愛の大精霊の里

荒井 恵美

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旅での野宿想い合う2人

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早朝、サルファの町を出発した。北へ向かうと道は一気にさみしくなった。次の目的地ソフィの町までは、かなりの距離がある。途中で2回は野宿しなければならない。
道中タルトは木に止まる鳥のなきまねをしたりして笑わせてくれる。こうゆう明るい所が好ましいとクリスティアは思う。
北への道はずっと一本道だった。途中、水の音がきこえてきた。川が流れていた。川辺におりて水筒に水を入れた。水は冷たい。肌寒いなと思いサルファの町で買った上着をはおった。タルトもメアリーも上着をはおっていた。
「寒いわね」
そうクリスティアが言うとメアリーが答えた。
「ソフィの町に着いたらまた服を買わないといけないよ。今度は毛皮がいいね」

そろそろ野宿をする場所を探さないといけない時間になった。周りが見渡せるひらけた場所を選んだ。タルトは言った。
「野宿で大切なことは、何ぁんだ?」
「火をたやさないこと」
クリスティアは答えた。
「正解、メアリーばあちゃんは休ませてあげて、オレとクリスティアで交代で火の番をしよう」
「もちろんよ」
タルトとクリスティアは大量に木の枝を集めた。
簡単な食事をすますと、火のそばでメアリーはスヤスヤと眠っていた。

タルトは火を見つめながら言った。
「たき火の炎は心を癒す効果がある」
「タルトがそう言うと、良い炎に見えてきた」
2人は笑いあった。いつの間にかお互いにひかれあっていた。

夜もふけてきた。どちらが先に休むかと話し合っていた所、遠くに光る目がみえた。
「お客さんかな?来るかな?とにかく火をたやさないことだ」
タルトは言った。
「お客さん、近いてくるようだよ?しかも団体さんだ」
クリスティアは言った。光る目がたくさんある。一気に近づいてきた。クリスティアは楯と剣を手にした。タルトも短剣を構えている。光る目がいっせいにとびかかってくる。クリスティアとタルトは応戦した。狼たちだった。5匹ほど狼を倒したときに、狼のボスが遠吠えをした。さぁーっと、お客さんは逃げていった。タルトは慣れた手つきで、倒した狼たちの毛皮をはぎ、肉を解体していった。毛皮は乾かし、肉は塩と香草をぬりこんでたき火で焼いた。こうして焼くと次の日に食べても美味しいらしい。肉が焼けて香ばしい香りがしたところで、メアリーは起きてきた。
「食いっぱぐれしないのも長生きのコツさ」
と、メアリーはいたずらっぽく言った。

次の日の野宿では、お客さんはこなかった。昨日のお肉がとても役にたった。
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