【完結】死ぬとレアアイテムを落とす『ドロップ奴隷』としてパーティーに帯同させられ都合よく何度も殺された俺は、『無痛スキル』を獲得し、覚醒する

(こちらの不手際で、コメント欄にネタバレ防止のロックがされていない感想がございます。

まだ本編を読まれておられない方でネタバレが気になる方は、コメント欄を先に読まれないようお願い致します。)



少年が育った村では、一人前の大人になるための通過儀礼があった。


それは、神から「スキル」を与えられること。

「神からのお告げ」を夢で受けた少年は、とうとう自分にもその番が回って来たと喜び、教会で成人の儀を、そしてスキル判定を行ってもらう。


少年が授かっていたスキルの名は「レアドロッパー」。

しかしあまりにも珍しいスキルだったらしく、辞典にもそのスキルの詳細が書かれていない。

レアスキルだったことに喜ぶ少年だったが、彼の親代わりである兄、タスラの表情は暗い。


その夜、タスラはとんでもない話を少年にし始めた。

「お前のそのスキルは、冒険者に向いていない」

「本国からの迎えが来る前に、逃げろ」


村で新たに成人になったものが出ると、教会から本国に手紙が送られ、数日中に迎えが来る。

スキル覚醒した者に冒険者としての資格を与え、ダンジョンを開拓したり、魔物から国を守ったりする仕事を与えるためだ。

少年も子供の頃から、国の一員として務めを果たし、冒険者として名を上げることを夢に見てきた。

しかし信頼する兄は、それを拒み、逃亡する国の反逆者になれという。

当然、少年は納得がいかない。


兄と言い争っていると、家の扉をノックする音が聞こえてくる。

「嘘だろ……成人の儀を行ったのは今日の朝のことだぞ……」

見たことのない剣幕で「隠れろ」とタスラに命令された少年は、しぶしぶ戸棚に身を隠す。


家の扉を蹴破るようにして入ってきたのは、本国から少年を迎えに来た役人。

少年の居場所を尋ねられたタスラは、「ここにはいない」「どこかへ行ってしまった」と繰り返す。


このままでは夢にまで見た冒険者になる資格を失い、逃亡者として国に指名手配を受けることになるのではと少年は恐れ、戸棚から姿を現す。

それを見て役人は、躊躇なく剣を抜き、タスラのことを斬る。

「少年よ、安心しなさい。彼は私たちの仕事を邪魔したから、ちょっと大人しくしておいてもらうだけだ。もちろん後で治療魔法をかけておくし、命まで奪いはしないよ」と役人は、少年に微笑んで言う。

「分かりました」と追従笑いを浮かべた少年の胸には、急速に、悪い予感が膨らむ。

そして彼の予感は当たった。



少年の人生は、地獄の日々に姿を変える。

全ては授かった希少スキル、「レアドロッパー」のせいで。
24h.ポイント 21pt
70
小説 25,404 位 / 193,540件 ファンタジー 3,530 位 / 44,461件

あなたにおすすめの小説

幸せの鐘が鳴る

mahiro
恋愛
「お願いします。貴方にしか頼めないのです」 アレット・ベイヤーは私ーーーロラン・バニーの手を強く握り締め、そう言った。 「君は………」 残酷だ、という言葉は飲み込んだ。 私が貴女に恋をしていると知りながら、私に剣を握らせ、その剣先をアレットの喉元に突き立たせ、全てを終わらせろと言っているのを残酷と言わず何と言うのか教えて欲しいものだ。 私でなくともアレットが恋しているソロモン・サンに頼めば良いのに、と思うが、アレットは愛おしい彼の手を汚したくないからだろう。 「………来世こそ、ソロモンと結ばれる未来を描けるといいな」 そう口にしながら、己の心を置き去りにしたままアレットの願いを叶えた。 それから数百年という月日が経過し、私、ロラン・バニーはローズ・ヴィーという女性に生まれ変わった。 アレットはアンドレ・ベレッタという男性へ転生したらしく、ソロモン・サンの生まれ変わりであるセレクト・サンと共に世界を救った英雄として活躍していた。 それを陰ながら見守っていた所、とある青年と出会い………?

【完結】義姉上が悪役令嬢だと!?ふざけるな!姉を貶めたお前達を絶対に許さない!!

つくも茄子
ファンタジー
義姉は王家とこの国に殺された。 冤罪に末に毒杯だ。公爵令嬢である義姉上に対してこの仕打ち。笑顔の王太子夫妻が憎い。嘘の供述をした連中を許さない。我が子可愛さに隠蔽した国王。実の娘を信じなかった義父。 全ての復讐を終えたミゲルは義姉の墓前で報告をした直後に世界が歪む。目を覚ますとそこには亡くなった義姉の姿があった。過去に巻き戻った事を知ったミゲルは今度こそ義姉を守るために行動する。 巻き戻った世界は同じようで違う。その違いは吉とでるか凶とでるか……。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

転生幼女はお詫びチートで異世界ごーいんぐまいうぇい

高木コン
ファンタジー
第一巻が発売されました! レンタル実装されました。 初めて読もうとしてくれている方、読み返そうとしてくれている方、大変お待たせ致しました。 書籍化にあたり、内容に一部齟齬が生じておりますことをご了承ください。 改題で〝で〟が取れたとお知らせしましたが、さらに改題となりました。 〝で〟は抜かれたまま、〝お詫びチートで〟と〝転生幼女は〟が入れ替わっております。 初期:【お詫びチートで転生幼女は異世界でごーいんぐまいうぇい】 ↓ 旧:【お詫びチートで転生幼女は異世界ごーいんぐまいうぇい】 ↓ 最新:【転生幼女はお詫びチートで異世界ごーいんぐまいうぇい】 読者の皆様、混乱させてしまい大変申し訳ありません。 ✂︎- - - - - - - -キリトリ- - - - - - - - - - - ――神様達の見栄の張り合いに巻き込まれて異世界へ  どっちが仕事出来るとかどうでもいい!  お詫びにいっぱいチートを貰ってオタクの夢溢れる異世界で楽しむことに。  グータラ三十路干物女から幼女へ転生。  だが目覚めた時状況がおかしい!。  神に会ったなんて記憶はないし、場所は……「森!?」  記憶を取り戻しチート使いつつ権力は拒否!(希望)  過保護な周りに見守られ、お世話されたりしてあげたり……  自ら面倒事に突っ込んでいったり、巻き込まれたり、流されたりといろいろやらかしつつも我が道をひた走る!  異世界で好きに生きていいと神様達から言質ももらい、冒険者を楽しみながらごーいんぐまいうぇい! ____________________ 1/6 hotに取り上げて頂きました! ありがとうございます! *お知らせは近況ボードにて。 *第一部完結済み。 異世界あるあるのよく有るチート物です。 携帯で書いていて、作者も携帯でヨコ読みで見ているため、改行など読みやすくするために頻繁に使っています。 逆に読みにくかったらごめんなさい。 ストーリーはゆっくりめです。 温かい目で見守っていただけると嬉しいです。

村人からの貴族様!

森村壱之輔
ファンタジー
リヒャルトは、ノブルマート世界の創造神にして唯一神でもあるマリルーシャ様の加護を受けている稀有な人間である。固有スキルは【鑑定】【アイテムボックス】【多言語理解・翻訳】の三つ。他にも【火・風・土・無・闇・神聖・雷魔法】が使える上に、それぞれLvが3で、【錬金術】も使えるが、Lvは2だ。武術も剣術、双短剣術、投擲術、弓術、罠術、格闘術ともにLv:5にまで達していた。毎日山に入って、山菜採りや小動物を狩ったりしているので、いつの間にか、こうなっていたのだ。

貴族令嬢に生まれたからには念願のだらだらニート生活したい。

譚音アルン
ファンタジー
ブラック企業に勤めてたのがいつの間にか死んでたっぽい。気がつくと異世界の伯爵令嬢(第五子で三女)に転生していた。前世働き過ぎだったから今世はニートになろう、そう決めた私ことマリアージュ・キャンディの奮闘記。 ※この小説はフィクションです。実在の国や人物、団体などとは関係ありません。 ※2020-01-16より執筆開始。

処理中です...