異世界に一つだけ持って行けると言われたので『ダム』と答えました。

1.プロローグ

　今日も俺は会社の社畜となり多忙なシフトに入り仕事に追われている。
　俺の名前は田中サトル年齢は29歳でブラックなファミレスチェーンで働く独身で名ばかりの店長だ。
　ようやく今日のシフトを終え帳票を作成し家に帰ろうと車まで向かう。
　いざ車に乗り込み出発しようとするが睡魔に襲われて仮眠する事にした。


　疲れて寝ているので夢は見ないはずだが夢を見ている。悪夢なんだと思っていると目の前が光り出す。

　光が落ちつき人が見えてくる。

　『私は神です。ごめんなさい。あなたは異世界に召喚されます。』

　いきなり現れた神と名乗る幼女からの問題発言に夢だと思いながら軽く流していると幼女から反論された。

　『幼女ではありません神です。異世界ライドバルグの神ナセルラータですよ田中サトルさん。』

　「何故名前が分かる？やっぱり夢かぁ！ヤバイ末期だなストレスと過労で疲れているんだ。」

　『違います。異世界召喚です。今回あなたは巻き込まれて召喚させられます。聞いていますか？』

　言いながら幼女がグーで殴ってきた。

　バシッ

　「いてー！あれ？なんで痛みを感じるんだ夢ではないのか？」

　『痛みを感じるから夢ではありません現実ですよ。わかりますか？』

　痛みと説明でようやく現状を飲み込んだサトルだった。

　『今回巻き込まれて召喚されたあなたには特典があります。なんでも一つだけ異世界に持ち込めます。ただし、生き物や植物といった異世界の生態系を壊す物は駄目です。ただし、建物とかの人工物は大丈夫です。』

　「一つだけですか？増やすのは無理ですよね。」
　
　『規定で決まっているので無理です。』

　「分かりました。いくつか質問してもいいですか？」

　『もう少し時間がありますので大丈夫ですよ。』

　「では、異世界はファンタジーな世界で魔法があるのでしょうか？」

　『そうですね。異世界はファンタジーでモンスターがいる魔法がある世界です。地球には魔力はありませんが、異世界ライドバルグには魔法があります。他の質問は？』

　「わかりました。考えますので少し時間を下さい。」

　そういうとサトルは何にするか考えた。悩んだ末に出した答は


　「では、ダムを発電が出来る大きなダムを与えて下さい。」


　『・・・ダム？！』

　少し困り顔の幼女だった。