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第十五章 王都で貴族のお仕事。そして・・・。
第329話 訓練と言う名の ブートキャンプ。②
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あちらこちらで模擬戦が始まっている。ウチの騎士団員は五十人いるが、全員がどちらかの騎士団の騎士と模擬戦をしている。
見ている範囲では、全て勝っている様だ。
全体的な強さの順番は、ウチ、近衛、リヒト、リルムンドと言う順番の様だ。
流石と言うか、強いわ近衛。近衛にはウチの小隊長クラスが相手をしている。
当然だが、ライガ、メイザース、ブルーノ、レインロード、ハンリーは余裕で相手を倒していたが、アーサルト、カイリーは今も苦戦中だ。
「分隊長の意地を見せろよ。でないと、私のブートキャンプに強制参加だぞ。」
なんて発破をかけたら、途端に動きが良くなり、何とか一本を取ることが出来た。
安心したのか、大きくため息をついて、全身から力が抜けたようだ。
「ねぇ、オオガミ君、そのブートキャンプってなんだい?」
「ブートキャンプですか?まあ、私が直接指導する形の短期集中訓練のことを、ウチではブートキャンプと言ってます。まぁ、当然キツいですよ。(笑)」
「セイラの家庭教師のときの指導よりもかい?」
「ええ、勿論ですよ。言い方は悪いですが、あの時はほとんど素人だったセイラの指導でしたからね。私としてもかなり手加減しますよ。しかし、騎士として雇われている者に対しての訓練なら、手加減は必要ないですからね。」
「まあ、確かにそうだけど、実際は何をするのかい?」
「簡単なことです。体への負荷を倍にします。」
「負荷を倍?もっと詳しく教えてくれないかな?」
「そうですね。公爵、失礼ですが、体重は今いくつですか?」
「え?!体重かい。たしか六十五だったかな?それが何か?」
「つまり、公爵の体の筋肉は常時その体重を支え動かすだけの筋肉が着いているのです。ここまでは良いですね?」
「ああ、続けてくれたまえ。」
「その身体中にある筋肉に、体重を倍の重さにするとどうなりますか?」
「ああ、成る程。以前セイラの家庭教師してくれた時にやった、鉛の板と同じ理屈かい?」
「まあ、そうですが。あれば腕と肩、下半身に対して負荷をかけて筋肉の訓練をするものですが、体には他にも筋肉があるのですよ。つまり体全体に負荷をかけて鍛えるのです。これがキツいキツい。試しに自分でやってみたら、翌日筋肉痛で朝動けませんでしたからね。調子にのって半日ぶっ続けでやったら、酷い目にあいましたよ。(笑)」
「へぇー、そんなに効くのかい?なら、見てみたいかろ、立ち会いの後に、皆でやってみようか?」
「えっ!やるんですか?明日使い物にならなくなりますよ?」
「そうなのかい?なら希望者十人でやってみようよ。」
「本当にやるのですか?明日動けなくなりますよ。多分。」
「ああ、構わないから、なんだったら、ウチの騎士団だけでもやって見せてくれるかな?」
「分かりました。ウチの者も訓練させましょう。近衛とリルムンドは相談して、その気なら、参加してもらいましょう。」
「済まないね。そうしてくれるかい。」
公爵と話した後に、バラン団長に内容を話し了解をとった。
「ぐおっ。」
「何だこれは。」
「体が重い。」
模擬戦を一通り済ました後に、リヒト騎士団から十人参加者を募り、ウチの騎士団からも未経験者を参加させる。近衛とリルムンド騎士団からも、希望者だけ一緒に参加して貰った。
目の前には、屈んで、膝に手をつき体の負荷を耐えている者や顔を負荷の苦痛に歪めているが、きちんと立っている者に分かれている。前者はウチ以外の騎士団で、後者はウチの騎士達だ。さらにその姿を見てにやにやしている、ウチの経験者達。
「辺境伯閣下、これはキツいですな。」
トーマス団長が私に向かって言ってくる。
「ええ、私でもこの状態で三時間ほど鍛練したら、翌日筋肉痛で大変でしたから。まあ、長くても一時間にしておいた方が、体を壊さずに鍛えられるでしょう。」
「これを一時間ですか。キツいですな。」
同じく様子を見ていた公爵もラルフ団長に質問している。
「ラルフ、どんな感じだい?」
「公爵閣下、これは初めはとんでもなくキツいですが、三十分これに耐えられるようになるだけで、大幅な体力筋力の強化になりますな。いや、しかしキツいですな。」
そんな会話をしている隣で、バラン団長から色々と質問をされる私。
「オオガミ殿、貴殿の騎士団では、このような訓練を毎日課しておられるのか?」
「いえ、流石に毎日は体がもたないので、様子を見て、やっています。まぁ訓練方法の幅が広がって良いかと。」
「成る程。宜しければ、王都に滞在中の間だけでも良いので、そちらの騎士団の訓練に近衛から数人参加させていただいても宜しいか?」
「ええ、構いませんよ。私が居ないときには、レナードに見てもらいます。私も今日以降は、今の所予定がありませんから、出来るだけ同席しましょう。」
そんな話をバラン団長としていると、トーマス団長が話しに割って入ってきた。
「へ、辺境伯閣下。その訓練には、ウチの者も参加して宜しいか?ウチは国境沿いを領地としています。帝国の来襲が何時あるか備えなくてはなりません。是非お願いします。」
「な、なら、ウチも何人か参加させて貰いたいな。所で、そろそろ三十分たったはず。魔法を都いてくれないかな。」
「おや、もう経ちましたか。〈マルチロック〉、〈ブレイクマジック〉。」
一斉に『はぁ~』とため息がでて、荒い呼吸をするものが多く見られる。
流石にウチの騎士にはいないが、他の三つの騎士団からの参加者は軽くて膝に手をついているが、中にはその場に座り込んでいるものも見受けられた。
(体力無いなぁ。こんな事で大丈夫かな。)
思わず、そう考えてしまった私だ。
最後に対戦したい人と模擬戦をして、お開きとなるようだが、何故か私の前に長蛇の列が。
「・・・どお言う事かなこれは。トーマス殿、バラン殿?」
「オオガミ殿、澄まんが相手してもらえるかな。私にしても近衛の団長を努めている矜持がある。『雷光』と呼ばれる貴殿の剣を試してみたい。」
「私も、同じです。リーラ平原での二度にわたる貴殿の戦いをみて、自分の力を試してみたくなった。」
やはり嫌な予感は当たった様だ。
「まあ、仕方ないでしょう。お二方とは、後程一対一で、他の騎士団の者は騎士団ごと、まとめて相手しましょう。それで宜しければお受けしますが?」
「なんと、大丈夫なのか?そんな大言壮語を言って。ウチの近衛は弱くは無いが?」
「レナード卿、貴殿からも止められよ。」
バランとトーマスが相次いで止めるように言ってくるが、レナードは、平気な顔つきで、顔を横に振る。
「心配はご無用に願います。先日も国軍二十人相手にお一人で完勝してましたから、大丈夫かと。出来ない事は、ウチの閣下は申しませんから。」
「真か?」
結局、各騎士団ごとを相手に模擬戦することとなる。
(おいおい、言ってくれるねぇ。これは少し本気でいくかな。)
マントをレナードに渡し、インベントリィから愛用の木剣を一本取り出して、右手に握り、二回三回と素振りをする。
「では、ルールだ。私は一切の魔法強化はしない。そちらは好きなだけ強化してよい。以上だ。」
「オオガミ君、本当にそれで良いのかい?せめて魔法は使ったらどうだい?」
「それだと、私の訓練になりませんからね。魔法無しで頼みます。審判はすみませんが、バラン殿、頼みます。」
「あい分かった。では、双方準備は良いか?構えて。・・・始めっ!」
一斉に、リルムンド騎士団の騎士達がかかってくる。
その足元に〈ソニックブレード〉を叩き込む。
近寄ろうとした騎士達が、その攻撃に一瞬立ち止まる。
「はあっ!」
全身に『気』を巡らし、最大限の殺気と闘気を集団に浴びせる。
バタバタと三人を残して、白目を剥いてその場に倒れる。残った三人も皆、顔を青くして、膝を震わせていた。
この様子を見ている、公爵やバラン団長もあっけにとられていた。見ていた他の騎士団も顔を白くしている。
「何も、律儀に相手する必要は無いからねぇ。少し間引きをさせて貰ったよ。今、残っている者はオークジェネラルに勝てそうな者だ。倒れているのは、まあ、オークナイトまでだね。さて、続けるとしますか。」
そう言って、居合の構えから、無拍子で、相手の懐に潜り込むと、木剣の柄で当て身をして相手の左脇を抜けて、再び無拍子で二人目に向かい、左側を通り抜けざま、銅を払う。さらに無拍子で三人目に近寄り、相手の左肩に打ち込むと、相手は木剣でそれを受け止める。途端に周りで見ていた他の騎士団の者から歓声が上がる。
「ほう、多少スピードが落ちていたにしろ、良く受け止めた。名を聞かせてくれるかな?」
「リルムンド辺境伯騎士団第一中隊長コーネフ。こちらこそ、『雷光』に名を聞かれるとは光栄だ。」
「そうか、私がそう名乗った訳では無いのだがねっ。」
サイドステップから、再び無拍子で後ろに回り込み、相手の首筋に木剣を突きつけて止まる。
「それまで、オオガミ殿の勝ち。」
リルムンド騎士団を全て倒し、一戦目を終える。
「いやぁー、改めて強いねぇ、オオガミ君は。大勢相手でも、苦にしないとはねぇ。怖くは無いのかい?」
「ええ、元々オオガミ神刀流は一人で大勢の敵を相手にするのを想定して、編み出された剣術ですから、この位の人数なら、まだまだ余裕ですよ。」
「改めて聞くと凄いねぇ。君の家の剣術は。何故広めないの?」
「ま、色々とありましてね。さて、倒れている者を起こしますか。〈マルチロック〉〈キュア〉、〈マルチロック〉〈リジェネレーション〉。」
魔法をかけると、三十秒程で、皆目を覚ました。
(さて、次はどうしますかね。)
見ている範囲では、全て勝っている様だ。
全体的な強さの順番は、ウチ、近衛、リヒト、リルムンドと言う順番の様だ。
流石と言うか、強いわ近衛。近衛にはウチの小隊長クラスが相手をしている。
当然だが、ライガ、メイザース、ブルーノ、レインロード、ハンリーは余裕で相手を倒していたが、アーサルト、カイリーは今も苦戦中だ。
「分隊長の意地を見せろよ。でないと、私のブートキャンプに強制参加だぞ。」
なんて発破をかけたら、途端に動きが良くなり、何とか一本を取ることが出来た。
安心したのか、大きくため息をついて、全身から力が抜けたようだ。
「ねぇ、オオガミ君、そのブートキャンプってなんだい?」
「ブートキャンプですか?まあ、私が直接指導する形の短期集中訓練のことを、ウチではブートキャンプと言ってます。まぁ、当然キツいですよ。(笑)」
「セイラの家庭教師のときの指導よりもかい?」
「ええ、勿論ですよ。言い方は悪いですが、あの時はほとんど素人だったセイラの指導でしたからね。私としてもかなり手加減しますよ。しかし、騎士として雇われている者に対しての訓練なら、手加減は必要ないですからね。」
「まあ、確かにそうだけど、実際は何をするのかい?」
「簡単なことです。体への負荷を倍にします。」
「負荷を倍?もっと詳しく教えてくれないかな?」
「そうですね。公爵、失礼ですが、体重は今いくつですか?」
「え?!体重かい。たしか六十五だったかな?それが何か?」
「つまり、公爵の体の筋肉は常時その体重を支え動かすだけの筋肉が着いているのです。ここまでは良いですね?」
「ああ、続けてくれたまえ。」
「その身体中にある筋肉に、体重を倍の重さにするとどうなりますか?」
「ああ、成る程。以前セイラの家庭教師してくれた時にやった、鉛の板と同じ理屈かい?」
「まあ、そうですが。あれば腕と肩、下半身に対して負荷をかけて筋肉の訓練をするものですが、体には他にも筋肉があるのですよ。つまり体全体に負荷をかけて鍛えるのです。これがキツいキツい。試しに自分でやってみたら、翌日筋肉痛で朝動けませんでしたからね。調子にのって半日ぶっ続けでやったら、酷い目にあいましたよ。(笑)」
「へぇー、そんなに効くのかい?なら、見てみたいかろ、立ち会いの後に、皆でやってみようか?」
「えっ!やるんですか?明日使い物にならなくなりますよ?」
「そうなのかい?なら希望者十人でやってみようよ。」
「本当にやるのですか?明日動けなくなりますよ。多分。」
「ああ、構わないから、なんだったら、ウチの騎士団だけでもやって見せてくれるかな?」
「分かりました。ウチの者も訓練させましょう。近衛とリルムンドは相談して、その気なら、参加してもらいましょう。」
「済まないね。そうしてくれるかい。」
公爵と話した後に、バラン団長に内容を話し了解をとった。
「ぐおっ。」
「何だこれは。」
「体が重い。」
模擬戦を一通り済ました後に、リヒト騎士団から十人参加者を募り、ウチの騎士団からも未経験者を参加させる。近衛とリルムンド騎士団からも、希望者だけ一緒に参加して貰った。
目の前には、屈んで、膝に手をつき体の負荷を耐えている者や顔を負荷の苦痛に歪めているが、きちんと立っている者に分かれている。前者はウチ以外の騎士団で、後者はウチの騎士達だ。さらにその姿を見てにやにやしている、ウチの経験者達。
「辺境伯閣下、これはキツいですな。」
トーマス団長が私に向かって言ってくる。
「ええ、私でもこの状態で三時間ほど鍛練したら、翌日筋肉痛で大変でしたから。まあ、長くても一時間にしておいた方が、体を壊さずに鍛えられるでしょう。」
「これを一時間ですか。キツいですな。」
同じく様子を見ていた公爵もラルフ団長に質問している。
「ラルフ、どんな感じだい?」
「公爵閣下、これは初めはとんでもなくキツいですが、三十分これに耐えられるようになるだけで、大幅な体力筋力の強化になりますな。いや、しかしキツいですな。」
そんな会話をしている隣で、バラン団長から色々と質問をされる私。
「オオガミ殿、貴殿の騎士団では、このような訓練を毎日課しておられるのか?」
「いえ、流石に毎日は体がもたないので、様子を見て、やっています。まぁ訓練方法の幅が広がって良いかと。」
「成る程。宜しければ、王都に滞在中の間だけでも良いので、そちらの騎士団の訓練に近衛から数人参加させていただいても宜しいか?」
「ええ、構いませんよ。私が居ないときには、レナードに見てもらいます。私も今日以降は、今の所予定がありませんから、出来るだけ同席しましょう。」
そんな話をバラン団長としていると、トーマス団長が話しに割って入ってきた。
「へ、辺境伯閣下。その訓練には、ウチの者も参加して宜しいか?ウチは国境沿いを領地としています。帝国の来襲が何時あるか備えなくてはなりません。是非お願いします。」
「な、なら、ウチも何人か参加させて貰いたいな。所で、そろそろ三十分たったはず。魔法を都いてくれないかな。」
「おや、もう経ちましたか。〈マルチロック〉、〈ブレイクマジック〉。」
一斉に『はぁ~』とため息がでて、荒い呼吸をするものが多く見られる。
流石にウチの騎士にはいないが、他の三つの騎士団からの参加者は軽くて膝に手をついているが、中にはその場に座り込んでいるものも見受けられた。
(体力無いなぁ。こんな事で大丈夫かな。)
思わず、そう考えてしまった私だ。
最後に対戦したい人と模擬戦をして、お開きとなるようだが、何故か私の前に長蛇の列が。
「・・・どお言う事かなこれは。トーマス殿、バラン殿?」
「オオガミ殿、澄まんが相手してもらえるかな。私にしても近衛の団長を努めている矜持がある。『雷光』と呼ばれる貴殿の剣を試してみたい。」
「私も、同じです。リーラ平原での二度にわたる貴殿の戦いをみて、自分の力を試してみたくなった。」
やはり嫌な予感は当たった様だ。
「まあ、仕方ないでしょう。お二方とは、後程一対一で、他の騎士団の者は騎士団ごと、まとめて相手しましょう。それで宜しければお受けしますが?」
「なんと、大丈夫なのか?そんな大言壮語を言って。ウチの近衛は弱くは無いが?」
「レナード卿、貴殿からも止められよ。」
バランとトーマスが相次いで止めるように言ってくるが、レナードは、平気な顔つきで、顔を横に振る。
「心配はご無用に願います。先日も国軍二十人相手にお一人で完勝してましたから、大丈夫かと。出来ない事は、ウチの閣下は申しませんから。」
「真か?」
結局、各騎士団ごとを相手に模擬戦することとなる。
(おいおい、言ってくれるねぇ。これは少し本気でいくかな。)
マントをレナードに渡し、インベントリィから愛用の木剣を一本取り出して、右手に握り、二回三回と素振りをする。
「では、ルールだ。私は一切の魔法強化はしない。そちらは好きなだけ強化してよい。以上だ。」
「オオガミ君、本当にそれで良いのかい?せめて魔法は使ったらどうだい?」
「それだと、私の訓練になりませんからね。魔法無しで頼みます。審判はすみませんが、バラン殿、頼みます。」
「あい分かった。では、双方準備は良いか?構えて。・・・始めっ!」
一斉に、リルムンド騎士団の騎士達がかかってくる。
その足元に〈ソニックブレード〉を叩き込む。
近寄ろうとした騎士達が、その攻撃に一瞬立ち止まる。
「はあっ!」
全身に『気』を巡らし、最大限の殺気と闘気を集団に浴びせる。
バタバタと三人を残して、白目を剥いてその場に倒れる。残った三人も皆、顔を青くして、膝を震わせていた。
この様子を見ている、公爵やバラン団長もあっけにとられていた。見ていた他の騎士団も顔を白くしている。
「何も、律儀に相手する必要は無いからねぇ。少し間引きをさせて貰ったよ。今、残っている者はオークジェネラルに勝てそうな者だ。倒れているのは、まあ、オークナイトまでだね。さて、続けるとしますか。」
そう言って、居合の構えから、無拍子で、相手の懐に潜り込むと、木剣の柄で当て身をして相手の左脇を抜けて、再び無拍子で二人目に向かい、左側を通り抜けざま、銅を払う。さらに無拍子で三人目に近寄り、相手の左肩に打ち込むと、相手は木剣でそれを受け止める。途端に周りで見ていた他の騎士団の者から歓声が上がる。
「ほう、多少スピードが落ちていたにしろ、良く受け止めた。名を聞かせてくれるかな?」
「リルムンド辺境伯騎士団第一中隊長コーネフ。こちらこそ、『雷光』に名を聞かれるとは光栄だ。」
「そうか、私がそう名乗った訳では無いのだがねっ。」
サイドステップから、再び無拍子で後ろに回り込み、相手の首筋に木剣を突きつけて止まる。
「それまで、オオガミ殿の勝ち。」
リルムンド騎士団を全て倒し、一戦目を終える。
「いやぁー、改めて強いねぇ、オオガミ君は。大勢相手でも、苦にしないとはねぇ。怖くは無いのかい?」
「ええ、元々オオガミ神刀流は一人で大勢の敵を相手にするのを想定して、編み出された剣術ですから、この位の人数なら、まだまだ余裕ですよ。」
「改めて聞くと凄いねぇ。君の家の剣術は。何故広めないの?」
「ま、色々とありましてね。さて、倒れている者を起こしますか。〈マルチロック〉〈キュア〉、〈マルチロック〉〈リジェネレーション〉。」
魔法をかけると、三十秒程で、皆目を覚ました。
(さて、次はどうしますかね。)
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