13 / 40
第一章 国家消滅
第12話 新兵器
しおりを挟む
帝都某所に於いて、大勢の兵士が慌ただしく動き回る中、数名の白衣に身を纏った研究者が集まっていた。
「よろしいですか、大佐殿。決して規定値を上回らないで下さい!」
「あーまあこれから向かうのは戦場だよ。どうなるかわからない。それにさ、限界を超えることも必要だよね」
「限界を超えるとあなた方は死んでしまうのですが……」
「ハハハッ、もしかしたら壊れないかもしれないぞ」
「大佐……」
研究者は大きな溜息を吐いたが大佐と呼ばれた男には暖簾に腕押しだった。
「大佐殿、物資の積み込み。兵員の搭乗完了いたしました!」
「おう! それじゃあ、行こうか!」
彼は兵士の報告を受けると将校に与えられた軍帽を被り研究者に言い放った。
「無事にお返しいたしますよ、技術者殿。ただ、兵士を守る為なら俺は非情になることは忘れないでいただきたい」
「もう分っていますよ……」
「それでは吉報を待っていてくれ!」
「はい、御武運をお祈りいたします」
大佐は建物を後にすると、仲間が待つ場所へと移動した。
「こいつは壮観だ……」
彼が目にしたのは20機の飛行船だった。残念なのは出撃時間が夜遅くと言うことだ。だがライトに照らされた空飛ぶ船の大きさに彼は感心した。
「準備万端かね、大佐」
その声に瞬時に彼は反応する。
「ヘルマール中将!」
「いよいよこの時が来たね」
「はっ! 中将には大変お世話になりました」
「何、私は君の言葉を受けて多少支援しただけだ。むしろこの兵器群が予想通りに機能してくれることを祈るよ」
「はっ、無事戦果を挙げて御覧に入れましょう!」
太々しいもの言いながらヘルマールは柔らかな笑みを浮かべた。
「戦果を望むあまり戦死することは許さぬぞ、義息子よ。娘を悲しませることはどのようなことがあっても許さん」
「分かっております、義父上。妻を悲しませることは致しません」
大佐は堂に入った敬礼を見せると中将も返礼する。
「それでは!」
大佐は踵巣を返し、飛行船に乗り込んだ。
「お父様……」
「エマ、なぜここに?」
「伯父さまに連れてきていただいたの」
「兄上に…… まったく、姪には甘いな」
「ダメでしたか?」
「ダメではない。だが戦地へと赴く夫を見送るのはつらくないか?」
「確かに辛いです。ですが、これで最後かもしれないという思いが、私を動かしました」
「そうか、少し待て」
ヘルマールは娘の思いを汲み取りすぐさま義息子の乗る飛行船に駆け込み彼を呼び出した。
「エマ、なぜ君が……」
「あなた、申し訳ありません……」
「いや、謝る事じゃない。ただ、此処に居ることは辛くないか?」
「お父様と同じ事を言うのですね。大丈夫、と胸は張れませんが覚悟してきましたから」
「そうか…… 私はこれから王国を成敗してくる」
「はい。悪魔のような者と聞いております。その方々を成敗してくるあなたのご活躍を期待しております」
エマはそう述べると夫に抱き着いた。
「大丈夫だ。私は必ず帰る」
「はい。御武運をお祈りいたしております」
抱きしめた瞬間エマの体は震えていた。だからこそ彼女が勇気を振り絞り、一歩前に進んだことを喜ぶと共に、必ず生きて帰ろうと覚悟した大佐だった。
それから十分後、帝都近郊に在った。飛行船専用ドックから20機の飛行船が空へと飛び上がった。
「さあ、出撃だ! 目指すは王都クーレン。必ず落として見せる!」
一方、ローテルへ向けて進軍中のユウスケたちであったが、別同部隊の存在に動きを封じられていた。伝書鳩を使い状況報告を行いはしたが、届くまでには時間がかかる。そのままこの地で待つわけにもいかないが、無視してよい状況でもない。
すべては指揮官のレイム少将にかかっていた。
「斥候を出そう」
「やはりそうなりますか」
「ああ、小規模なら叩き潰した後、進軍する。多ければ身を隠しつつローテルへ向かうさ」
「承知しました。ならば人員は私が選んでも?」
「ああ任せるよ。少佐」
レイムから委託されたティーダは五名を選抜すると直ぐに出撃させた。
それまでの間、彼らたちは者カギに身を潜ませ待機となった。幸い身を隠す場所は多く、身を休ませるのにはもってこいな状況が生まれた。
「おい、ユウスケ」
俺も命令通り体を休めようと適当な場所を選んでいたとき、マルに呼び止められた。
「なんだよ、マル」
「少将がお呼びだ。すぐに来てくれだとさ」
「……わかった。ありがとな」
レイを述べた俺は駆け足でレイムの場所へと向かった。
「ご苦労様、ユウスケ中尉」
「いえ、どうしたのでしょうか」
「列車での話をもう少し聞きたくてね。悪いけどのこの時間を利用させてもらう」
「はあ」
なるほどな、確かにしっかりと話すことなくあの場は終わった。
「早速だけど。君なら王都を陥落させるとして、どのような手段を講じる? 絵空事でも構わないから思ったことを聞かせて欲しい」
「思ったことですか……」
俺はすぐに考える。すべてを知るわけでもない。ただ外観と規模は短い時間の中でも理解したうえで考える。
「列車内でも言いましたが、空から攻める……」
「それは爆弾を落とすということかな?」
「そうですね…… ですが、それだけだと効果は限定的か……」
現世の俺は時間だけはたくさんあった。女から貰った金銭を使って本を買い、または買ってもらい読み合った知識はある。
「人を乗せて城壁を超えさせる……」
「部隊を空から直接王都内に送り込むということかな?」
「はい。そうすれば城門を開ける。城壁の大砲を破壊することは容易ではありませんか?」
「確かに。人数さえ揃えば、いや、少数でも一方面の城門と大砲を無力化すれば……」
俺の発言にレイムは思考の海へと潜り込んでしまった。
俺もその間に色々と考えた。
そもそも現実的に考えて、航空機が存在するとしてだ。爆撃は必須だと思う。前提として堅く守られた防御陣地を抜くには空からの攻撃が有効だと思う。あくまでも対空火器がない場合だけど…… 後は制空権か~こちらには航空機は存在しないんだよな。
「おっと悪いね。考え込んでしまった……」
「いえ、それでですね。王国には対抗手段はあるのでしょうか?」
「それだけどね。技術部はその概念の研究に勤しんでいる。その程度なんだ」
「つまり」
「そう。ないということだ……」
レイムは首を横に振りつつ俺に答えた。
「ではどうします?」
「どうするか…… ここで止めるという選択はないんだよ。残念だけどね」
「そんな……」
「今は作戦行動にのっとり動くしかない。それに王都周辺は二十万の兵と王都内に五万の兵士が詰めている。容易く落ちるわけがないよ」
確かにその通りだ。ダメだな、どうにもマイナスに考え始めると良くない想像しか生まれてこない。これは前世でもそうだったな……
それから程なくして斥候部隊が戻ってきた。
結果として大隊規模の勢力が集結していたということだった。
そこで急遽レイムとティーダ、各小隊長が集まり作戦会議となった。俺はもちろん待機だ。
「ユウスケ、お前はどうなると思う?」
どこかで聞いた言葉だな。
「大隊規模だろ。そんなの俺たちが動かなくても後続部隊がどうにかするだろ」
「だよなー しかし我が国の情報収集能力はどうなっているのかね……」
確かに、それは言えてる。口が裂けても言えないけどな。だけど戦場は情報の鮮度、量、質どれも高いほど勝利に近付くってものだ。
「中隊集合!」
小声ながらもティーダの声は通る。息を殺していたというのも効果があった。
「迂回する。ここで我々の存在を知られるわけにはいかない」
その通りだ。おそらく我らと同等かもう一個中隊規模なら攻撃の判断を下したのだろう。
レイムの判断が中隊各員に伝わると直ぐに進軍することとなった。
「んっ、なぁあれはなんだ?」
「何だよ…… もう帝国軍が来たのか?」
「いや、地平線の少し上だよ」
「上? 何バカなこと言っているんだよ」
双眼鏡を覗き込んでいる同僚の言葉を馬鹿にするように答えつつ、自らも双眼鏡を構えた。
「おいおい、なんだよあれ……」
「船が飛んでいる……」
それらはあっという間に彼らの頭上を飛び去った。
「て、帝国軍だ……」
「れ、連絡を……」
彼らは彼らの職務を果たす。混乱する中、彼らは立派に成し遂げた。
「よろしいですか、大佐殿。決して規定値を上回らないで下さい!」
「あーまあこれから向かうのは戦場だよ。どうなるかわからない。それにさ、限界を超えることも必要だよね」
「限界を超えるとあなた方は死んでしまうのですが……」
「ハハハッ、もしかしたら壊れないかもしれないぞ」
「大佐……」
研究者は大きな溜息を吐いたが大佐と呼ばれた男には暖簾に腕押しだった。
「大佐殿、物資の積み込み。兵員の搭乗完了いたしました!」
「おう! それじゃあ、行こうか!」
彼は兵士の報告を受けると将校に与えられた軍帽を被り研究者に言い放った。
「無事にお返しいたしますよ、技術者殿。ただ、兵士を守る為なら俺は非情になることは忘れないでいただきたい」
「もう分っていますよ……」
「それでは吉報を待っていてくれ!」
「はい、御武運をお祈りいたします」
大佐は建物を後にすると、仲間が待つ場所へと移動した。
「こいつは壮観だ……」
彼が目にしたのは20機の飛行船だった。残念なのは出撃時間が夜遅くと言うことだ。だがライトに照らされた空飛ぶ船の大きさに彼は感心した。
「準備万端かね、大佐」
その声に瞬時に彼は反応する。
「ヘルマール中将!」
「いよいよこの時が来たね」
「はっ! 中将には大変お世話になりました」
「何、私は君の言葉を受けて多少支援しただけだ。むしろこの兵器群が予想通りに機能してくれることを祈るよ」
「はっ、無事戦果を挙げて御覧に入れましょう!」
太々しいもの言いながらヘルマールは柔らかな笑みを浮かべた。
「戦果を望むあまり戦死することは許さぬぞ、義息子よ。娘を悲しませることはどのようなことがあっても許さん」
「分かっております、義父上。妻を悲しませることは致しません」
大佐は堂に入った敬礼を見せると中将も返礼する。
「それでは!」
大佐は踵巣を返し、飛行船に乗り込んだ。
「お父様……」
「エマ、なぜここに?」
「伯父さまに連れてきていただいたの」
「兄上に…… まったく、姪には甘いな」
「ダメでしたか?」
「ダメではない。だが戦地へと赴く夫を見送るのはつらくないか?」
「確かに辛いです。ですが、これで最後かもしれないという思いが、私を動かしました」
「そうか、少し待て」
ヘルマールは娘の思いを汲み取りすぐさま義息子の乗る飛行船に駆け込み彼を呼び出した。
「エマ、なぜ君が……」
「あなた、申し訳ありません……」
「いや、謝る事じゃない。ただ、此処に居ることは辛くないか?」
「お父様と同じ事を言うのですね。大丈夫、と胸は張れませんが覚悟してきましたから」
「そうか…… 私はこれから王国を成敗してくる」
「はい。悪魔のような者と聞いております。その方々を成敗してくるあなたのご活躍を期待しております」
エマはそう述べると夫に抱き着いた。
「大丈夫だ。私は必ず帰る」
「はい。御武運をお祈りいたしております」
抱きしめた瞬間エマの体は震えていた。だからこそ彼女が勇気を振り絞り、一歩前に進んだことを喜ぶと共に、必ず生きて帰ろうと覚悟した大佐だった。
それから十分後、帝都近郊に在った。飛行船専用ドックから20機の飛行船が空へと飛び上がった。
「さあ、出撃だ! 目指すは王都クーレン。必ず落として見せる!」
一方、ローテルへ向けて進軍中のユウスケたちであったが、別同部隊の存在に動きを封じられていた。伝書鳩を使い状況報告を行いはしたが、届くまでには時間がかかる。そのままこの地で待つわけにもいかないが、無視してよい状況でもない。
すべては指揮官のレイム少将にかかっていた。
「斥候を出そう」
「やはりそうなりますか」
「ああ、小規模なら叩き潰した後、進軍する。多ければ身を隠しつつローテルへ向かうさ」
「承知しました。ならば人員は私が選んでも?」
「ああ任せるよ。少佐」
レイムから委託されたティーダは五名を選抜すると直ぐに出撃させた。
それまでの間、彼らたちは者カギに身を潜ませ待機となった。幸い身を隠す場所は多く、身を休ませるのにはもってこいな状況が生まれた。
「おい、ユウスケ」
俺も命令通り体を休めようと適当な場所を選んでいたとき、マルに呼び止められた。
「なんだよ、マル」
「少将がお呼びだ。すぐに来てくれだとさ」
「……わかった。ありがとな」
レイを述べた俺は駆け足でレイムの場所へと向かった。
「ご苦労様、ユウスケ中尉」
「いえ、どうしたのでしょうか」
「列車での話をもう少し聞きたくてね。悪いけどのこの時間を利用させてもらう」
「はあ」
なるほどな、確かにしっかりと話すことなくあの場は終わった。
「早速だけど。君なら王都を陥落させるとして、どのような手段を講じる? 絵空事でも構わないから思ったことを聞かせて欲しい」
「思ったことですか……」
俺はすぐに考える。すべてを知るわけでもない。ただ外観と規模は短い時間の中でも理解したうえで考える。
「列車内でも言いましたが、空から攻める……」
「それは爆弾を落とすということかな?」
「そうですね…… ですが、それだけだと効果は限定的か……」
現世の俺は時間だけはたくさんあった。女から貰った金銭を使って本を買い、または買ってもらい読み合った知識はある。
「人を乗せて城壁を超えさせる……」
「部隊を空から直接王都内に送り込むということかな?」
「はい。そうすれば城門を開ける。城壁の大砲を破壊することは容易ではありませんか?」
「確かに。人数さえ揃えば、いや、少数でも一方面の城門と大砲を無力化すれば……」
俺の発言にレイムは思考の海へと潜り込んでしまった。
俺もその間に色々と考えた。
そもそも現実的に考えて、航空機が存在するとしてだ。爆撃は必須だと思う。前提として堅く守られた防御陣地を抜くには空からの攻撃が有効だと思う。あくまでも対空火器がない場合だけど…… 後は制空権か~こちらには航空機は存在しないんだよな。
「おっと悪いね。考え込んでしまった……」
「いえ、それでですね。王国には対抗手段はあるのでしょうか?」
「それだけどね。技術部はその概念の研究に勤しんでいる。その程度なんだ」
「つまり」
「そう。ないということだ……」
レイムは首を横に振りつつ俺に答えた。
「ではどうします?」
「どうするか…… ここで止めるという選択はないんだよ。残念だけどね」
「そんな……」
「今は作戦行動にのっとり動くしかない。それに王都周辺は二十万の兵と王都内に五万の兵士が詰めている。容易く落ちるわけがないよ」
確かにその通りだ。ダメだな、どうにもマイナスに考え始めると良くない想像しか生まれてこない。これは前世でもそうだったな……
それから程なくして斥候部隊が戻ってきた。
結果として大隊規模の勢力が集結していたということだった。
そこで急遽レイムとティーダ、各小隊長が集まり作戦会議となった。俺はもちろん待機だ。
「ユウスケ、お前はどうなると思う?」
どこかで聞いた言葉だな。
「大隊規模だろ。そんなの俺たちが動かなくても後続部隊がどうにかするだろ」
「だよなー しかし我が国の情報収集能力はどうなっているのかね……」
確かに、それは言えてる。口が裂けても言えないけどな。だけど戦場は情報の鮮度、量、質どれも高いほど勝利に近付くってものだ。
「中隊集合!」
小声ながらもティーダの声は通る。息を殺していたというのも効果があった。
「迂回する。ここで我々の存在を知られるわけにはいかない」
その通りだ。おそらく我らと同等かもう一個中隊規模なら攻撃の判断を下したのだろう。
レイムの判断が中隊各員に伝わると直ぐに進軍することとなった。
「んっ、なぁあれはなんだ?」
「何だよ…… もう帝国軍が来たのか?」
「いや、地平線の少し上だよ」
「上? 何バカなこと言っているんだよ」
双眼鏡を覗き込んでいる同僚の言葉を馬鹿にするように答えつつ、自らも双眼鏡を構えた。
「おいおい、なんだよあれ……」
「船が飛んでいる……」
それらはあっという間に彼らの頭上を飛び去った。
「て、帝国軍だ……」
「れ、連絡を……」
彼らは彼らの職務を果たす。混乱する中、彼らは立派に成し遂げた。
0
お気に入りに追加
60
あなたにおすすめの小説
プレアデスの伝説 姫たちの建国物語
のらしろ
ファンタジー
主人公の守は海上警備庁に奉職すぐに組織ぐるみの不正に巻き込まれて、表敬航海中にアメリカで降ろされる。
守の友人である米国海兵隊員の紹介で民間軍事会社にとりあえず就職するが、これまた航海中に大波に攫われて異世界に転生させられる。
転生直前に、カミサマと思しき人から転生先の世界に平和をと頼まれ、自身が乗っていた船と一緒に異世界に送り込まれる。
カミサマからの説明はとにかく長く要領を得ずに分からなかったが転生直後にこれまた別の神様が夢に現れて説明してくれた。
とにかく、チート能力は渡せないが、現代社会から船を送るからそれを使って戦乱続く異世界に平和を求められる。
訳も分からずたった一人大海原に送り込まれて途方に暮れたが、ひょんなことから女性を助け、その女性からいろいろと聞かされる。
なんでもこの世界の神話ではプレアデスの姫と呼ばれる6人もの女性が神より遣わされる男性の下に嫁ぎ国を興すすとき神より大いなる祝福を受けるとあり、初めに助けた女性を皮切りに巡視艇を使って襲われている人たちを助けて、助けていく人たちの中にいるプレアデスの姫と呼ばれる女性たちと一緒に国を興す物語になっております。
ゆったりおじさんの魔導具作り~召喚に巻き込んどいて王国を救え? 勇者に言えよ!~
ぬこまる
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれ異世界の食堂と道具屋で働くおじさん・ヤマザキは、武装したお姫様ハニィとともに、腐敗する王国の統治をすることとなる。
ゆったり魔導具作り! 悪者をざまぁ!! 可愛い女の子たちとのラブコメ♡ でおくる痛快感動ファンタジー爆誕!!
※表紙・挿絵の画像はAI生成ツールを使用して作成したものです。
転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。
俺と合体した魔王の娘が残念すぎる
めらめら
ファンタジー
魔法が使えない中学生、御崎ソーマ。
ソーマはある事件をきっかけに、異世界からやって来た魔王の第3王女ルシオンと合体してしまう。
何かを探すために魔物を狩りまくるルシオンに、振り回されまくるソーマ。
崩壊する日常。
2人に襲いかかる異世界の魔王たち。
どうなるソーマの生活。
どうなるこの世界。
不定期ゆっくり連載。
残酷な描写あり。
微エロ注意。
ご意見、ご感想をいただくとめちゃくちゃ喜びます。
賢者への軌跡~ゼロの騎士とはもう呼ばせない~
ぶらっくまる。
ファンタジー
【第五章――月・水・金に18:30定期更新】
魔力ゼロの無能が最強の賢者に成長する!?
日本どころか召喚された世界でさえも不遇な主人公。
ついに、勇者パーティーから追放されるも、そこから彼の本当の冒険がはじまる。
奴隷や貴族を追われた娘など境遇に問題を抱えた美人美少女たちとの冒険を楽しみながらも、己の考えの甘さに悩み葛藤し成長する主人公。
やがて冒険者として頭角を現す主人公は、望む望まざるとも世界の歯車となっていく。
そんな魔力ゼロの主人公が賢者となる軌跡を描いたファンタジー冒険譚!
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊
北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。
不登校が久しぶりに登校したらクラス転移に巻き込まれました。
ちょす氏
ファンタジー
あ~めんどくせぇ〜⋯⋯⋯⋯。
不登校生徒である神門創一17歳。高校生である彼だが、ずっと学校へ行くことは決してなかった。
しかし今日、彼は鞄を肩に引っ掛けて今──長い廊下の一つの扉である教室の扉の前に立っている。
「はぁ⋯⋯ん?」
溜息を吐きながら扉を開けたその先は、何やら黄金色に輝いていた。
「どういう事なんだ?」
すると気付けば真っ白な謎の空間へと移動していた。
「神門創一さん──私は神様のアルテミスと申します」
'え?神様?マジで?'
「本来呼ばれるはずでは無かったですが、貴方は教室の半分近く体を入れていて巻き込まれてしまいました」
⋯⋯え?
つまり──てことは俺、そんなくだらない事で死んだのか?流石にキツくないか?
「そんな貴方に──私の星であるレイアースに転移させますね!」
⋯⋯まじかよ。
これは巻き込まれてしまった高校17歳の男がのんびり(嘘)と過ごす話です。
語彙力や文章力が足りていない人が書いている作品の為優しい目で読んでいただけると有り難いです。
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる