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僕を離さないで
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「さっさと街を離れましょう」
街に戻ると、すぐにバーヌは乗合馬車へと足を運ぶ。
「ねぇ、でも一度ギルドに行って、いろいろ確かめたいことが、あの、報奨金の話とか……」
バーヌがにこっと笑った。
「大丈夫ですよ。僕は冒険者もしていたと言ったでしょう?ギルドは横の繋がりが強いんですよ。情報はすぐに共有されます。国中の冒険者ギルドに情報は届いているはずです」
「え?そうなの?」
届く?
インターネットでつながってるみたいに、情報共有ができるってこと?
でも、インターネットなんてないし……。魔法?そういう魔法でもあるのかな?
「報奨金の金額が算出されるまでにまだ少し時間がかかるでしょうし、待っていても仕方がないです。どの街のギルドでも顔を出せば大丈夫ですよ」
ん?
首をかしげる。
「顔を出せば大丈夫?でも、僕の顔、フィーネさんたちしか知らないよね?」
バーヌが嬉しそうに笑う。
「金狼を従えた黒髪のユーキという名の少年と、噂は広まっていると思いますよ」
ニコニコと本当に嬉しそうだ。
「本来は、ギルドカードで身分を証明するのですが……ユーキはギルドでカードを作っていないので、僕がカード替わりみたいなものです」
ギルドカード?
身分を証明するってことは、マイナンバーカードや免許証みたいなものかな?持っていれば便利?
あ、でも、作れるの?
作れたとして、私の正体……ばれたりしない?
日本人だって。
いや、ばれたとしても、問題なければいいんだけど。異世界から来た人間ってこの世界ではどういう扱いになるんだろう。
忌み嫌われる異分子?
それとも崇めたてられる崇拝の対象?
どっちもお断りだなぁ。
うん、どちらにしても妹を探すことばかりで、うっかりしてた。異世界の人間に関しても情報を集めないと。妹と合流したあとに、帰る方法を知らないままじゃ、帰れないし。
「だから、ユーキ、僕を離しちゃだめですよ?僕がいなければ、せっかくの報奨金ももらえませんからね?」
バーヌがぎゅっと横から抱き着いてきた。
「大丈夫だよ、バーヌ。ちゃんと僕が責任をもって、バーヌを奴隷から解放してあげるからね。頑張ってお金貯めるから。途中で嫌になって誰かに売ったり破棄したりしないからね!」
ぽんぽんと、首に回っているバーヌの腕をたたく。
……あ。
ほんの出来心で、後ろでフラフラと揺れているバーヌのしっぽを撫でた。
「ご、ご主人さ……mぎゅsgぢゅ」
驚いてばっと体を離したバーヌのほっぺたをむぎゅっ。
せっかくさっきまでご主人様じゃなくてユーキって呼べてたのにっ。またご主人様って言ったな!
……まぁ、私も悪いんだけど。
つい、しっぽが、しっぽがかわいくて……。
後ろから突然撫でられたら驚くよね。
「いきなりしっぽ触ったのは謝るよ。でも、ご主人様って呼ばないでよ?」
「あの、ごしゅ……ユーキ、ちょっと驚いただけで、えっと、好きにしてください」
バーヌがしっぽを私の手に差し出した。
ふ、ふええええ?
好きにしろって、しっぽを好きにしろって、えーっと、なんのご褒美?
========
僕がご主人様の身分証明書ですから、肌身離さず持ち歩いてくださいね!にこっ。
うええええええっ
街に戻ると、すぐにバーヌは乗合馬車へと足を運ぶ。
「ねぇ、でも一度ギルドに行って、いろいろ確かめたいことが、あの、報奨金の話とか……」
バーヌがにこっと笑った。
「大丈夫ですよ。僕は冒険者もしていたと言ったでしょう?ギルドは横の繋がりが強いんですよ。情報はすぐに共有されます。国中の冒険者ギルドに情報は届いているはずです」
「え?そうなの?」
届く?
インターネットでつながってるみたいに、情報共有ができるってこと?
でも、インターネットなんてないし……。魔法?そういう魔法でもあるのかな?
「報奨金の金額が算出されるまでにまだ少し時間がかかるでしょうし、待っていても仕方がないです。どの街のギルドでも顔を出せば大丈夫ですよ」
ん?
首をかしげる。
「顔を出せば大丈夫?でも、僕の顔、フィーネさんたちしか知らないよね?」
バーヌが嬉しそうに笑う。
「金狼を従えた黒髪のユーキという名の少年と、噂は広まっていると思いますよ」
ニコニコと本当に嬉しそうだ。
「本来は、ギルドカードで身分を証明するのですが……ユーキはギルドでカードを作っていないので、僕がカード替わりみたいなものです」
ギルドカード?
身分を証明するってことは、マイナンバーカードや免許証みたいなものかな?持っていれば便利?
あ、でも、作れるの?
作れたとして、私の正体……ばれたりしない?
日本人だって。
いや、ばれたとしても、問題なければいいんだけど。異世界から来た人間ってこの世界ではどういう扱いになるんだろう。
忌み嫌われる異分子?
それとも崇めたてられる崇拝の対象?
どっちもお断りだなぁ。
うん、どちらにしても妹を探すことばかりで、うっかりしてた。異世界の人間に関しても情報を集めないと。妹と合流したあとに、帰る方法を知らないままじゃ、帰れないし。
「だから、ユーキ、僕を離しちゃだめですよ?僕がいなければ、せっかくの報奨金ももらえませんからね?」
バーヌがぎゅっと横から抱き着いてきた。
「大丈夫だよ、バーヌ。ちゃんと僕が責任をもって、バーヌを奴隷から解放してあげるからね。頑張ってお金貯めるから。途中で嫌になって誰かに売ったり破棄したりしないからね!」
ぽんぽんと、首に回っているバーヌの腕をたたく。
……あ。
ほんの出来心で、後ろでフラフラと揺れているバーヌのしっぽを撫でた。
「ご、ご主人さ……mぎゅsgぢゅ」
驚いてばっと体を離したバーヌのほっぺたをむぎゅっ。
せっかくさっきまでご主人様じゃなくてユーキって呼べてたのにっ。またご主人様って言ったな!
……まぁ、私も悪いんだけど。
つい、しっぽが、しっぽがかわいくて……。
後ろから突然撫でられたら驚くよね。
「いきなりしっぽ触ったのは謝るよ。でも、ご主人様って呼ばないでよ?」
「あの、ごしゅ……ユーキ、ちょっと驚いただけで、えっと、好きにしてください」
バーヌがしっぽを私の手に差し出した。
ふ、ふええええ?
好きにしろって、しっぽを好きにしろって、えーっと、なんのご褒美?
========
僕がご主人様の身分証明書ですから、肌身離さず持ち歩いてくださいね!にこっ。
うええええええっ
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