3 / 57
2
しおりを挟む
大人が3人ほどしか乗れないような小舟に揺られること約3時間。
「ネージュ。あれが今日からお前が暮らすことになる第9監獄島だ」
漸く見えてきた新たな職場に、しかし俺は目を向けることができなかった。
「……ぎぼぢわるぃ…」
船酔いする体質は転生しても治らなかった。
「お前が暮らすのはこの部屋だ。1時間後に迎えに来るから少し休んで、可能なら荷解きもしておきなさい」
明日には帰ってしまう教育係兼第1~10監獄島管理者のターギ司祭(声は俺の呟きを見つけた高木さん)はそう言い残し、この島にいる囚人たちに俺のことを説明しに向かった。
本当は一緒に向かう予定だったのだが、あまりにも船酔いが酷かったので気を遣ってくれたのだ。
そのありがたい時間を使って、俺は10分ほど休んだ後この部屋を調べ始めた。
吐き気が酷すぎてゲロってもすぐ動くことはできなかったんでね!
「…あった」
部屋を調べてすぐに俺は目的のものを見つけた。
実は部屋を探索するというのはこのゲームのチュートリアルにある行動だった。
だからそこで見つけられるアイテムが実際にあるか確かめてみたのだ。
するとそれはちゃんとチュートリアルと同じ位置にあった。
『監獄島に出現する魔物の種類と対抗手段』
備え付けの机の上に並べてあった本の左から3番目にあったその本は、ここで過ごすうえで外せないアイテムだ。
天罪には日常パートとイベントパート、そして戦闘パートがある。
日常パートは何もしなくても表示される雑談や行動だ。
例えば島を歩いていると攻略対象者の誰かと出会って何気ない会話を交わしたり、『食堂の掃除をしよう!』というミニゲームが起こるなど。
イベントパートは好感度によって特定の攻略対象者とのイベントが起きる、乙女ゲームの主軸ともいうべきパートだ。
例えば部屋に好感度が高い攻略対象者が遊びに来る、朝焼けの島を散策するデートに誘われるなど。
そして戦闘パートでは文字通り戦闘が起きる。
監獄島には各島にそれぞれ魔集器と呼ばれる装置が設置されている。
それは世界中の魔気、人間のマイナス感情から生まれた闇の力を持った気を集める効果があるのだが、一定値に達すると空きを作るために魔気を魔物に変えて生み出すという性質がある。
それを戦闘によって処理するというのが監獄島に収容された囚人に課された罰であり義務であるのだが、正直この本がなければ倒すのは容易ではない。
魔物の種類は多岐に亘る上、打撃無効や斬撃無効などの特性を持ったものもいるからだ。
それがこの本には全て記されているのだから、戦闘においてはチートアイテムと言ってもいいくらいの代物だ。
だが転生したのが俺である以上、今後その出番はないと思われる。
今回は単に物がゲームと同じ配置であるかの確認で手に取っただけの代物だ。
「それにこれがなくちゃチュートリアルが終わらないからな」
戦利品の表紙をポンと叩き、満足げな笑みを浮かべた俺はさらに探索を進めた。
本来のチュートリアルはこの本を見つけて終わりだが、そこは開発に携わった人間、裏技を知っている。
「ええーと?この棚の引き出しを2段目左端、4段目真ん中、1段目真ん中、3段目右端、1段目右端の順番で開けていくと…」
かこん。
軽やかな音とともに棚の右側面が小さく外れた。
そうして現れたのは本当のチートアイテム。
「イクスキャリバー、ゲットだぜ!」
それは開発名『どんな魔物もこれ一本で撃退くん』という非常にわかりやすい名前をつけられた挙句、流石にダサすぎると製品ではRPGによく出てくる伝説の剣をもじった名前をつけられた、何の変哲もない木の棒だった。
しかし見た目とは裏腹に、どんな魔物でも全特性無効という能力と高すぎる攻撃力から必ず一撃で倒せるという戦闘パートの意味を失くすような機能が備わっている。
元々そのために作られたのだから当たり前だが。
今朝寝起き早々混乱する頭で俺は今後の身の振り方を決めた。
ゲームが始まってしまったのなら、俺にとって一番都合のいいエンドを目指せばいい、と。
ノーマルエンドがない天罪のエンドは数が少ない。
公式発表されているのは各攻略キャラのルートエンドのみだ。
しかも世に言うトゥルーエンドのみで、バッドエンドは存在しない。
チーフディレクターがバッドエンド嫌いだったからだ。
そして非公式ながら存在するのではと噂されている隠れキャラとされている隣国の王子とのルート。
実はこれ、難易度が高いが存在する。
なんたって『監獄島があるスノーリット王国の側妃に陥れられて教会に預けられた正妃の子である王女がネージュである』という設定があるからだ。
乙女ゲームでよくある実は王女様なネージュは、スノーリット王族特有の夜明け色と比喩される濃青から橙へグラデーションする特異な瞳を持っている。
ある条件を満たすと隣国の王子が監獄島に視察に訪れるのだが、その際瞳の色が王族特有のものであると明かされるのだ。
そのため王子が裏を探り、側妃の悪事を暴くことで隣国の力を借りたネージュが王宮に帰り、晴れて王女として隣国の王子と結婚するというエンドが王子ルートである。
だがしかし、俺が目指すのはそのどれでもない。
というか男であると自覚している自分が、なにが悲しくて男と恋愛せにゃならんのだ。
せっかくの修道女という立場なのだから、思う存分に利用して俺は今世を神に仕えるという名目の元で一生独身を貫こう。
だからこそ開発チームが冗談で作り、製品版ゲームにも設定していながら、絶対に誰も見つけられないであろう難易度ルナティックの隠しルートのクリアを目指す。
それを俺たちは大団円エンドと呼んでいた。
内容としては王子エンドの派生で、王宮に帰ったネージュが側妃を断罪し、王子全員を廃嫡して自らが王継となるものだ。
俺はこのエンドを目指し、最後だけを変えて平和な人生を謳歌するつもりだ。
だがこのエンド、発生条件がただ1つしかない割に鬼のように難しい。
『王子と出会うまで戦闘でネージュ以外が戦ってはならない(チュートリアル戦闘含む)』
ちなみにチュートリアル戦闘は任意のキャラ3人と挑み、一撃目は必ずネージュが担当するのだが、絶対に一撃では魔物を倒せない。
そして強くなって2周目はあるが、周回開始ポイントはチュートリアル戦闘後の日常パートに設定されている。
さらに王子ルートに進むための条件は『魔物討伐100体を達成した状態で全員の好感度が5段階の3以下の状態(誰のルートにも入っていない状態)で攻略ルート分岐点に達する』というものだ。
しかも討伐100体は周回開始ポイントに戻った時点で0体に戻る。
つまり大団円ルートに至るには『全員の好感度が低い状態でネージュのみで魔物100体を討伐し、攻略ルート分岐点に到達する』ことが条件となる。
改めてそれを思い出すと、何故こんな高難易度にしたのかと三日三晩問い詰めたい。
だから大団円ルートへの条件を満たすためには、今この時点でイクスキャリバーが必要不可欠なのだ。
なぜならチュートリアル戦闘はこの後すぐに控えているから。
ところで、チュートリアル戦闘前にあの引き出しをあの順番で開けられるプレイヤーなどいるのだろうか。
そして『イクスキャリバー:伝説の剣のような名前をつけられた木の棒』としか表示されず、通常装備枠に装備できないそれを特殊装備3枠目に装備してチュートリアル戦闘に臨める者がいるのだろうか。
確信を持って言える。
開発チームの誰かが世に出さない限り、このエンドは日の目を見ないと。
「ネージュ。あれが今日からお前が暮らすことになる第9監獄島だ」
漸く見えてきた新たな職場に、しかし俺は目を向けることができなかった。
「……ぎぼぢわるぃ…」
船酔いする体質は転生しても治らなかった。
「お前が暮らすのはこの部屋だ。1時間後に迎えに来るから少し休んで、可能なら荷解きもしておきなさい」
明日には帰ってしまう教育係兼第1~10監獄島管理者のターギ司祭(声は俺の呟きを見つけた高木さん)はそう言い残し、この島にいる囚人たちに俺のことを説明しに向かった。
本当は一緒に向かう予定だったのだが、あまりにも船酔いが酷かったので気を遣ってくれたのだ。
そのありがたい時間を使って、俺は10分ほど休んだ後この部屋を調べ始めた。
吐き気が酷すぎてゲロってもすぐ動くことはできなかったんでね!
「…あった」
部屋を調べてすぐに俺は目的のものを見つけた。
実は部屋を探索するというのはこのゲームのチュートリアルにある行動だった。
だからそこで見つけられるアイテムが実際にあるか確かめてみたのだ。
するとそれはちゃんとチュートリアルと同じ位置にあった。
『監獄島に出現する魔物の種類と対抗手段』
備え付けの机の上に並べてあった本の左から3番目にあったその本は、ここで過ごすうえで外せないアイテムだ。
天罪には日常パートとイベントパート、そして戦闘パートがある。
日常パートは何もしなくても表示される雑談や行動だ。
例えば島を歩いていると攻略対象者の誰かと出会って何気ない会話を交わしたり、『食堂の掃除をしよう!』というミニゲームが起こるなど。
イベントパートは好感度によって特定の攻略対象者とのイベントが起きる、乙女ゲームの主軸ともいうべきパートだ。
例えば部屋に好感度が高い攻略対象者が遊びに来る、朝焼けの島を散策するデートに誘われるなど。
そして戦闘パートでは文字通り戦闘が起きる。
監獄島には各島にそれぞれ魔集器と呼ばれる装置が設置されている。
それは世界中の魔気、人間のマイナス感情から生まれた闇の力を持った気を集める効果があるのだが、一定値に達すると空きを作るために魔気を魔物に変えて生み出すという性質がある。
それを戦闘によって処理するというのが監獄島に収容された囚人に課された罰であり義務であるのだが、正直この本がなければ倒すのは容易ではない。
魔物の種類は多岐に亘る上、打撃無効や斬撃無効などの特性を持ったものもいるからだ。
それがこの本には全て記されているのだから、戦闘においてはチートアイテムと言ってもいいくらいの代物だ。
だが転生したのが俺である以上、今後その出番はないと思われる。
今回は単に物がゲームと同じ配置であるかの確認で手に取っただけの代物だ。
「それにこれがなくちゃチュートリアルが終わらないからな」
戦利品の表紙をポンと叩き、満足げな笑みを浮かべた俺はさらに探索を進めた。
本来のチュートリアルはこの本を見つけて終わりだが、そこは開発に携わった人間、裏技を知っている。
「ええーと?この棚の引き出しを2段目左端、4段目真ん中、1段目真ん中、3段目右端、1段目右端の順番で開けていくと…」
かこん。
軽やかな音とともに棚の右側面が小さく外れた。
そうして現れたのは本当のチートアイテム。
「イクスキャリバー、ゲットだぜ!」
それは開発名『どんな魔物もこれ一本で撃退くん』という非常にわかりやすい名前をつけられた挙句、流石にダサすぎると製品ではRPGによく出てくる伝説の剣をもじった名前をつけられた、何の変哲もない木の棒だった。
しかし見た目とは裏腹に、どんな魔物でも全特性無効という能力と高すぎる攻撃力から必ず一撃で倒せるという戦闘パートの意味を失くすような機能が備わっている。
元々そのために作られたのだから当たり前だが。
今朝寝起き早々混乱する頭で俺は今後の身の振り方を決めた。
ゲームが始まってしまったのなら、俺にとって一番都合のいいエンドを目指せばいい、と。
ノーマルエンドがない天罪のエンドは数が少ない。
公式発表されているのは各攻略キャラのルートエンドのみだ。
しかも世に言うトゥルーエンドのみで、バッドエンドは存在しない。
チーフディレクターがバッドエンド嫌いだったからだ。
そして非公式ながら存在するのではと噂されている隠れキャラとされている隣国の王子とのルート。
実はこれ、難易度が高いが存在する。
なんたって『監獄島があるスノーリット王国の側妃に陥れられて教会に預けられた正妃の子である王女がネージュである』という設定があるからだ。
乙女ゲームでよくある実は王女様なネージュは、スノーリット王族特有の夜明け色と比喩される濃青から橙へグラデーションする特異な瞳を持っている。
ある条件を満たすと隣国の王子が監獄島に視察に訪れるのだが、その際瞳の色が王族特有のものであると明かされるのだ。
そのため王子が裏を探り、側妃の悪事を暴くことで隣国の力を借りたネージュが王宮に帰り、晴れて王女として隣国の王子と結婚するというエンドが王子ルートである。
だがしかし、俺が目指すのはそのどれでもない。
というか男であると自覚している自分が、なにが悲しくて男と恋愛せにゃならんのだ。
せっかくの修道女という立場なのだから、思う存分に利用して俺は今世を神に仕えるという名目の元で一生独身を貫こう。
だからこそ開発チームが冗談で作り、製品版ゲームにも設定していながら、絶対に誰も見つけられないであろう難易度ルナティックの隠しルートのクリアを目指す。
それを俺たちは大団円エンドと呼んでいた。
内容としては王子エンドの派生で、王宮に帰ったネージュが側妃を断罪し、王子全員を廃嫡して自らが王継となるものだ。
俺はこのエンドを目指し、最後だけを変えて平和な人生を謳歌するつもりだ。
だがこのエンド、発生条件がただ1つしかない割に鬼のように難しい。
『王子と出会うまで戦闘でネージュ以外が戦ってはならない(チュートリアル戦闘含む)』
ちなみにチュートリアル戦闘は任意のキャラ3人と挑み、一撃目は必ずネージュが担当するのだが、絶対に一撃では魔物を倒せない。
そして強くなって2周目はあるが、周回開始ポイントはチュートリアル戦闘後の日常パートに設定されている。
さらに王子ルートに進むための条件は『魔物討伐100体を達成した状態で全員の好感度が5段階の3以下の状態(誰のルートにも入っていない状態)で攻略ルート分岐点に達する』というものだ。
しかも討伐100体は周回開始ポイントに戻った時点で0体に戻る。
つまり大団円ルートに至るには『全員の好感度が低い状態でネージュのみで魔物100体を討伐し、攻略ルート分岐点に到達する』ことが条件となる。
改めてそれを思い出すと、何故こんな高難易度にしたのかと三日三晩問い詰めたい。
だから大団円ルートへの条件を満たすためには、今この時点でイクスキャリバーが必要不可欠なのだ。
なぜならチュートリアル戦闘はこの後すぐに控えているから。
ところで、チュートリアル戦闘前にあの引き出しをあの順番で開けられるプレイヤーなどいるのだろうか。
そして『イクスキャリバー:伝説の剣のような名前をつけられた木の棒』としか表示されず、通常装備枠に装備できないそれを特殊装備3枠目に装備してチュートリアル戦闘に臨める者がいるのだろうか。
確信を持って言える。
開発チームの誰かが世に出さない限り、このエンドは日の目を見ないと。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか?
「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」
「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」
マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ヤンデレ騎士団の光の聖女ですが、彼らの心の闇は照らせますか?〜メリバエンド確定の乙女ゲーに転生したので全力でスキル上げて生存目指します〜
たかつじ楓*LINEマンガ連載中!
恋愛
攻略キャラが二人ともヤンデレな乙女ーゲームに転生してしまったルナ。
「……お前も俺を捨てるのか? 行かないでくれ……」
黒騎士ヴィクターは、孤児で修道院で育ち、その修道院も魔族に滅ぼされた過去を持つ闇ヤンデレ。
「ほんと君は危機感ないんだから。閉じ込めておかなきゃ駄目かな?」
大魔導師リロイは、魔法学園主席の天才だが、自分の作った毒薬が事件に使われてしまい、責任を問われ投獄された暗黒微笑ヤンデレである。
ゲームの結末は、黒騎士ヴィクターと魔導師リロイどちらと結ばれても、戦争に負け命を落とすか心中するか。
メリーバッドエンドでエモいと思っていたが、どっちと結ばれても死んでしまう自分の運命に焦るルナ。
唯一生き残る方法はただ一つ。
二人の好感度をMAXにした上で自分のステータスをMAXにする、『大戦争を勝ちに導く光の聖女』として君臨する、激ムズのトゥルーエンドのみ。
ヤンデレだらけのメリバ乙女ゲーで生存するために奔走する!?
ヤンデレ溺愛三角関係ラブストーリー!
※短編です!好評でしたら長編も書きますので応援お願いします♫
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
【完結】平凡な魔法使いですが、国一番の騎士に溺愛されています
空月
ファンタジー
この世界には『善い魔法使い』と『悪い魔法使い』がいる。
『悪い魔法使い』の根絶を掲げるシュターメイア王国の魔法使いフィオラ・クローチェは、ある日魔法の暴発で幼少時の姿になってしまう。こんな姿では仕事もできない――というわけで有給休暇を得たフィオラだったが、一番の友人を自称するルカ=セト騎士団長に、何故かなにくれとなく世話をされることに。
「……おまえがこんなに子ども好きだとは思わなかった」
「いや、俺は子どもが好きなんじゃないよ。君が好きだから、子どもの君もかわいく思うし好きなだけだ」
そんなことを大真面目に言う国一番の騎士に溺愛される、平々凡々な魔法使いのフィオラが、元の姿に戻るまでと、それから。
◆三部完結しました。お付き合いありがとうございました。(2024/4/4)
【第1章完結】悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!
梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!?
【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】
▼第2章2025年1月18日より投稿予定
▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。
▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。
悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!
ペトラ
恋愛
ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。
戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。
前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。
悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。
他サイトに連載中の話の改訂版になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる