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92.謎の液体
しおりを挟む「な、何言って……っ」
楽しげに吐かれた意地悪な言葉に何言ってんだとツッコミそうになったが、そう言えばこの人はそう言う人だった。
反論した所で楽しませるだけだと悟り口をつぐめば調子に乗った先輩が更に下半身を怪しく擦り付けてくる。
「あ、やっ……んん……っ」
緩く立っていただけの俺のものが確実に硬さを増していく。それと同時に先輩の息まで上がっていくのはなぜだろう。
「……おい……俺の尻のポケットのやつ取れるか?」
「ん……え? ポケット……?」
ぽーっとした頭で言われた事を考えて、ゆっくり先輩のズボンに手を伸ばしたら、尻のポケットに何か入っているのが分かった。
良く分からないがそれを取れば良いのだろうとポケットから取り出せば、それは小さなチューブ型のハンドクリームのような物だった。ただパッケージが全部英語で書かれているから咄嗟にそれが何なのかは分からない。
「……これ何ですか?」
「お前の為に用意したもんだ。蓋開けて俺の手に出してみろ」
「んんっ! あの、いったん、動き止めて……っ」
片手は離してくれたが、もう片方の手は未だに俺の腰を強く引き寄せたままで、擦り付ける腰の動きも止まらない。
そのままの状態で右の手のひらをくいくいと、早くしろと言うように動かしてきたので、ヤケクソになって蓋を開けたチューブを思いっきり握ったら、先輩の手のひらにブリュっと音を立てて半透明の液体が出てきた。
はちみつのようなとろりとした液体をしげしげと眺める前に、俺の顔は先輩の胸に押し付けられて見えなくなってしまう。
「? せんぱ──ひぁあっっ!!?」
俺の為に用意したと言ったがいったい何なんだと思っていたら、あの謎の液を乗せていただろう手が俺の尻を鷲掴んで驚愕した。
「ひっ、や、先輩っ……入ってる!!」
驚いたのもつかの間で、そのまま先輩の骨ばった指が液体と共に入ってくる感覚に、更に悲鳴を上げる。
「ここも触られたんだろ? 全部綺麗にしてやんよ」
「いや、ちょっ……そ、そこまで触られてないぃ……!」
何かを入れる場所では無いはずなのに、とろりとした液体のおかげで先輩の指はするんと抵抗なく入ってしまい、穴を広げるように上下に揺らされる。
会長から触られたのはあくまで浅い場所までで、こんなに深くまで探られてないと主張しても先輩は聞く耳持たずで、ぐちぐちと動かされる慣れない圧迫感が苦しかった。
それなのに更に二本目の指が入ってくる感覚に気づき咄嗟に逃げるように尻を引いたら、今度は下半身を先輩のものに押し付けるようになってしまい、おまけに下から足で押し上げられた。
「ぅあっ、ひん……や、あ、あぅ……せ、んぱい……」
前は足でグリグリと揺らされて、後ろはいつの間にか数本の指が入っていてバラバラに動かされる。
苦しかったはずなのに、次第にそれだけじゃない感覚を覚えてきて、もう何が何だか分からずに助けを求めるように先輩にしがみついていた。
俺をこんなにしてる相手に助けを求めるなんておかしな話だが、頼れる人が先輩しかいなくて必死にしがみついて先輩の名をうわ言のようにこぼしていたら、いつの間にか俺の腰を抱いていた手が優しく頭を撫でていた。
「悪いな、俺も限界なんだよ……怖い思いはさせねぇから全部俺に任せとけ……」
「んあっ!? ひっ……何でっ……あんっ!!」
尻に入っていた指が中の一点をかすめると電流が走ったようにぞくぞくと快感が背中を駆け抜けた。
何だこれ何だこれ何だこれ!? と混乱してる間にもこそをしつこく指で擦られて、激しい指の動きにぐちょぐちょと卑猥な音がシャワー室に響いてオレの鼓膜を犯したのだった。
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