異世界に一つだけ持って行けると言われたので『ダム』と答えました。

49.宗教騒動3

　夜中にやって来た奴らは教会に仕える暗殺者だった。

　「ここにサトルという冒険者がいるこころしてかかれ、やつはドルボーン司教の子息であるテーリーング騎士に対して斬りかかった罪人だからな。」

　「はっ！」

　サトルに言わせれば罪人はドルボーン司教の子息でるテーリーング騎士なのだが、恐喝や殺人未遂など野次馬達が証人なのでいいのがれ出来ない。暗殺者を送るくらいだから表向きの抗議は出来ないのでサトルを殺しにきたのだろう。ただ、その相手が途方もなく強いとは思ってもいないだろう。

　サトルは不穏な気配に気づき身構える。突如屋根裏から侵入者がやって来てサトルに攻撃を仕掛ける。

　キン！

　侵入者の攻撃をダガーで受け止めると応援の暗殺者が数名やって来る。

　「やれやれ、暗殺者とは教会もずいぶん卑劣な事をしますね。」

　「！？」

　その言葉に驚く暗殺者。

　「どうせ昼間の仕返しでしょうが残念でしたね。仕掛けてきたのは教会がわなので遠慮せずに行きます。」

　その瞬間、暗殺者に物凄い殺気が送られる。その殺気で身動き出来ない暗殺者達。

　一人づつ意識を刈り取っていく。数分で暗殺者達の意識を刈り取ると一カ所に集めつていき身ぐるみを剥いだ。
　
　はぎ終わったサトルは暗殺者達に教会の信者が持つ御札をお腹に貼り付けた。とれないように魔法で瞬間接着剤をイメージして貼り付ける。また破壊されないように自己再生もイメージした。
　
　裸に教会の御札を掲げた暗殺者達を嫌がらせの様に冒険者ギルドの壁に貼り付ける。また、朝まで見つからないように暗殺者達に隠蔽の魔法で姿を消した。
　　
　朝日が昇ると隠蔽の魔法が消えるようにしてある。朝から冒険者ギルドは大変な事になるだろう。

　翌朝、冒険者ギルド前は大騒ぎなった。突如教会の暗殺者という奴らが壁に貼り付けられていたからだ。暗殺者達の体には文字が書いてあった。


　私たちは教会の暗殺者です。証拠は教会の関係者が持つ御札です。教会の依頼で暗殺しようとしましたが失敗しました。ドルボーン司教の命令です。
　　

　その内容は教会に伝えられて大騒ぎになった。衛兵からも調査部隊が派遣された。またこの騒動は各国にも伝えられて教会支部や本部に各国の調査部隊が派遣されるきっかけになった。

　当事者であるドルボーン司教は大慌てで隠蔽工作を行おうとしていたが上層部からトカゲの尻尾切りのように破門される事になった。

「なんつで私が破門なんだ上層部の為に長年臭い仕事をしてきたのに、クソ！テーリングはとんでもない奴に因縁をふっかけたのか？」

　後悔したドルボーン司教（元）ちなみにテーリングは騎士を剥奪され破門、犯罪者として奴隷落ちになった。　

　しかし、サトルの仕返しは始まったばかりだった。