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八章 小鳥は鳥籠に戻る
2.秘密を知る者同士
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陽光に木々の緑が煌めく和やかな庭園──その片隅で、朱華は蔡弘毅にややこしく面倒な痴情の縺れの話を聞かせた。呪に守られている場所ではないけれど、今、この瞬間を狙って、しかも侍女と武官の内緒話を、唇を読んでまで時見か遠見で盗み聞きしようという者もいないだろう。多分。蔡弘毅の口の堅さについては、炎俊の秘密を守っていることで折り紙つきだから、もう信用するしかない。
「それは……尊い方にも色々あるのですね……」
話の間、何度も首を傾げたり目を瞠ったりしていた蔡弘毅は、全てを聞き終えると呟いた。思うところは色々あっただろうに、無難な総括に留めてくれたらしい。大筋では全く同感だから、朱華も大きく頷いた。
「本当に。私は、お慕いできる君にお仕えできて幸いでしたわ」
「殿下にお仕えする者として、大変嬉しく心強いお言葉です」
「私も。長春君様のお召しに、直ちに応じる方がいてくださって心強いですわ、蔡校尉」
蔡弘毅の武骨な頬が朱に染まるのを見て、朱華の唇は思わず綻んだ。つくづく権力争いには似合わない純朴で素直な質の人だと見える。
(可愛いだなんて思ったら、失礼なんでしょうけど……)
閨を共にする相手が蔡弘毅になりそうなのは、朱華にとっては幸運だった。
「とにかく──遠見を行っている間は、私は無防備になってしまいます。不審な人が来ないか、逆に見咎められはしないか、見ていてくださいますようお願いいたします」
朱華は、ぐるりと四方を見渡した。尋常の視界に映るのは、ひたすら木々や草花だけ。けれど、遠見を使えば、東屋や官舎、使用人の住まいと思しき建物があるのも見て取れる。そのひとつひとつを、佳燕の姿を求めて虱潰しに見ていかなければならないのだ。
(まずは──)
遠見に神経を集中すると、目の前にいる蔡弘毅の姿は対照的にぼんやりと遠ざかる。近くにいるのに遠くにいるような、紗の帳で隔てられているような。まずはどこから視るべきか──朱華は、手近な建物を覗こうとした。だが──
「あの、白妃を見つけたら星黎宮に保護されるおつもりとのことですが──それでは、あの、炎俊殿下が……!」
蔡弘毅の真摯な声に、意識を眼前へと引き戻される。瞬きをひとつして焦点を合わせ直すと、蔡弘毅の不安げな顔が目に入る。皓華宮の妃を招き入れることで、炎俊が女だと露見しないかを恐れているのだ。ふたりきりのこの状況でもなお、はっきり口にするのを避けているようなのは、彼の生真面目さの表れだろう。相手の懸念を解くためにも、朱華はいったん遠見を断念して蔡弘毅に説明することにした。
「長春君様は、何よりも兄君への嫌がらせをしたいとお考えのようですわね」
「嫌がらせ、ですか……」
佳燕の身柄を星黎宮に留め置けば、翰鷹皇子に対しての人質になる。炎俊の目的は、第一に兄皇子を蹴落とすことだから、嫌がらせができるならむしろ好都合という訳だ。朱華の提案に頷いた時、炎俊は珍しいほど楽しそうな笑顔を纏っていた。
「お妃が弟君の宮に囲われるとなれば、三の君様も穏やかではないでしょうから。もちろん無用のご心配なのですけれど」
「……はい」
炎俊は女なのだから、佳燕の貞操が脅かされることはないのだ。これで奴が男だったら、朱華もこんな提案はできなかった。佳燕が安心して過ごせるように翰鷹皇子を遠ざけつつ、呪で守られた居場所を提供しつつ、皓華宮や白家との折り合いがつくまで匿うことができれば──少なくとも、多少の時間稼ぎはできないだろうか。
「ですが、それでは殿下に皓華宮の御方のお怒りが向くのでは……?」
「長春君様は私だけ、と仰ってくださっているので、それで納得していただくしかありませんわね。実際、ずっと一緒にお休みさせていただきますし」
佳燕を翰鷹皇子のもとに返すのはあまりに寝覚めが悪いから、この際、寝室を分ける案が当分延びるのも我慢しよう。朱華が寵愛されているという噂を補強することができるのは良いし、秘密が露見する恐れも少なくなるはずだから。
(問題は三の君様だけどさ……)
この案が実現した時点で、炎俊は兄皇子に喧嘩を売ることになるのは間違いない。炎俊は、邪推だ、常識的に考えて弟が兄の妃に手を出すはずがない、ということでで押し通すつもりのようだけど。世間の者が見れば邪推しかしようがない状況にはなるのだろうけど。妃に逃げられたという醜聞を、翰鷹皇子は公にできないだろうと思いたかった。
(醜聞だと……分かってくだされば良いんだけどね)
皇族という存在が自らを省みて改めることができるのか、朱華としては甚だ不安に思っている。翰鷹皇子と佳燕と、双方にとって幸せな結果に至ることができるのか──最悪の場合、星黎宮と皓華宮は大々的に争うことになる。その場合は佳燕も星黎宮に留まり続けて──そうなったら、雪莉を陶家から助け出すこともできなくなってしまう。
「陶妃様がいてくださって、殿下もお心強いことでしょう」
「そうだと良いのですが……」
蔡弘毅の言葉は、お世辞を含んだただの相槌だろうか。それとも、紫薇のように、朱華が炎俊の人格に何らかの影響を及ぼすことを期待しているのだろうか。朱華だってただの小娘なのだから、過度の期待を寄せられても困るのだけど。
「そうに違いありません。お二方に信頼いただいたこと、光栄のいたりでございます」
蔡弘毅が請け負ってくれたほど、朱華は炎俊を信じられないけれど──今は言うまい。無邪気に微笑む彼に笑みを返して、朱華は今度こそ遠見の視界へと意識を集中させた。
* * *
遠見の視界は、鳥の視界にも似ているのかもしれない。もちろん、鳥たちは壁や屋根を透かして見ることなどできないし、空の高みから見下ろす視界は、遠見の力の使い方のほんのひとつにしかすぎないけれど。
とにかく、朱華はまず彼女たちがいる一帯を上空から見下ろしてみた。建物の配置、それらを繋ぐ回廊の曲がり方。庭園の池や小川、果樹や花の木の広がり方。その合間に、不審な影がいないかどうか。人が隠れられそうな場所はないかどうか。
(ぱっと見で見つかれば苦労はしないわよねえ……)
自らの足で、地を這って探すよりはよほど効率が良いのは確かなのだけど。鳥の視点では何ら異常を見つけられなくて、朱華は小さく溜息を吐く。何となく上から眺めるだけでは駄目だ。もう少し、意図を持って詳しく──それに、色々な角度から見て行かないと。
とはいえ、佳燕が姿を消してからもう十日近くになる。深窓の令嬢が、その間ずっと木陰で夜露をしのいでいるとは考えづらい。かといって、呪で守られた──つまりは、重要な人やものや情報が集まる場所に、怪しい女が忍び込めるはずもない。
だから、それらの可能性を排除した後で注意して視るべきは、建物の方だ。それも、使用人が寝起きしたりするような、皇宮全体としては重要度の低い場所。貴人が関わる場所ではないのだろう、炎俊はもちろん、紫薇も正確な位置関係や規模は把握していなかった。遠見で実際に視るしかないと、あらかじめ覚悟はしてきた……はず、なのだけど。
(多すぎるじゃない……っ!)
視るべき場所も、人も。立場上、彼ら彼女らは庭園や回廊や、部屋部屋の裏に作られた通路をこまねずみのように行き交っている。ひとりひとり顔を覗き込もうとして意識を集中すると、目が回りそうになるほどだ。ひとりをいつまでも追いかける訳にもいかないし、かといって漫然と眺めるだけでは同じ者を何度も視ることになりかねない。それに何と言っても、彼らが囁き合う内容が分からないのが痛い。
(私も唇を読むやり方を教えてもらわないといけないかしら……)
直に会って問い質せば、佳燕の行方を知っている者もいるかもしれないのに、顔を見ただけでは判断できないのがもどかしい。と、朱華を呼ぶ声が遠くから聞こえる気がした。
「──様、陶妃様」
「……何でしょうか、蔡校尉」
気が散るから話しかけるな、と怒鳴りかけたのを辛うじて呑み込んで、朱華は目の前の男に焦点を戻した。蔡弘毅は、律義に跪いたままの体勢で、上目遣いに彼女を窺っていた。遠見に関して、この男から有用な助言がもらえるとも思えないのだけど。
「その……小鳥が、上手く見つけられないご様子でしたので、つい……」
「ええ。何しろ翼がある相手ですものね。この間にどこまで飛んでしまったものか……」
慎重を期したのだろう、蔡弘毅は佳燕を鳥に擬えて語り、朱華もそれに応じて喩えた。片手間では集中できないから、一旦は遠見を諦めて跪く男に向き直る。人間には翼がないけれど、鳥よりはるかに賢く姿を隠そうとするだろうから厄介だ。
「それは……尊い方にも色々あるのですね……」
話の間、何度も首を傾げたり目を瞠ったりしていた蔡弘毅は、全てを聞き終えると呟いた。思うところは色々あっただろうに、無難な総括に留めてくれたらしい。大筋では全く同感だから、朱華も大きく頷いた。
「本当に。私は、お慕いできる君にお仕えできて幸いでしたわ」
「殿下にお仕えする者として、大変嬉しく心強いお言葉です」
「私も。長春君様のお召しに、直ちに応じる方がいてくださって心強いですわ、蔡校尉」
蔡弘毅の武骨な頬が朱に染まるのを見て、朱華の唇は思わず綻んだ。つくづく権力争いには似合わない純朴で素直な質の人だと見える。
(可愛いだなんて思ったら、失礼なんでしょうけど……)
閨を共にする相手が蔡弘毅になりそうなのは、朱華にとっては幸運だった。
「とにかく──遠見を行っている間は、私は無防備になってしまいます。不審な人が来ないか、逆に見咎められはしないか、見ていてくださいますようお願いいたします」
朱華は、ぐるりと四方を見渡した。尋常の視界に映るのは、ひたすら木々や草花だけ。けれど、遠見を使えば、東屋や官舎、使用人の住まいと思しき建物があるのも見て取れる。そのひとつひとつを、佳燕の姿を求めて虱潰しに見ていかなければならないのだ。
(まずは──)
遠見に神経を集中すると、目の前にいる蔡弘毅の姿は対照的にぼんやりと遠ざかる。近くにいるのに遠くにいるような、紗の帳で隔てられているような。まずはどこから視るべきか──朱華は、手近な建物を覗こうとした。だが──
「あの、白妃を見つけたら星黎宮に保護されるおつもりとのことですが──それでは、あの、炎俊殿下が……!」
蔡弘毅の真摯な声に、意識を眼前へと引き戻される。瞬きをひとつして焦点を合わせ直すと、蔡弘毅の不安げな顔が目に入る。皓華宮の妃を招き入れることで、炎俊が女だと露見しないかを恐れているのだ。ふたりきりのこの状況でもなお、はっきり口にするのを避けているようなのは、彼の生真面目さの表れだろう。相手の懸念を解くためにも、朱華はいったん遠見を断念して蔡弘毅に説明することにした。
「長春君様は、何よりも兄君への嫌がらせをしたいとお考えのようですわね」
「嫌がらせ、ですか……」
佳燕の身柄を星黎宮に留め置けば、翰鷹皇子に対しての人質になる。炎俊の目的は、第一に兄皇子を蹴落とすことだから、嫌がらせができるならむしろ好都合という訳だ。朱華の提案に頷いた時、炎俊は珍しいほど楽しそうな笑顔を纏っていた。
「お妃が弟君の宮に囲われるとなれば、三の君様も穏やかではないでしょうから。もちろん無用のご心配なのですけれど」
「……はい」
炎俊は女なのだから、佳燕の貞操が脅かされることはないのだ。これで奴が男だったら、朱華もこんな提案はできなかった。佳燕が安心して過ごせるように翰鷹皇子を遠ざけつつ、呪で守られた居場所を提供しつつ、皓華宮や白家との折り合いがつくまで匿うことができれば──少なくとも、多少の時間稼ぎはできないだろうか。
「ですが、それでは殿下に皓華宮の御方のお怒りが向くのでは……?」
「長春君様は私だけ、と仰ってくださっているので、それで納得していただくしかありませんわね。実際、ずっと一緒にお休みさせていただきますし」
佳燕を翰鷹皇子のもとに返すのはあまりに寝覚めが悪いから、この際、寝室を分ける案が当分延びるのも我慢しよう。朱華が寵愛されているという噂を補強することができるのは良いし、秘密が露見する恐れも少なくなるはずだから。
(問題は三の君様だけどさ……)
この案が実現した時点で、炎俊は兄皇子に喧嘩を売ることになるのは間違いない。炎俊は、邪推だ、常識的に考えて弟が兄の妃に手を出すはずがない、ということでで押し通すつもりのようだけど。世間の者が見れば邪推しかしようがない状況にはなるのだろうけど。妃に逃げられたという醜聞を、翰鷹皇子は公にできないだろうと思いたかった。
(醜聞だと……分かってくだされば良いんだけどね)
皇族という存在が自らを省みて改めることができるのか、朱華としては甚だ不安に思っている。翰鷹皇子と佳燕と、双方にとって幸せな結果に至ることができるのか──最悪の場合、星黎宮と皓華宮は大々的に争うことになる。その場合は佳燕も星黎宮に留まり続けて──そうなったら、雪莉を陶家から助け出すこともできなくなってしまう。
「陶妃様がいてくださって、殿下もお心強いことでしょう」
「そうだと良いのですが……」
蔡弘毅の言葉は、お世辞を含んだただの相槌だろうか。それとも、紫薇のように、朱華が炎俊の人格に何らかの影響を及ぼすことを期待しているのだろうか。朱華だってただの小娘なのだから、過度の期待を寄せられても困るのだけど。
「そうに違いありません。お二方に信頼いただいたこと、光栄のいたりでございます」
蔡弘毅が請け負ってくれたほど、朱華は炎俊を信じられないけれど──今は言うまい。無邪気に微笑む彼に笑みを返して、朱華は今度こそ遠見の視界へと意識を集中させた。
* * *
遠見の視界は、鳥の視界にも似ているのかもしれない。もちろん、鳥たちは壁や屋根を透かして見ることなどできないし、空の高みから見下ろす視界は、遠見の力の使い方のほんのひとつにしかすぎないけれど。
とにかく、朱華はまず彼女たちがいる一帯を上空から見下ろしてみた。建物の配置、それらを繋ぐ回廊の曲がり方。庭園の池や小川、果樹や花の木の広がり方。その合間に、不審な影がいないかどうか。人が隠れられそうな場所はないかどうか。
(ぱっと見で見つかれば苦労はしないわよねえ……)
自らの足で、地を這って探すよりはよほど効率が良いのは確かなのだけど。鳥の視点では何ら異常を見つけられなくて、朱華は小さく溜息を吐く。何となく上から眺めるだけでは駄目だ。もう少し、意図を持って詳しく──それに、色々な角度から見て行かないと。
とはいえ、佳燕が姿を消してからもう十日近くになる。深窓の令嬢が、その間ずっと木陰で夜露をしのいでいるとは考えづらい。かといって、呪で守られた──つまりは、重要な人やものや情報が集まる場所に、怪しい女が忍び込めるはずもない。
だから、それらの可能性を排除した後で注意して視るべきは、建物の方だ。それも、使用人が寝起きしたりするような、皇宮全体としては重要度の低い場所。貴人が関わる場所ではないのだろう、炎俊はもちろん、紫薇も正確な位置関係や規模は把握していなかった。遠見で実際に視るしかないと、あらかじめ覚悟はしてきた……はず、なのだけど。
(多すぎるじゃない……っ!)
視るべき場所も、人も。立場上、彼ら彼女らは庭園や回廊や、部屋部屋の裏に作られた通路をこまねずみのように行き交っている。ひとりひとり顔を覗き込もうとして意識を集中すると、目が回りそうになるほどだ。ひとりをいつまでも追いかける訳にもいかないし、かといって漫然と眺めるだけでは同じ者を何度も視ることになりかねない。それに何と言っても、彼らが囁き合う内容が分からないのが痛い。
(私も唇を読むやり方を教えてもらわないといけないかしら……)
直に会って問い質せば、佳燕の行方を知っている者もいるかもしれないのに、顔を見ただけでは判断できないのがもどかしい。と、朱華を呼ぶ声が遠くから聞こえる気がした。
「──様、陶妃様」
「……何でしょうか、蔡校尉」
気が散るから話しかけるな、と怒鳴りかけたのを辛うじて呑み込んで、朱華は目の前の男に焦点を戻した。蔡弘毅は、律義に跪いたままの体勢で、上目遣いに彼女を窺っていた。遠見に関して、この男から有用な助言がもらえるとも思えないのだけど。
「その……小鳥が、上手く見つけられないご様子でしたので、つい……」
「ええ。何しろ翼がある相手ですものね。この間にどこまで飛んでしまったものか……」
慎重を期したのだろう、蔡弘毅は佳燕を鳥に擬えて語り、朱華もそれに応じて喩えた。片手間では集中できないから、一旦は遠見を諦めて跪く男に向き直る。人間には翼がないけれど、鳥よりはるかに賢く姿を隠そうとするだろうから厄介だ。
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