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第5話 誰にどう思われようと
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姜充媛の綬帯の顛末を、碧燿は次のように記録した。
芳林殿にて姜充媛の宝物が失われる。其実、宮鴉に攫われたもの也。過日の鳳凰は玉を帯びた鴉と推し量るべし。
報復を恐れる充媛を、彼女では説得することができなかったのだ。曖昧な理屈で宮女に罪を押し付けた最初の記述に比べれば、いくらかマシではあるだろう。桃児も無事に獄から出され、主のもとに戻ったという。
(でも、完全な真実ではない……)
苦い思いを噛み締めて、碧燿は筆を置いた。彤史に登用されるからには、彼女の手跡は端整なものだ。けれど、今は悔しさゆえの歪みが止めや跳ねに出てはいないだろうか。姜充媛は、大事な綬帯をうっかり鴉に攫われるような場所に置いていた。つまりは、決して盗難事件などではなかった。夏天の後宮における真実は、そのように記録されてしまったのだ。
* * *
綬帯の事件のあった、翌日──なぜかまたも後宮に押しかけた珀雅は、強情な義妹を宥めるように苦笑していた。
「──とはいえ、私としてはお前が恨まれるようなことにならなくて良かったと思っているよ」
「覚悟の上です。真実を求める者は疎まれるものでしょう」
若く、しかも見目良い男の癖に後宮に入ることを許されているのは、それだけ皇帝の信認が篤いからだろう。それ自体は実家・巫馬家にとって良いことだ。問題は──
(なぜ、またいるのです?)
碧燿が、その名と同じ色の目でじっとりと睨んだ先には、藍熾がいた。今日は下級官吏の扮装を止めて、貴色の黄の袍を纏っている。ほどこされた刺繍の龍は五爪、堂々たる皇帝としての出で立ちだった。碧燿の仕事部屋は狭いし散らかっているし、ろくな茶器もないというのに、とてももったいない──そして面倒くさい存在である。
(私はこんな格好なのに)
いつもの色気も飾り気もない男装で、麻地の袍を指先で繰りながら、碧燿は溜息を堪えた。妃嬪が戯れに男装するのも、まあよくあることではあるけれど、その場合はもっと色気を際立たせるように艶やかに装うものだ。本来、少年と見紛う化粧っ気のない小娘は皇帝の視界に入ってはならないのだろうに。というか、万が一にも目立ったりしないように、という意味もあっての男装なのに。
碧燿の胡乱な目に応じて、藍熾はゆったりと口を開いた。座れれば良い、というだけの簡素な椅子に掛けていながらも王者の風格が漂うのはさすが、と言って良いのかどうか。
「今日は珀雅と過ごしている、ということになっている。偽りではないゆえ不満はあるまい」
「……卑賎の身の心中を慮っていただけるとは、過分の光栄でございます」
お前の流儀に合わせてやった、と言わんばかりの恩着せがましい言い分に、碧燿の声の温度は氷のように冷えた。
もちろん、皇帝の行動も逐一記録に残される。けれど、一介の彤史を訪ねたことが妃嬪たちの間で噂になったり、碧燿が虐めの標的になったりするかというと、たぶんそうはならない。
藍熾が仄めかしたのは、皇帝その人の動向と、後宮の人の出入りは別個に記録される、ということだ。皇帝は、護衛の巫馬氏を格別の寵遇でもって後宮に招いて歓談する。巫馬氏は、許しを得て義妹──つまり碧燿だ──に面会する。そのように記録されて、両者を結び付ける記述はなされないだろう。
(欺瞞で詭弁で、詐欺同然……!)
配慮なんてとんでもない、碧燿の──彤史の矜持を踏み躙る論法だった。
しかも、ひと言だけ述べた後、藍熾は黙して碧燿と珀雅を見比べている。深い青の目が静かに動く様は、鳥籠や金魚の鉢を眺める時のそれで。
(どうせ珍獣ですよ。変わった生態だと思ってご覧になれば良い)
これはもう好きにやってみろ、ということだな、と判じて。碧燿は仕方なく義兄に向かって口を開く。
「……忖度で記録が捻じ曲げられると思われれば、誰も真実を語ってはくれません。誰にどう思われようと──いえ、うるさいと思われるからこそ、私の行動には意味があるのです。何者にも与せず屈せず、真実だけにこだわる姿を見せなければ、信じてもらえないではありませんか」
「諫議大夫のような心持ちだ。お前に必要なことではないと、私も父上も思っている」
義父や義兄との間に、何度も繰り返したやり取りだ。彼らは、碧燿には普通に着飾って後宮で咲き誇って欲しかったのだ。最近はようやく諦めてくれたようだったのに、わざわざ蒸し返すのは──聞かせたい者がいるからとしか、考えられない。
(義妹をダシにしないで欲しいんだけど)
珀雅は、このやり取りを藍熾に聞かせようとしているのだ。やはり主を諫める意図があったなら、義兄を少しは見直しても良い。自分で言って欲しい、こっちを巻き込むな、とは思うけれど。
(まあ、私にとっても良い機会かも……?)
義兄を軽く睨んでから、碧燿は言いたいことを言うことにした。皇帝がすぐ横にいるなど、滅多にないことなのだから。この際、後宮がどのようなところなのか、僭越ながら教えて差し上げることにしよう。
「……後宮は豪奢な鳥籠ですから。身分や美醜や寵の有無を問わず、死ななければ出られないという点では皆同じ。ほとんどは顔も見たこともない皇帝陛下のために、若さも美貌も人生も虚しく朽ちさせるのです。愛でられるだけ、鳥や金魚のほうがマシでさえあるかもしれない」
全土から美女を集めておいて、その多くを捨て置くのが後宮という機構だ。稀に恩寵として一部を故郷に返す措置が取られることもあるけれど、藍熾が思いつくことがあるかどうか。碧燿が多く接する奴婢に至っては、罪人の妻子が焼き印を押され、官奴として収められた者も多い。上辺の美しさとは裏腹に、後宮には悲嘆も怨嗟も渦巻いている。
「溜まった鬱屈が良からぬ形で発露するのも当然のことでしょう。誰もが自分や、自分の主のことしか考えていないから──ひとりくらいは、真実を追い求めても良いのではないかと存じます。そうあるべきだと、信じております」
途中から、碧燿の目はしっかりと藍熾を捉えていた。義兄との会話という体裁で、皇帝への諫言を行ったのだ。不興を被っても構わない、という気分だった。そもそも初対面の時から、彼女はこの皇帝に気に入られる要素が何ひとつないのだから。それに──
「──これでも私に死を賜るとの仰せでしょうか?」
藍熾が性懲りもなく押しかけたのは、昨日の命令を改めて強いるためだろう。妃嬪の夜伽の記録を偽れ、というやつだ。彤史としても、碧燿自身としても、決して受け入れられないのはこれで分かってくれただろうか。従うくらいなら死んだ方がマシだ、と。
(では死ね、と言われるかしら……?)
巫馬家への配慮はともかくとして、この男にとって碧燿の命の価値はごく軽いだろう。怒声を覚悟して、碧燿は意識して腹に力を込め、背筋を正した。けれど──
「いいや。それはもう良い」
藍熾は感情のない平坦な声であっさりと告げ、首を振った。
「え」
そして、碧燿が目を見開いたのを見て初めて、ほんのわずか口元を緩ませる。気に入らない女を驚かせたのが愉快だったとでも言うかのように。いや、本当に驚かせるのはこれから、だったのだろうか。
「代わりにお前に命じたいことがある」
対峙する深い青の目に映った碧燿は、ものすごく嫌そうに顔を顰めていた。それを見た藍熾は、愉しげに喉を鳴らして笑った。
芳林殿にて姜充媛の宝物が失われる。其実、宮鴉に攫われたもの也。過日の鳳凰は玉を帯びた鴉と推し量るべし。
報復を恐れる充媛を、彼女では説得することができなかったのだ。曖昧な理屈で宮女に罪を押し付けた最初の記述に比べれば、いくらかマシではあるだろう。桃児も無事に獄から出され、主のもとに戻ったという。
(でも、完全な真実ではない……)
苦い思いを噛み締めて、碧燿は筆を置いた。彤史に登用されるからには、彼女の手跡は端整なものだ。けれど、今は悔しさゆえの歪みが止めや跳ねに出てはいないだろうか。姜充媛は、大事な綬帯をうっかり鴉に攫われるような場所に置いていた。つまりは、決して盗難事件などではなかった。夏天の後宮における真実は、そのように記録されてしまったのだ。
* * *
綬帯の事件のあった、翌日──なぜかまたも後宮に押しかけた珀雅は、強情な義妹を宥めるように苦笑していた。
「──とはいえ、私としてはお前が恨まれるようなことにならなくて良かったと思っているよ」
「覚悟の上です。真実を求める者は疎まれるものでしょう」
若く、しかも見目良い男の癖に後宮に入ることを許されているのは、それだけ皇帝の信認が篤いからだろう。それ自体は実家・巫馬家にとって良いことだ。問題は──
(なぜ、またいるのです?)
碧燿が、その名と同じ色の目でじっとりと睨んだ先には、藍熾がいた。今日は下級官吏の扮装を止めて、貴色の黄の袍を纏っている。ほどこされた刺繍の龍は五爪、堂々たる皇帝としての出で立ちだった。碧燿の仕事部屋は狭いし散らかっているし、ろくな茶器もないというのに、とてももったいない──そして面倒くさい存在である。
(私はこんな格好なのに)
いつもの色気も飾り気もない男装で、麻地の袍を指先で繰りながら、碧燿は溜息を堪えた。妃嬪が戯れに男装するのも、まあよくあることではあるけれど、その場合はもっと色気を際立たせるように艶やかに装うものだ。本来、少年と見紛う化粧っ気のない小娘は皇帝の視界に入ってはならないのだろうに。というか、万が一にも目立ったりしないように、という意味もあっての男装なのに。
碧燿の胡乱な目に応じて、藍熾はゆったりと口を開いた。座れれば良い、というだけの簡素な椅子に掛けていながらも王者の風格が漂うのはさすが、と言って良いのかどうか。
「今日は珀雅と過ごしている、ということになっている。偽りではないゆえ不満はあるまい」
「……卑賎の身の心中を慮っていただけるとは、過分の光栄でございます」
お前の流儀に合わせてやった、と言わんばかりの恩着せがましい言い分に、碧燿の声の温度は氷のように冷えた。
もちろん、皇帝の行動も逐一記録に残される。けれど、一介の彤史を訪ねたことが妃嬪たちの間で噂になったり、碧燿が虐めの標的になったりするかというと、たぶんそうはならない。
藍熾が仄めかしたのは、皇帝その人の動向と、後宮の人の出入りは別個に記録される、ということだ。皇帝は、護衛の巫馬氏を格別の寵遇でもって後宮に招いて歓談する。巫馬氏は、許しを得て義妹──つまり碧燿だ──に面会する。そのように記録されて、両者を結び付ける記述はなされないだろう。
(欺瞞で詭弁で、詐欺同然……!)
配慮なんてとんでもない、碧燿の──彤史の矜持を踏み躙る論法だった。
しかも、ひと言だけ述べた後、藍熾は黙して碧燿と珀雅を見比べている。深い青の目が静かに動く様は、鳥籠や金魚の鉢を眺める時のそれで。
(どうせ珍獣ですよ。変わった生態だと思ってご覧になれば良い)
これはもう好きにやってみろ、ということだな、と判じて。碧燿は仕方なく義兄に向かって口を開く。
「……忖度で記録が捻じ曲げられると思われれば、誰も真実を語ってはくれません。誰にどう思われようと──いえ、うるさいと思われるからこそ、私の行動には意味があるのです。何者にも与せず屈せず、真実だけにこだわる姿を見せなければ、信じてもらえないではありませんか」
「諫議大夫のような心持ちだ。お前に必要なことではないと、私も父上も思っている」
義父や義兄との間に、何度も繰り返したやり取りだ。彼らは、碧燿には普通に着飾って後宮で咲き誇って欲しかったのだ。最近はようやく諦めてくれたようだったのに、わざわざ蒸し返すのは──聞かせたい者がいるからとしか、考えられない。
(義妹をダシにしないで欲しいんだけど)
珀雅は、このやり取りを藍熾に聞かせようとしているのだ。やはり主を諫める意図があったなら、義兄を少しは見直しても良い。自分で言って欲しい、こっちを巻き込むな、とは思うけれど。
(まあ、私にとっても良い機会かも……?)
義兄を軽く睨んでから、碧燿は言いたいことを言うことにした。皇帝がすぐ横にいるなど、滅多にないことなのだから。この際、後宮がどのようなところなのか、僭越ながら教えて差し上げることにしよう。
「……後宮は豪奢な鳥籠ですから。身分や美醜や寵の有無を問わず、死ななければ出られないという点では皆同じ。ほとんどは顔も見たこともない皇帝陛下のために、若さも美貌も人生も虚しく朽ちさせるのです。愛でられるだけ、鳥や金魚のほうがマシでさえあるかもしれない」
全土から美女を集めておいて、その多くを捨て置くのが後宮という機構だ。稀に恩寵として一部を故郷に返す措置が取られることもあるけれど、藍熾が思いつくことがあるかどうか。碧燿が多く接する奴婢に至っては、罪人の妻子が焼き印を押され、官奴として収められた者も多い。上辺の美しさとは裏腹に、後宮には悲嘆も怨嗟も渦巻いている。
「溜まった鬱屈が良からぬ形で発露するのも当然のことでしょう。誰もが自分や、自分の主のことしか考えていないから──ひとりくらいは、真実を追い求めても良いのではないかと存じます。そうあるべきだと、信じております」
途中から、碧燿の目はしっかりと藍熾を捉えていた。義兄との会話という体裁で、皇帝への諫言を行ったのだ。不興を被っても構わない、という気分だった。そもそも初対面の時から、彼女はこの皇帝に気に入られる要素が何ひとつないのだから。それに──
「──これでも私に死を賜るとの仰せでしょうか?」
藍熾が性懲りもなく押しかけたのは、昨日の命令を改めて強いるためだろう。妃嬪の夜伽の記録を偽れ、というやつだ。彤史としても、碧燿自身としても、決して受け入れられないのはこれで分かってくれただろうか。従うくらいなら死んだ方がマシだ、と。
(では死ね、と言われるかしら……?)
巫馬家への配慮はともかくとして、この男にとって碧燿の命の価値はごく軽いだろう。怒声を覚悟して、碧燿は意識して腹に力を込め、背筋を正した。けれど──
「いいや。それはもう良い」
藍熾は感情のない平坦な声であっさりと告げ、首を振った。
「え」
そして、碧燿が目を見開いたのを見て初めて、ほんのわずか口元を緩ませる。気に入らない女を驚かせたのが愉快だったとでも言うかのように。いや、本当に驚かせるのはこれから、だったのだろうか。
「代わりにお前に命じたいことがある」
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