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俺の説明が終わったところで、それぞれ自分の感情や頭を整理しているのだろう沈黙が降りた。
「ねえ、聞いていい?」
ややして中途半端に事情を知っていたがためにかなりモヤモヤしていたはずのバッシルが俺を見る。
「なんですか?」
「側妃を騙すためにって言ってたけど、ネージュが死んだ後はどうするはずだったの?今回は殿下たちが来たから偶然すぐ島を出られたけど、下手すると次の補給まであんたは死んだふりしてなきゃいけなかったんだけど」
促せば首を傾げながら「まあ、大したことのない素朴な疑問なんだけどさ」とバッシルが問う。
だがそれを聞いて俺は固まった。
あれ?そういえばその辺ハーピスから説明なかったな。
ぶっつけ本番だったから考えてる余裕もなかったし。
俺は自分では答えられないその問いの答えを求めてハーピスを見る。
「…あの島には側妃が仕掛けた盗聴装置があったからね。ネージュが死んだって言えば早くそれを確かめたい側妃が迎えを寄こすと思ったんだよ。そしたら島に来たそいつらを眠らせて船で島を出ちゃえばどうにでもなるかなって」
すると返ってきたのは随分と行き当たりばったりな計画案で。
「え?そんな雑な計画だったの?」
思わずそんな声が漏れてしまった。
急いでいたとはいえ、乗る相手を間違えていたかもしれない。
見るとドクトの顔も引き攣っていた。
無理もない。
「俺も聞きたかったんだけど、お前はなんであの時この船での移送を殿下に頼んだんだ?」
目を逸らしている間に今度はハーピスがバッシルに問う。
須藤君が了承してくれたお陰で上手いこと乗り込めたが、確かにあれも謎な行動だった。
「殿下はネージュが生きてるって知ったのに俺たちに合わせて死んでるって嘘を吐いたから、きっとネージュを連れて行きたがると思ったんだ。そして俺たちは船で盗聴の範囲外に出ればじっくり話聞ける。だからその両方を叶えられる提案をしただけ」
「まさにその通りでしたので、僕は彼の提案に乗ったのです」
バッシルが答えると須藤君があの時のやり取りを補足する。
そういや「それいいですね」とか言ってたもんな。
なるほど、これで色々な謎が解けたなと思っていると、
「今度は僕から質問してもいいですか?」
はい、と須藤君が手を挙げた。
「ええ、もちろん」
すっきりとした気持だった俺は上機嫌にそれに答える。
須藤君は「ありがとうございます」と言いながらにこっと笑うと、
「僕の記憶では現時点の貴女は側妃の盗聴のことやドクトの事情なんかをご存知であるはずがないのですが、何故そんなに詳しく知っているのでしょう?」
と言って真っ直ぐに俺の目を見た。
よく見ればその目は全く笑っていなかった。
「ねえ、聞いていい?」
ややして中途半端に事情を知っていたがためにかなりモヤモヤしていたはずのバッシルが俺を見る。
「なんですか?」
「側妃を騙すためにって言ってたけど、ネージュが死んだ後はどうするはずだったの?今回は殿下たちが来たから偶然すぐ島を出られたけど、下手すると次の補給まであんたは死んだふりしてなきゃいけなかったんだけど」
促せば首を傾げながら「まあ、大したことのない素朴な疑問なんだけどさ」とバッシルが問う。
だがそれを聞いて俺は固まった。
あれ?そういえばその辺ハーピスから説明なかったな。
ぶっつけ本番だったから考えてる余裕もなかったし。
俺は自分では答えられないその問いの答えを求めてハーピスを見る。
「…あの島には側妃が仕掛けた盗聴装置があったからね。ネージュが死んだって言えば早くそれを確かめたい側妃が迎えを寄こすと思ったんだよ。そしたら島に来たそいつらを眠らせて船で島を出ちゃえばどうにでもなるかなって」
すると返ってきたのは随分と行き当たりばったりな計画案で。
「え?そんな雑な計画だったの?」
思わずそんな声が漏れてしまった。
急いでいたとはいえ、乗る相手を間違えていたかもしれない。
見るとドクトの顔も引き攣っていた。
無理もない。
「俺も聞きたかったんだけど、お前はなんであの時この船での移送を殿下に頼んだんだ?」
目を逸らしている間に今度はハーピスがバッシルに問う。
須藤君が了承してくれたお陰で上手いこと乗り込めたが、確かにあれも謎な行動だった。
「殿下はネージュが生きてるって知ったのに俺たちに合わせて死んでるって嘘を吐いたから、きっとネージュを連れて行きたがると思ったんだ。そして俺たちは船で盗聴の範囲外に出ればじっくり話聞ける。だからその両方を叶えられる提案をしただけ」
「まさにその通りでしたので、僕は彼の提案に乗ったのです」
バッシルが答えると須藤君があの時のやり取りを補足する。
そういや「それいいですね」とか言ってたもんな。
なるほど、これで色々な謎が解けたなと思っていると、
「今度は僕から質問してもいいですか?」
はい、と須藤君が手を挙げた。
「ええ、もちろん」
すっきりとした気持だった俺は上機嫌にそれに答える。
須藤君は「ありがとうございます」と言いながらにこっと笑うと、
「僕の記憶では現時点の貴女は側妃の盗聴のことやドクトの事情なんかをご存知であるはずがないのですが、何故そんなに詳しく知っているのでしょう?」
と言って真っ直ぐに俺の目を見た。
よく見ればその目は全く笑っていなかった。
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