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日常編(単発)
フーリの恋愛教室
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ある日、三人は勇者団本部での仕事を終え帰路についていた。
「今日は珍しく昼間に終わったな」
「定時退社だね」
「定時じゃなくて早退だけどな」
フーリが監督を脅して無理矢理帰ったことは内緒だ。
彼らはこれからどうするか話し合いながら正門を出る。すると、そこで誰かがクソでかい声で話しかけてきた。
「フーリ先輩!お久しぶりです!」
「うるさ!ってこの声、アインか?」
三人の前には少し浅黒い肌をした青年が立っている。髪型はスポーツ刈りでいかにも体育会系って感じだ。
「誰このうるさいの?」
「こいつはアイン。僕の大学の後輩だ」
「うっす!アインです!フーリ先輩の大学の後輩です!」
「さっき聞いたよ……」
「で、なんの用?」
「うっす!フーリ先輩!俺、彼女が欲しいっす!」
「おおそうかそうか。マルセル、お前なってやれ」
「えぇ!?」
「おいフーリ。こいつが欲しいのは彼女なんだろ?なんでマルセルなんだよ」
「だってマルセルは女の子じゃん」
「え?」
「え?」
一瞬時が止まる。しかし、その沈黙を割いてきたのはアインだった。
「フーリ先輩!俺、俺なりに調べ物してきました!」
そう言ってアインはグチャグチャなポスターを取り出した。そこには『出会いの場』と書いてある。お見合いパーティーみたいなものだ。
「あーなるほど、そこに行きたいわけね」
「うっす!でも自分だけだと不安なので是非フーリ先輩に恋愛術をご教授して欲しいです!」
「いいだろう!恋愛マスターの僕が手助けしてやる」
「頼もしいですねフーリ先輩!じゃあまず入場料を貸してください!」
「ふーん、死ね」
こうして一行はお見合いパーティに行くことになった。
歩いて五分。アインから今までの自慢話を聞きながら会場に向かった。
「ここが、パーティ会場っすね!」
「なかなか大きいところなんだな」
「クライブ達も来るの?」
「まぁな。ここまで来ちゃったし、フーリの後輩の行く末を見守りたいからな」
「ありがとうございます!フーリ先輩いい友達を持ちましたね!」
「そりゃ僕だからな」
「流石っす!」
アインは本当にフーリに従順なようだ。
「じゃあクライブとマルセルは遠くで見ててくれ。僕がこいつを勝利に導くからな」
アインとフーリは会場内の建物の陰に隠れた。
「なんでこんな所に隠れてるっすか?さっさと行動に移しましょうよ」
「いやいや、まずは基礎から教えてやる。まず、お前は誰を彼女にしたい?」
そう言われアインは会場を見渡す。
「あ!あの緑色のドレスの人がいいっす!」
「おおそうか。なんでだ?」
「うっす!○○とか○○とかやってくれそうだからっす!」
「そうかそうか。動機は不純だけどいいよそれで」
「うっす!それじゃあ行ってきます!」
「ああ待て待て。早まるな。基礎教えるって言ってんだろ」
「すいません!」
「じゃあお前はどうやって話しかける?」
「うっす!全裸姿見せてくださいって言います!」
「なんでそれでいいと思った。とりあえず『こんにちは』から入って、あとは近くにある食べ物の話とかしとけ」
「例えばどんな感じっすか?」
「例えばねぇ~……。『このケーキ美味しそうですね。僕は甘いの好きなんですけど、貴方はどうですか?』みたいな?」
「うっす!とりあえず食いもんの話しとけばいいんすね!」
「ん~なんか違うけどいいよそれで」
「うっす!それじゃあ行ってきます!」
「おう、頑張れ」
アインは自信のある顔でズカズカと緑のドレスの女性に近づいて行った。
その様子を遠くの垣根からクライブとマルセルは見ていた。離れてはいるが、スピーカ魔法で声は聞こえていた。
「ふぅん。意外とフーリまともな指導するじゃん」
「レヴェルさんが彼氏いっぱい作ってたらしいからその影響じゃない?」
「マルセルお前何言ってる?レヴェルさんはそんな軽い人じゃないだろ。まぁ確かにレヴェルさんを嫌いになる人なんていないだろうがな」
「……僕セクハラされるから嫌い」
「なんか言った?」
「なんにも」
二人は一度会話を切上げアインの動向を伺った。
アインは足早に女性のいるテーブルに着いた。
「さぁアイン、落ち着いて……」
フーリも遠くで見守っている。
「こんにちは!お姉さん!」
「え、あ……こんにちは」
お姉さんは勢いに若干引いているようだ。
「お姉さん。美味しそうですね!」
「え?」
「お姉さんとっても美味しそうですね!俺は大きい胸好きなんですけど、お姉さんは大きい○○○○とか好きっすか?」
「ちょっと、止めてください!」
お姉さんは逃げる体制に入った。しかし、それをアインは逃がさない。
「お姉さん!俺、お姉さんと○○したいです!逃げないでください!俺の○○○○見せてあげますから!」
「きゃー!痴漢ー!」
こうしてアインは無事勇者団に通報された。痴漢冤罪が問題になる昨今、こういうのは冤罪でもなんでもないので遠慮なく通報しましょう。ちなみにフーリ,マルセル,クライブの三人はこの間に逆ナンされてた。
「今日は珍しく昼間に終わったな」
「定時退社だね」
「定時じゃなくて早退だけどな」
フーリが監督を脅して無理矢理帰ったことは内緒だ。
彼らはこれからどうするか話し合いながら正門を出る。すると、そこで誰かがクソでかい声で話しかけてきた。
「フーリ先輩!お久しぶりです!」
「うるさ!ってこの声、アインか?」
三人の前には少し浅黒い肌をした青年が立っている。髪型はスポーツ刈りでいかにも体育会系って感じだ。
「誰このうるさいの?」
「こいつはアイン。僕の大学の後輩だ」
「うっす!アインです!フーリ先輩の大学の後輩です!」
「さっき聞いたよ……」
「で、なんの用?」
「うっす!フーリ先輩!俺、彼女が欲しいっす!」
「おおそうかそうか。マルセル、お前なってやれ」
「えぇ!?」
「おいフーリ。こいつが欲しいのは彼女なんだろ?なんでマルセルなんだよ」
「だってマルセルは女の子じゃん」
「え?」
「え?」
一瞬時が止まる。しかし、その沈黙を割いてきたのはアインだった。
「フーリ先輩!俺、俺なりに調べ物してきました!」
そう言ってアインはグチャグチャなポスターを取り出した。そこには『出会いの場』と書いてある。お見合いパーティーみたいなものだ。
「あーなるほど、そこに行きたいわけね」
「うっす!でも自分だけだと不安なので是非フーリ先輩に恋愛術をご教授して欲しいです!」
「いいだろう!恋愛マスターの僕が手助けしてやる」
「頼もしいですねフーリ先輩!じゃあまず入場料を貸してください!」
「ふーん、死ね」
こうして一行はお見合いパーティに行くことになった。
歩いて五分。アインから今までの自慢話を聞きながら会場に向かった。
「ここが、パーティ会場っすね!」
「なかなか大きいところなんだな」
「クライブ達も来るの?」
「まぁな。ここまで来ちゃったし、フーリの後輩の行く末を見守りたいからな」
「ありがとうございます!フーリ先輩いい友達を持ちましたね!」
「そりゃ僕だからな」
「流石っす!」
アインは本当にフーリに従順なようだ。
「じゃあクライブとマルセルは遠くで見ててくれ。僕がこいつを勝利に導くからな」
アインとフーリは会場内の建物の陰に隠れた。
「なんでこんな所に隠れてるっすか?さっさと行動に移しましょうよ」
「いやいや、まずは基礎から教えてやる。まず、お前は誰を彼女にしたい?」
そう言われアインは会場を見渡す。
「あ!あの緑色のドレスの人がいいっす!」
「おおそうか。なんでだ?」
「うっす!○○とか○○とかやってくれそうだからっす!」
「そうかそうか。動機は不純だけどいいよそれで」
「うっす!それじゃあ行ってきます!」
「ああ待て待て。早まるな。基礎教えるって言ってんだろ」
「すいません!」
「じゃあお前はどうやって話しかける?」
「うっす!全裸姿見せてくださいって言います!」
「なんでそれでいいと思った。とりあえず『こんにちは』から入って、あとは近くにある食べ物の話とかしとけ」
「例えばどんな感じっすか?」
「例えばねぇ~……。『このケーキ美味しそうですね。僕は甘いの好きなんですけど、貴方はどうですか?』みたいな?」
「うっす!とりあえず食いもんの話しとけばいいんすね!」
「ん~なんか違うけどいいよそれで」
「うっす!それじゃあ行ってきます!」
「おう、頑張れ」
アインは自信のある顔でズカズカと緑のドレスの女性に近づいて行った。
その様子を遠くの垣根からクライブとマルセルは見ていた。離れてはいるが、スピーカ魔法で声は聞こえていた。
「ふぅん。意外とフーリまともな指導するじゃん」
「レヴェルさんが彼氏いっぱい作ってたらしいからその影響じゃない?」
「マルセルお前何言ってる?レヴェルさんはそんな軽い人じゃないだろ。まぁ確かにレヴェルさんを嫌いになる人なんていないだろうがな」
「……僕セクハラされるから嫌い」
「なんか言った?」
「なんにも」
二人は一度会話を切上げアインの動向を伺った。
アインは足早に女性のいるテーブルに着いた。
「さぁアイン、落ち着いて……」
フーリも遠くで見守っている。
「こんにちは!お姉さん!」
「え、あ……こんにちは」
お姉さんは勢いに若干引いているようだ。
「お姉さん。美味しそうですね!」
「え?」
「お姉さんとっても美味しそうですね!俺は大きい胸好きなんですけど、お姉さんは大きい○○○○とか好きっすか?」
「ちょっと、止めてください!」
お姉さんは逃げる体制に入った。しかし、それをアインは逃がさない。
「お姉さん!俺、お姉さんと○○したいです!逃げないでください!俺の○○○○見せてあげますから!」
「きゃー!痴漢ー!」
こうしてアインは無事勇者団に通報された。痴漢冤罪が問題になる昨今、こういうのは冤罪でもなんでもないので遠慮なく通報しましょう。ちなみにフーリ,マルセル,クライブの三人はこの間に逆ナンされてた。
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