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第 八章 領主就任と町の掃除。
第134話 やっぱ貴族は油断出来ません。
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アルメイダが子虎になった騒動の午後。
遂に待ち望んでいた、行政官が三人とその家族達がツールに着いた。
「旦那様、只今玄関ホールに王都から執政官として三名の方が、ご家族もお連れで到着されました。」
「お、来ましたか。ご家族の方々は別室て休んでもらって、おもてなししておいてね。三人は執務室へ通してね。」
「承知しました。」
私も身嗜みを整えてから待っていると、サウルが呼びに来てくれた。
「お茶を頼む。」
「承知しました。」
執務室へ向かい、ノックをして入る。私が入っていくと、ソファーから立ち上がり、頭を下げる三人。
「ああ、座って楽にして。今、お茶を持ってきますから。いやぁ、みすぼらしい部屋ですまないねぇ。」
三人にソファーをすすめながら自分も対面に座る。
その時、サウルとガトーが入ってきて、サウルは私の後ろへ侍り、ガトーはお茶を淹れ始めた。サウルから指導を受けているためか、ガトーの淹れるお茶もかなりのレベルになっている。
各自の前にティーカップが置かれていき、行き渡ると、礼をして退室した。
「まずは、遠路長旅ご苦労様でした。自己紹介しますね。私がここ、ツールの領主のショウイチ・オオガミ・フォン・ツール伯爵です。後ろに控えるのは家の家宰兼秘書役のサウルです。
見ての通り、私は十五の未熟者です。皆さんの力をお借りして、この町を大きく豊かに栄えさせたいのです。皆さんのご協力をお願い致します。」
頭を下げてお願いする。
「閣下、頭をお上げ下さい。元より私達はそのつもりで、こちらに来ましたから。自己紹介が遅れましたね。私はハザル・フォン・コーラス。この度騎士爵を賜りました。 ハザルとお呼びください。父がリヒト公爵家のシュザンナ様の叔父でして、シュザンナ様とは従兄弟になりますね。閣下とも縁戚となります。あのお転婆と一族の中で有名だったセイラを、良く手懐けられたとご尊敬申し上げますよ。(笑)」
「え?!セイラの叔父殿でしたか。では公私共によろしくお願いしますね。で、次にそちらは?」
「申し遅れました。レオパルド・フォン・サイラスです。この度はご登用頂き有難うございます。粉骨砕身頑張ります。」
「えーと、サイラス家って言うと、たしか宰相閣下の家だったよね?」
「はい、サームは父です。ただ、私は妾腹で四男なので、継承権はありません。今回、こちらに赴任するに当たり、騎士爵を賜りました。ご登用頂き有難うございます。」
「こちらこそ、宜しくお願いするよ。で、貴方は?」
「はっ!オルソン・フォン・ターセルであります。こちらに赴任するに当たり騎士爵を賜りました。全力をもって任務に当たらせて頂きます。よろしくお願いします。」
「おや?ターセル家って確かバラン近衛騎士団団長の家だったような?」
「は、バランは兄であります。閣下の事は色々と兄から聞いて参りました。」
「と言うと、彼何て言ってました?」
「はっ!、失礼とは思いますが、兄よりも強い方で敵には容赦しない方、絶対怒らしてはいけない方と言ってました。」
「ククク、言いたい放題言ってますね彼も。まあ、間違ってはいないけどね。
私はそんなに器が大きくないのでね、敵の事まで思いやる気は無いのです。敵には消えて貰った方が、あと色々考えなくて済むから楽ですしね。」
「旦那様!」
「おっと、口が滑ったかな?今のは聞かなかったことにしてくれ。さて、それで三人の得意分野は何かな?それによって、就いてもらうポストが変わってくるのだけどね。ハザル卿は?」
「私は、兄の補佐で行政官をしておりましたから、何でもできます。」
「成る程。レオパルド卿は? 」
「私も行政官でしたが特に財政や会計の仕事を専らしておりました。」
「成る程。オルソン卿は?」
「は、私は衛兵などの王都の治安部所にいました。」
「そうか有り難いな。実は前の代官のせいで、行政機関が今混乱していてね。今度は執政官一人に権力を集中させない様に明確に職責を分担させて責任者を明確にする事にした。行政機関は大きく分けて三部署だ。
一つは民政部ここの部長は現地採用のアルトリンゲン・バイザー君が就く。彼はアシリーの元でとはいえ、実務をずっと指揮していた男だからね力はあるし、町の実情に詳しいからね。
二つ目は財政部だ。ここは町の行政予算の編纂と財政執行の報告書の作成、徴税計画と執行を担当してもらう。表にでない部署だが、重要さは言うまでもないね。
三つ目は、司法警察部。聞きなれないことばとは思うが、この部署は町の治安維持と犯罪の摘発と刑罰の判定と実施を行う。死刑者については、申請書を行政長官、これは後で言うが、に提出して執行のサインをもらい、領主である私のサインで確定執行とする。従って、以前の衛兵達よりも権力が強くなっているので、ここの部長はしっかりと部下の管理をしてくれたまえ。
先に言っておくが、私は役人の不正が大っ嫌いだ。本音を言えば、アシリーも私が始末したかったが、代官ということで、管轄が王宮だったので向こうに渡したけどね。」
「旦那様、それくらいで。」
「おっと、また口がすべったかな。つい最近まで普通の冒険者だったのでね。思った事をつい言ってしまうよ。私も精進しないとな。
話は戻すけど、最後に先程言った三部署の監査役と人事管理と新規事業の立案、実施を執り行う行政長官府の四つの重要ポストがあるわけだ。まず長官には、何でも出来るハザル卿にお願いするよ。」
「大任をお任せ頂き有難うございます。頑張ります。」
「ああ、頼みます。民政部は先程言った様にアルトリンゲン君が就きます。財政部部長はレオパルド卿、頼みます。」
「承知しました。早速、財政の現状把握からいたしましょう。」
「大変だが、頼みます。そして司法警察部部長はオルソン卿頼みます。」
「はっ、重責ですが、ご期待に沿うように頑張ります。」
「初めは各部、勝手が分からずに混乱もあると思うが、三人の部長と長官でよく会議をして、お互いの仕事が効率よくいくように協力していってくれ。下手な縄張り意識は持たないように頼みますよ。どうしても判断できない案件は私に上げてください。私が決断します。」
「閣下は余り町の執政には関与されないのですか?」
ハザルが意外そうに聞いてきた。
「全く関与しないわけではないよ。私がする事は、新規事業の立案とその予算の提出。幹部人事権と予算の監査権。町の防衛に関しての指揮権と徴兵権だね。まあ、基本的に新規事業以外は君達に任せます。王宮から五年の無税期間を頂きました。五年以内に組織として機能するようにして下さい。あと行政長官は一人では仕事が出来ないと思いますから、民政部から引き抜いても良いし、新しく募集をしてくれても良いです。給金は予算から出してください。三部長と長官の給料は伯爵家から出します。ハザル卿は前の所で幾ら貰っていたのかな?」
「はあ、私は月金貨五枚でした。」
「レオパルド卿、君はいくらもらっていた?」
「はい、私は月金貨四枚でした。」
「そうか、オルソン卿は幾らだい?」
「はっ、自分も月金貨四枚でした。」
「ありがとう。では、ハザル卿には、月金貨八枚、レオパルド卿は月金貨七枚、オルソン卿も月金貨七枚とします。勿論町の規模が大きく、豊かになったと、私が判断出来れば、当然昇給もします。どうでしょうか?」
「いえ、どうでしょうか?もないですよ。今の二倍近く頂けるのであれば、助かります。こちらこそ、有難うございます。」
レオパルドがそう返すが、思わぬ高給に三人ともびっくりしている。
「そう言ってもらえると有り難いが、それだけ仕事がきついと言うことです。覚悟を決めて当たって下さい。」
「粉骨砕身します。」
オルソンが身を引き締めて返す。
「あと、元代官屋敷なんだけど、はっきり言ってこの領主屋敷より大きくて中も立派だ。フフ、アシリーがどう自分を考えていたか分かるね。
今そこに行政機関が入って仕事をしているが、屋敷が大きいので、部屋が余っている状態なのだよ。ここを君達の行政府として使ってくれ。もし増設するなら予算から出してくれ。それと私への報告書の提出を月毎にすること。
まだ君達の官舎が決まって無いので、すまないが決まるまでは、この屋敷にすんでくれ。それで相談なんだが、代官屋敷に以前勤めていた、料理人一人とメイドが三人だが、官舎が決まるまでは私が預かります。一応、料理人は代官屋敷内で、職員向けの食堂を設置して、運営してもらい、町の職員として働いてもう予定です。メイドは建物内の美化と食堂の手伝いを考えていますが、誰か雇いたい人はいますか?欲しい人は手を上げて。」
三人とも手を上げる。
「分かりました。近い内に引き合わせます。勤めるまでは、給料は伯爵家が出しますが勤め出したら各自出してください。
まだまだ細かい伝達や新規事業についてとか、話は多いですが、お疲れと思いますので、続きは明日からにしましょう。夕食までそれぞれ部屋でゆっくりしてください。サウル、彼らとご家族を部屋に案内してやって。」
「承知しました。さ、皆様お部屋に案内いたします。こちらへどうぞ。」
部屋からサウルに連れられて出ていく三人。出ていったのを見送り、その場で目を瞑り、上を向く。
(宰相閣下も貴族の子弟になるとは言っていたが、まさか、宰相閣下の縁者や近衛騎士団長の縁者とは思いもしなかったよ。ある意味警戒しなくて済むが、美味しい所は先に押さえに来るとは、やっぱり貴族は強かだね。
多分、私が王宮の監視から外れるのを恐れたのかもしれない。定期的に王宮へも報告がいくのだろうね。私の知らない所で。
まあ、仕事さえやってくれれば、そのくらいは目を瞑るけどね。
やっと色々と手をつけられるな。なんか、ファンタジーゲームから、領地経営シュミレーションゲームになってきたな。早く軌道にのせて、好きなことが出来る時間を作らないとね。)
暫く経つと扉が開き、サウルが入ってきた。
「旦那様、皆様をお部屋にご案内いたしました。」
「そうか、ありがとう。」
サウルに言葉を返して、細かな話を夕食の知らせが来るまで詰めた。
遂に待ち望んでいた、行政官が三人とその家族達がツールに着いた。
「旦那様、只今玄関ホールに王都から執政官として三名の方が、ご家族もお連れで到着されました。」
「お、来ましたか。ご家族の方々は別室て休んでもらって、おもてなししておいてね。三人は執務室へ通してね。」
「承知しました。」
私も身嗜みを整えてから待っていると、サウルが呼びに来てくれた。
「お茶を頼む。」
「承知しました。」
執務室へ向かい、ノックをして入る。私が入っていくと、ソファーから立ち上がり、頭を下げる三人。
「ああ、座って楽にして。今、お茶を持ってきますから。いやぁ、みすぼらしい部屋ですまないねぇ。」
三人にソファーをすすめながら自分も対面に座る。
その時、サウルとガトーが入ってきて、サウルは私の後ろへ侍り、ガトーはお茶を淹れ始めた。サウルから指導を受けているためか、ガトーの淹れるお茶もかなりのレベルになっている。
各自の前にティーカップが置かれていき、行き渡ると、礼をして退室した。
「まずは、遠路長旅ご苦労様でした。自己紹介しますね。私がここ、ツールの領主のショウイチ・オオガミ・フォン・ツール伯爵です。後ろに控えるのは家の家宰兼秘書役のサウルです。
見ての通り、私は十五の未熟者です。皆さんの力をお借りして、この町を大きく豊かに栄えさせたいのです。皆さんのご協力をお願い致します。」
頭を下げてお願いする。
「閣下、頭をお上げ下さい。元より私達はそのつもりで、こちらに来ましたから。自己紹介が遅れましたね。私はハザル・フォン・コーラス。この度騎士爵を賜りました。 ハザルとお呼びください。父がリヒト公爵家のシュザンナ様の叔父でして、シュザンナ様とは従兄弟になりますね。閣下とも縁戚となります。あのお転婆と一族の中で有名だったセイラを、良く手懐けられたとご尊敬申し上げますよ。(笑)」
「え?!セイラの叔父殿でしたか。では公私共によろしくお願いしますね。で、次にそちらは?」
「申し遅れました。レオパルド・フォン・サイラスです。この度はご登用頂き有難うございます。粉骨砕身頑張ります。」
「えーと、サイラス家って言うと、たしか宰相閣下の家だったよね?」
「はい、サームは父です。ただ、私は妾腹で四男なので、継承権はありません。今回、こちらに赴任するに当たり、騎士爵を賜りました。ご登用頂き有難うございます。」
「こちらこそ、宜しくお願いするよ。で、貴方は?」
「はっ!オルソン・フォン・ターセルであります。こちらに赴任するに当たり騎士爵を賜りました。全力をもって任務に当たらせて頂きます。よろしくお願いします。」
「おや?ターセル家って確かバラン近衛騎士団団長の家だったような?」
「は、バランは兄であります。閣下の事は色々と兄から聞いて参りました。」
「と言うと、彼何て言ってました?」
「はっ!、失礼とは思いますが、兄よりも強い方で敵には容赦しない方、絶対怒らしてはいけない方と言ってました。」
「ククク、言いたい放題言ってますね彼も。まあ、間違ってはいないけどね。
私はそんなに器が大きくないのでね、敵の事まで思いやる気は無いのです。敵には消えて貰った方が、あと色々考えなくて済むから楽ですしね。」
「旦那様!」
「おっと、口が滑ったかな?今のは聞かなかったことにしてくれ。さて、それで三人の得意分野は何かな?それによって、就いてもらうポストが変わってくるのだけどね。ハザル卿は?」
「私は、兄の補佐で行政官をしておりましたから、何でもできます。」
「成る程。レオパルド卿は? 」
「私も行政官でしたが特に財政や会計の仕事を専らしておりました。」
「成る程。オルソン卿は?」
「は、私は衛兵などの王都の治安部所にいました。」
「そうか有り難いな。実は前の代官のせいで、行政機関が今混乱していてね。今度は執政官一人に権力を集中させない様に明確に職責を分担させて責任者を明確にする事にした。行政機関は大きく分けて三部署だ。
一つは民政部ここの部長は現地採用のアルトリンゲン・バイザー君が就く。彼はアシリーの元でとはいえ、実務をずっと指揮していた男だからね力はあるし、町の実情に詳しいからね。
二つ目は財政部だ。ここは町の行政予算の編纂と財政執行の報告書の作成、徴税計画と執行を担当してもらう。表にでない部署だが、重要さは言うまでもないね。
三つ目は、司法警察部。聞きなれないことばとは思うが、この部署は町の治安維持と犯罪の摘発と刑罰の判定と実施を行う。死刑者については、申請書を行政長官、これは後で言うが、に提出して執行のサインをもらい、領主である私のサインで確定執行とする。従って、以前の衛兵達よりも権力が強くなっているので、ここの部長はしっかりと部下の管理をしてくれたまえ。
先に言っておくが、私は役人の不正が大っ嫌いだ。本音を言えば、アシリーも私が始末したかったが、代官ということで、管轄が王宮だったので向こうに渡したけどね。」
「旦那様、それくらいで。」
「おっと、また口がすべったかな。つい最近まで普通の冒険者だったのでね。思った事をつい言ってしまうよ。私も精進しないとな。
話は戻すけど、最後に先程言った三部署の監査役と人事管理と新規事業の立案、実施を執り行う行政長官府の四つの重要ポストがあるわけだ。まず長官には、何でも出来るハザル卿にお願いするよ。」
「大任をお任せ頂き有難うございます。頑張ります。」
「ああ、頼みます。民政部は先程言った様にアルトリンゲン君が就きます。財政部部長はレオパルド卿、頼みます。」
「承知しました。早速、財政の現状把握からいたしましょう。」
「大変だが、頼みます。そして司法警察部部長はオルソン卿頼みます。」
「はっ、重責ですが、ご期待に沿うように頑張ります。」
「初めは各部、勝手が分からずに混乱もあると思うが、三人の部長と長官でよく会議をして、お互いの仕事が効率よくいくように協力していってくれ。下手な縄張り意識は持たないように頼みますよ。どうしても判断できない案件は私に上げてください。私が決断します。」
「閣下は余り町の執政には関与されないのですか?」
ハザルが意外そうに聞いてきた。
「全く関与しないわけではないよ。私がする事は、新規事業の立案とその予算の提出。幹部人事権と予算の監査権。町の防衛に関しての指揮権と徴兵権だね。まあ、基本的に新規事業以外は君達に任せます。王宮から五年の無税期間を頂きました。五年以内に組織として機能するようにして下さい。あと行政長官は一人では仕事が出来ないと思いますから、民政部から引き抜いても良いし、新しく募集をしてくれても良いです。給金は予算から出してください。三部長と長官の給料は伯爵家から出します。ハザル卿は前の所で幾ら貰っていたのかな?」
「はあ、私は月金貨五枚でした。」
「レオパルド卿、君はいくらもらっていた?」
「はい、私は月金貨四枚でした。」
「そうか、オルソン卿は幾らだい?」
「はっ、自分も月金貨四枚でした。」
「ありがとう。では、ハザル卿には、月金貨八枚、レオパルド卿は月金貨七枚、オルソン卿も月金貨七枚とします。勿論町の規模が大きく、豊かになったと、私が判断出来れば、当然昇給もします。どうでしょうか?」
「いえ、どうでしょうか?もないですよ。今の二倍近く頂けるのであれば、助かります。こちらこそ、有難うございます。」
レオパルドがそう返すが、思わぬ高給に三人ともびっくりしている。
「そう言ってもらえると有り難いが、それだけ仕事がきついと言うことです。覚悟を決めて当たって下さい。」
「粉骨砕身します。」
オルソンが身を引き締めて返す。
「あと、元代官屋敷なんだけど、はっきり言ってこの領主屋敷より大きくて中も立派だ。フフ、アシリーがどう自分を考えていたか分かるね。
今そこに行政機関が入って仕事をしているが、屋敷が大きいので、部屋が余っている状態なのだよ。ここを君達の行政府として使ってくれ。もし増設するなら予算から出してくれ。それと私への報告書の提出を月毎にすること。
まだ君達の官舎が決まって無いので、すまないが決まるまでは、この屋敷にすんでくれ。それで相談なんだが、代官屋敷に以前勤めていた、料理人一人とメイドが三人だが、官舎が決まるまでは私が預かります。一応、料理人は代官屋敷内で、職員向けの食堂を設置して、運営してもらい、町の職員として働いてもう予定です。メイドは建物内の美化と食堂の手伝いを考えていますが、誰か雇いたい人はいますか?欲しい人は手を上げて。」
三人とも手を上げる。
「分かりました。近い内に引き合わせます。勤めるまでは、給料は伯爵家が出しますが勤め出したら各自出してください。
まだまだ細かい伝達や新規事業についてとか、話は多いですが、お疲れと思いますので、続きは明日からにしましょう。夕食までそれぞれ部屋でゆっくりしてください。サウル、彼らとご家族を部屋に案内してやって。」
「承知しました。さ、皆様お部屋に案内いたします。こちらへどうぞ。」
部屋からサウルに連れられて出ていく三人。出ていったのを見送り、その場で目を瞑り、上を向く。
(宰相閣下も貴族の子弟になるとは言っていたが、まさか、宰相閣下の縁者や近衛騎士団長の縁者とは思いもしなかったよ。ある意味警戒しなくて済むが、美味しい所は先に押さえに来るとは、やっぱり貴族は強かだね。
多分、私が王宮の監視から外れるのを恐れたのかもしれない。定期的に王宮へも報告がいくのだろうね。私の知らない所で。
まあ、仕事さえやってくれれば、そのくらいは目を瞑るけどね。
やっと色々と手をつけられるな。なんか、ファンタジーゲームから、領地経営シュミレーションゲームになってきたな。早く軌道にのせて、好きなことが出来る時間を作らないとね。)
暫く経つと扉が開き、サウルが入ってきた。
「旦那様、皆様をお部屋にご案内いたしました。」
「そうか、ありがとう。」
サウルに言葉を返して、細かな話を夕食の知らせが来るまで詰めた。
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