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六章 翰鷹皇子
1.高貴な来客
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炎俊が予想した通り、その日のうちに届いた翰鷹皇子からの返信には、明後日に星黎宮を訪ねる、とあった。朱華と紫薇もそのつもりで高貴な客を迎える支度を整え始めていたから、やることには何も変わりはない。場所は、先日炎俊と歩いた睡蓮の池が見える部屋。菓子も茶も、皇族を迎えるのに相応しい質のものを用意した。
そして迎えた当日、紫薇に髪を任せながら、朱華はふと呟いた。
「ね、この宮に侍女が増えたら嫌かしら? 陶家から呼び寄せるかもしれないんだけど」
「ああ、ご実家もご心配なさっているでしょうね。長春君様に共に仕えてくれる方が増えるのは歓迎ですわ」
「……貴女の仕事を取ったり邪魔したりはしないはずよ。とても優しい人なの」
あっさりと頷く紫薇に安堵しつつ、朱華は念押しのように付け足してみる。星黎宮に雪莉を呼び寄せることについて、侍女に対しても根回しが必要なことに気づいて心配になったのだ。もしかしたら新参者の存在は快く思われないかもしれない。妃として迎えられた朱華はまだしも、同格の侍女が増えるのならなおのことだ。
「陶妃様がそこまで仰るなんて。お会いできるのを楽しみにしておりますわ」
いつものことだけど、紫薇は優しく大らかだ。あまりに出来すぎているから、その言葉を信じ込んで良いのか不安になってしまうほどだ。
「貴女はいつから我が君様にお仕えしてるの? 大分、打ち解けているようだけど」
鎌をかけるつもりでもないけれど、朱華は前から気になっていたことを尋ねてみることにした。「あの」炎俊も、紫薇の言うことは何かとよく聞くようだし。あいつを上手くあしらう秘訣のようなものがあるなら、朱華としてもぜひ知りたい。
朱華の試すような下心には、気づいているのかいないのか。紫薇は穏やかな笑顔を浮かべたまま、彼女の髪を梳いている。
「そうですわね、劉貴妃様がご存命の頃ですから、もう十年近くになりますわね。私の父母も劉家の片隅に名を連ねておりましたから、その縁で――十になるかどうかの頃に召していただいたかと存じます」
「……あいつの母君って亡くなってたの!? あと、そんな小さい頃から!?」
「陶妃様、どうか動かないでくださいませ。これからお化粧もしなければいけませんし」
予期せぬ情報に腰を浮かせて後ろを振り向いた朱華を、紫薇は優しく宥めて前を向かせた。目も口もぽかんと開けた自分の間抜けな顔を鏡に見ながら、朱華は呆然と呟いた。
「だって……知らなかったんだもの……」
「劉家は時見で名高い家ですから。貴妃様は、亡くなられる前に後々のことを細かに視て、書付を遺されていたそうです」
「そうだったの……」
思えば皇子の母后に挨拶を、とは真っ先に考えるべきことだった。陶家の誰もそれを言わず、炎俊も口にしなかったということは、察して当然だっただろう。
(お母様がいないからああなったのかしら)
生身の肉親に育てられるのではなく、書付とやらに頼って天遊林で生きてきたのだとしたら。理屈でしか物事を考えられなくなったのも道理だし、その状況なら紫薇を信頼するのも自然なことだろう。母代わりとは言わずとも、姉のような存在だったのかも。
(もう少し、常識とかを教えておいて欲しかったわね……!)
ならば、炎俊の性格が「ああ」なのは紫薇にも責任があるのかもしれない。そう思うと、ひと言どころではなく、言いたいことはあるけれど――でも、今さらだ。だから、朱華は気持ちを切り替えて、また別の疑問を問うことにした。
「紫薇も、時見なの? ここに仕えるには《力》を持っていた方が良いのかしら」
「長春君様はもちろん、お妃様方には及ぶべくもない程度ではございますが。でも、天遊林から出ることもありませんから、入ってしまえばさほど関係はございませんね」
「そうかしら?」
雪莉に《力》がないことが本当に不利にならないのか、朱華は信じ切ることができなかった。そもそも宮の中では《力》を振るうことはできないのも確かなのだけど。
「はい。やはり大切なのは人柄とか……気の遣い方、ではないでしょうか」
「そう……なんでしょうねえ」
人柄という意味では、雪莉は文句なく優しい。ただ、紫薇が言うのはそれだけではないだろう。天遊林で生き抜くためには、虚実を巧みに使い分ける狡猾さも必要なはず。紫薇からして、どこまで本心を見せているのかまだ計り知れない。
(雪莉様……天遊林《こんなところ》にお呼びして、大丈夫かしら……)
まだ気が早いのだろうけど。翰鷹皇子の用件を抜きにしても、不安の種は尽きなかった。
* * *
初めて顔を合わせた翰鷹皇子は、炎俊とはあまり似ていなかった。落ち着いた緑を基調にした衣装に、皓華宮の白が衿や帯に差し色として使われている。大きく括れば整った品のある顔立ち、ということになるのだろうけど、女が男装しているがゆえの妖しさを漂わせる炎俊と比べると、翰鷹皇子の方がやや凡庸な容姿にも見えてしまう。
気になるのは、翰鷹皇子の表情だ。彼女や炎俊を見る目もぎらついて、どこか焦燥した気配を感じるのだ。もちろん、彼の普段を知らない朱華の勝手な主観でしかないし、妃に何かあったのではという推測がそう思わせてしまうだけなのかもしれないけれど。
「ご挨拶が遅れまして、大変申し訳ございませんでした。拝謁する名誉を賜り、恐悦至極に存じます」
そう言いつつも、朱華が来客の姿を品定めするのは、遠見の視界を介してのことだった。彼女は実際には床に平伏して翰鷹皇子を迎えているのだから。本人を目の前にしての覗き視は、もちろん多少後ろめたくはあるけれど――どうせお互い様なのだ。
「立つが良い。弟の妻の顔を『直に』見たい」
「はい……」
親切なのか牽制なのかは分からないけれど、翰鷹皇子は朱華に促しながら、自身の力の一端を明かしてくれた。この人も、少なくとも遠見の力を持っているのだ。そのことを肝に銘じて、朱華は淑やかさを演じつつ立ち上がった。雪莉姫として慎ましく目を伏せ――遠見の前では意味がないけど――衣装の袖で顔を隠すようにして。
表向きはにこやかかつ和やかに、皇子ふたりは席に着いた。窓から見える花盛りの睡蓮も、紫薇が供した茶菓も及第点らしく、翰鷹皇子は型通りの賛辞をくれた。それに、朱華自身――というか、炎俊皇子の新しい妃にも。
「噂通りに美しい。そなたがいつまでも独り身なのは気懸かりだったが――待った甲斐があったということか、炎俊」
「そう。雪莉はまさに私が求めていた姫でした。巡り合えた幸運に打ち震えております」
(白々しいわね……)
半分とはいえ血の繋がった兄妹のやり取りに、朱華は内心で苦笑した。
炎俊が朱華を選んだのは、秘密を守れる協力者が必要だったからというだけ。そうでなくても、妃選びは即ち後ろ盾選びだと、翰鷹皇子も承知しているはず。美しさだけが決め手になることはあり得ないだろうに、ふたりとも知らない振りをしているのだ。
多分、炎俊も付き合っていられないと思ったのだろう。朱華が不気味に思うほどの愛想笑いを浮かべて、兄皇子に切り込んでいく。
「いつも兄上の惚気を聞かされておりましたから。義姉上は息災でいらっしゃいますか」
「佳燕か……」
「ええ。仲睦まじくていらっしゃるのが羨ましいと、雪莉も申しておりました。あやかりたいものでございます」
羨ましいなどとは朱華は言った覚えがない。でも、これは弁明なのだろう。炎俊も朱華も、翰鷹皇子やその妃に対して含むものは何もないと、暗に伝えようとしているのだ。
(これで分かってもらえたら苦労はないけどさ……)
あれほど急いで会いたがるくらいだから、翰鷹皇子の心象としては星黎宮が妃を害した犯人ということでほぼ決まっているのだろう。
「白々しいな、炎俊」
案の定、翰鷹皇子は唇を歪めて吐き捨てた。やはり、この方は糾弾するためにやって来たのだ。状況を把握するには一通り罵詈雑言を受け止めなければならなさそうだ。
「そなたのことだ。我が宮のことは、とうに視て大方の事情は察しているのだろう?」
(え……?)
溜息を堪えて、浴びせられる言葉を耐えようと構えていた朱華は、でも、思わず目を見開いて翰鷹皇子の顔を正面から見てしまった。高貴な相手に対して、無礼になってしまうのに。慌てて炎俊の方を向くけれど、夫も彼女を咎める余裕はないようだった。整った眉が寄せられて、不覚だろうに驚きを露にしてしまっている。
翰鷹皇子は、変事があることを認めた上で、炎俊や朱華を責めてはない。彼女たちの予測は半ば当たって半ば外れたことになる。そして、外れた方の半分がどこにどう向かうのか――ふたりして、全く準備できていないのだ。
そして迎えた当日、紫薇に髪を任せながら、朱華はふと呟いた。
「ね、この宮に侍女が増えたら嫌かしら? 陶家から呼び寄せるかもしれないんだけど」
「ああ、ご実家もご心配なさっているでしょうね。長春君様に共に仕えてくれる方が増えるのは歓迎ですわ」
「……貴女の仕事を取ったり邪魔したりはしないはずよ。とても優しい人なの」
あっさりと頷く紫薇に安堵しつつ、朱華は念押しのように付け足してみる。星黎宮に雪莉を呼び寄せることについて、侍女に対しても根回しが必要なことに気づいて心配になったのだ。もしかしたら新参者の存在は快く思われないかもしれない。妃として迎えられた朱華はまだしも、同格の侍女が増えるのならなおのことだ。
「陶妃様がそこまで仰るなんて。お会いできるのを楽しみにしておりますわ」
いつものことだけど、紫薇は優しく大らかだ。あまりに出来すぎているから、その言葉を信じ込んで良いのか不安になってしまうほどだ。
「貴女はいつから我が君様にお仕えしてるの? 大分、打ち解けているようだけど」
鎌をかけるつもりでもないけれど、朱華は前から気になっていたことを尋ねてみることにした。「あの」炎俊も、紫薇の言うことは何かとよく聞くようだし。あいつを上手くあしらう秘訣のようなものがあるなら、朱華としてもぜひ知りたい。
朱華の試すような下心には、気づいているのかいないのか。紫薇は穏やかな笑顔を浮かべたまま、彼女の髪を梳いている。
「そうですわね、劉貴妃様がご存命の頃ですから、もう十年近くになりますわね。私の父母も劉家の片隅に名を連ねておりましたから、その縁で――十になるかどうかの頃に召していただいたかと存じます」
「……あいつの母君って亡くなってたの!? あと、そんな小さい頃から!?」
「陶妃様、どうか動かないでくださいませ。これからお化粧もしなければいけませんし」
予期せぬ情報に腰を浮かせて後ろを振り向いた朱華を、紫薇は優しく宥めて前を向かせた。目も口もぽかんと開けた自分の間抜けな顔を鏡に見ながら、朱華は呆然と呟いた。
「だって……知らなかったんだもの……」
「劉家は時見で名高い家ですから。貴妃様は、亡くなられる前に後々のことを細かに視て、書付を遺されていたそうです」
「そうだったの……」
思えば皇子の母后に挨拶を、とは真っ先に考えるべきことだった。陶家の誰もそれを言わず、炎俊も口にしなかったということは、察して当然だっただろう。
(お母様がいないからああなったのかしら)
生身の肉親に育てられるのではなく、書付とやらに頼って天遊林で生きてきたのだとしたら。理屈でしか物事を考えられなくなったのも道理だし、その状況なら紫薇を信頼するのも自然なことだろう。母代わりとは言わずとも、姉のような存在だったのかも。
(もう少し、常識とかを教えておいて欲しかったわね……!)
ならば、炎俊の性格が「ああ」なのは紫薇にも責任があるのかもしれない。そう思うと、ひと言どころではなく、言いたいことはあるけれど――でも、今さらだ。だから、朱華は気持ちを切り替えて、また別の疑問を問うことにした。
「紫薇も、時見なの? ここに仕えるには《力》を持っていた方が良いのかしら」
「長春君様はもちろん、お妃様方には及ぶべくもない程度ではございますが。でも、天遊林から出ることもありませんから、入ってしまえばさほど関係はございませんね」
「そうかしら?」
雪莉に《力》がないことが本当に不利にならないのか、朱華は信じ切ることができなかった。そもそも宮の中では《力》を振るうことはできないのも確かなのだけど。
「はい。やはり大切なのは人柄とか……気の遣い方、ではないでしょうか」
「そう……なんでしょうねえ」
人柄という意味では、雪莉は文句なく優しい。ただ、紫薇が言うのはそれだけではないだろう。天遊林で生き抜くためには、虚実を巧みに使い分ける狡猾さも必要なはず。紫薇からして、どこまで本心を見せているのかまだ計り知れない。
(雪莉様……天遊林《こんなところ》にお呼びして、大丈夫かしら……)
まだ気が早いのだろうけど。翰鷹皇子の用件を抜きにしても、不安の種は尽きなかった。
* * *
初めて顔を合わせた翰鷹皇子は、炎俊とはあまり似ていなかった。落ち着いた緑を基調にした衣装に、皓華宮の白が衿や帯に差し色として使われている。大きく括れば整った品のある顔立ち、ということになるのだろうけど、女が男装しているがゆえの妖しさを漂わせる炎俊と比べると、翰鷹皇子の方がやや凡庸な容姿にも見えてしまう。
気になるのは、翰鷹皇子の表情だ。彼女や炎俊を見る目もぎらついて、どこか焦燥した気配を感じるのだ。もちろん、彼の普段を知らない朱華の勝手な主観でしかないし、妃に何かあったのではという推測がそう思わせてしまうだけなのかもしれないけれど。
「ご挨拶が遅れまして、大変申し訳ございませんでした。拝謁する名誉を賜り、恐悦至極に存じます」
そう言いつつも、朱華が来客の姿を品定めするのは、遠見の視界を介してのことだった。彼女は実際には床に平伏して翰鷹皇子を迎えているのだから。本人を目の前にしての覗き視は、もちろん多少後ろめたくはあるけれど――どうせお互い様なのだ。
「立つが良い。弟の妻の顔を『直に』見たい」
「はい……」
親切なのか牽制なのかは分からないけれど、翰鷹皇子は朱華に促しながら、自身の力の一端を明かしてくれた。この人も、少なくとも遠見の力を持っているのだ。そのことを肝に銘じて、朱華は淑やかさを演じつつ立ち上がった。雪莉姫として慎ましく目を伏せ――遠見の前では意味がないけど――衣装の袖で顔を隠すようにして。
表向きはにこやかかつ和やかに、皇子ふたりは席に着いた。窓から見える花盛りの睡蓮も、紫薇が供した茶菓も及第点らしく、翰鷹皇子は型通りの賛辞をくれた。それに、朱華自身――というか、炎俊皇子の新しい妃にも。
「噂通りに美しい。そなたがいつまでも独り身なのは気懸かりだったが――待った甲斐があったということか、炎俊」
「そう。雪莉はまさに私が求めていた姫でした。巡り合えた幸運に打ち震えております」
(白々しいわね……)
半分とはいえ血の繋がった兄妹のやり取りに、朱華は内心で苦笑した。
炎俊が朱華を選んだのは、秘密を守れる協力者が必要だったからというだけ。そうでなくても、妃選びは即ち後ろ盾選びだと、翰鷹皇子も承知しているはず。美しさだけが決め手になることはあり得ないだろうに、ふたりとも知らない振りをしているのだ。
多分、炎俊も付き合っていられないと思ったのだろう。朱華が不気味に思うほどの愛想笑いを浮かべて、兄皇子に切り込んでいく。
「いつも兄上の惚気を聞かされておりましたから。義姉上は息災でいらっしゃいますか」
「佳燕か……」
「ええ。仲睦まじくていらっしゃるのが羨ましいと、雪莉も申しておりました。あやかりたいものでございます」
羨ましいなどとは朱華は言った覚えがない。でも、これは弁明なのだろう。炎俊も朱華も、翰鷹皇子やその妃に対して含むものは何もないと、暗に伝えようとしているのだ。
(これで分かってもらえたら苦労はないけどさ……)
あれほど急いで会いたがるくらいだから、翰鷹皇子の心象としては星黎宮が妃を害した犯人ということでほぼ決まっているのだろう。
「白々しいな、炎俊」
案の定、翰鷹皇子は唇を歪めて吐き捨てた。やはり、この方は糾弾するためにやって来たのだ。状況を把握するには一通り罵詈雑言を受け止めなければならなさそうだ。
「そなたのことだ。我が宮のことは、とうに視て大方の事情は察しているのだろう?」
(え……?)
溜息を堪えて、浴びせられる言葉を耐えようと構えていた朱華は、でも、思わず目を見開いて翰鷹皇子の顔を正面から見てしまった。高貴な相手に対して、無礼になってしまうのに。慌てて炎俊の方を向くけれど、夫も彼女を咎める余裕はないようだった。整った眉が寄せられて、不覚だろうに驚きを露にしてしまっている。
翰鷹皇子は、変事があることを認めた上で、炎俊や朱華を責めてはない。彼女たちの予測は半ば当たって半ば外れたことになる。そして、外れた方の半分がどこにどう向かうのか――ふたりして、全く準備できていないのだ。
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