上 下
21 / 164
拠点編

あらたな街と問題

しおりを挟む
馬車でゆっくり揺られること3日ようやく目的地のユーバットに到着した。ユーバットの街は最初に訪れたメリカドの街よりも一回り大きく栄えているようだ。門の前では検問があっていたがギルドカードを見せるとすんなり入れた。馬車が止められる宿も必要だが冒険者ギルドにいって移動登録を行った。ギルドランクがC以上になると街を移動する事に登録をしないと行けない。高ランク冒険者を管理するためだそうだ。登録ついでに討伐したモンスターの素材を買い取ってもらい、教えてもらった宿にいく事にした。宿の名前はアイネという。日本ではよくあるラブホテルの名前みたいだが、転移者が経営しているのか?とにかくそのアイネにいく事にした。

 アイネについて宿を確保して久しぶりに教会にいく事にした。異世界はまだわからない事も多いし、異世界無料体験サービスで俺以外の日本人がいてもおかしくないからだ。情報を仕入れておくことは悪くない。教会についてお祈りと寄付をしようと中に入ろうとすると中から二人組の男女が出てきた。黒髪で赤の目がぬを二人ともかけている。鑑定してみると。



 鑑定



 真行寺誠

 ・・・・





 真行寺佐江

 ・・・・



 鑑定しても見えないと言うことは加護もちイコール天使。うん、面倒事の匂いしかしない。当然異世界無料体験サービスの関係者だろう。名字も真行寺だし、スルーして中に入ろうとドアに手をかけると



 「あら、あなた日本人なの?珍しい。」



  女性の方から声をかけられたが無視



 「何無視してんだよ。おっさん。」



 今度は男が絡んでくる。あー面倒臭い天使は馬鹿なのか?お前達の仲間のせいで帰れなくなっているんだぞ。馬鹿が。確かに30歳を越えたらおっさんだが、見た目は20代くらいしかないんだぞ。頭に来て無視する。



 「おい、聞いているのか?」



 「・・・」



 そのまま教会に入った瞬間男はキレて抜刀して斬りかかってきた。ローゼが防ごうとしていたが、目で大丈夫と合図して行動を止める。



 「バシュ」



 ワザと斬られた俺の左手から血が滴り、教会の真っ白な床を真っ赤にする。確かに痛かったが動けない状態ではない。左肩に乗っているイムに回復魔法をかけてもらって止血をしてもらっている。



 「誠なにやっているの?」



 女の言葉で我に返る男こと真行寺誠、真っ青になり剣を落とす。教会の中には教会関係や一般市民がいた、もちろん一部始終を目撃していた。俺のとった行動は



 「助けて下さい、いきなり斬りかかってきたんです。」



 その瞬間教会周辺はパニックになった。教会の中から警備兵が駆けつける。ローゼにはわざと受けたといって大丈夫だから静かにしておいてくれと頼んだ。男と女は頭が真っ白になったのか慌てて教会を去って行った。もちろんマーカーを付けているので逃げる事はできない。



 「君、大丈夫か?どうしたんだ?」



 「教会に入ろうとしたら知らない男と女に声をかけられていきなり切りつけられました。」



 「本当か?そいつらはどうした?」



 「はい、本当です。あちらに逃げていきました。」



 「俺も見ていたがいきなりだったぞ。」



 「「そうだ。」」



 民衆が騒ぎ立てる。教会関係者は教会内で起きた事件、そして教会から出てすぐ教会に来た人を切りつけたとなって慌てていた。とりあえず大丈夫だと言うことを伝えて、実行犯が教会関係かどうか聞くことにした。



 「出てきた男女は何者ですか?いきなり切りつけてきて。もちろんそんな犯罪者は捕まえて罰してくれますよね?」



 「直ちに手配する。直ちに追うぞ。」



 数人の警備兵が出て行った。中から神父とシスターがやってきたので男女の身元を聞いてみる。



 「あの方達は教会上層部から依頼されてきた人達です地方の私たちでは分かりかねます。」



 「では教会ぐるみの犯罪といっているのですね。」



 「そういう事ではなく、、、」



 困る教会関係、とりあえず教会上層部に連絡をいれてもらって謝罪を要求した。手当てはいらないので祈らせてくれといって祭壇の前にいく。するとあたりが白くなりいつもの神界にいった。



 「創造主さんどうなっているんですか?天使達は馬鹿なのですか?いきなり日本人とかいって大勢の前で異世界人と暴露しようとしたかと思えば斬りかかるとはおかしくありませんか?」



 『申し訳ないのじゃ、まさかこんな事になるとはなぁ。』



 「そもそも、俺が異世界にいるのもそっちの落ち度ですけどね。どう責任とるのですか?あの二人殺されても文句いいませんよね?いきなり斬りかるんだから殺されてもおかしくありませんよね?」



 『いや、それはあんまりじゃ。』



 「その場で返り討ちにしても良かったのですよ。こちらとしつは。」



 『好きなスキルを渡すからどうかこらえてくれ』



 「好きなスキルとはどんな物でもいいのですか?それ次第です。」



 『ぐぐぐう、仕方ない言われた物をやろう。1個』



 「1個?2個の間違いではないですか?異世界人とばらされようとした事と斬られた事、あとあの二人は罰してくれますよね。」



 『あの二人を罰するからどうか1個でこらえてくれ頼む。』



 「そんなに言うならお願いします。あとスキルは後から選べるようにしておいて下さい。」



 『わかったのじゃ、すまないの~。ではさらばじゃあ。』



 元の祭壇の前に戻り事後処理を教えて貰うことにしてもらって教会を出る事にした。



 「ダイスケ様無茶しすぎです。心配しました。」



 「すまない、ちょっと色々考えてやってみたんだ。危険だと思ったらしないから。」



 『ごしゅじん心配した。(ぷるぷる)』



 左肩に乗っているイムをなでながら宿に戻った。



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界召喚されたら無能と言われ追い出されました。~この世界は俺にとってイージーモードでした~

WING/空埼 裕@書籍発売中
ファンタジー
 1~8巻好評発売中です!  ※2022年7月12日に本編は完結しました。  ◇ ◇ ◇  ある日突然、クラスまるごと異世界に勇者召喚された高校生、結城晴人。  ステータスを確認したところ、勇者に与えられる特典のギフトどころか、勇者の称号すらも無いことが判明する。  晴人たちを召喚した王女は「無能がいては足手纏いになる」と、彼のことを追い出してしまった。  しかも街を出て早々、王女が差し向けた騎士によって、晴人は殺されかける。  胸を刺され意識を失った彼は、気がつくと神様の前にいた。  そしてギフトを与え忘れたお詫びとして、望むスキルを作れるスキルをはじめとしたチート能力を手に入れるのであった──  ハードモードな異世界生活も、やりすぎなくらいスキルを作って一発逆転イージーモード!?  前代未聞の難易度激甘ファンタジー、開幕!

召喚されたけど要らないと言われたので旅に出ます。探さないでください。

udonlevel2
ファンタジー
修学旅行中に異世界召喚された教師、中園アツシと中園の生徒の姫島カナエと他3名の生徒達。 他の三人には国が欲しがる力があったようだが、中園と姫島のスキルは文字化けして読めなかった。 その為、城を追い出されるように金貨一人50枚を渡され外の世界に放り出されてしまう。 教え子であるカナエを守りながら異世界を生き抜かねばならないが、まずは見た目をこの世界の物に替えて二人は慎重に話し合いをし、冒険者を雇うか、奴隷を買うか悩む。 まずはこの世界を知らねばならないとして、奴隷市場に行き、明日殺処分だった虎獣人のシュウと、妹のナノを購入。 シュウとナノを購入した二人は、国を出て別の国へと移動する事となる。 ★他サイトにも連載中です(カクヨム・なろう・ピクシブ) 中国でコピーされていたので自衛です。 「天安門事件」

転異世界のアウトサイダー 神達が仲間なので、最強です

びーぜろ@転移世界のアウトサイダー発売中
ファンタジー
告知となりますが、2022年8月下旬に『転異世界のアウトサイダー』の3巻が発売となります。 それに伴い、第三巻収録部分を改稿しました。 高校生の佐藤悠斗は、ある日、カツアゲしてきた不良二人とともに異世界に転移してしまう。彼らを召喚したマデイラ王国の王や宰相によると、転移者は高いステータスや強力なユニークスキルを持っているとのことだったが……悠斗のステータスはほとんど一般人以下で、スキルも影を動かすだけだと判明する。後日、迷宮に不良達と潜った際、無能だからという理由で囮として捨てられてしまった悠斗。しかし、密かに自身の能力を進化させていた彼は、そのスキル『影魔法』を駆使して、ピンチを乗り切る。さらには、道中で偶然『召喚』スキルをゲットすると、なんと大天使や神様を仲間にしていくのだった――規格外の仲間と能力で、どんな迷宮も手軽に攻略!? お騒がせ影使いの異世界放浪記、開幕! いつも応援やご感想ありがとうございます!! 誤字脱字指摘やコメントを頂き本当に感謝しております。 更新につきましては、更新頻度は落とさず今まで通り朝7時更新のままでいこうと思っています。 書籍化に伴い、タイトルを微変更。ペンネームも変更しております。 ここまで辿り着けたのも、みなさんの応援のおかげと思っております。 イラストについても本作には勿体ない程の素敵なイラストもご用意頂きました。 引き続き本作をよろしくお願い致します。

クラス転移したからクラスの奴に復讐します

wrath
ファンタジー
俺こと灞熾蘑 煌羈はクラスでいじめられていた。 ある日、突然クラスが光輝き俺のいる3年1組は異世界へと召喚されることになった。 だが、俺はそこへ転移する前に神様にお呼ばれし……。 クラスの奴らよりも強くなった俺はクラスの奴らに復讐します。 まだまだ未熟者なので誤字脱字が多いと思いますが長〜い目で見守ってください。 閑話の時系列がおかしいんじゃない?やこの漢字間違ってるよね?など、ところどころにおかしい点がありましたら気軽にコメントで教えてください。 追伸、 雫ストーリーを別で作りました。雫が亡くなる瞬間の心情や死んだ後の天国でのお話を書いてます。 気になった方は是非読んでみてください。

集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!

七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」 その天使の言葉は善意からなのか? 異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか? そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。 ただし、その扱いが難しいものだった。 転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。 基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。 ○○○「これは私とのラブストーリーなの!」 主人公「いや、それは違うな」

追放された薬師でしたが、特に気にもしていません 

志位斗 茂家波
ファンタジー
ある日、自身が所属していた冒険者パーティを追い出された薬師のメディ。 まぁ、どうでもいいので特に気にもせずに、会うつもりもないので別の国へ向かってしまった。 だが、密かに彼女を大事にしていた人たちの逆鱗に触れてしまったようであった‥‥‥ たまにやりたくなる短編。 ちょっと連載作品 「拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~」に登場している方が登場したりしますが、どうぞ読んでみてください。

月が導く異世界道中extra

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  こちらは月が導く異世界道中番外編になります。

あなたのレベル買い取ります! 無能と罵られ最強ギルドを追放されたので、世界で唯一の店を出した ~俺だけの【レベル売買】スキルで稼ぎまくり~

桜井正宗
ファンタジー
 異世界で暮らすただの商人・カイトは『レベル売買』という通常では絶対にありえない、世界で唯一のスキルを所持していた事に気付く。ゆえに最強ギルドに目をつけられ、直ぐにスカウトされ所属していた。  その万能スキルを使いギルドメンバーのレベルを底上げしていき、やがてギルドは世界最強に。しかし、そうなる一方でレベルの十分に上がったメンバーはカイトを必要としなくなった。もともと、カイトは戦闘には不向きなタイプ。やがてギルドマスターから『追放』を言い渡された。  途方に暮れたカイトは彷徨った。  そんな絶望的で理不尽な状況ではあったが、月光のように美しいメイド『ルナ』が救ってくれた。それから程なくし、共に世界で唯一の『レベル売買』店を展開。更に帝国の女騎士と魔法使いのエルフを迎える。  元から商売センスのあったカイトはその才能を遺憾なく発揮していく。すると驚くほど経営が上手くいき、一躍有名人となる。その風の噂を聞いた最強ギルドも「戻ってこい」と必死になるが、もう遅い。  見返すと心に決めたカイトは最強ギルドへの逆襲を開始する――。 【登場人物】(メインキャラ) 主人公 :カイト   / 男 / 商人 ヒロイン:ルナ    / 女 / メイド ヒロイン:ソレイユ  / 女 / 聖騎士 ヒロイン:ミーティア / 女 / ダークエルフ ***忙しい人向けの簡単な流れ*** ◇ギルドを追放されますが、実は最強のスキル持ち ◇メイドと出会い、新しい仲間も増えます ◇自分たちだけのお店を開きます ◇みんな優しいです ◇大儲けしていきます ◇元ギルドへの反撃もしていきます ◇世界一の帝国へ移住します ◇もっと稼ぎまくります

処理中です...