだけど」
「うん……味も食感もいいけど……」
「じゃあ他になにが悪いって言うの?」
「銃を向けて脅すな。全部良いから安心しろ」
「ねぇフーリ。このスープ美味しいけどさ、この浮いてる皮みたいのは何……うぎゃぁぁぁぁああああ」
ーマルセル DEAD……ー
マルセルがこの質問をした瞬間、フォークが襲いかかった。そしてマルセルは死んだ。
「質問は基本ダメなのかよ」
「謎に迫っちゃダメね」
「なぁリーダー。俺ここに居たくねぇんだけど」
「なんで?料理めっちゃ美味いじゃん」
「そういう問題じゃなくて、負けるにしよ勝つにしよ死ぬんだぜ?」
「美味しいもの食べて死ねるなら本望だろ」
「あらリーダー、美味しいなんて褒めていただけて光栄ですわ」
「なんで急にお嬢様なんだよ」
「文句あんのか殺すぞ」
「あー分かった分かった俺が悪かったよ」
食事を始めて数十分、だんだんと空の皿が増えていった。
「いや~にしても、このエビチリ美味しっすね!」
「それは分かる。フーリ何気に料理スキルはあるんだよな」
「うっす!それじゃ俺は、この皿にへばりついたソースも堪能するっす!」
そう言ってアインは無作法にも皿を持って舐め始めた。しかし、次の瞬間皿が爆発した。
「うぎゃぁぁぁぁああああ」
ーアイン DEAD……ー
「えええ!?不死じゃねぇのかよ!」
「そういう気分じゃなかったんだよ」
「気分の問題?」
「皿舐めるのは流石にないわ。後輩だからって遠慮はできねぇ」
「しなさすぎだろ。どういうカラクリだよこれ」
それから数分。大量にあった料理はついに二つの自家製ラーメンだけになった。
「よくリーダーラーメンを食べなかったな」
「好きな物は最後まで残しておく派なんだ」
「でもさ……よく考えると、どっちかが毒入りって事だよな?」
「どっちかが勝つってことか」
「ポジティブだな」
「それじゃあいっせーので啜ろうぜ。いっせーの……」
リーダーの合図に合わせて二人は麺を啜った。
「どうクライブ?ラーメンの味は」
「不快な苦味……スープにある謎の塊……そして何よりこの気持ち悪さ……これ、毒だ!」
ークライブ WIN!ー
「というわけで死んだのはクライブでした。どうリーダー、負けて生き残った感想は」
「う~ん……このラーメン、すこし残念だったな」
「え?何が!何がダメだったの?」
「味はいいんだけど、愛情や熱情を感じられないね。自家製だからか知らないけどまず基礎がなってないね」
「そんな……」
「ラーメンマスターになりたくないか?」
「……僕、もっと美味しいラーメンを作りたい!」
「よし、荷造りをしろ。修行は長いぞ」
こうして、フーリのラーメンマスターへの冒険がスタートした。ちなみに死んだ人達は翌日甦った。そして優勝者のクライブには爪切りが贈呈された。
「よぉクライブ」
「よぉ。こんな所で何やってんだ?逮捕されるぞ」
「そんなことよりさ、今日の晩御飯でバトルロワイヤルするから家来て。てか来い」
「お前はなんで訳の分からないものを俺に強制するんだ?」
「心配しなくて平気平気!クライブの他にも沢山来てくれる予定だから」
「別に心配してるわけじゃねぇよ」
こうして、晩御飯バトルロワイヤルが開催される事が決定した。
十八時。フーリの部屋で謎の食事会が開かれた。そこには他のメンバーとしてマルセル、アイン、リーダーがいる。
「まだ濃いメンバーだな。マルセルとアインはいいとしてリーダーは仕事大丈夫なのかよ」
「安心しろ、秘書に全部押し付けてきた」
「あーいつものやつね。本当最低だわお前」
肝心の主催者が来ないのでただのお喋り会になっている。 クライブとリーダーは緑茶と紅茶の話、マルセルとアインはじゃんけんをして時間を潰す。しばらくすると、ワゴンに大量の料理を乗せたフーリが部屋に入ってきた。
「うぃーす遅れた。並べるの手伝ってくれね」
米料理に麺料理、肉料理と豪勢なものが並ぶ。
「で、バトルロワイヤルって何すんの?最後の一人になるまで食べ続けろとか」
「ルールは難しい!」
「難しいのかよ。簡単であれ」
「この料理を食べていくだけの簡単なルールだ。そして、一個だけ毒入りの料理があるからそれを食べて死んだやつが勝ちってルールだ」
「最初に死んだ人が勝ち……逆バトルロワイヤルってこと?」
「マルセルにしては理解が早いな。つまりそういう事だ」
「にしても、料理結構美味そうじゃん。秘書置いてきた甲斐が有るわ」
「あ、フーリ先輩!質問いいっすか?」
「何?」
「これって、逆バトルロワイヤルと言うよりは逆ロシアンルーレットな気が……」
アインがそう言った瞬間、手前に置いてあったフォークがアインの胸目がけて勢いよく飛んで突き刺さった。
「うぎゃぁぁぁぁああああ」
「アイン!?なにこれ!?心霊?」
「説明し忘れてたけど、ルールに違反するとフォークが殺しにかかってくるよ。ちなみにそのルールは非公開だよ」
「わー理不尽」
「フーリ先輩酷いっすよ!」
「アイン生きてたのか!?」
「うっす!元陸上部は無敵になるっす!」
「アビリティがつくんだな」
「そんなことよりさっさと食おうぜ。俺もう腹減って仕方が無いんだ」
リーダーのこの声を皮切りに各々食事に手を出した。
「どうクライブ?その角煮結構よくできたと思うんだけど」
「うん……味も食感もいいけど……」
「じゃあ他になにが悪いって言うの?」
「銃を向けて脅すな。全部良いから安心しろ」
「ねぇフーリ。このスープ美味しいけどさ、この浮いてる皮みたいのは何……うぎゃぁぁぁぁああああ」
ーマルセル DEAD……ー
マルセルがこの質問をした瞬間、フォークが襲いかかった。そしてマルセルは死んだ。
「質問は基本ダメなのかよ」
「謎に迫っちゃダメね」
「なぁリーダー。俺ここに居たくねぇんだけど」
「なんで?料理めっちゃ美味いじゃん」
「そういう問題じゃなくて、負けるにしよ勝つにしよ死ぬんだぜ?」
「美味しいもの食べて死ねるなら本望だろ」
「あらリーダー、美味しいなんて褒めていただけて光栄ですわ」
「なんで急にお嬢様なんだよ」
「文句あんのか殺すぞ」
「あー分かった分かった俺が悪かったよ」
食事を始めて数十分、だんだんと空の皿が増えていった。
「いや~にしても、このエビチリ美味しっすね!」
「それは分かる。フーリ何気に料理スキルはあるんだよな」
「うっす!それじゃ俺は、この皿にへばりついたソースも堪能するっす!」
そう言ってアインは無作法にも皿を持って舐め始めた。しかし、次の瞬間皿が爆発した。
「うぎゃぁぁぁぁああああ」
ーアイン DEAD……ー
「えええ!?不死じゃねぇのかよ!」
「そういう気分じゃなかったんだよ」
「気分の問題?」
「皿舐めるのは流石にないわ。後輩だからって遠慮はできねぇ」
「しなさすぎだろ。どういうカラクリだよこれ」
それから数分。大量にあった料理はついに二つの自家製ラーメンだけになった。
「よくリーダーラーメンを食べなかったな」
「好きな物は最後まで残しておく派なんだ」
「でもさ……よく考えると、どっちかが毒入りって事だよな?」
「どっちかが勝つってことか」
「ポジティブだな」
「それじゃあいっせーので啜ろうぜ。いっせーの……」
リーダーの合図に合わせて二人は麺を啜った。
「どうクライブ?ラーメンの味は」
「不快な苦味……スープにある謎の塊……そして何よりこの気持ち悪さ……これ、毒だ!」
ークライブ WIN!ー
「というわけで死んだのはクライブでした。どうリーダー、負けて生き残った感想は」
「う~ん……このラーメン、すこし残念だったな」
「え?何が!何がダメだったの?」
「味はいいんだけど、愛情や熱情を感じられないね。自家製だからか知らないけどまず基礎がなってないね」
「そんな……」
「ラーメンマスターになりたくないか?」
「……僕、もっと美味しいラーメンを作りたい!」
「よし、荷造りをしろ。修行は長いぞ」
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