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第十四章 イーストン解放編
第259話 お祭りの時の食い物は何故美味しいのかな?
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その日の夕食は皆静かに食べている。別に不味かった訳ではなく、やはり初めての船旅で、疲れがあったようだ。変わらず元気なのは、アイリスとアルメイダ位の者で、他は許嫁ズもレナードもディートリンデも大人しく静かに食べていた。
サウルに明日の予定を簡単に確認する。
「サウル、明日は収穫祭だったな?」
「はい、その通りでございます。」
「私が、すべき事は何かあるかな。無ければ、好きにさせて貰うが?」
「はい、無事に旦那様が収穫祭前にお帰りになったので、明日はまず収穫祭の開催式に出ていただきます。これには許嫁のお三方様も同席して頂きます。正装でお願いします。レナード団長は旦那様方の警護をお願いします。」
レナードが頷き承知したことを伝える。
「式では、旦那様に開催のお言葉を頂きます。そして昼には、振る舞酒の挨拶も頂きます。明日はこの二件をお願いします。」
「う~ん、振る舞い酒の挨拶はハザル行政長官に任せるよ。私がすると、少しあざとい気がするからね。」
「成る程。分かりました。振る舞い酒の挨拶は、長官にやって貰います。ですので開催のお言葉以降はご自由にどうぞ。」
「うん、ありがとう。助かるよ。」
その日は、疲れからか皆早目に休んだようだ。
私も風呂に入った後は、倒れ込むように、ベッドに入り即寝たよ。
翌日は、早く寝た為か、やたらと目覚めが早く起きた。
そして、何故か何時もの様に腹の上にはアルメイダが丸まっており、腰にはアイリスが抱きつき枕している。
昨日は寝る時にはいなかったのに、いつの間にか来ていた。
(うーん、私が結婚したらどうするのかな?あと三年ちょっとで治るのかな?心配だ。)
すっかり目が覚めて、そんな事を考えて心配していると、ノックの後に人が部屋に入ってきて声をかけてくる
「旦那様、お早うございます。朝でございます。お時間でございますよ。起きて下さい。朝食のご用意が出来ております。」
「おーい、アイリス、アルメイダ起きろ。朝飯だぞ。起きなさい。」
何時ものごとく、私の『朝飯』の一言に反応して二人ともに起きる。
「にゃ~。ご飯にゃのか?」
「ううう、もう朝なのね。」
二人ともにそう言うと、それぞれ背伸びしてからベッドから降りて着替えを始める。
私もサウルから渡される服に着替えると、三人に〈クリーン〉をかけて、食堂に向かう。
今日は早く目覚めた為か私達が一番だった。椅子に座って待っていると、レナードが入ってきて、朝の挨拶をする。
「閣下、お早うございます。今日は早いですね。(笑)」
「まあ、子供と同じで、お祭りの為か早く起きたのさ。」
「ははは、成る程。私も実は少し楽しみでして。」
「騎士団の皆も交代て休憩を取らせて、祭りに参加できるようにしてくれよ。但し、業務時間中は飲酒は禁止だぞ。」
「承知しております。小隊単位で交代で休憩を取らせますので、ご安心下さい。」
「なら、大丈夫だね。」
そんな話をしていると、許嫁ズが食堂に入ってきて、各自椅子に座り私に朝の挨拶をしてくる。
「「「ショウ様、お早うございます。」」」
「ああ、お早う。おや、ソニアはいつにも増して元気だね。どうしたんだい?」
「わたくし、お祭りと言うものは、生まれて初めてですわ。今日は楽しみで楽しみで、早く目が覚めてしまいましたの。」
「はははは。私もだよ。開催の式典のあとは、着替えて町の中を見て回るつもりだ。一緒に行くかい?」
「まあ、素晴らしいですわ。お連れ下さい。」
「皆もどうだい?」
「勿論、御一緒しますわコーチ。」
「申し訳ありません。私は教会の主催で炊き出しのお手伝いに行きますので、御一緒は出来ません。」
「ああ、それはシーラご苦労様。では私も途中で様子を見に行くよ。アルメイダも一緒に行くかい?」
「にゃ、勿論一緒に行くにゃ。虎に変わるから抱っこしてほしいにゃ。」
「そうか?うん、分かった良いよ。」
「やったにゃ!」
「アイリスはどうする?」
「ディートリンデ達も一緒でも良いかしら?」
「おう、構わんぞ。皆でくり出すか?(笑)」
「分かったわ。一緒する。」
「結構な人数になるな。まあ、賑やかでいいか。じゃ、皆揃ったね。やってくれ。」
私の声を切っ掛けに、給仕が始まる。皆の席順は以前と少し違う。ディートリンデ王女も食事の席を同じくしているのだ。そのため、許嫁ズが座る側にアイリスとアルメイダが並び、レナードの座っていた場所にディートリンデ王女が座っている。レナードとサウルは一つずつずれて座っている形だ。
そんな中で今朝のメニューは厚切りのハムエッグとオニオンスープ、白パンと野菜サラダ。シンプルだがこのハムが中々旨い。元々肉好きなアルメイダは相変わらず、フォークの使い方が苦手のようだ。何とか大きく切り分けるが、そのままフォークに刺して大きな口を開けて頬張っている。
あむあむと咀嚼して飲み込むとニパッと笑っている。それから次の切ったハムにかかる。
ソニアは大人しく食べてはいるが、此処のところ体の成長が著しくなっている。
最近まで、病のため臥せっていた為に、食事も成長期にしては消化の良い物しか食べていなかったのが、ここ三ヶ月間私達と同じ食事で運動もして体が成長を始めたようだ。
次に陛下達とお会いしたときは成長した姿に驚かれるかもしれない。セイラは一つソニアよりも年上な為か、身長は既に大人並みになってきている。仕草はまだまだヤンチャではあるが、大分貴族の令嬢っぽくなってきた。シーラが三人の中では一番大人だな。教会で色々と苦労してきた為か、年齢の割には大人だな。
まあ、三人とも将来が楽しみな美人さんだ。
食事のあと、サウルにこの後のスケジュールを聞く。
「サウル、何時に何処へ行っていれば良いかな?」
「はい、この後の九時に町の中央広場にて、開催式があります。それまでには皆様も広場にお越し下さい。」
「承知した。皆も分かったね。」
「承知しましたわ。」
「分かったわ。」
「遅れないで行きます。」
許嫁ズの返事に合わすように、皆も頷いた。
私は果実水を飲み干すと、合掌して『頂きました』をして椅子から立ち上がる。
(さて、準備しないとね。)
サウルに明日の予定を簡単に確認する。
「サウル、明日は収穫祭だったな?」
「はい、その通りでございます。」
「私が、すべき事は何かあるかな。無ければ、好きにさせて貰うが?」
「はい、無事に旦那様が収穫祭前にお帰りになったので、明日はまず収穫祭の開催式に出ていただきます。これには許嫁のお三方様も同席して頂きます。正装でお願いします。レナード団長は旦那様方の警護をお願いします。」
レナードが頷き承知したことを伝える。
「式では、旦那様に開催のお言葉を頂きます。そして昼には、振る舞酒の挨拶も頂きます。明日はこの二件をお願いします。」
「う~ん、振る舞い酒の挨拶はハザル行政長官に任せるよ。私がすると、少しあざとい気がするからね。」
「成る程。分かりました。振る舞い酒の挨拶は、長官にやって貰います。ですので開催のお言葉以降はご自由にどうぞ。」
「うん、ありがとう。助かるよ。」
その日は、疲れからか皆早目に休んだようだ。
私も風呂に入った後は、倒れ込むように、ベッドに入り即寝たよ。
翌日は、早く寝た為か、やたらと目覚めが早く起きた。
そして、何故か何時もの様に腹の上にはアルメイダが丸まっており、腰にはアイリスが抱きつき枕している。
昨日は寝る時にはいなかったのに、いつの間にか来ていた。
(うーん、私が結婚したらどうするのかな?あと三年ちょっとで治るのかな?心配だ。)
すっかり目が覚めて、そんな事を考えて心配していると、ノックの後に人が部屋に入ってきて声をかけてくる
「旦那様、お早うございます。朝でございます。お時間でございますよ。起きて下さい。朝食のご用意が出来ております。」
「おーい、アイリス、アルメイダ起きろ。朝飯だぞ。起きなさい。」
何時ものごとく、私の『朝飯』の一言に反応して二人ともに起きる。
「にゃ~。ご飯にゃのか?」
「ううう、もう朝なのね。」
二人ともにそう言うと、それぞれ背伸びしてからベッドから降りて着替えを始める。
私もサウルから渡される服に着替えると、三人に〈クリーン〉をかけて、食堂に向かう。
今日は早く目覚めた為か私達が一番だった。椅子に座って待っていると、レナードが入ってきて、朝の挨拶をする。
「閣下、お早うございます。今日は早いですね。(笑)」
「まあ、子供と同じで、お祭りの為か早く起きたのさ。」
「ははは、成る程。私も実は少し楽しみでして。」
「騎士団の皆も交代て休憩を取らせて、祭りに参加できるようにしてくれよ。但し、業務時間中は飲酒は禁止だぞ。」
「承知しております。小隊単位で交代で休憩を取らせますので、ご安心下さい。」
「なら、大丈夫だね。」
そんな話をしていると、許嫁ズが食堂に入ってきて、各自椅子に座り私に朝の挨拶をしてくる。
「「「ショウ様、お早うございます。」」」
「ああ、お早う。おや、ソニアはいつにも増して元気だね。どうしたんだい?」
「わたくし、お祭りと言うものは、生まれて初めてですわ。今日は楽しみで楽しみで、早く目が覚めてしまいましたの。」
「はははは。私もだよ。開催の式典のあとは、着替えて町の中を見て回るつもりだ。一緒に行くかい?」
「まあ、素晴らしいですわ。お連れ下さい。」
「皆もどうだい?」
「勿論、御一緒しますわコーチ。」
「申し訳ありません。私は教会の主催で炊き出しのお手伝いに行きますので、御一緒は出来ません。」
「ああ、それはシーラご苦労様。では私も途中で様子を見に行くよ。アルメイダも一緒に行くかい?」
「にゃ、勿論一緒に行くにゃ。虎に変わるから抱っこしてほしいにゃ。」
「そうか?うん、分かった良いよ。」
「やったにゃ!」
「アイリスはどうする?」
「ディートリンデ達も一緒でも良いかしら?」
「おう、構わんぞ。皆でくり出すか?(笑)」
「分かったわ。一緒する。」
「結構な人数になるな。まあ、賑やかでいいか。じゃ、皆揃ったね。やってくれ。」
私の声を切っ掛けに、給仕が始まる。皆の席順は以前と少し違う。ディートリンデ王女も食事の席を同じくしているのだ。そのため、許嫁ズが座る側にアイリスとアルメイダが並び、レナードの座っていた場所にディートリンデ王女が座っている。レナードとサウルは一つずつずれて座っている形だ。
そんな中で今朝のメニューは厚切りのハムエッグとオニオンスープ、白パンと野菜サラダ。シンプルだがこのハムが中々旨い。元々肉好きなアルメイダは相変わらず、フォークの使い方が苦手のようだ。何とか大きく切り分けるが、そのままフォークに刺して大きな口を開けて頬張っている。
あむあむと咀嚼して飲み込むとニパッと笑っている。それから次の切ったハムにかかる。
ソニアは大人しく食べてはいるが、此処のところ体の成長が著しくなっている。
最近まで、病のため臥せっていた為に、食事も成長期にしては消化の良い物しか食べていなかったのが、ここ三ヶ月間私達と同じ食事で運動もして体が成長を始めたようだ。
次に陛下達とお会いしたときは成長した姿に驚かれるかもしれない。セイラは一つソニアよりも年上な為か、身長は既に大人並みになってきている。仕草はまだまだヤンチャではあるが、大分貴族の令嬢っぽくなってきた。シーラが三人の中では一番大人だな。教会で色々と苦労してきた為か、年齢の割には大人だな。
まあ、三人とも将来が楽しみな美人さんだ。
食事のあと、サウルにこの後のスケジュールを聞く。
「サウル、何時に何処へ行っていれば良いかな?」
「はい、この後の九時に町の中央広場にて、開催式があります。それまでには皆様も広場にお越し下さい。」
「承知した。皆も分かったね。」
「承知しましたわ。」
「分かったわ。」
「遅れないで行きます。」
許嫁ズの返事に合わすように、皆も頷いた。
私は果実水を飲み干すと、合掌して『頂きました』をして椅子から立ち上がる。
(さて、準備しないとね。)
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