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声に溺れる side足立

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オレは、今日も七瀬と伊藤さんを眺めていた、猛烈にイラつきながら…
せっかく両想いになったというのに、部活、学校に残り遅くまで文化祭準備、いつも誰かしらが居て、全く触れ合えず、なんなら、二人きりにすらなれない。
度甘い日々を送ってやろうと思っていたオレの目論みが外れた。
しかも、伊藤さんのアタックも相変わらず、分かりやすくて。
でも、気付いて無さそうな七瀬に、それを言うと逆に意識されそうで、黙っていた。

オレは、悶々とする頭を振っていたら、不意に良い事を思い付く。

七瀬がおばあちゃんを助けていたというありそうな嘘の話、たまたま乗ってくれた榊原の話によって更に効果が増した。榊原のファインプレーを褒めてやりたかった。
結果、七瀬は女子のファンを増やした…それ自体は苛立つが、オレは、伊藤さんを他の女子共が牽制してくれたらな…と思っていたのだ。
それに便乗して、オレは公然の元で七瀬と仲良くなるという計画は…成功した。
上手くいったと思っていた…のに。

夕方から明日にかけて、うちの親が親戚の集まりで宿泊するので、ウキウキした気分で部活終わりの放課後を待った。今日は、文化祭の準備も無いし、絶好の機会だった。

陸上部も終わったかな…と除きに行った。
すると、どこかへと、七瀬を連れて行く伊藤さんの顔を見て分かった…あれは、告白しようとする時の表情だ。
何度もその表情を見てきたオレには分かってしまう。
焦って二人を追いかけた。
陸上部の部室の前で立ち止まると、なかの会話が切れ切れにしか聞こえない。
その後すぐに、真っ赤な顔で俯き、出て行く伊藤さんには、オレの姿なんて見えていないようだった。

入ると…呆然としている七瀬…
彼の唇が光っているのは、伊藤さんのリップが移ったのだと分かった。
オレは酷く陰鬱な顔になっていただろう。
申し訳なさそうにキスされたという七瀬の唇をグイグイ拭った…
消えない物を跡を消したくて。
赤くなった口元を見て、ハッとした。自分のした事が悔しくなった。
七瀬の人気が上がり、伊藤さんは焦ったんだろう、結果として焚き付けたオレのせいだと思った。
七瀬にも悪い事をしてしまった。

一刻も早く七瀬と確実な繋がりが欲しいと思った。
彼の返事は、イエスだった。

家に来た七瀬は、かなりの緊張を纏っていた。
「お手柔らかに…」なんて言われたけど、まず無理だと思う。
心の中で謝っておこう、手加減出来る自信が無い。
既に自分と伊藤さんへの怒りと、スパイスとしての嫉妬心が加わり、こんなにも余裕が無かった事など無くて逆に戸惑う位。
散々待った美食を前にして、ガッつかない訳など無い。
シャワーなんて待ってられないし、彼の汗も含めて、全てを味わいたいと思っていたから。
「あと!あとっ!俺…殆ど経験無いから…キス失敗したくらいに…あの」
「あのさぁ、そんなん言われたら、興奮するんだけど」
分かってないなぁ…天然で煽ってくる天才だ。

今日は、度の合わない眼鏡でも無く、直視する彼の魅力的で可愛い姿。
一度触れてしまうと、もう、歯止めが効かないのは分かっていたけれど、口付けの度に、どんどん赤くなる七瀬を見て、熱くなってくる。 

少しも離れたく無くて口付けしながら、ボタンをもどかしい思いで外してくと
「手慣れてて、なんかヤダ…」
なんて抗議してくる。
七瀬は知らないのか、オレの心臓がどれだけ早鐘を鳴らしているのか
「こんなにもドキドキしてるのに?」
彼の手を取りオレの首元へ…
すると、驚いた七瀬の顔が見れた。
そして、シャツを左右に開くと、目の前には、首筋から胸…そして腹があらわになる。
はだけたシャツが残っているのが妙に、艶めかしい。

「絶景だな…」
シャツの間から見える滑らかな肌は、オレの情慾をどこまでもそそる。
ただ視線を這わせて、じっと見ているだけなのに、身体をうねさせる彼をとても可愛いと思った。

首筋にオレだけの赤い印を付けると、やっと少しだけ満足した。少し伊藤さんの事は忘れて、目の前の七瀬へと没頭する事が出来そうだ。
そのまま…身体中に舌を這わせると、思った以上に敏感なのか、七瀬から出るあえ声と、足立と呼ぶ声が混ざり、呼ばれているのか、喘がれているのか分からなくなってくる。
抑えてる両方の手首が、グッと一度強く動いたが、諦めたように、そのまま弛緩しかんした。
なんとか声を抑えようと頑張る七瀬の声は次第に甘くなり、オレの鼓膜を溶かす。
息を止め、吐き出す時に甘く漏れる声を出し、快楽を我慢するみたいになってしまう表情で、余計に煽られる。

「ちょっと…待って!」の声が、何度も耳に届いたが、聞こえないフリをした。
オレは、もっと…もっと、七瀬の乱れる姿が見たいと、欲望に際限が無くなってくる。

更に、ズボンと下着を剥ぎ取る。
途端、恥ずかしげに脚を閉じようとするのを膝を割り入れる事で塞いだ。
そのまま、オレは彼の両脚を大きく開いた。
驚愕に目を丸くし、小さくヒッて叫ぶ声を無視して、滾りながら揺れる屹立を口に含んだ。
「ダメっ!まっ、まって、そんなんダメだって!」
必死で止める彼を抑え込み、流れる雫を舐め取り、舌と唇を駆使して煽り立てると
「足立っ!離して!」と、彼から聞こえた叫びと懇願の後に、口腔内には、甘くて苦い液体が溢れてきた。
「早く、口からそれ吐いて!」
泣きそうな顔の七瀬を見ても、全く止まらないオレは、さらに、七瀬の脚をを持ち上げると、目の前に現れた繋がりたい場所を見つめた。
口腔内に出された彼の液を2本の指で掻き出すと、その場所に塗りつけた。
眼下に見える七瀬は、恐れと期待の混じる表情に見えた。
ごめん…と呟きながら、中指をゆっくり沈めた。
「ひぃぁあ」
彼から出た声を聴きながら、七瀬の善い所を探す
恐怖の顔は消え、次第に恍惚の顔へと変わる
「そ、そこっダメっ、アアッ」
それはどう見てもダメじゃない七瀬の反応にオレの僅かに残った理性がプッツリと切れた。

初めての快楽に震える腰を押さえつけ、さらに本数を増やす。
引き出す時に彼が善い反応を見せてくれて、そこをさらに攻めたてた。
肩で大きく息をして、嬌声をあげる七瀬を見て、オレの強欲なまでの欲情が止まらない。 
七瀬の手を取り彼の屹立へと誘導すると、何?って目で問われる
「自分で触ってるとこ…見たい」
断られると思った変態じみたオレの言葉にも彼は、真っ赤になりながらも応えてくれた。

あまりにも艶めかしい彼の姿を見て、身体の奥底から震えた。
既に何度か達してしまっている七瀬。
放心状態で口が開いたままの唇端から流れるよだれ、オレを見つめる目尻の涙を舐め取った。
すると…七瀬は
「いいよ、大丈夫、足立好きだよ」
と甘い言葉を言いながら、オレを見つめてくる。

オレは彼の身体を折り畳み、自分の漲りを押し付け、そのままグッと鎮めた。
愛してるの言葉を何度も呟き、彼がコクコクと頷いてくれる。
こんなにも幸せな繋がりがある事を知り、逆に怖くなった程、七瀬との甘い時間は、オレを夢中にさせた。
いつまでも、このままで居たかったけど、唐突に終わりは、やってきた。

チカラの入らなくなった彼の身体を、濡らしたタオルで拭きながら
「ごめん…手加減出来なかった」
こんなにも理性が無くなる予定では無かったから、本気の謝罪だった
「そうだよ!俺っ、何度も…待って!無理!って言ったのに…この底なしエロ魔人が!」
って七瀬が笑ってる。
良かった…嫌われては無いようだ。
「あーあ、宣言通りベットで泣かされたな~責任取れってくれよ?」
なんて言ってくれるオレの彼氏は、本当に可愛らしかった。

「そんな身体で帰れないなら、泊まってもいいよ?親が帰るの明日の昼だし」
なんとかまだ一緒に居たいアピールをする
「もう、これ以上やんねぇからな!泊まるけどさっ!」
って、ゴソゴソとスマホを取り出している。
親にLINEするのだろう。そういうとこ、ちゃんとしてる。
今夜は、二人で眠れるのか…と思うと、オレは嬉しくて仕方が無かった。

次の日、学校への道を二人並んで歩いていると
「一緒に登校?仲良いな~お前ら」って、榊原がやってきた。

「まぁな~、足立は、俺のファンらしいからな~」
オレの方を見て、二コッって爽やかに笑う七瀬の隣で、心から笑ったのだった。
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