異世界に一つだけ持って行けると言われたので『ダム』と答えました。

29.依頼達成

　依頼未達のまま冒険者ギルドに報告する。

　｢依頼についてなんだが、未達に終わった。理由は依頼内容と異なる依頼をさせようとしり襲ってきたから帰ってきた。依頼内容を確認をしてくれ。｣

　｢はい、わかりました。｣

　ギルドの受付が確認すると確かに依頼内容が違う事がわかった。護衛、討伐依頼になるとランクが現状のFではなくDランク以上になってしまう事がわかった。ギルドから農村に抗議と調査を行って貰うことになった。また、ギルドからお詫びとして報酬の半額が支払われた。
　調査の内容次第で慰謝料も貰えるとのこと。ギルド側も依頼者との信用関係が崩れないように対応するようだ。

　ギルドで常時依頼の薬草採取とゴブリン討伐の依頼を受けたサトルとマナミは農村近くの山に向かった。
　
　｢サトルさん何故戻るのですか？｣

　｢村人の依頼を直接うけても金にならないしい急に襲ってきた奴らに仕返しがしたいんだよ。｣

　｢性格わるいですね。でも、結果的に助けるんですね。｣

　農村近くの山に入る二人、薬草採取とゴブリン討伐を行う。本来はサトルが討伐を行うのだが、マナミが採取が不得意と分かり交替になった。

　｢ｺﾞｺﾞｺﾞﾌﾞ｣

　ゴブリンが近づいてくる。マナミは初級風魔法を放つ。

　｢ウインド｣

　風の小さい刃がゴブリンに向かっていく。

　｢ぎゃ！｣

　風の刃がゴブリンのクビに刺さり絶命させる。討伐部位は左耳なので注意しながら剥ぎ取るマナミ。

　｢気持ち悪いですね。面倒だから左耳狙いでやっちゃいます。｣

　大きい独り言のマナミ。サトルは黙々と鑑定しながら薬草や毒消し草など素材になる物を収集している。
　
　｢サトルさんまだやるんですか？ゴブリン飽きましたよ。｣

　｢まだだよ。この山のゴブリンを絶滅させるまで街には帰れません。｣

　｢えー。わかりました。夕飯期待してます。｣

　｢わかった。頑張ってみる。｣

　サトルは採取と同時にモンスター討伐もやっていた。アイテムボックスに収納させているので身軽だ。ついでに落ち葉や土なども収納している。畑の土作りようだ。村で飼育している牛の糞と混ぜて堆肥を作るのだ。

　村の畑の悪い原因は未熟な堆肥を畑に大量に入れた為だった。未熟な堆肥は植物の生育には悪いのだ。
　集めた材料と牛糞で完熟堆肥を作るのが今回の目的だった。少しでも美味しい物が食べたいサトルだった。

　一方、マナミは奇声を上げながらゴブリンを討伐していた。

　｢ぎゃーもー気持ち悪いなー、もーおー｣

　サトルとマナミは2日間山にこもった。それで山のゴブリンは絶滅した。ジュネラルやキングはサトルが密かに殺してアイテムボックスにしまっていた。
　マナミも討伐でレベルは上がったが一人でジュネラルやキングの討伐は厳しい。
　山から下りギルドに依頼報告をしに行った。

　｢暫く見なかったですが、生きていましたね。｣

　ギルドの受付が話してきたので常時依頼の報告をする。

　｢買取と討伐確認を頼む。｣

　カウンターの上に大量の薬草とゴブリンの左耳が置かれる。

　｢えー！待ってください。時間が掛かりますので明日来てください。｣

　大量の討伐部位と薬草に涙目になる受付、言われた通り明日ギルドに再び伺う。久しぶりの街に嬉しがるマナミ、今日は風呂に入ってゆっくりする。