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第1章 ミリアナ・レインフォール

第8話 追加クエスト

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 結果。普通に転移できた。
 現実世界の人間が一瞬のうちにまるまるデータ化ですよ? ヤバすぎる。

 私のマイホームで待機していたユリシーズさんが、犯人達と一緒に現れた私を見て驚愕する。

「ミリアナさん、パーフェクトですね!」
「あのクエスト、賞金と経験値が美味しいから、何十回もクリアしたんですよねー」
「ああ…そういえば、そうでしたね」

 最終クエスト攻略のいい前フリとなりましたよ。ええ。

「さて、それじゃあ、どこに犯人達を『現界』すればいいですかね?」
「研究を兼ねて、しばらくこちら仮想世界に置いておくのもいいかもしれませんね。とりあえず、関係当局に連絡を…ミリアナさん!? 犯人のひとりが!」
「えっ…」

 いつの間にか目を覚ましていた、犯人のひとり。その手には、この仮想世界にないはずのモノが握られている。

「くそう…なんだかわからないが、お前を道連れにしてやる!!」

 手榴弾のピンが、弾け飛ぶ。現実世界と同じなら、数秒で爆発してしまう…!

「間に合って! 『シャイニー・レイン』!」

 『闇の王』を倒した技と同じ、魔剣レインフォールにありったけのMPを注ぎ込んで振り降ろすことで発動する、攻撃と消滅を併せ持った最終スキル。それを、手榴弾に叩きつける。

 カッ…

 シュッ

 …
 ……
 ………

「良かった、間に合った…。あ、もう一度峰打ちっ」
「かはっ」

 ドサッ

 いやあ、危ない危ない。
 もっとも、既に『ファラウェイ・ワールド・オンライン』の中だったから、爆発したとしても問題なかったと思うけど。

「はー、助かりました。仮想世界内とはいえ、未知の爆発に巻き込まれたら、精神的にどんな影響があるかわかりませんからね」

 あ、そういう問題もあったか。まあ、結果オーライだ。

「あと、ゲーム内でしたのでログがとれました。分析がはかどると思いますよ!」
「えー…。あれ、そういえば、当局への連絡は」
「あ、これからします」

 グダグダ感満載のシーンまでログとってどうするの。
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