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7章
6 公女のお茶の時間
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ライが薬を完成させるとアビゲイル公女はクロヴィスを伴い公城へと戻った。母の言いつけでアメリーを避けて無事だった弟たちと再会した。
父はもう手遅れだが、まだ予防で間に合いそうな弟にはカフスは片方ずつ弟2人に渡す。
万が一アメリーと遭遇したときの為である。
弟たちと侍女に事情を話しアビゲイル公女は作戦へと移った。
「お父様、お茶にいたしましょう」
執務中であった、大公の元へアビゲイル公女はにこやかに声をかけた。
「おお、アビー。ようやくアトリエから出てきたようだな」
長いことアトリエに引きこもっていたと呑気に考えてくれているようで安心したといった。
大公がアメリーの毒にやたれたとはいえ、一線を越えなければ子供たちには父の姿をみせてくれる。
例のアメリーは公都のサロンにでかけているという。ますます好機である。
「はい、アトリエにこもって思い立ちました。お父様、これから毎日私と朝と夕のお茶につきあってくださりませんか」
「突然何をいうんだ」
「お仕事の休憩時間で構いません。私はもうすぐ帝国へ留学してお父様と離れ離れになってしまうでしょう。それまでにお父様と過ごす時間を大事にしたいのです。7日間だけでもいいです。どうか私の我儘を聞いてください」
父とのお茶を大事にしてから勉強に励みたい。
公女の真摯な訴えに大公はうーんと考えた。
「まぁ、お茶くらいはいいだろう。7日でいいのだな」
「はい。できれば父娘水入らずで過ごしたいのです!」
最後に釘をしっかりと指す。ここまですれば、例のアメリーがお茶に介入してこれないはずだ。
希望した時間帯もアメリーがサロンへ遊びにでかけているし彼女との予定がかぶる心配もない。
3日間アビゲイル公女は父とお茶を楽しんだ。いつもは執務で忙しい父であるが、アビゲイル公女の約束の時間をしっかりと守り彼女のお茶の部屋へと訪れた。
「アビーももう淑女だな。カイル殿下も容態は安定してきているし、これで安心して皇子妃として送り出してやれそうだ」
父の言葉にアビゲイル公女は首を傾げた。
「ですが、第三皇子殿下はノース夫人と」
ついつい口にしてしまうと大公は朗らかに笑った。
「あれはただの噂だ。実はアメリー嬢は誤解を解くために同行していたそうだ」
何をいけしゃあしゃあというのだ。アビゲイル公女は毒気つく。
父に怒りを向けても仕方ない。あの女の嘘は軽く受け流すことに徹しよう。とにかくこのお茶の時間だけは死守するのである。
「まったくアメリー嬢も気の毒なことだ。クロードはとんだ女を引いてしまったな」
ライラへの非難を聞いてもアビゲイル公女は必死に隠す。ここで感情のまま動いても意味がない。
翌日も同じようにふとした拍子に大公からアメリーへの賞賛とライラへの非難がでる。
すっかりと従順なアビゲイル公女をみて大公も気を許していた。
5日目の朝のお茶の時間に大公からとんでもない言葉が出た。
「ようやくクロードの離縁は成立した」
クロードとライラの離縁の話を聞きアビゲイル公女は驚いて声をあげそうになった。
「どうした。アビー」
「いえ、そんな簡単に離縁が成立するとは思わなくて」
「少々強引だったな。教会と法廷にようやく認められてもらった。騙されたのはこちら側であったが、これで本来あるべきかたちになる」
帝都の法廷や教会にもお金を払い認めてもらったそうだ。正確なことを言えば、離縁は1か月かかるが、その間クロードとアメリーの結婚式の準備をすればいい。
お茶を飲み終えた大公は上機嫌に立ち去った。
残されたアビゲイル公女は裾をぎゅうっとつかみ、歯を食いしばった。
こんな形で国をめちゃくちゃにされるのはみていて面白いものではない。
ライラの結婚が不誠実なものであったとされるのも、非常に不愉快である。
可能であれば大公の胸倉を掴み、父のおろかしさを嫌というほど訴えかけたかった。
もしくはこの公城のどこかで過ごしているアメリーを詰め寄ってしまいたい。
だが、ようやく5日目である。あと2日で父の魅了を解くことができる。
クロヴィスも今は耐えて影で支援してくれている。領地にいる騎士団を呼び寄せて万が一の時に備えようとしている。領地の騎士団が公都へ到着するのは3日後である。
「あと2日よ」
それさえ終われば、アビゲイル公女は魅了にまんまとはまった父親を殴り、アメリーの鼻を明かしてやる。
◆◆◆
アビゲイル公女のお茶が順調である間、ライラはようやく寝台から起き上がるようになった。
数日の投獄生活、さらに安静療養ですっかり足の力が衰えてしまった。
兄トラヴィスの支えで歩く練習を開始する。
用意された平民服に着替え、兄に動きやすいようにみつあみに編んでもらった。
トラヴィスの姿もそれに合わせた平民服であり、少し育ちのよさそうな裕福な平民の兄妹のようにみえる。
昨日は肉を細かくくだいて入れた野菜スープを口にしてようやくライラは美味しいと感じるようになった。
しばらくは無理に固形ぶつをとろうとしても吐いてしまっていたので、これで安心である。
外の空気に触れた。ひんやりとして寒いが、久々に日の光に浴びられた為うれしかった。
「あまり無茶はなさらないでください」
リリーはショールを取り出しライラの肩にかける。
「でも、急いで元気になってクロード様を探さなきゃ」
「今はノーラさんの指示で皆様動いています。必ず閣下を見つけ出して見せますから、奥様はどうか自分のことを優先してください」
公都から戻ったノーラは新聞紙と食糧をもって現れる。公城からの報告ではアビゲイル公女は問題なく7日間お茶の時間を過ごせそうだと聞いた。
あと2日で大公がもとに戻った後、ノーラは例の「蝶の足跡」を披露する。それで真犯人を特定するのだ。
そこでライラの無実が証明されれば、ライラは公都で自由に動ける。
新聞の見開きにある一面をライラはじっと視線を向けた。彼女が悪女として報道されている。
「ライラ」
あまり見ないでほしいとトラヴィスは願ったがライラは笑って首を横に振った。
「自分のおかれた現状を把握するのは大事よ」
それがどんなにひどい内容であったとしても、目をつぶっても変わらないのだ。
ライラはノーラから新聞をとり内容を確認した。
「悪女ライラ逃亡中、今はどこに」という見開きである。第三皇子の殺害動機についても書かれていた。
アメリー嬢を嫉妬し、第三皇子に言い寄ったが相手にされず怒りのまま殺害されたという説。
兄トラヴィスが第三皇子をかばったことで重傷を負ったことへの恨み説。
「ばかばかしい」
ライラの隣で新聞記事を眺めていたトラヴィスはため息をついた。
「事件解明の為の場を設ける予定です。奥様ははじめから入場していただきます」
後から入場することも考えたが、例の短剣を使用した者ではないというのを明確化させる必要がある。
彼女を疑っている要人たちの目にさらされるのは毒であろうが、ライラの身の潔白を晴らす為には必要だ。
「できれば、被害者の第三皇子も同席させたいところですが」
ノーラが言うには例の道具は被害者と道具に使えば、特定目的の道具の使用者まで割り当てることが可能なのだ。
「まぁ、幸い例の短剣は奥様が触れたことのないものですし問題ないでしょう」
レジラエ家の家紋のついた短剣はトラヴィスが数か月前に作らせた代物であった。ライラが触れたこともない。
トラヴィスが入院中に何者かに盗まれたのであろう。
ライラに蝶がついてこなければ、ライラはあの短剣を使用したことにはならない。
「でも、お兄様が疑われるのではなくて」
短剣の所持者はトラヴィスであり当然トラヴィスにも蝶の足跡がついてしまう。
「私は何とでもできる。今は自分の身の潔白を晴らすことだけに専念しなさい」
「正気に戻った大公であれば、無体なことはしないでしょう。ブライアン補佐官の後輩にあたる弁護士も手配しておりますのでご安心ください」
この数日ノーラはてきぱきと動いていた。かえって申し訳なく思う。
「何とお礼をいえばいいのか」
「すべてが終わったあとで構いません。一応、お礼のおねだりは決めていますので」
ノーラの言葉にライラは苦笑いした。自分のできることであればできる限り最善を尽くそう。
父はもう手遅れだが、まだ予防で間に合いそうな弟にはカフスは片方ずつ弟2人に渡す。
万が一アメリーと遭遇したときの為である。
弟たちと侍女に事情を話しアビゲイル公女は作戦へと移った。
「お父様、お茶にいたしましょう」
執務中であった、大公の元へアビゲイル公女はにこやかに声をかけた。
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長いことアトリエに引きこもっていたと呑気に考えてくれているようで安心したといった。
大公がアメリーの毒にやたれたとはいえ、一線を越えなければ子供たちには父の姿をみせてくれる。
例のアメリーは公都のサロンにでかけているという。ますます好機である。
「はい、アトリエにこもって思い立ちました。お父様、これから毎日私と朝と夕のお茶につきあってくださりませんか」
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「お仕事の休憩時間で構いません。私はもうすぐ帝国へ留学してお父様と離れ離れになってしまうでしょう。それまでにお父様と過ごす時間を大事にしたいのです。7日間だけでもいいです。どうか私の我儘を聞いてください」
父とのお茶を大事にしてから勉強に励みたい。
公女の真摯な訴えに大公はうーんと考えた。
「まぁ、お茶くらいはいいだろう。7日でいいのだな」
「はい。できれば父娘水入らずで過ごしたいのです!」
最後に釘をしっかりと指す。ここまですれば、例のアメリーがお茶に介入してこれないはずだ。
希望した時間帯もアメリーがサロンへ遊びにでかけているし彼女との予定がかぶる心配もない。
3日間アビゲイル公女は父とお茶を楽しんだ。いつもは執務で忙しい父であるが、アビゲイル公女の約束の時間をしっかりと守り彼女のお茶の部屋へと訪れた。
「アビーももう淑女だな。カイル殿下も容態は安定してきているし、これで安心して皇子妃として送り出してやれそうだ」
父の言葉にアビゲイル公女は首を傾げた。
「ですが、第三皇子殿下はノース夫人と」
ついつい口にしてしまうと大公は朗らかに笑った。
「あれはただの噂だ。実はアメリー嬢は誤解を解くために同行していたそうだ」
何をいけしゃあしゃあというのだ。アビゲイル公女は毒気つく。
父に怒りを向けても仕方ない。あの女の嘘は軽く受け流すことに徹しよう。とにかくこのお茶の時間だけは死守するのである。
「まったくアメリー嬢も気の毒なことだ。クロードはとんだ女を引いてしまったな」
ライラへの非難を聞いてもアビゲイル公女は必死に隠す。ここで感情のまま動いても意味がない。
翌日も同じようにふとした拍子に大公からアメリーへの賞賛とライラへの非難がでる。
すっかりと従順なアビゲイル公女をみて大公も気を許していた。
5日目の朝のお茶の時間に大公からとんでもない言葉が出た。
「ようやくクロードの離縁は成立した」
クロードとライラの離縁の話を聞きアビゲイル公女は驚いて声をあげそうになった。
「どうした。アビー」
「いえ、そんな簡単に離縁が成立するとは思わなくて」
「少々強引だったな。教会と法廷にようやく認められてもらった。騙されたのはこちら側であったが、これで本来あるべきかたちになる」
帝都の法廷や教会にもお金を払い認めてもらったそうだ。正確なことを言えば、離縁は1か月かかるが、その間クロードとアメリーの結婚式の準備をすればいい。
お茶を飲み終えた大公は上機嫌に立ち去った。
残されたアビゲイル公女は裾をぎゅうっとつかみ、歯を食いしばった。
こんな形で国をめちゃくちゃにされるのはみていて面白いものではない。
ライラの結婚が不誠実なものであったとされるのも、非常に不愉快である。
可能であれば大公の胸倉を掴み、父のおろかしさを嫌というほど訴えかけたかった。
もしくはこの公城のどこかで過ごしているアメリーを詰め寄ってしまいたい。
だが、ようやく5日目である。あと2日で父の魅了を解くことができる。
クロヴィスも今は耐えて影で支援してくれている。領地にいる騎士団を呼び寄せて万が一の時に備えようとしている。領地の騎士団が公都へ到着するのは3日後である。
「あと2日よ」
それさえ終われば、アビゲイル公女は魅了にまんまとはまった父親を殴り、アメリーの鼻を明かしてやる。
◆◆◆
アビゲイル公女のお茶が順調である間、ライラはようやく寝台から起き上がるようになった。
数日の投獄生活、さらに安静療養ですっかり足の力が衰えてしまった。
兄トラヴィスの支えで歩く練習を開始する。
用意された平民服に着替え、兄に動きやすいようにみつあみに編んでもらった。
トラヴィスの姿もそれに合わせた平民服であり、少し育ちのよさそうな裕福な平民の兄妹のようにみえる。
昨日は肉を細かくくだいて入れた野菜スープを口にしてようやくライラは美味しいと感じるようになった。
しばらくは無理に固形ぶつをとろうとしても吐いてしまっていたので、これで安心である。
外の空気に触れた。ひんやりとして寒いが、久々に日の光に浴びられた為うれしかった。
「あまり無茶はなさらないでください」
リリーはショールを取り出しライラの肩にかける。
「でも、急いで元気になってクロード様を探さなきゃ」
「今はノーラさんの指示で皆様動いています。必ず閣下を見つけ出して見せますから、奥様はどうか自分のことを優先してください」
公都から戻ったノーラは新聞紙と食糧をもって現れる。公城からの報告ではアビゲイル公女は問題なく7日間お茶の時間を過ごせそうだと聞いた。
あと2日で大公がもとに戻った後、ノーラは例の「蝶の足跡」を披露する。それで真犯人を特定するのだ。
そこでライラの無実が証明されれば、ライラは公都で自由に動ける。
新聞の見開きにある一面をライラはじっと視線を向けた。彼女が悪女として報道されている。
「ライラ」
あまり見ないでほしいとトラヴィスは願ったがライラは笑って首を横に振った。
「自分のおかれた現状を把握するのは大事よ」
それがどんなにひどい内容であったとしても、目をつぶっても変わらないのだ。
ライラはノーラから新聞をとり内容を確認した。
「悪女ライラ逃亡中、今はどこに」という見開きである。第三皇子の殺害動機についても書かれていた。
アメリー嬢を嫉妬し、第三皇子に言い寄ったが相手にされず怒りのまま殺害されたという説。
兄トラヴィスが第三皇子をかばったことで重傷を負ったことへの恨み説。
「ばかばかしい」
ライラの隣で新聞記事を眺めていたトラヴィスはため息をついた。
「事件解明の為の場を設ける予定です。奥様ははじめから入場していただきます」
後から入場することも考えたが、例の短剣を使用した者ではないというのを明確化させる必要がある。
彼女を疑っている要人たちの目にさらされるのは毒であろうが、ライラの身の潔白を晴らす為には必要だ。
「できれば、被害者の第三皇子も同席させたいところですが」
ノーラが言うには例の道具は被害者と道具に使えば、特定目的の道具の使用者まで割り当てることが可能なのだ。
「まぁ、幸い例の短剣は奥様が触れたことのないものですし問題ないでしょう」
レジラエ家の家紋のついた短剣はトラヴィスが数か月前に作らせた代物であった。ライラが触れたこともない。
トラヴィスが入院中に何者かに盗まれたのであろう。
ライラに蝶がついてこなければ、ライラはあの短剣を使用したことにはならない。
「でも、お兄様が疑われるのではなくて」
短剣の所持者はトラヴィスであり当然トラヴィスにも蝶の足跡がついてしまう。
「私は何とでもできる。今は自分の身の潔白を晴らすことだけに専念しなさい」
「正気に戻った大公であれば、無体なことはしないでしょう。ブライアン補佐官の後輩にあたる弁護士も手配しておりますのでご安心ください」
この数日ノーラはてきぱきと動いていた。かえって申し訳なく思う。
「何とお礼をいえばいいのか」
「すべてが終わったあとで構いません。一応、お礼のおねだりは決めていますので」
ノーラの言葉にライラは苦笑いした。自分のできることであればできる限り最善を尽くそう。
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