超戦士グレイザー

山ピー

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ゲシェードの王

第16話「消えたグレイザー」

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ゲシェードの王アルギルスによって戦う事への恐怖を植え付けられた守は、病院を抜け出し何処かへ行ってしまった。

その頃、ジェイガが工事現場からトンカチを盗み両腕と頭部に巨大なハンマーを持ったハンマーゲイラーを誕生させ、工事現場の作業員を襲っていた。

連絡を受けた葛城が警官隊、自衛隊と共に現場に急行。
葛城は守にも電話をするが、守は電話に出ない。

その頃、守は街を彷徨っていた。
ガイもまだ目を覚まさず警察と自衛隊だけでハンマーゲイラーに対処しなければならなかった。
警官隊と自衛隊がハンマーゲイラーに向けて一斉射撃。
しかし、通用するはずも無く犠牲者が増える一方だった。
そして、葛城にもハンマーゲイラーが迫る。
葛城は諦めず発砲を続けるが遂に弾切れになり、いよいよピンチに!?

ハンマーゲイラーが葛城にトドメを刺そうとしたその時……。
誰かが、ハンマーゲイラーを狙撃。
葛城が振り返ると後ろのビルの屋上に居たのはSATだった。
ハンマーゲイラーは苦しみだし、逃走した。
何故、SATの攻撃が効いたのか、それは以前、藤波博士がゲイラーに貼られていたシールを分析し、電気に弱い事を突き止めた。
その際、グレイザーをパワーアップさせた後、更に研究を続け、ゲイラーに致命的なダメージを与える事が出来る電撃を帯びた弾丸とそれに対応出来るライフル銃を開発し、遂に完成したのだった。
それを使用したSATの攻撃により、ゲイラーを一時退散させる事に成功した。

逃走したハンマーゲイラーはこの後も捜索が続けられる。
葛城は藤波博士に電話をした。
「ありがとうございました。お陰で命拾いしました」
すると、藤波博士も……。
「そうか……倒すまでは行かなかったがダメージを与えられたようだな」
葛城は守の事も相談。
「ええ……それと……守君と連絡が付かなかったんですが……何か聞いてますか?目を覚ましたとは聞いているんですが……まだ怪我が酷いんでしょうか?」
藤波博士も驚いたようで、葛城に返事をする。
「ええっ!?連絡が付かない!?それはおかしいな……守君は病院を抜け出したと聞いたんで、てっきり葛城さんからの連絡で現場に向かったのかと……」
葛城も藤波博士も守を心配した……。

その守は何処に行ってしまったのか…。
家には帰っておらず、ただ、宛も無く街を彷徨っていた。
そして、行き着いたのはアルギルスと戦った河川敷……。
守はアルギルスとの戦いを思い出して塞ぎ込んでしまった。
膝を抱えうずくまるが体の震えが止まらない。
それどころか体同士が触れ合っている為、ズキズキと怪我が痛む。
守はそんな状態で1人考えていた。
何故こんな目に遭わなければならないのか……何故戦わなければならないのか……。
そんな事を考えるようになってしまっていた。
そもそも藤波博士とは論文を書く為に参考に話を聞きに行っただけで、成り行きでグレイザーになったが、戦う義務がある訳でもない。
守はただ、普通に友達と楽しく遊んだり勉強したり、バイトしたりと大学生活を送りたかっただけなのに……。
守は立ち上がるとまた何処かへ行った。

その頃、病院ではようやくガイが目を覚ました。
第一声はやはり……。
「あ~……腹減った~」
いつも通りのガイだった。
ガイはガイオーの鎧の力か不思議と回復が早かった。
ベッドから起き上がると何か食べ物がないか探す。
しかし、ガイは今お金を持って居ない。
更に奢ってくれる人物も居ない。
さて、どうしたものか……。
とりあえず、病室を抜け出し、ナースステーションに行くと、看護師の1人が寄って来た。
ガイは食事を求めると看護師はすぐに用意してくれた。
葛城がお願いし、ガイが目を覚ましたら食事を出せるようにしておいてくれた。
ガイは用意された食事を一気にたいらげ体力回復。
体力が回復したガイはすぐに病院を抜け出した。
ガイはアルギルスと戦うつもりでいた。

その頃、守は藤波博士の家の前に立っていた。
ピンポーン。
チャイムがなり藤波博士がドアを開けると……。
地面に『グレイアクセラー』が置かれていた。
藤波博士は守を探したが既に守の姿は無かった。

守は城北大学に足を向けた。
電車に乗って大学に向かっていると、周りには自分と同じ位の年の子達が友達同士で楽しそうに笑ってお喋りをしていた。
本当なら自分も友達とこうやって楽しく喋っていたかも知れない。
普通の大学生に戻りたい、そんな想いが守の中で強くなって行った。

大学に着くと丁度昼休みで、学生達は昼食を食べに行ったり学食に集まったりしていた。
守が周りを見渡していると晴香を見つけた。
晴香も守に気付いて近付いて来た。
「桐崎君!どうしたの?怪我、大丈夫なの?」
少し返事に困ったが守は……。
「ああ……うん……まだちょっと痛いけど……歩ける位だし……午後から講義に出ようかなって……」
「手ぶらで?」
そう、よく考えたら守は病室から何も持たず手ぶらで来ていた。
財布と定期はポケットに持っていたが勉強道具等は何も持って居なかった。
「ああ……そうか……手ぶらだった……」
そういえば勉強道具等は何処に行ったのか……。
晴香にも尋ねてみると。
「桐崎君の勉強道具は西山君が預かってると思うよ?西山君家で勉強会してそのままだから」
あっ、そうだった……。
守はしまったと思い西山に電話をする。
しかし、西山は既に大学を出てるようで恐らく友達と喋りながら食べているのであろう。
電話に出なかった。
すると、晴香が……。
「とりあえず私、お昼食べに行くけど、一緒に食べる?」
晴香から思ってもみない誘いだった。
勿論守も行く事にした。
断る理由もない。
守と晴香は近くにご飯を食べに行った。
食事中は他愛もない話で盛り上がった。
楽しい……守は心からそう思った。
守が求めていたのはこれだと気付いた。

その頃、SATの攻撃でダメージを受けたハンマーゲイラーは体の中に残っている弾丸を取り出し、再び暴れ出す。

ハンマーゲイラーが暴れ出した騒ぎは食事中の守と晴香も気付いた。
守と晴香が外に出てみるとそこには人々を無差別に襲うハンマーゲイラーが居た。
だが、守はどうする事も出来ない。
『グレイアクセラー』は藤波博士の家に置いてきている。
それどころか、恐怖で足が竦みその場でうずくまってしまった。
「桐崎君、逃げるよ!!」
晴香が必死に守に呼び掛けるが、守はその場から動けない……。
ハンマーゲイラーが晴香と守に迫る。
ハンマーゲイラーが右腕を大きく振りかぶり晴香を殴打!
っと、その時、ガイが現れハンマーゲイラーのハンマーを蹴り飛ばす。
ハンマーゲイラーは右腕のハンマーが頭部のハンマーとぶつかりよろける。
「早く逃げろ!」
ガイが晴香に言う。
「あっ……あなたは?」
晴香が問いかける。
「良いから早く!」
晴香は頷くと守を何とか立たせ一緒に逃げていく。
ガイがハンマーゲイラーの前に立ち塞がる。
「今度は別の奴か……来い」
ガイは『変身』。
復讐の騎士ガイオー登場。
ガイオーは早速『バーニングフォーム』にチェンジして『バーニングブレイド』を手にハンマーゲイラーと戦う。
ガイオーの攻撃はハンマーゲイラーをどんどん追い詰める。
『ヘルフレイムインパクト』
ガイオーの必殺技が炸裂する。
ハンマーゲイラーは業火に焼かれ倒された。
しかし、ハンマーゲイラーを倒したガイオーの元にジェイガが現れる。
「!お前は!?」
ジェイガはガイオーに近付いて行く。
ガイオーはジェイガに向かって『バーニングブレイド』で斬り掛かる。
しかし、ジェイガはその攻撃を肩で受けもろともしない。
そして、不敵に笑って言った。
「フッフッフ……まず1人……」
ジェイガは怪人態となった。
ジェイガの怪人態は他の2人と異なり全身の殆どが機械となったサイボーグのようだった。
右手の拳からはマシンガンの様に弾丸が連続して撃たれる。
その攻撃を近距離で喰らったガイオーはダメージを受けた。
「くっ……なっ……何っ!?」
更にジェイガは両肩からロケットランチャーを発射し、ガイオーに大ダメージを与えた。
激しい爆発に巻き込まれガイオーは大ピンチ!?

続く……。
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