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87 もう、考えるな。 ★
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◆もう、考えるな。
紫輝と天誠とライラは、本邸の屋敷に戻った。
ちなみに、堺と青桐は、彼らの屋敷に。
藤王は、赤穂の屋敷の客間に泊まることになった。
堺と藤王は兄弟だから、一緒の屋敷でも本来ならいいのだが。一応、藤王は、堺に求婚した立場なので。今彼の青桐としては、複雑な気持ちがあるだろうからな。
どちらかというと、藤王の方が遠慮したって感じ。大人だねぇ。
ライラはさっそく、自分のベッドに上がり込んで、寝ている。
もう、寝てばかりだな。
仕方がない。猫は寝るのが仕事だからな。
紫輝と天誠も、寝台に腰かけて。まったりお話タイム。
でも、今日はのんきな話には、ならなかった。
「千夜から報告を受けたが。兄さん、寿命の話を聞いたって?」
紫輝は、どうやって切り出そうかなって考えていたのだが、先を越されてしまい、目を丸くした。
真ん丸な目で見上げられたら、可愛すぎるっつうの。
久しぶりの兄の、ラブリーな姿に、天誠は鼻血が出そうだった。出さないけど。
天誠は紫輝の、黒猫耳をぴんぴん指先で弾いて、にっこり笑いかける。
「悩んでいただろうに、今日は一日、明るくしていたな? 兄さんは大人だなぁ」
「そんなんじゃないけど。悩んでもしょうがないって、自分でもわかっているんだけど」
「青桐、余計なことを言いやがって…とは思うが。兄さんの人生プランは、兄さん自身で決めるべき、というのは正論だ。いずれは知らなければならないことだった。ま、俺からは言いづらかったから、感謝するべきなのかもしれないな」
そうだよねぇ、天誠は家族だし、恋人だし。
寿命少ないけど、どうする? なんて言えないよ。
「天誠は、やっぱ、知っていたんだ? 龍鬼の寿命が少ないって」
「まぁ。しかし、統計上でのことだし。なんにでも、例外はあるし。紫輝は、三百年前の世界では、一度も能力を使っていなかったのだから。今までの龍鬼と同じではないようにも思うんだ」
それは、紫輝も考えたことなので。紫輝は鼻でため息をつくと。小さく首を振った。
「寿命は、みんなそれぞれだから、そんなに深刻に考えているわけじゃない。ただ、俺は。天誠と約束したじゃん? 爺さんになって、天誠が死んだ一日あとに、俺も死ぬって。絶対ひとりにしないって。なんか、根拠もなく。俺は天誠よりも後って、思っていた。自信満々だった。天誠を残して、逝かないと…」
「大丈夫だ」
なにやら、隣の人も、自信満々に言うので。
紫輝はいぶかしげに天誠を見やる。
「なにが、大丈夫なんだよぉ?」
「俺は、紫輝の加護があるだろう? それがないと、たぶんこの世でそんなに長く生きられないんじゃね? だから、紫輝が先に死んでも。俺も次の日死ぬ。大丈夫、死ぬ、死ぬ」
「そんな、死ぬ死ぬ言うんじゃないっ。もう。そういうの、聞きたくないしっ」
紫輝は天誠から、死ぬとか殺すとか、そういう話を聞きたくないのだ。
天誠の部分を殺そうとした、アレがトラウマだから。
あと、なんか、そんなふうに軽く言ってもらいたくもないんだよねぇ。
ちょっとむくれて、唇をとがらせる紫輝を。天誠は愛おしく見やる。
己の最期を想像したくもないという様子の兄が、己をそれだけ好いているとわかるから。
天誠は、ただそれだけで、嬉しいのだ。
「だったら、もう、考えるな。いつ死ぬとか。どっちが先に死ぬとか。いっせいのせで死ぬとか。未来がどうなるのかなんて、そんなのはわからないことだろう? そんなこと、今から考えても、どうにもならないし。どうにかできるわけもないし。計画どおりになるものじゃない。ただ…俺と紫輝とライラとで、面白おかしく生きて、それで死ぬ。それで、いいんだ。だから、そのときまでは。なにも考えなくていい」
「約束、したのに?」
「約束は、果たそうとする努力が大切。一生懸命頑張って、それでも果たせなかったら。ごめんねって言って、チュウしてくれたら、許してやるから」
「…じゃあ、頑張る」
口をへの字にして、涙ぐんで、うなずく兄さん。
最アンド高。
もう、どうしてそんなに可愛い顔ができるんだ? ほっぺが赤いんですけど。
不謹慎だけど、もう、このように美味しそうに仕上がっている兄さんを目の前に、我慢なんて、できません。
天誠は紫輝の唇を、赤いグミの実をついばむようにくちづけた。
「よし、今日は、安曇眞仲デーだ。傷ついた兄さんが、なにも考えられなくなるくらい。甘く、優しく、抱いてやる」
言うと、紫輝は。眞仲の頬を、手でいたわるように撫でた。
「待って、待って。眞仲だって傷ついたじゃん? くそぉ、俺の眞仲なのに。勝手に殺しやがってぇ」
年始の憤りが、再び紫輝の中に吹き荒れる。
今度、眞仲に会ったら、慰めて、寄り添って、よしよしってしてやるつもりだったのだ。
「じゃあ今日は、俺が愛してやる。眞仲をたっぷり甘やかしてやるから」
男らしく宣言したものの、紫輝はぎこちない、慣れない様子で、眞仲を寝台に押し倒す。
彼の腿の上に乗っかったのだが。
翼が下になるので、なんか、痛そうで。体重をかけられない。
「おお? 俺の嫁が積極的で嬉しいんですけど? でも、主導権は渡せないな。今日も俺が、いっぱい紫輝を甘やかして。トロトロに煮詰めて、そして美味しくいただくんだから」
眞仲は腿の上に乗る紫輝を抱き締めると、くるりと反転して寝台に組み敷いた。
そして満足そうに、上から見下ろす。
「やっぱ、翼が下だと痛いものなのか? 俺は羽がないからわからなくて…」
「いや? 神経は通っているのだが、この翼は柔軟性があるというか。下に敷いても痺れたり痛くなったりはしないよ。ただ俺が、下より上が好きなだけ。俺はいつだって兄さんには敵わないから、こんな時くらいは、優位に立ちたいっていうか?」
「なに言ってんだ。俺は優秀過ぎる弟に勝てたためしがない。いつだっておまえには敵わない」
「いいや、俺は紫輝がいなきゃ。立ち上がることすらできないよ。俺は紫輝に飢えている。いつも、いつも、飢えている。だから、美味しくなった紫輝を、思う存分食べさせてくれ」
紫輝は自分を欲しがる眞仲を見て、満足そうに微笑む。
己のために家を用意し、村を作り、終戦を企てる、出来過ぎの弟。
自分だけを見て、自分だけに愛を注ぎ、自分を乞う弟。
愛しくてならないから、なんでも捧げたくなる。
「いいよ。俺を食べて。思う存分な」
紫輝のゴーサインに、眞仲は切れ長な目元を柔らかく細め。
あのセクシーボイスで紫輝の耳に『いただきます』と囁いた。
★★★★★
「じゃあ、おっぱいだけで、イかせるから」
「じゃ、じゃあって、なんだよ? む、胸だけじゃ、ないじゃん? も、挿入してるのにぃ」
紫輝は、ゴーサインを出したことを、早くも後悔していた。
服を脱がされ、性急に後ろをほぐされて。無言のままに、正面から、すぐに入れたから。
なんか、今日はスタンダードに、静かに、ゆるやかに睦み合うのかと思っていたのに。
ここからエチエチ、ネチネチ攻撃が始まるのかよぉ?
「それは紫輝が、おっぱいで、どんだけ感じているか、知るためさ。どうすれば、紫輝は喜ぶのかな?」
子供をあやすような、優しい眼差しで、眞仲は紫輝の乳首に問いかける。
乳首に、話しかけないでっ。
眞仲の大きな手が、胸の脇から紫輝の体をなぞっていって。
親指で、乳首に触れる。
刀をいつも握っているからか、かさついた指の腹でこすられると、ムズムズした。
「親指で、乳輪をくるくるしても、中はあまりひくひくしないな。でも…」
ニヤリとして、意味深に舌を出し。突端を弾くように強くつつく。
「あっ、あっ…」
「ほら、今ので、ひくひくって。今の好きって、言ってるみたいに、俺のモノを締めつけたよ? 紫輝が気持ちいいの、わかっちゃったな」
挿入された剛直の存在感にも、紫輝は体を高められる。
入っているだけで、動いて刺激されているわけでもないのに。彼の熱さが身を焼いて、じわじわと、悦楽が体に染み入ってくるようだ。
「じゃあ、乳輪は必要ないんじゃね? なんて思うだろう?」
思わないよ。眞仲に触れられるだけで、気持ち良いと感じるのだから。
でも、唇がわなないてしまって、紫輝は眞仲に、それを伝えられない。
「でもな、紫輝。こうして乳輪を、親指でくるくると撫でて、焦らして、焦らして、ずっとしているとな?」
乳輪は、全然、感じていないわけではない。ただ、乳頭よりも、感度が薄いだけだ。
ジリジリウズウズしているのだ。
それはそれで、口がはくはくしてしまうほどには感じているんだよぉ。
「そのあと、つまんだら」
乳頭を親指と人差し指でキュンとつままれて。紫輝はビクンと体を跳ねさせた。
「んあぁぁっ」
「くっ…しまる。な? いいだろ? 感応を高めるのに、乳輪も必要だってことだよな?」
なんか、研究論文みたいな感じで言っているけど。
も、どうでもいい、っつか。
「それ、知らなくて、いい情報だと思うけど? あ、あ、にゃ、あぁ」
抗議など聞かず、眞仲は、紫輝の胸にむしゃぶりつく。
ぬるぬる舐め、ピンピン舌で弾き、甘く噛み噛みし始めた。
「や、やぁ、じんじん、するのぉ…眞仲っ、駄目、して、だめぇ…」
「いらないものなんかない。むしろ、超必要。興奮するし。あぁ、紫輝のおっぱいなら、ずっと吸いついていられるな。甘酸っぱくて、ぷっくりしてて。この歯ごたえ、食感、たまらなく美味しいよ。紫輝、このおっぱい、俺に頂戴?」
まるで『兄さんのケーキ、僕にもちょうだい?』って言う、子供のときの天誠みたいで。
笑ってしまう。
「全部、いつだって、俺はおまえに、欲しいものはあげてきただろう? でも、あぁ…いい。ふふ、それ、好き。眞仲、あぅ、それ、コリコリするの、好きぃ」
胸に悦楽が渦巻いて、紫輝は乳首を攻める眞仲の頭を優しくかき抱く。
ヒリヒリが、じんじんに変わって、ブワッて、頭の中がのぼせちゃって。
「あ、あ…イ、くぅ…」
局部を触られないまま、紫輝は白濁を放った。胸だけで、イかされてしまった。
でもそのあと、息も整わなうちに、挿入していた剛直で、すかさずズクズクされて。
「眞仲ぁ、眞仲っ、俺の、眞仲ぁ」
惑乱するほど、めちゃくちゃ抱き合って。
「ここ、こうして、えぐるの。紫輝は好きだけど。もうイっちゃったから、しない方がいいか?」
「や、して。ね、気持ちいいの、シて」
「紫輝、俺のこと好き? こうされるの、好き?」
「好きっ、眞仲のこと、好き。あ、あ…すきぃ、それも、すきぃ」
「俺は紫輝がとても大切だよ。だから、あまり激しくしたくないんだ」
「やぁ、もっと。ねぇ、眞仲ぁ。激しくて、いい。あ、あ…いいからぁ、あっ、あっ、ああぁ、はげ、しいよぉ。眞仲、そんなのっ、あっ、すごいぃ」
恥ずかしいこといっぱい言わされて…何度も抱かれた。
気持ち良いことで、頭がいっぱいになって。
寿命のことは忘れちゃった。
紫輝と天誠とライラは、本邸の屋敷に戻った。
ちなみに、堺と青桐は、彼らの屋敷に。
藤王は、赤穂の屋敷の客間に泊まることになった。
堺と藤王は兄弟だから、一緒の屋敷でも本来ならいいのだが。一応、藤王は、堺に求婚した立場なので。今彼の青桐としては、複雑な気持ちがあるだろうからな。
どちらかというと、藤王の方が遠慮したって感じ。大人だねぇ。
ライラはさっそく、自分のベッドに上がり込んで、寝ている。
もう、寝てばかりだな。
仕方がない。猫は寝るのが仕事だからな。
紫輝と天誠も、寝台に腰かけて。まったりお話タイム。
でも、今日はのんきな話には、ならなかった。
「千夜から報告を受けたが。兄さん、寿命の話を聞いたって?」
紫輝は、どうやって切り出そうかなって考えていたのだが、先を越されてしまい、目を丸くした。
真ん丸な目で見上げられたら、可愛すぎるっつうの。
久しぶりの兄の、ラブリーな姿に、天誠は鼻血が出そうだった。出さないけど。
天誠は紫輝の、黒猫耳をぴんぴん指先で弾いて、にっこり笑いかける。
「悩んでいただろうに、今日は一日、明るくしていたな? 兄さんは大人だなぁ」
「そんなんじゃないけど。悩んでもしょうがないって、自分でもわかっているんだけど」
「青桐、余計なことを言いやがって…とは思うが。兄さんの人生プランは、兄さん自身で決めるべき、というのは正論だ。いずれは知らなければならないことだった。ま、俺からは言いづらかったから、感謝するべきなのかもしれないな」
そうだよねぇ、天誠は家族だし、恋人だし。
寿命少ないけど、どうする? なんて言えないよ。
「天誠は、やっぱ、知っていたんだ? 龍鬼の寿命が少ないって」
「まぁ。しかし、統計上でのことだし。なんにでも、例外はあるし。紫輝は、三百年前の世界では、一度も能力を使っていなかったのだから。今までの龍鬼と同じではないようにも思うんだ」
それは、紫輝も考えたことなので。紫輝は鼻でため息をつくと。小さく首を振った。
「寿命は、みんなそれぞれだから、そんなに深刻に考えているわけじゃない。ただ、俺は。天誠と約束したじゃん? 爺さんになって、天誠が死んだ一日あとに、俺も死ぬって。絶対ひとりにしないって。なんか、根拠もなく。俺は天誠よりも後って、思っていた。自信満々だった。天誠を残して、逝かないと…」
「大丈夫だ」
なにやら、隣の人も、自信満々に言うので。
紫輝はいぶかしげに天誠を見やる。
「なにが、大丈夫なんだよぉ?」
「俺は、紫輝の加護があるだろう? それがないと、たぶんこの世でそんなに長く生きられないんじゃね? だから、紫輝が先に死んでも。俺も次の日死ぬ。大丈夫、死ぬ、死ぬ」
「そんな、死ぬ死ぬ言うんじゃないっ。もう。そういうの、聞きたくないしっ」
紫輝は天誠から、死ぬとか殺すとか、そういう話を聞きたくないのだ。
天誠の部分を殺そうとした、アレがトラウマだから。
あと、なんか、そんなふうに軽く言ってもらいたくもないんだよねぇ。
ちょっとむくれて、唇をとがらせる紫輝を。天誠は愛おしく見やる。
己の最期を想像したくもないという様子の兄が、己をそれだけ好いているとわかるから。
天誠は、ただそれだけで、嬉しいのだ。
「だったら、もう、考えるな。いつ死ぬとか。どっちが先に死ぬとか。いっせいのせで死ぬとか。未来がどうなるのかなんて、そんなのはわからないことだろう? そんなこと、今から考えても、どうにもならないし。どうにかできるわけもないし。計画どおりになるものじゃない。ただ…俺と紫輝とライラとで、面白おかしく生きて、それで死ぬ。それで、いいんだ。だから、そのときまでは。なにも考えなくていい」
「約束、したのに?」
「約束は、果たそうとする努力が大切。一生懸命頑張って、それでも果たせなかったら。ごめんねって言って、チュウしてくれたら、許してやるから」
「…じゃあ、頑張る」
口をへの字にして、涙ぐんで、うなずく兄さん。
最アンド高。
もう、どうしてそんなに可愛い顔ができるんだ? ほっぺが赤いんですけど。
不謹慎だけど、もう、このように美味しそうに仕上がっている兄さんを目の前に、我慢なんて、できません。
天誠は紫輝の唇を、赤いグミの実をついばむようにくちづけた。
「よし、今日は、安曇眞仲デーだ。傷ついた兄さんが、なにも考えられなくなるくらい。甘く、優しく、抱いてやる」
言うと、紫輝は。眞仲の頬を、手でいたわるように撫でた。
「待って、待って。眞仲だって傷ついたじゃん? くそぉ、俺の眞仲なのに。勝手に殺しやがってぇ」
年始の憤りが、再び紫輝の中に吹き荒れる。
今度、眞仲に会ったら、慰めて、寄り添って、よしよしってしてやるつもりだったのだ。
「じゃあ今日は、俺が愛してやる。眞仲をたっぷり甘やかしてやるから」
男らしく宣言したものの、紫輝はぎこちない、慣れない様子で、眞仲を寝台に押し倒す。
彼の腿の上に乗っかったのだが。
翼が下になるので、なんか、痛そうで。体重をかけられない。
「おお? 俺の嫁が積極的で嬉しいんですけど? でも、主導権は渡せないな。今日も俺が、いっぱい紫輝を甘やかして。トロトロに煮詰めて、そして美味しくいただくんだから」
眞仲は腿の上に乗る紫輝を抱き締めると、くるりと反転して寝台に組み敷いた。
そして満足そうに、上から見下ろす。
「やっぱ、翼が下だと痛いものなのか? 俺は羽がないからわからなくて…」
「いや? 神経は通っているのだが、この翼は柔軟性があるというか。下に敷いても痺れたり痛くなったりはしないよ。ただ俺が、下より上が好きなだけ。俺はいつだって兄さんには敵わないから、こんな時くらいは、優位に立ちたいっていうか?」
「なに言ってんだ。俺は優秀過ぎる弟に勝てたためしがない。いつだっておまえには敵わない」
「いいや、俺は紫輝がいなきゃ。立ち上がることすらできないよ。俺は紫輝に飢えている。いつも、いつも、飢えている。だから、美味しくなった紫輝を、思う存分食べさせてくれ」
紫輝は自分を欲しがる眞仲を見て、満足そうに微笑む。
己のために家を用意し、村を作り、終戦を企てる、出来過ぎの弟。
自分だけを見て、自分だけに愛を注ぎ、自分を乞う弟。
愛しくてならないから、なんでも捧げたくなる。
「いいよ。俺を食べて。思う存分な」
紫輝のゴーサインに、眞仲は切れ長な目元を柔らかく細め。
あのセクシーボイスで紫輝の耳に『いただきます』と囁いた。
★★★★★
「じゃあ、おっぱいだけで、イかせるから」
「じゃ、じゃあって、なんだよ? む、胸だけじゃ、ないじゃん? も、挿入してるのにぃ」
紫輝は、ゴーサインを出したことを、早くも後悔していた。
服を脱がされ、性急に後ろをほぐされて。無言のままに、正面から、すぐに入れたから。
なんか、今日はスタンダードに、静かに、ゆるやかに睦み合うのかと思っていたのに。
ここからエチエチ、ネチネチ攻撃が始まるのかよぉ?
「それは紫輝が、おっぱいで、どんだけ感じているか、知るためさ。どうすれば、紫輝は喜ぶのかな?」
子供をあやすような、優しい眼差しで、眞仲は紫輝の乳首に問いかける。
乳首に、話しかけないでっ。
眞仲の大きな手が、胸の脇から紫輝の体をなぞっていって。
親指で、乳首に触れる。
刀をいつも握っているからか、かさついた指の腹でこすられると、ムズムズした。
「親指で、乳輪をくるくるしても、中はあまりひくひくしないな。でも…」
ニヤリとして、意味深に舌を出し。突端を弾くように強くつつく。
「あっ、あっ…」
「ほら、今ので、ひくひくって。今の好きって、言ってるみたいに、俺のモノを締めつけたよ? 紫輝が気持ちいいの、わかっちゃったな」
挿入された剛直の存在感にも、紫輝は体を高められる。
入っているだけで、動いて刺激されているわけでもないのに。彼の熱さが身を焼いて、じわじわと、悦楽が体に染み入ってくるようだ。
「じゃあ、乳輪は必要ないんじゃね? なんて思うだろう?」
思わないよ。眞仲に触れられるだけで、気持ち良いと感じるのだから。
でも、唇がわなないてしまって、紫輝は眞仲に、それを伝えられない。
「でもな、紫輝。こうして乳輪を、親指でくるくると撫でて、焦らして、焦らして、ずっとしているとな?」
乳輪は、全然、感じていないわけではない。ただ、乳頭よりも、感度が薄いだけだ。
ジリジリウズウズしているのだ。
それはそれで、口がはくはくしてしまうほどには感じているんだよぉ。
「そのあと、つまんだら」
乳頭を親指と人差し指でキュンとつままれて。紫輝はビクンと体を跳ねさせた。
「んあぁぁっ」
「くっ…しまる。な? いいだろ? 感応を高めるのに、乳輪も必要だってことだよな?」
なんか、研究論文みたいな感じで言っているけど。
も、どうでもいい、っつか。
「それ、知らなくて、いい情報だと思うけど? あ、あ、にゃ、あぁ」
抗議など聞かず、眞仲は、紫輝の胸にむしゃぶりつく。
ぬるぬる舐め、ピンピン舌で弾き、甘く噛み噛みし始めた。
「や、やぁ、じんじん、するのぉ…眞仲っ、駄目、して、だめぇ…」
「いらないものなんかない。むしろ、超必要。興奮するし。あぁ、紫輝のおっぱいなら、ずっと吸いついていられるな。甘酸っぱくて、ぷっくりしてて。この歯ごたえ、食感、たまらなく美味しいよ。紫輝、このおっぱい、俺に頂戴?」
まるで『兄さんのケーキ、僕にもちょうだい?』って言う、子供のときの天誠みたいで。
笑ってしまう。
「全部、いつだって、俺はおまえに、欲しいものはあげてきただろう? でも、あぁ…いい。ふふ、それ、好き。眞仲、あぅ、それ、コリコリするの、好きぃ」
胸に悦楽が渦巻いて、紫輝は乳首を攻める眞仲の頭を優しくかき抱く。
ヒリヒリが、じんじんに変わって、ブワッて、頭の中がのぼせちゃって。
「あ、あ…イ、くぅ…」
局部を触られないまま、紫輝は白濁を放った。胸だけで、イかされてしまった。
でもそのあと、息も整わなうちに、挿入していた剛直で、すかさずズクズクされて。
「眞仲ぁ、眞仲っ、俺の、眞仲ぁ」
惑乱するほど、めちゃくちゃ抱き合って。
「ここ、こうして、えぐるの。紫輝は好きだけど。もうイっちゃったから、しない方がいいか?」
「や、して。ね、気持ちいいの、シて」
「紫輝、俺のこと好き? こうされるの、好き?」
「好きっ、眞仲のこと、好き。あ、あ…すきぃ、それも、すきぃ」
「俺は紫輝がとても大切だよ。だから、あまり激しくしたくないんだ」
「やぁ、もっと。ねぇ、眞仲ぁ。激しくて、いい。あ、あ…いいからぁ、あっ、あっ、ああぁ、はげ、しいよぉ。眞仲、そんなのっ、あっ、すごいぃ」
恥ずかしいこといっぱい言わされて…何度も抱かれた。
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寿命のことは忘れちゃった。
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