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何が真実か

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『こんにちはー。初めまして』
『初めまして。えみさんよろしくお願いします』
『しんごくん、よろしくー』
『おいくつか聞いても?』
『23だよー。そっちは?』
『22です。近いですね』
『何が好き?』
『スポーツならだいたい。特に野球かな?』
『そうなんだ。わたしはスポーツわかんなくて。読書は好きかな』
『バラバラですねw どんなの読むんですか?』
『恋愛ものが多いかな。野球してるの?』
『ええ、やってます。ピッチャーしてるんですよ』
『ピッチャー!? エースってやつだね。すごいね!』
『それほどでもないですよ。野球に限らないけど体を動かすって気持ちいいですよ』
『そうだなー。私も運動しないとなー。部屋にこもりっぱなしでさ』
『恋愛もので思い出したんですが、僕の兄もよく恋愛小説を読んでるんですよ。男なのに女々しいですよね? まあ、やさしい性格ではあると思うんですけど』
『そんなことないと思うな。良いと思うよ。男が読んでも。そういえば、わたしの妹も野球してるなー。女子野球ってやつ? 昔から体力馬鹿でさー。だけどその明るさに助けられたこともあるんだよ』
『素敵な妹さんですね。プロ野球に女性が出るのもあってといいと思うんです。夢があって』
『妹はあげないよー。そっちのお兄さんとは気が合いそう。そろそろ用事の時間だから。じゃあねー』
『僕もそろそろ午後練習の時間なので失礼します。ありがとうございました』
『またねー』



「兄ちゃん、時間だから行くねー」
「午後練だっけ。僕も図書館に本を返しに行こうかな」
「目指すは甲子園! なんつってね。また恋愛小説? でも珍しいね。兄ちゃんが自分で行くなんて。いっつも私に返させるくせに。ついでだからって」
「少しは運動しなきゃと思って」
「明日は雪が降るかもねー」
「そこまで言わなくてもさ……」 
「ごめんごめん」
「ほら、練習に遅れるよ?」
「あ、やば!」

「「いってきまーす」」

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