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バーヌ視点「拾われました」
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人に寄っては残虐だと感じる描写が含まれておりますので、閲覧にお気をつけください。
あ、執筆が前後しちゃって、まだ「バーヌ」って出てきませんが、犬じゃなくて破棄奴隷のけも耳君のことです。スイマセンー。うごごご、ごごご。
なお、バーヌ(破棄奴隷)視点となりますので、読み飛ばしても本編に影響はありませんが、バーヌ視点をご覧いただいたほうが、ニヨニヨできるかと思います。
ただし、奴隷苦手な人、それからヤンデレやばい人は、回避。すたたたっ。
=====================
一番初めに失ったのは、耳だった。音が籠って聞こえるようになった。
次に、栄養状態が悪いせいか単に病のせいなのか、目が見えにくくなった。
ああ、食べ物とは呼べないものを口にするよううになって味覚も壊れただろうか。
皮膚もあちこちひどい状態でか痒さも痛みも痺れも何も感じなくなった。
不思議なことに、最後まで残ったのは嗅覚だ。
もともと僕の種族は鼻がいい。
他の感覚が鈍くなっていくにしたがって、逆に嗅覚は鋭くなっていった。
病が進行し、ついには歩行すら困難になったとき、ご主人様……とも呼びたくもない男に破棄された。
どこの街とも分からない。倒れた瞬間、憎しみのこもった感情を向けられそのまま放置されてしまった。
もう、動けない。
このまま死ぬのだろう。
道端に体を丸めて小さくなる。
邪魔だろう、道の真ん中。
負の感情が、臭いとなって感じ取れる。
道の端に寄るだけの力も残っていない。ああ、命尽きた後、誰かがギルドに死体処理を頼んでくれるだろうか。
ギルドに所属している人間であれば、誰かが僕の持ち物から、昔の仲間に連絡が行くかもしれない。
いいや、連絡などいかないほうがいいだろうか。
ああ、臭い。
人の感情が、これほど臭いなんて。
感情が臭いとして感じ取れるなんて……早く嗅覚も壊れてしまえばいいのに。
汚い、邪魔、見苦しい、見たくない……蔑み、憐れみ、嘲り……道に丸まり、死を待つだけの僕に向けられる感情のなんと臭いこと。
ふわりと、大人の女性の匂いが近づいてきた。
なんだ?なぜ、僕に近づいてくる?と、思った瞬間、ドンっと上に何かが乗る衝撃と、焦った感情の匂いがした。
目でも見えない女性だろうか?僕に気が付かずに躓いてしまった?
ごめんなさい、大丈夫ですかと……、心配そうな臭いが届く。
ああ、こんな僕に、誰もが目を背けて遠巻きにする僕に、まだ人としての感情を向けてくれる人がいるなんて。
……もう一つ、腕の立つ冒険者が近づいてきた。
匂いで分かる。
冒険者の匂いはいやというほど嗅いでいたから。
彼もまた、僕をさげすむ感情をにおわせない。ただ、死を悼む感情だろうか。手に、何かを持たされた。
二人が、立ち去るのが臭いで分かる。
このまますぐに呼吸が止まらないだろうか。
人生最後に関わったのがあの二人であれば、そう悪くない終わり方だ。
それからすぐに死は訪れるわけもなく、誰かがけしかけた獣に指をかじられたようだ。面白がる感情の匂いを感じた。
必死に、あの女性の匂いを思い出そうとする。心安らかに死にたい。
思い出そうとすると、女性の匂いを強く感じることができた。
いや、違う、実際に近くにあの女性がいる。近づいてくる。
心配、緊張……張り詰めた感情が匂いとなって伝わる。ああ、なんだろう。彼女の匂い意外に、怒り、嘲り、揶揄い、たくさんの臭いにおいもする。
ふわりと、彼女の香りが強くなる。
ああ、すぐ近くに来てくれた。
きっと、僕のすぐ横に彼女はいる。
いい匂いだ。
少し緊張が混じっているけれど、僕のことを心配してくれている。優しくて暖かな匂い。
口に、何かが押し当てられる。ああ、この匂いは薬草。ポーションかな……。
無駄だよ。
僕の侵された病は、ポーションでは治らない。高価の高いポーションをいくつも試したけれど……。
それなりにお金を稼げる冒険者だったから、あらゆるレアポーションも試したけれど……。
無駄なんだ。だけど、彼女の香りが。
これを僕が飲んだら、少しは喜びの香りを発してくれるだろうか。
無駄だと知れば悲しみの香りに変化してしまうかもしれない。
だけれど、最後に少しでも誰かを喜ばせることができるなら……。
彼女の嬉しさの香りに包まれて死ねるのならば……。
ポーションをごくごくと飲み干した。
=========
はいそうです。
バーヌはユーキのこと、初めから大人の女性だって知ってます。
男の子だなんてこれっぽっちも思ってません(≧▽≦)
臭いで分かりますよ。そりゃぁ……。
あ、執筆が前後しちゃって、まだ「バーヌ」って出てきませんが、犬じゃなくて破棄奴隷のけも耳君のことです。スイマセンー。うごごご、ごごご。
なお、バーヌ(破棄奴隷)視点となりますので、読み飛ばしても本編に影響はありませんが、バーヌ視点をご覧いただいたほうが、ニヨニヨできるかと思います。
ただし、奴隷苦手な人、それからヤンデレやばい人は、回避。すたたたっ。
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一番初めに失ったのは、耳だった。音が籠って聞こえるようになった。
次に、栄養状態が悪いせいか単に病のせいなのか、目が見えにくくなった。
ああ、食べ物とは呼べないものを口にするよううになって味覚も壊れただろうか。
皮膚もあちこちひどい状態でか痒さも痛みも痺れも何も感じなくなった。
不思議なことに、最後まで残ったのは嗅覚だ。
もともと僕の種族は鼻がいい。
他の感覚が鈍くなっていくにしたがって、逆に嗅覚は鋭くなっていった。
病が進行し、ついには歩行すら困難になったとき、ご主人様……とも呼びたくもない男に破棄された。
どこの街とも分からない。倒れた瞬間、憎しみのこもった感情を向けられそのまま放置されてしまった。
もう、動けない。
このまま死ぬのだろう。
道端に体を丸めて小さくなる。
邪魔だろう、道の真ん中。
負の感情が、臭いとなって感じ取れる。
道の端に寄るだけの力も残っていない。ああ、命尽きた後、誰かがギルドに死体処理を頼んでくれるだろうか。
ギルドに所属している人間であれば、誰かが僕の持ち物から、昔の仲間に連絡が行くかもしれない。
いいや、連絡などいかないほうがいいだろうか。
ああ、臭い。
人の感情が、これほど臭いなんて。
感情が臭いとして感じ取れるなんて……早く嗅覚も壊れてしまえばいいのに。
汚い、邪魔、見苦しい、見たくない……蔑み、憐れみ、嘲り……道に丸まり、死を待つだけの僕に向けられる感情のなんと臭いこと。
ふわりと、大人の女性の匂いが近づいてきた。
なんだ?なぜ、僕に近づいてくる?と、思った瞬間、ドンっと上に何かが乗る衝撃と、焦った感情の匂いがした。
目でも見えない女性だろうか?僕に気が付かずに躓いてしまった?
ごめんなさい、大丈夫ですかと……、心配そうな臭いが届く。
ああ、こんな僕に、誰もが目を背けて遠巻きにする僕に、まだ人としての感情を向けてくれる人がいるなんて。
……もう一つ、腕の立つ冒険者が近づいてきた。
匂いで分かる。
冒険者の匂いはいやというほど嗅いでいたから。
彼もまた、僕をさげすむ感情をにおわせない。ただ、死を悼む感情だろうか。手に、何かを持たされた。
二人が、立ち去るのが臭いで分かる。
このまますぐに呼吸が止まらないだろうか。
人生最後に関わったのがあの二人であれば、そう悪くない終わり方だ。
それからすぐに死は訪れるわけもなく、誰かがけしかけた獣に指をかじられたようだ。面白がる感情の匂いを感じた。
必死に、あの女性の匂いを思い出そうとする。心安らかに死にたい。
思い出そうとすると、女性の匂いを強く感じることができた。
いや、違う、実際に近くにあの女性がいる。近づいてくる。
心配、緊張……張り詰めた感情が匂いとなって伝わる。ああ、なんだろう。彼女の匂い意外に、怒り、嘲り、揶揄い、たくさんの臭いにおいもする。
ふわりと、彼女の香りが強くなる。
ああ、すぐ近くに来てくれた。
きっと、僕のすぐ横に彼女はいる。
いい匂いだ。
少し緊張が混じっているけれど、僕のことを心配してくれている。優しくて暖かな匂い。
口に、何かが押し当てられる。ああ、この匂いは薬草。ポーションかな……。
無駄だよ。
僕の侵された病は、ポーションでは治らない。高価の高いポーションをいくつも試したけれど……。
それなりにお金を稼げる冒険者だったから、あらゆるレアポーションも試したけれど……。
無駄なんだ。だけど、彼女の香りが。
これを僕が飲んだら、少しは喜びの香りを発してくれるだろうか。
無駄だと知れば悲しみの香りに変化してしまうかもしれない。
だけれど、最後に少しでも誰かを喜ばせることができるなら……。
彼女の嬉しさの香りに包まれて死ねるのならば……。
ポーションをごくごくと飲み干した。
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はいそうです。
バーヌはユーキのこと、初めから大人の女性だって知ってます。
男の子だなんてこれっぽっちも思ってません(≧▽≦)
臭いで分かりますよ。そりゃぁ……。
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