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日常編(単発)
リアンの初恋大作戦【前編】
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ある日、フーリの部屋に珍しくマルセル以外の訪問者がやって来た。
「やぁフーリ、久しぶり。ちょっとお時間いいかな?」
「おー!リアンじゃん。いきなりどうした?」
「ちょっと相談っていうか恋バナっていうか……。まぁそんな感じ」
「そういう事か。なら安心しろ!なんせ僕は勇者だからな」
「勇者と恋バナって関係あるの?」
「あるかも知れねぇだろ!」
「何怒ってるの」
「じゃあとりあえず膝の上にでも座ってくれ」
「なんでだよ。まだ間あるだろ」
「で、恋バナ兼相談ってなんだ?」
「そんな大層なものじゃないけど……。簡単に言うとね、その……好きな人というか、話しかけたい人がいるんだ」
「じゃあ話しかけりゃいいじゃん。そうすれば万事解決だろ」
「それが出来ないから相談に乗ってもらってるんだよ」
「話しかけ方ねぇ……。穴掘って足元から奇襲をかけるとか?」
「別に奇襲をかける必要は無いんだよ」
「それじゃあここは勇者の力を存分に発揮して手伝ってやる!」
「ほんと?ありがとう!」
「おうよ。だから、数日時間をくれ。少し話し合うからな」
「分かった。決まったら連絡頂戴」
~翌日~
in勇者団本部
「……ってわけで、今日の会議を開いたわけだ」
「フーリお前なぁ……、国の最高機関をなんのために使ってるんだよ」
「クライブはリアンがどうなってもいいってのかよ!」
「どうなってもいいって言うか……そもそも会ったことも無い相手だぞ」
「まぁまぁ別にいいじゃない」
「リーダーはいいかもだけどさ」
「今日は五月蝿い秘書も俺の代わりに仕事に行ってくれてるし、ほんと最高だわ」
「あとで秘書さんに言っとくわ」
「……クライブ、何が欲しい」
「口止めする気満々じゃん」
議論は関係のない所で白熱した。
「それじゃあとりあえず作戦、計画?でも練るか」
「まずは話しかける子のある程度の情報は欲しいな」
「え~と……、リアンによるとその子は日曜の夕方にいつも市民テニスコートにいるらしいぞ」
「え?テニスコートって、あのおんぼろの?あそこ誰も使ってないと思ってた」
「そうそう、だからいつも一人なんだって」
「一人か……たしかに、その子一人だけなら話しかけるハードルってちょっと上がるよな。雰囲気的に」
「だから話しかけるための助けをするんだよ。とりあえず、作戦会議始めだ!だからリーダーとマルセルは紅茶の表面張力で遊んでないでこっち来て」
「作戦ねぇ、そうだな……」
こうして、リアンの恋愛大作戦が火蓋を切った。
「やぁフーリ、久しぶり。ちょっとお時間いいかな?」
「おー!リアンじゃん。いきなりどうした?」
「ちょっと相談っていうか恋バナっていうか……。まぁそんな感じ」
「そういう事か。なら安心しろ!なんせ僕は勇者だからな」
「勇者と恋バナって関係あるの?」
「あるかも知れねぇだろ!」
「何怒ってるの」
「じゃあとりあえず膝の上にでも座ってくれ」
「なんでだよ。まだ間あるだろ」
「で、恋バナ兼相談ってなんだ?」
「そんな大層なものじゃないけど……。簡単に言うとね、その……好きな人というか、話しかけたい人がいるんだ」
「じゃあ話しかけりゃいいじゃん。そうすれば万事解決だろ」
「それが出来ないから相談に乗ってもらってるんだよ」
「話しかけ方ねぇ……。穴掘って足元から奇襲をかけるとか?」
「別に奇襲をかける必要は無いんだよ」
「それじゃあここは勇者の力を存分に発揮して手伝ってやる!」
「ほんと?ありがとう!」
「おうよ。だから、数日時間をくれ。少し話し合うからな」
「分かった。決まったら連絡頂戴」
~翌日~
in勇者団本部
「……ってわけで、今日の会議を開いたわけだ」
「フーリお前なぁ……、国の最高機関をなんのために使ってるんだよ」
「クライブはリアンがどうなってもいいってのかよ!」
「どうなってもいいって言うか……そもそも会ったことも無い相手だぞ」
「まぁまぁ別にいいじゃない」
「リーダーはいいかもだけどさ」
「今日は五月蝿い秘書も俺の代わりに仕事に行ってくれてるし、ほんと最高だわ」
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「……クライブ、何が欲しい」
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議論は関係のない所で白熱した。
「それじゃあとりあえず作戦、計画?でも練るか」
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「え?テニスコートって、あのおんぼろの?あそこ誰も使ってないと思ってた」
「そうそう、だからいつも一人なんだって」
「一人か……たしかに、その子一人だけなら話しかけるハードルってちょっと上がるよな。雰囲気的に」
「だから話しかけるための助けをするんだよ。とりあえず、作戦会議始めだ!だからリーダーとマルセルは紅茶の表面張力で遊んでないでこっち来て」
「作戦ねぇ、そうだな……」
こうして、リアンの恋愛大作戦が火蓋を切った。
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