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第4章 ヘラルド・ミストライブラ

第35話 クリア条件

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 その、『ヘラルド・ミストライブラ』襲名記念パーティ。

 開催場所はギルド『神々の黄昏』のホームではなく、その上空に浮かぶ、『天空城ミストライブラ』城内の大ホールである。
 ミストライブラは通常の装備と同じく、一度『顕現』させれば、MPも消費せずそのまま存在できる。もちろん、浮かんだままだ。

、ギルド『新緑の騎士団』の方々が到着しました」
「おう、待ってたぜ。よく来てくれたな、ユーマ・アイスフィールド」
「ああ、お招きありがとう。…見たよ、ユリシーズさんからもらった映像」
「俺、カッコ良かっただろ!」
「もう、ボクのスキルじゃかなわないね。なら」
「へえ…? 一応、俺自身のスキルも増幅できるんだけど?」
「そうなんだ。一度見せてもらいたいな」
「ああ、いつでもいいぜ?」

 はー、また始まったよ。結局、あまり変わってないってことか。

 まー、でもいいや。あ、この料理おいしい。誰が作ったのかな。後でレシピを教えてもらおう。もぐもぐ。

「ね、姉ちゃん、メシばっか食ってないでさ、こっちに来て話でも…」
「…私は、別にいなくてもいいんじゃない? メイドさん達がいっぱいいるんだから。良かったね、ようやくモテモテになって」
「いや、あいつらNPCじゃねえか! それに、特殊クエストのクリア条件が、あいつら全員倒すことだったから、そんな対象じゃねえんだよ」

 要するに、城を守護する戦闘メイド集団に単独で勝利するのがクリア条件だったわけだ。その数、23名。

「そう? でもほら」

 とてとてとて

「御主人様、お料理をお持ちいたしました。御一緒に飲み物はいかがですか?」
「いや、お前らは招待客の相手しろよ」
「そうは参りません。御主人様の身の回りを常日頃お世話するのも、この城のメイドとしての職務ですから」

 そして、勝利した拓也…ヘラルドは城の主となり、彼女らに『御主人様』と呼ばれてわけだ。だから、私は別に要らないよね?

「そんなんいいって…あ、姉ちゃん!」

 つーん
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