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8章
終 2回目の結婚式
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春になった頃、ライラは公都へ戻りたくさんの招待状を書いた。
2回目だし、人はそれほど呼ばなくてもと思ったがバートが分厚い招待客リストを用意してしまっていた。
クロードは新しくできた隣国との交渉で遅れてくる。
ハン族のベンチェルも招待する。彼は自分の土地をヴァロ国と呼び、国王と名乗るようになった。
アルベルはリド=ベル公国とヴァロ国の友好を結ぶ橋となり、さらにアルティナ帝国の交易の要所となる。
遠方になってしまったが自分の家族とジュリアを呼ぶ予定だ。
オズワルドも来てほしいけど、クロードが留守中に何かあってはいけないからと留守番するという。
「大丈夫。使い魔の視覚を使ってしっかりとみるから」
直接見に来てほしいのだけど、まだジル族の動きが怪しいからと言われると何も言えない。
こんこんとノック音がして、もうすぐクロードがやってくると知らせがきた。
ライラは立ち上がり、お迎えの準備をする。
玄関先までいくとちょうどクロードがやってきてくれた。馬を使用人に預け、二人は手をつなぎ部屋へと入る。
「とりあえず公妃から及第点をいただきました」
前回分かれるときに、肉付きをよくすること、髪を伸ばすこととも伝えられた。
肉は帰った後、料理長が様々な美味しいものを用意してくれた。おかげで肉付きはもとに戻ったと思う。
リリーは海産物を大量に仕入れるよう手配していた。ジュリアが故郷の海産物の乾燥食品を届けてくることには驚いた。あと、髪や肌の手入れ用品も。
髪はまだ肩を過ぎたあたりまでしか伸びていないが、結い上げられる量だ。色んな髪型を試すのだと公妃は理髪師を連れてライラに様々な髪結いを提供して結婚式前だというのに疲れてしまった。
「髪の毛が短いままだったらまた何言われていたか」
「俺は短いお前の髪もいいと思ったが」
ライラの髪に触れてクロードは呟いた。
もしかすると男の姿の方が好ましく映るのだろうかとライラはちらっと考える。
ちょっと空しくなるので話題を変えてみる。
「そういえば、クロード様は言葉遣い」
結婚式の話をしている間にライラはふと疑問が出てきた。
「何か、変か?」
「いえ、最近……俺とか使うようになりましたね」
以前は私、そなただったような気がする。
「ああ、辺境伯っぽい言葉遣いを意識していたんだ。素はこっち」
それを聞きライラはふふっと笑った。
「不快だったか」
「いいえ。あなたらしいので」
公の場でないなら別にいいだろう。
「そ、それなら……言葉遣いに関してではないが、ライラに前から言いたいことがあった」
「私に?」
何か気になることでもしていただろうか。
「俺のことは様づけはいらない。あと、できれば敬語も」
確かに、クロードに対してはそんな感じだったような気がする。
クロードとしては夫婦だから気に留めない会話をしたいということらしい。
「せめて、普通に呼んでほしい」
「……」
ライラは顔をそむけてぽそっと呼ぶ。
「クロード」
いまさらながら恥ずかしい。
ずっと様付けだったのに。
「もう1回」
「クロード」
もう1回といわれてライラは困惑した。何回言わせるつもりなのだろうか。
「こっちを向いてもう1回」
ライラはおそるおそるクロードを見上げる。
はじめて会った時と変わらない美しい青年。小麦畑のように綺麗な髪に、整った顔立ちである。
よく見れば、左の目元に傷跡がある。いつついたのだろうとライラはクロードの目元に触れた。
穏やかな碧の瞳がじぃっとライラを見つめる。
「クロ、ード」
まだ慣れないぎこちない呼び方である。クロードは満足に笑い、ライラにキスをした。
◆◆◆
数日後、ライラとクロードは結婚式をあげた。
2回目の結婚式であるが、盛大に行われた。
登場したライラの花嫁衣裳は美しく、日の光にあたり輝いていた。胸元と手首には「星の石」で作られた装飾品がつけられている。
髪には琥珀石で花を模した飾りがつけられ、ベールもよくみるとダイヤモンドがちりばめられていた。
2回目だし、こんなに豪華にしなくてもいいのにとライラは思ったが、見物に訪れている人々は喜んでいるようなのでこれでいいのかと思った。
晴れやかな日であり、会場は建物内ではなく外で行われた。
クロードがすでに待機しており、ライラは彼の手を握る。
愛の誓いをし、二人は口づけをした。
美しい音楽が流れる。演奏者は公都一のピアニストなので、人々はその演奏に酔いしれた。
ぱたぱたと羽音がする。
ライラはふとブランシュではと思い、視線を向けると白いふくろうであった。傍近くまで近づき、クロードの頭にとまる。
「クロード、ライラ、おめでとう!」
オズワルドの声が会場に響き渡った。
アルベルの賢者のいたずらだと知らない人々は驚き、「ふくろうがしゃべったぞ」「瑞獣じゃ。瑞獣のおなりじゃ」と騒いでいた。
それをみてジュリアはそっと目を背けた。
「オズ」
「これ以上ない面白い演出だろう」
ふくろうはふふと笑いながら、とびだって消えてしまった。
代わりにふわっと風が舞い、用意されていた花吹雪が一斉に会場中へ落ちていく。
花が降る中、ライラの耳で「ぴゅー」という音が届けられた。
アルベルを救った英雄クロード、帝国からやってきた花嫁ライラの話は今も公国で人気の物語として語り継がれている。
アルベルを救った英雄の元へ美しい帝国の姫君が訪れた。二人はひとめみて恋をして結ばれた。
姫君はとても美しく、笛がとても上手でした。彼女の笛に惹かれた護竜がすっかり彼女になついてしまった。
人との接触を拒んだ偏屈な北天狐も姫君の役にたとうとお城へやってきた。
このまま幸せに暮らすはずであったが、魔女によって離縁をされてしまう。
英雄を奪われた姫君は苦難を乗り越えて英雄のもとへたどり着き、魔女は英雄によって打倒された。
1回目の結婚は魔女によって離縁をさせられたが、英雄は変わらず姫君を愛しており、彼の強い希望により二人はまた結ばれた。
2回目の結婚ではしゃべる白いふくろうが祝福にやってきて、結婚式場は花が美しく舞い降りたそうだ。
ふくろうの予言通り、二人の間には男の子と女の子が生まれて家族四人で幸せに暮らしました。
2回目だし、人はそれほど呼ばなくてもと思ったがバートが分厚い招待客リストを用意してしまっていた。
クロードは新しくできた隣国との交渉で遅れてくる。
ハン族のベンチェルも招待する。彼は自分の土地をヴァロ国と呼び、国王と名乗るようになった。
アルベルはリド=ベル公国とヴァロ国の友好を結ぶ橋となり、さらにアルティナ帝国の交易の要所となる。
遠方になってしまったが自分の家族とジュリアを呼ぶ予定だ。
オズワルドも来てほしいけど、クロードが留守中に何かあってはいけないからと留守番するという。
「大丈夫。使い魔の視覚を使ってしっかりとみるから」
直接見に来てほしいのだけど、まだジル族の動きが怪しいからと言われると何も言えない。
こんこんとノック音がして、もうすぐクロードがやってくると知らせがきた。
ライラは立ち上がり、お迎えの準備をする。
玄関先までいくとちょうどクロードがやってきてくれた。馬を使用人に預け、二人は手をつなぎ部屋へと入る。
「とりあえず公妃から及第点をいただきました」
前回分かれるときに、肉付きをよくすること、髪を伸ばすこととも伝えられた。
肉は帰った後、料理長が様々な美味しいものを用意してくれた。おかげで肉付きはもとに戻ったと思う。
リリーは海産物を大量に仕入れるよう手配していた。ジュリアが故郷の海産物の乾燥食品を届けてくることには驚いた。あと、髪や肌の手入れ用品も。
髪はまだ肩を過ぎたあたりまでしか伸びていないが、結い上げられる量だ。色んな髪型を試すのだと公妃は理髪師を連れてライラに様々な髪結いを提供して結婚式前だというのに疲れてしまった。
「髪の毛が短いままだったらまた何言われていたか」
「俺は短いお前の髪もいいと思ったが」
ライラの髪に触れてクロードは呟いた。
もしかすると男の姿の方が好ましく映るのだろうかとライラはちらっと考える。
ちょっと空しくなるので話題を変えてみる。
「そういえば、クロード様は言葉遣い」
結婚式の話をしている間にライラはふと疑問が出てきた。
「何か、変か?」
「いえ、最近……俺とか使うようになりましたね」
以前は私、そなただったような気がする。
「ああ、辺境伯っぽい言葉遣いを意識していたんだ。素はこっち」
それを聞きライラはふふっと笑った。
「不快だったか」
「いいえ。あなたらしいので」
公の場でないなら別にいいだろう。
「そ、それなら……言葉遣いに関してではないが、ライラに前から言いたいことがあった」
「私に?」
何か気になることでもしていただろうか。
「俺のことは様づけはいらない。あと、できれば敬語も」
確かに、クロードに対してはそんな感じだったような気がする。
クロードとしては夫婦だから気に留めない会話をしたいということらしい。
「せめて、普通に呼んでほしい」
「……」
ライラは顔をそむけてぽそっと呼ぶ。
「クロード」
いまさらながら恥ずかしい。
ずっと様付けだったのに。
「もう1回」
「クロード」
もう1回といわれてライラは困惑した。何回言わせるつもりなのだろうか。
「こっちを向いてもう1回」
ライラはおそるおそるクロードを見上げる。
はじめて会った時と変わらない美しい青年。小麦畑のように綺麗な髪に、整った顔立ちである。
よく見れば、左の目元に傷跡がある。いつついたのだろうとライラはクロードの目元に触れた。
穏やかな碧の瞳がじぃっとライラを見つめる。
「クロ、ード」
まだ慣れないぎこちない呼び方である。クロードは満足に笑い、ライラにキスをした。
◆◆◆
数日後、ライラとクロードは結婚式をあげた。
2回目の結婚式であるが、盛大に行われた。
登場したライラの花嫁衣裳は美しく、日の光にあたり輝いていた。胸元と手首には「星の石」で作られた装飾品がつけられている。
髪には琥珀石で花を模した飾りがつけられ、ベールもよくみるとダイヤモンドがちりばめられていた。
2回目だし、こんなに豪華にしなくてもいいのにとライラは思ったが、見物に訪れている人々は喜んでいるようなのでこれでいいのかと思った。
晴れやかな日であり、会場は建物内ではなく外で行われた。
クロードがすでに待機しており、ライラは彼の手を握る。
愛の誓いをし、二人は口づけをした。
美しい音楽が流れる。演奏者は公都一のピアニストなので、人々はその演奏に酔いしれた。
ぱたぱたと羽音がする。
ライラはふとブランシュではと思い、視線を向けると白いふくろうであった。傍近くまで近づき、クロードの頭にとまる。
「クロード、ライラ、おめでとう!」
オズワルドの声が会場に響き渡った。
アルベルの賢者のいたずらだと知らない人々は驚き、「ふくろうがしゃべったぞ」「瑞獣じゃ。瑞獣のおなりじゃ」と騒いでいた。
それをみてジュリアはそっと目を背けた。
「オズ」
「これ以上ない面白い演出だろう」
ふくろうはふふと笑いながら、とびだって消えてしまった。
代わりにふわっと風が舞い、用意されていた花吹雪が一斉に会場中へ落ちていく。
花が降る中、ライラの耳で「ぴゅー」という音が届けられた。
アルベルを救った英雄クロード、帝国からやってきた花嫁ライラの話は今も公国で人気の物語として語り継がれている。
アルベルを救った英雄の元へ美しい帝国の姫君が訪れた。二人はひとめみて恋をして結ばれた。
姫君はとても美しく、笛がとても上手でした。彼女の笛に惹かれた護竜がすっかり彼女になついてしまった。
人との接触を拒んだ偏屈な北天狐も姫君の役にたとうとお城へやってきた。
このまま幸せに暮らすはずであったが、魔女によって離縁をされてしまう。
英雄を奪われた姫君は苦難を乗り越えて英雄のもとへたどり着き、魔女は英雄によって打倒された。
1回目の結婚は魔女によって離縁をさせられたが、英雄は変わらず姫君を愛しており、彼の強い希望により二人はまた結ばれた。
2回目の結婚ではしゃべる白いふくろうが祝福にやってきて、結婚式場は花が美しく舞い降りたそうだ。
ふくろうの予言通り、二人の間には男の子と女の子が生まれて家族四人で幸せに暮らしました。
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凄く面白かったです(*´꒳`* )ホッコリ
連載物は先が気になりすぎるので完結後の一気読みしましたが、それでも続きが気になりすぎて家事を疎かにしてしまいました😅
アメリーに嵌められた時はもう、血管ちぎれそうなくらい腹たったけど、ハッピーエンドで良かったです😆
最後が絵本のように締め括られているのも素敵でした✨
読ませていただきありがとうございました!
読んで頂けてありがとうございます。
連載ものは、長いと読むタイミングとか考えてしまいますものね。
アメリーは自分でもやりすぎたかなと思いましたが、何とか主人公のハッピーエンドへ繋げられてほっとしております。
最後まで読んでくださりありがとうございました。嬉しい言葉もいただけてうれしかったです。
アメリーのお相手の名無し伯爵はイケオジなのかハゲデブなのか?
コメントありがとうございました。
あまり詳細に人物の特徴書いていませんでした。時間があったときに描写書き直してみようと思います。
ハゲデブではないと考えております。
アメリーに天罰が落ちますように
o( ゚Д゚)o
コメントありがとうございました。
アメリーは、そのうちやらかしたことを向き合ってくれるかどうかを考えながら書いていこうと思います。