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第十五章 王都で貴族のお仕事。そして・・・。
第326話 山に行きましょう、オーガを狩りに。
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この話は、創世祭の翌日、前日の夜からソニアとセイラが家に泊まりがけで揃っていた八日の朝から始まる。
冒険者ギルドからの依頼を話して、暇な今日にでも出かける積もりだと話した場面から事は始まる。
「いいえ、ついて参ります。」
「そうですわ。お一人で行かれるなど、とんでもありませんわ。」
「アマテル様より、ショウ様のお力になれと申しつかっております。是非お供させてください。」
「そうよ、ショウさん。たまには私も連れていきなさい。何者でも、精霊魔法で一撃よ。」
「にゃ?お出かけかにゃ?じゃあアルも行くにゃ。」
「アイリス様が行かれるなら、私も護衛の為に御一緒しますわ。」
「閣下、勿論私はお連れ頂きますな?」
『は~っ!』
皆からのダメ出しの速射砲に深呼吸と見紛う程の深いため息をついてしまう。
創世祭の翌日、朝食が終わり、今日の予定の交換をして依頼として受けているオーガ退治に行くつもりと伝えた途端、この有り様である。
「あのね、オーガだよオーガ。強さはオークジェネラル並み、厄介さはオークロード並みだよ。分かって言っているのかい?」
「全て承知の上です。何者であれ、閣下の敵であれば、即ち我が敵であります。オーガの一体くらい何とかして見せます。」
「わたくしの魔法も、ショウ様の敵を倒し、お助けするための武器です。オーガであろうと、ジャイアントであろうと、ショウ様に立ち向かってくる者は敵ですわ。わたくしの魔法で消滅させます。」
「私の剣だとて、我が身を守るだけのものではなく、私が守りたい者達を守るための力なのです。コーチ、連れていってください。」
「私の白魔法は、アマテル様から貴方をお守りしろと授けられた力です。お守りするのは当然です。」
「ショウさん、たまには皆の力を借りるのも必要よ。ここは私に頼りなさい。」
「何と戦うのかは知らないけど、アルは精一杯兄ちゃんを応援するにゃ。」
「オーガですか。確かに侮れない相手ですが、アイリス様をお守りするのは私の仕事。お供します。」
(誰も私の言うとこを聞きゃしないよ。仕方ないな。ここは折れるか。)
「分かったよ。皆で倒すとしよう。出来れば今日中に済ませたいから、目的の場所までは、私が走って向かい、目的地の近くになったら、君たちを迎えに転移してくるから、戦いの準備をして待っているように。いいね?」
「お一人で戦わないと、お約束してください。」
「おや、信用がないのかな私は(笑)。分かった、約束するよ。アマテル様にかけて誓うよ。これでいいだろ?」
「真ですわね。お約束ですよ。イーストンでは、お連れくださいませんでしたから。真ですね?」
ソニアが代表して確認してくる。その目は本当か?と疑う光で一杯だ。
「ああ、皆連れていくから信じてくれ。」
と更に受け合ってやっと納得することに。
(やっぱ、危ないことには、皆を関わらせるのを避けていたからな。どこかで、信用されていないとでも思ったのかな?そうじゃないのだがな。私一人で片付けられるなら、わざわざ危険な目に会わなくて良いだろうに。仕方ない。約束したからね。お手伝いしてもらぃますか。)
「ただいま。皆、用意は出来ているかな?」
現場に向かって、四時間近く走って何とか辿り着くと、回りを良く見て〈テレポート〉で戻ってきたわけだ。
「お待ちしておりました、閣下。一同準備は終わっております。」
レナードを先頭に全員が完全武装をして待っていた。但し、アイリスとアルメイダはいつもの外出着にマントを着て寒くないようにしているだけだ。
「あー、アイリスとアルメイダは装備を持って無かったな。近いうちに見繕わないとな。まあ、今日は間に合わないが、仕方ないか。では、転移をするから私の近くに寄ってくれ。」
見回して、近くに寄るように言うと転移の準備をする。
「じゃあ飛ぶぞ。〈テレポート〉。」
七人を引き連れて、中央山脈の山道の登り口に転移する。
「ここは?」
周囲を見回してからアイリスが聞いてくる。
「中央山脈の登り口だ。この道を登った途中にオーガが出るらしい。他に魔物も出やすいらしいから、ここからは油断しないように。」
頷いて、それぞれの武器を構える。
「〈マップ表示・オン〉。」
山道全体が映るように、縮尺を調整してから、更に呪文を唱える。
「〈サーチ・オーガ〉。・・・〈鑑定〉赤い光点。」
(鑑定結果・赤い光点は討伐対象のオーガの一体です。身体レベル二十八、職業は戦士。棍棒使い。ノーマルなオーガだよ。三兄弟の次男だね。)
(うーん、少しレベルが高いだけか。まぁ、ノーマルなオーガだね。)
「〈鑑定〉赤い光点。」
(〈鑑定結果・赤い光点は討伐対象の一体。身体レベルは二十五、クラスは戦士〉棍棒使い。ノーマルなオーガだよ。三兄弟の三男。)
(こいつも、ノーマルな奴か。最後のはどうかな?)
「〈鑑定〉赤い光点。」
(鑑定結果・赤い光点は討伐対象のオーガの一体。身体レベル三十六。クラスはオーガチーフ、石斧使い。三兄弟の長男。気を付けて、コイツは貴方でないと倒せないから。あと、レベル一の風属性と土属性の魔法も使って来るわよ。)
「おやおや。」
「は?閣下如何しましたか?」
「レナードだけでなく、皆も聞いてくれ。・・・目標のオーガ達を捕捉した。三体の内二体はノーマルなオーガだよ。二体とも棍棒を使うから。もう一体はオーガチーフだから、私が相手をする。皆は手を出さないでくれ。コイツは、風と土の属性魔法も使ってくるから、離れていても気を抜かないように。まあ、念のために防御魔法をかけておくけどね。」
「オーガチーフですか。初めて聞くクラスですわね。何故その様な高位の魔物がこの様な場所にいるのでしょうか?」
「まあ、恐らくだけど、オーガがいた里や村から、もっと強い魔物によって追い払われたのかもしれないね。三体ものオーガが一度に現れるなんて珍しいからね。特にチーフなんてオーガの上位支配種だよ。こんな所にいてよい奴じゃないよ。兎に角、皆は手を出さないようにね。分かったね。」
レナードだけでなく、皆に注意喚起して、山道を登り始める私達一行であった。
冒険者ギルドからの依頼を話して、暇な今日にでも出かける積もりだと話した場面から事は始まる。
「いいえ、ついて参ります。」
「そうですわ。お一人で行かれるなど、とんでもありませんわ。」
「アマテル様より、ショウ様のお力になれと申しつかっております。是非お供させてください。」
「そうよ、ショウさん。たまには私も連れていきなさい。何者でも、精霊魔法で一撃よ。」
「にゃ?お出かけかにゃ?じゃあアルも行くにゃ。」
「アイリス様が行かれるなら、私も護衛の為に御一緒しますわ。」
「閣下、勿論私はお連れ頂きますな?」
『は~っ!』
皆からのダメ出しの速射砲に深呼吸と見紛う程の深いため息をついてしまう。
創世祭の翌日、朝食が終わり、今日の予定の交換をして依頼として受けているオーガ退治に行くつもりと伝えた途端、この有り様である。
「あのね、オーガだよオーガ。強さはオークジェネラル並み、厄介さはオークロード並みだよ。分かって言っているのかい?」
「全て承知の上です。何者であれ、閣下の敵であれば、即ち我が敵であります。オーガの一体くらい何とかして見せます。」
「わたくしの魔法も、ショウ様の敵を倒し、お助けするための武器です。オーガであろうと、ジャイアントであろうと、ショウ様に立ち向かってくる者は敵ですわ。わたくしの魔法で消滅させます。」
「私の剣だとて、我が身を守るだけのものではなく、私が守りたい者達を守るための力なのです。コーチ、連れていってください。」
「私の白魔法は、アマテル様から貴方をお守りしろと授けられた力です。お守りするのは当然です。」
「ショウさん、たまには皆の力を借りるのも必要よ。ここは私に頼りなさい。」
「何と戦うのかは知らないけど、アルは精一杯兄ちゃんを応援するにゃ。」
「オーガですか。確かに侮れない相手ですが、アイリス様をお守りするのは私の仕事。お供します。」
(誰も私の言うとこを聞きゃしないよ。仕方ないな。ここは折れるか。)
「分かったよ。皆で倒すとしよう。出来れば今日中に済ませたいから、目的の場所までは、私が走って向かい、目的地の近くになったら、君たちを迎えに転移してくるから、戦いの準備をして待っているように。いいね?」
「お一人で戦わないと、お約束してください。」
「おや、信用がないのかな私は(笑)。分かった、約束するよ。アマテル様にかけて誓うよ。これでいいだろ?」
「真ですわね。お約束ですよ。イーストンでは、お連れくださいませんでしたから。真ですね?」
ソニアが代表して確認してくる。その目は本当か?と疑う光で一杯だ。
「ああ、皆連れていくから信じてくれ。」
と更に受け合ってやっと納得することに。
(やっぱ、危ないことには、皆を関わらせるのを避けていたからな。どこかで、信用されていないとでも思ったのかな?そうじゃないのだがな。私一人で片付けられるなら、わざわざ危険な目に会わなくて良いだろうに。仕方ない。約束したからね。お手伝いしてもらぃますか。)
「ただいま。皆、用意は出来ているかな?」
現場に向かって、四時間近く走って何とか辿り着くと、回りを良く見て〈テレポート〉で戻ってきたわけだ。
「お待ちしておりました、閣下。一同準備は終わっております。」
レナードを先頭に全員が完全武装をして待っていた。但し、アイリスとアルメイダはいつもの外出着にマントを着て寒くないようにしているだけだ。
「あー、アイリスとアルメイダは装備を持って無かったな。近いうちに見繕わないとな。まあ、今日は間に合わないが、仕方ないか。では、転移をするから私の近くに寄ってくれ。」
見回して、近くに寄るように言うと転移の準備をする。
「じゃあ飛ぶぞ。〈テレポート〉。」
七人を引き連れて、中央山脈の山道の登り口に転移する。
「ここは?」
周囲を見回してからアイリスが聞いてくる。
「中央山脈の登り口だ。この道を登った途中にオーガが出るらしい。他に魔物も出やすいらしいから、ここからは油断しないように。」
頷いて、それぞれの武器を構える。
「〈マップ表示・オン〉。」
山道全体が映るように、縮尺を調整してから、更に呪文を唱える。
「〈サーチ・オーガ〉。・・・〈鑑定〉赤い光点。」
(鑑定結果・赤い光点は討伐対象のオーガの一体です。身体レベル二十八、職業は戦士。棍棒使い。ノーマルなオーガだよ。三兄弟の次男だね。)
(うーん、少しレベルが高いだけか。まぁ、ノーマルなオーガだね。)
「〈鑑定〉赤い光点。」
(〈鑑定結果・赤い光点は討伐対象の一体。身体レベルは二十五、クラスは戦士〉棍棒使い。ノーマルなオーガだよ。三兄弟の三男。)
(こいつも、ノーマルな奴か。最後のはどうかな?)
「〈鑑定〉赤い光点。」
(鑑定結果・赤い光点は討伐対象のオーガの一体。身体レベル三十六。クラスはオーガチーフ、石斧使い。三兄弟の長男。気を付けて、コイツは貴方でないと倒せないから。あと、レベル一の風属性と土属性の魔法も使って来るわよ。)
「おやおや。」
「は?閣下如何しましたか?」
「レナードだけでなく、皆も聞いてくれ。・・・目標のオーガ達を捕捉した。三体の内二体はノーマルなオーガだよ。二体とも棍棒を使うから。もう一体はオーガチーフだから、私が相手をする。皆は手を出さないでくれ。コイツは、風と土の属性魔法も使ってくるから、離れていても気を抜かないように。まあ、念のために防御魔法をかけておくけどね。」
「オーガチーフですか。初めて聞くクラスですわね。何故その様な高位の魔物がこの様な場所にいるのでしょうか?」
「まあ、恐らくだけど、オーガがいた里や村から、もっと強い魔物によって追い払われたのかもしれないね。三体ものオーガが一度に現れるなんて珍しいからね。特にチーフなんてオーガの上位支配種だよ。こんな所にいてよい奴じゃないよ。兎に角、皆は手を出さないようにね。分かったね。」
レナードだけでなく、皆に注意喚起して、山道を登り始める私達一行であった。
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