異世界に一つだけ持って行けると言われたので『ダム』と答えました。

37.やらかした貴族

　ガッシャーン、パリーン。　　

　そんな音と共にガラス製の花瓶は割れた。推定価格は金額500枚をこえる高級品だ。名誉男爵では支払が難しい金額だ。

　「花瓶を割りましたね。机と棚そして花瓶を弁償してください。」

　「安物の花瓶など払ってやるよ。んー金貨1枚か？」

　「違います。ガラス製なので安くても金貨500枚です。」

　そう答える副ギルドマスター、真っ青になる名誉男爵。
　　
　「500、金貨500枚！えっそんな？！横暴だ！」

　「いやいや、壊した貴方が横暴だ！きっちり弁償してもらう。」

　「貴様らが悪い、我は帰る気分が悪い。」

　帰ろうとする男爵だが、サトルがそれをさせない。ドアを閉めて進行方向の前に立つ。

　「弁償してもらう。払わないなら他の物で支払ってもらう。」
　　
　「平民ぶぜいが！どけ！」

　「どきませんよ。払うまでは！」

　「どけー、平民が！」

　切れて殴りかかってきた。正当防衛を勝ち取る為わざと攻撃を受けるサトル、攻撃を当てた馬鹿貴族はうれしがっていた。
　
　「どうだ？我は強いのだ。」

　「・・・」

　勘違いしているのでお仕置きする。加減しないと殺してしまいそうなので軽くデコピンをする。

　バシッ！ベコ！

　「べぇーお。」

　変な声と共に倒れる男爵、ギルド関係者に拘束された。慰謝料請求は商業ギルドがやってくれるようだった。金貨500枚以上が決定している。　名誉男爵は国から毎年金貨50枚が支払われるくらいで仕事を持っていないと生活が厳しいのだが、この男爵は貴族の位をつかい色々な事をしてお金を集めていた悪い奴だった。商業ギルドとしてもブラックリストに入れていた人物だった。

　支払い能力がないと判断されて屋敷を差し押さえする見たいだ。もちろん屋敷内も調べられて犯罪の証拠として押収された。

　現在はギルドの留置場で取り調べを受けているが自分が無実と思い込んでいるが上位貴族からはトカゲの尻尾切りのように綺麗に忘れ去られた存在になっている。

　そしてとんでもない名前と証言をするのだった。

　「聞けよ、我は伯爵様より依頼を受けたが違うのだ命令をされたのは国王様なのだよ。証拠に王命の印がある。」

　いきなり爆弾発言をした男爵だった。それにはギルドの職員も対応に困っていたが商業ギルド上層部はその証拠を王国に送って対応を委ねる事にした当然犯罪の証拠と共に送りつける。また罪状と証拠のコピーをを各ギルド支部に送りつける。

　数日後、男爵は王都に送られた。その後男爵を見た物はいなかった。