134 / 572
第 七章 ツール移動準備とやはりあったお約束。
第114話 苦労には報いがあってもいいよね?
しおりを挟む
「さてと、敵のリーダーはどいつかな?〈サーチ・襲撃者のリーダー〉。ほぅ、こいつか。リーダーにはマーカーを付けてと。次は〈マルチロック〉・・・・あー面倒だ。まあ、帝国相手の時よりは少ないか。よし、三十人残してあとはロックしたな。」
その間も馬車は山道を登っていく。さてさて、ツールの町に行くのも大変だぁーね。
あとわずかで、頂上に差し掛かるという時に、マップに動きがあった。赤い光点が車列を囲む様に動き出した。
「レナード、来たぞ。〈ワームホール〉いけ。」
(ピロ~ン♪『魔導の極み』により、〈魔術師〉のレベルが上がりました。〈暗黒属性魔法〉と〈身体レベル〉が上がりました。)
マップ上にあった赤い光点が百七十程消えたのを見つつ馬車の外に出る。続いてセイラも続いた。
前方に盗賊風に偽装した闇ギルド員達が森から出てきた。リーダーは一番後ろにいる。
「〈マルチロック〉。」
「悪いんだが、オメエ達にはここで皆死んで貰うぜ。皆出てこい。おいっ、おい、他の面子はなぜ出てこない。」
「あー他にいた、百七十人程かい?安心しろ。皆死んだからな。あいつら皆、お前達が来るのを待っているさ。」
「何?くそっ。俺達だけでもやるぞ、皆かかれ!」
「レナード、やれ!」
「はっ!承知しました。よし、騎士団迎撃しろ。」
敵のリーダーは、自分の味方が攻撃を始めると、早速逃げ出そうとする。よくある奴だね。
「お、リーダー君、逃がさないよ。〈スタン〉、〈パラライズ〉。」
戦闘をしている向こうでこちらに背中を見せている男がパタッとその場に倒れた。
私が魔法を唱えている間に敵が半数になっていた。私は動かずに味方の戦いを見学していた。ボニーやメイザース、ライガを筆頭にサクサクと闇ギルド員をたおしていく。確かに武闘大会の時よりも、更に皆強くなっているな。少しの危惧も抱かせない、戦いぶりに満足した。セイラも相手の攻撃を全てかわして、出来た隙に確実に攻撃を入れていく。家庭教師していた頃とは格段の差だな。強くなったわ。レナードは、味方の指揮をしつつ、確実に敵を倒していく。堅い確実な戦いだ。指揮官はあれで良い。指揮官は指揮をする者なのだ。個人の武勇が目立ち、指揮をそっちのけの指揮官は、二流だと思うな私は。
最後の一人を倒し、倒れているリーダーの近くに行く。一応念のために、
「〈スタン〉。」
「ぐっ。」
「〈サーチ・武器及び毒物〉。」
やはり口の中に何かあるみたいだな。
「〈スリープ〉。」
眠った様なので、まず後ろ手に縛り上げて、口を開けて、〈クリーン〉〈ピュリフィケーション〉で毒を消す。それから含み針を取り出して猿轡をして自殺出来ないようにする。腰に紐を付けて私の馬車の側にかついでいく。
「レナード、悪いが、三十人の死体を集めてくれ。」
「了解しました。」
私は、道から森に少し入った所に立ち、魔法をとなえる。
「〈ディグ〉〈ディグ〉・・・〈ディグ〉。」
(ピロ~ン♪『魔導の極み』により、土属性魔法の〈ディグ〉を覚えました。)
少し大きめに穴を掘った。直径十メートル、深さも十メートルの大穴だ。
騎士団は三十人の死体を集めては、穴に放り込んでいった。
「誰か後続の馬車まで行って、片がついたから峠に集合と伝令に行ってくれ。〈ピュリフィケーション〉。これで化けて出ては来ないな。皆、穴を埋めるぞ。」
手分けして、穴を埋めていく。終わった所で、皆に〈クリーン〉をかけて、念のため〈ピュリフィケーション〉をかけてやる。
敵の死体の始末をしていると、後続の馬車がやって来た。
サウルが馬車から飛び出して来て、私めがけて駆け寄ってくる。
「旦那様、お怪我などございませんか?」
「ああ、有難うサウル。怪我一つ無いよ。安心してくれ。」
「旦那様、ようございました。わたくし、心配で心配で。」
「心配してくれて、ありがとうよ。レナードを始めとした、我が騎士団の活躍さ。私は後ろから見ていただけだよ。」
「それは良うございました。仕える者は主がきちんと見ていて評価してくれると分かれば、安心して仕えることが出来るものです。」
「そうだな。心掛けよう。」
「ご理解頂きまして有難うございます。」
全員が揃った様なので、再びツールに向け出発した。襲撃者達のリーダーは足も縛って荷台に乗せて、周りを騎士三人に囲まれて監視されて進んでいる。
峠をこえて、下り坂を下って行くと再び平原に辿り着く。少し行くと川原があるので、ここで夜営して、明日の昼過ぎにツールに到着予定だ。私はちょっと寄り道をするけどね。
「〈サーチ・盗賊、山賊のアジト〉。」
峠の街道がある山々の街道から離れた場所に賊達のアジトの反応が一つある。
道理で闇ギルドのメンバーにしては、思ったより弱かったのも納得できる。初めは二百人全てが闇ギルドのメンバーかと思っていたけど、町の人口が二万程の規模の町で、闇ギルドが二百人もいるわけがなく、闇ギルドが近隣の盗賊達に声をかけて集めた集団らしいな。それで私が持っている称号の〈バウンティーハンター〉で、弱体化しているから普段より弱くなっていて、簡単にやられたみたいだね。
それが分かった時、近くに盗賊のアジトが無いかなと思いついたわけだ。
夕食の後に、サウルとレナードにだけ、アジトを調べに行くと伝えた。レナードは着いていくと言ったが、一人の方が安全だと、説得して夜、アジトへ向かった。
結果からいうと、大当たりだった。ツールの代官はとんでもない奴だと分かったのだから。
その間も馬車は山道を登っていく。さてさて、ツールの町に行くのも大変だぁーね。
あとわずかで、頂上に差し掛かるという時に、マップに動きがあった。赤い光点が車列を囲む様に動き出した。
「レナード、来たぞ。〈ワームホール〉いけ。」
(ピロ~ン♪『魔導の極み』により、〈魔術師〉のレベルが上がりました。〈暗黒属性魔法〉と〈身体レベル〉が上がりました。)
マップ上にあった赤い光点が百七十程消えたのを見つつ馬車の外に出る。続いてセイラも続いた。
前方に盗賊風に偽装した闇ギルド員達が森から出てきた。リーダーは一番後ろにいる。
「〈マルチロック〉。」
「悪いんだが、オメエ達にはここで皆死んで貰うぜ。皆出てこい。おいっ、おい、他の面子はなぜ出てこない。」
「あー他にいた、百七十人程かい?安心しろ。皆死んだからな。あいつら皆、お前達が来るのを待っているさ。」
「何?くそっ。俺達だけでもやるぞ、皆かかれ!」
「レナード、やれ!」
「はっ!承知しました。よし、騎士団迎撃しろ。」
敵のリーダーは、自分の味方が攻撃を始めると、早速逃げ出そうとする。よくある奴だね。
「お、リーダー君、逃がさないよ。〈スタン〉、〈パラライズ〉。」
戦闘をしている向こうでこちらに背中を見せている男がパタッとその場に倒れた。
私が魔法を唱えている間に敵が半数になっていた。私は動かずに味方の戦いを見学していた。ボニーやメイザース、ライガを筆頭にサクサクと闇ギルド員をたおしていく。確かに武闘大会の時よりも、更に皆強くなっているな。少しの危惧も抱かせない、戦いぶりに満足した。セイラも相手の攻撃を全てかわして、出来た隙に確実に攻撃を入れていく。家庭教師していた頃とは格段の差だな。強くなったわ。レナードは、味方の指揮をしつつ、確実に敵を倒していく。堅い確実な戦いだ。指揮官はあれで良い。指揮官は指揮をする者なのだ。個人の武勇が目立ち、指揮をそっちのけの指揮官は、二流だと思うな私は。
最後の一人を倒し、倒れているリーダーの近くに行く。一応念のために、
「〈スタン〉。」
「ぐっ。」
「〈サーチ・武器及び毒物〉。」
やはり口の中に何かあるみたいだな。
「〈スリープ〉。」
眠った様なので、まず後ろ手に縛り上げて、口を開けて、〈クリーン〉〈ピュリフィケーション〉で毒を消す。それから含み針を取り出して猿轡をして自殺出来ないようにする。腰に紐を付けて私の馬車の側にかついでいく。
「レナード、悪いが、三十人の死体を集めてくれ。」
「了解しました。」
私は、道から森に少し入った所に立ち、魔法をとなえる。
「〈ディグ〉〈ディグ〉・・・〈ディグ〉。」
(ピロ~ン♪『魔導の極み』により、土属性魔法の〈ディグ〉を覚えました。)
少し大きめに穴を掘った。直径十メートル、深さも十メートルの大穴だ。
騎士団は三十人の死体を集めては、穴に放り込んでいった。
「誰か後続の馬車まで行って、片がついたから峠に集合と伝令に行ってくれ。〈ピュリフィケーション〉。これで化けて出ては来ないな。皆、穴を埋めるぞ。」
手分けして、穴を埋めていく。終わった所で、皆に〈クリーン〉をかけて、念のため〈ピュリフィケーション〉をかけてやる。
敵の死体の始末をしていると、後続の馬車がやって来た。
サウルが馬車から飛び出して来て、私めがけて駆け寄ってくる。
「旦那様、お怪我などございませんか?」
「ああ、有難うサウル。怪我一つ無いよ。安心してくれ。」
「旦那様、ようございました。わたくし、心配で心配で。」
「心配してくれて、ありがとうよ。レナードを始めとした、我が騎士団の活躍さ。私は後ろから見ていただけだよ。」
「それは良うございました。仕える者は主がきちんと見ていて評価してくれると分かれば、安心して仕えることが出来るものです。」
「そうだな。心掛けよう。」
「ご理解頂きまして有難うございます。」
全員が揃った様なので、再びツールに向け出発した。襲撃者達のリーダーは足も縛って荷台に乗せて、周りを騎士三人に囲まれて監視されて進んでいる。
峠をこえて、下り坂を下って行くと再び平原に辿り着く。少し行くと川原があるので、ここで夜営して、明日の昼過ぎにツールに到着予定だ。私はちょっと寄り道をするけどね。
「〈サーチ・盗賊、山賊のアジト〉。」
峠の街道がある山々の街道から離れた場所に賊達のアジトの反応が一つある。
道理で闇ギルドのメンバーにしては、思ったより弱かったのも納得できる。初めは二百人全てが闇ギルドのメンバーかと思っていたけど、町の人口が二万程の規模の町で、闇ギルドが二百人もいるわけがなく、闇ギルドが近隣の盗賊達に声をかけて集めた集団らしいな。それで私が持っている称号の〈バウンティーハンター〉で、弱体化しているから普段より弱くなっていて、簡単にやられたみたいだね。
それが分かった時、近くに盗賊のアジトが無いかなと思いついたわけだ。
夕食の後に、サウルとレナードにだけ、アジトを調べに行くと伝えた。レナードは着いていくと言ったが、一人の方が安全だと、説得して夜、アジトへ向かった。
結果からいうと、大当たりだった。ツールの代官はとんでもない奴だと分かったのだから。
20
お気に入りに追加
3,636
あなたにおすすめの小説
若返ったおっさん、第2の人生は異世界無双
たまゆら
ファンタジー
事故で死んだネトゲ廃人のおっさん主人公が、ネトゲと酷似した異世界に転移。
ゲームの知識を活かして成り上がります。
圧倒的効率で金を稼ぎ、レベルを上げ、無双します。
【短編】冤罪が判明した令嬢は
砂礫レキ
ファンタジー
王太子エルシドの婚約者として有名な公爵令嬢ジュスティーヌ。彼女はある日王太子の姉シルヴィアに冤罪で陥れられた。彼女と二人きりのお茶会、その密室空間の中でシルヴィアは突然フォークで自らを傷つけたのだ。そしてそれをジュスティーヌにやられたと大騒ぎした。ろくな調査もされず自白を強要されたジュスティーヌは実家に幽閉されることになった。彼女を公爵家の恥晒しと憎む父によって地下牢に監禁され暴行を受ける日々。しかしそれは二年後終わりを告げる、第一王女シルヴィアが嘘だと自白したのだ。けれど彼女はジュスティーヌがそれを知る頃には亡くなっていた。王家は醜聞を上書きする為再度ジュスティーヌを王太子の婚約者へ強引に戻す。
そして一年後、王太子とジュスティーヌの結婚式が盛大に行われた。
異世界転生はうっかり神様のせい⁈
りょく
ファンタジー
引きこもりニート。享年30。
趣味は漫画とゲーム。
なにかと不幸体質。
スイーツ大好き。
なオタク女。
実は予定よりの早死は神様の所為であるようで…
そんな訳あり人生を歩んだ人間の先は
異世界⁈
魔法、魔物、妖精もふもふ何でもありな世界
中々なお家の次女に生まれたようです。
家族に愛され、見守られながら
エアリア、異世界人生楽しみます‼︎
プラス的 異世界の過ごし方
seo
ファンタジー
日本で普通に働いていたわたしは、気がつくと異世界のもうすぐ5歳の幼女だった。田舎の山小屋みたいなところに引っ越してきた。そこがおさめる領地らしい。伯爵令嬢らしいのだが、わたしの多少の知識で知る貴族とはかなり違う。あれ、ひょっとして、うちって貧乏なの? まあ、家族が仲良しみたいだし、楽しければいっか。
呑気で細かいことは気にしない、めんどくさがりズボラ女子が、神様から授けられるギフト「+」に助けられながら、楽しんで生活していきます。
乙女ゲーの脇役家族ということには気づかずに……。
#不定期更新 #物語の進み具合のんびり
#カクヨムさんでも掲載しています
転生したら神だった。どうすんの?
埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの?
人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。
全能で楽しく公爵家!!
山椒
ファンタジー
平凡な人生であることを自負し、それを受け入れていた二十四歳の男性が交通事故で若くして死んでしまった。
未練はあれど死を受け入れた男性は、転生できるのであれば二度目の人生も平凡でモブキャラのような人生を送りたいと思ったところ、魔神によって全能の力を与えられてしまう!
転生した先は望んだ地位とは程遠い公爵家の長男、アーサー・ランスロットとして生まれてしまった。
スローライフをしようにも公爵家でできるかどうかも怪しいが、のんびりと全能の力を発揮していく転生者の物語。
※少しだけ設定を変えているため、書き直し、設定を加えているリメイク版になっています。
※リメイク前まで投稿しているところまで書き直せたので、二章はかなりの速度で投稿していきます。
異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~
夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。
雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。
女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。
異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。
調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。
そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。
※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。
※サブタイトル追加しました。
転生貴族のスローライフ
マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた
しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった
これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である
*基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる