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契約の印紋と第2王子の真実のお話。3
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「え……?」
私の一世一代の告白にルー様は固まる。
驚愕の表情を浮かべて固まるものだから、こちらは気が気でない。
(私……してはいけないことをしてしまった……?こんな表情をさせるなら、ルー様に伝えるべきでは無かった……?)
あまりにも動かないルー様にぐるぐると考え始めた頃、
「───本当に……?僕を……ベニカが好き……?」
私に抱き締められたまま止まっていたルー様は、消え入りそうな声で……そう零した。
「本当よ、ルー様。貴方のことをお慕いしております。だから……勝手に私を置いていこうとしないで。」
答えれば……またしてもルー様に抱き締められる。
「こんな……嘘ばかりで逃げてばかりの僕を……ベニカは受け入れてくれるの……?」
「ええ、もちろん。ルー様がいいの。」
「後悔しない……?君は王子妃になってもいいの……?」
「王太子妃教育を受けてきたのよ?なんて事ないわ。」
「ベニカ……僕を受け入れてくれてありがとう。君にはずっと……感謝しかない。勝手に印紋を付けた僕だけじゃなくて……全て受け入れてくれた。」
ルー様の大きな手が、私の頬に触れる。
「君の優しさに甘えてばかりの僕だけど。僕の太陽……ずっと傍に居てくれる?」
「もちろんよ、ルー様。」
────そっと触れるだけのキス。
だけど……今までで1番幸せなキス。
唇を離して見つめ合うと……どちらからとなく笑みが零れる。
「さすがに夜の海は寒いから……冷えてきたね。帰ろう、ベニカ。」
「えぇ。」
ルー様が差し出した手を握ると、立ち上がると同時にルー様の胸の中に収まる。
そしてルー様は私の耳元に唇を寄せる。
「帰ったら……抱かせて?」
「……?!」
驚く間もなく、横抱きにされ……
「ふふっ。……じっとしていて?落としてしまったらいけないからね。」
悪戯っ子のように笑うルー様に抱かれたまま、転移の魔法陣の中に入ったのだった。
私の一世一代の告白にルー様は固まる。
驚愕の表情を浮かべて固まるものだから、こちらは気が気でない。
(私……してはいけないことをしてしまった……?こんな表情をさせるなら、ルー様に伝えるべきでは無かった……?)
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「───本当に……?僕を……ベニカが好き……?」
私に抱き締められたまま止まっていたルー様は、消え入りそうな声で……そう零した。
「本当よ、ルー様。貴方のことをお慕いしております。だから……勝手に私を置いていこうとしないで。」
答えれば……またしてもルー様に抱き締められる。
「こんな……嘘ばかりで逃げてばかりの僕を……ベニカは受け入れてくれるの……?」
「ええ、もちろん。ルー様がいいの。」
「後悔しない……?君は王子妃になってもいいの……?」
「王太子妃教育を受けてきたのよ?なんて事ないわ。」
「ベニカ……僕を受け入れてくれてありがとう。君にはずっと……感謝しかない。勝手に印紋を付けた僕だけじゃなくて……全て受け入れてくれた。」
ルー様の大きな手が、私の頬に触れる。
「君の優しさに甘えてばかりの僕だけど。僕の太陽……ずっと傍に居てくれる?」
「もちろんよ、ルー様。」
────そっと触れるだけのキス。
だけど……今までで1番幸せなキス。
唇を離して見つめ合うと……どちらからとなく笑みが零れる。
「さすがに夜の海は寒いから……冷えてきたね。帰ろう、ベニカ。」
「えぇ。」
ルー様が差し出した手を握ると、立ち上がると同時にルー様の胸の中に収まる。
そしてルー様は私の耳元に唇を寄せる。
「帰ったら……抱かせて?」
「……?!」
驚く間もなく、横抱きにされ……
「ふふっ。……じっとしていて?落としてしまったらいけないからね。」
悪戯っ子のように笑うルー様に抱かれたまま、転移の魔法陣の中に入ったのだった。
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