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計算違いでした
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「俺にもくれ!3本だ!」
「はい、1本銅貨2枚、3本だと銅貨5枚におまけするよ、パンにはさんだほうは銅貨4枚、こっちも3つなら銅貨10枚におまけだ」
と、接客係の冒険者さんの声に、すぐに次々に注文がはいる。
「俺にはパンのやつ3つくれ!」
「こっちは5本と5個だ」
やっぱり。携帯食より絶対作りたてのご飯のほうがいいですよね。
街まで戻らなくていいから、冒険者たちは得するし。
「ダタズさん、次々焼いてくださいね。ああ、足りるかな、お肉……」
と、その前に、ちょっと混乱しているようですね。
「すいません、お客様、一列に並んで順番にお願いしてもいいですか?そうしないと、誰が先に注文したのか、何を注文したのか分からなくなってしまいます。こちらの能力不足でわがままを申して申し訳ありませんが、ご協力をお願いいたします」
おいしいお肉を食べてお腹満足したところで、お店の手伝いに入ります。
「あー、並べって?」
「申し訳ありません。見ての通り子供の手伝いです。ダタズさんの奥さんが病に倒れてしまっていまして……」
冒険者の一部からは不満が漏れます。我先にという生き方をしていた人間には「並ぶ」という行為はどうにもまどろっこしいのでしょう。
しかし、こちらが悪いと謝ることで理解を示してくれた冒険者もいます。極めつけに病人がいる話で同情してくれた人たちが、素直に並び始めました。
並んだ人たちが、並ばない人たちに睨みをきかせてくれたおかげで、さほどの混乱もなく綺麗な列ができました。
ありがたいありがたい。
「坊主、すげー手腕だな……」
手伝ってくれてる冒険者さんが唖然としました。
「ちょっと前にも似たようなところで働いたことがあるので」
28歳、接客業。イベントごとの列整理とかもしたことがあるんです。
「手伝っていただきありがとうございました。これ、お礼には少ないのですが……」
と、肉を挟んだパンを差し出す。
「おう、いいのか?ありがとうよ!」
「では、気を付けて行ってきてください。あの……お二人に何かあれば、私も悲しみますから……」
冒険者ががしっと私の頭をつかんで乱暴になでまわしました。首がぐらんぐらんします。
「ダタズのためにありがとうな!」
二人の後姿を眺めながら、出来上がり次第、お客さんに商品を手渡していく。
「おれは、肉7本な」
「はい、3本セットが2つとバラで1本になりますから、全部で銅貨12枚いただきます」
即答すると、冒険者がうっとつまった。
「ん?今ので合ってるのか?」
後ろの人に聞いています。
「えーっと、ちょっと待ってろ」
指を立ててみて、お金の計算をしているようだ。
ああそうか。計算を普段しない人もいるんですよね。何本だといくらになるっていう一覧表みたいなメニューを用意したほうがいいのでしょうか?
それにしても一人で買っていく数が思った以上に多いです。
よほど今まで肉に飢えていたのか、それとも単にもともと大ぐらいなのか……。
「はい、1本銅貨2枚、3本だと銅貨5枚におまけするよ、パンにはさんだほうは銅貨4枚、こっちも3つなら銅貨10枚におまけだ」
と、接客係の冒険者さんの声に、すぐに次々に注文がはいる。
「俺にはパンのやつ3つくれ!」
「こっちは5本と5個だ」
やっぱり。携帯食より絶対作りたてのご飯のほうがいいですよね。
街まで戻らなくていいから、冒険者たちは得するし。
「ダタズさん、次々焼いてくださいね。ああ、足りるかな、お肉……」
と、その前に、ちょっと混乱しているようですね。
「すいません、お客様、一列に並んで順番にお願いしてもいいですか?そうしないと、誰が先に注文したのか、何を注文したのか分からなくなってしまいます。こちらの能力不足でわがままを申して申し訳ありませんが、ご協力をお願いいたします」
おいしいお肉を食べてお腹満足したところで、お店の手伝いに入ります。
「あー、並べって?」
「申し訳ありません。見ての通り子供の手伝いです。ダタズさんの奥さんが病に倒れてしまっていまして……」
冒険者の一部からは不満が漏れます。我先にという生き方をしていた人間には「並ぶ」という行為はどうにもまどろっこしいのでしょう。
しかし、こちらが悪いと謝ることで理解を示してくれた冒険者もいます。極めつけに病人がいる話で同情してくれた人たちが、素直に並び始めました。
並んだ人たちが、並ばない人たちに睨みをきかせてくれたおかげで、さほどの混乱もなく綺麗な列ができました。
ありがたいありがたい。
「坊主、すげー手腕だな……」
手伝ってくれてる冒険者さんが唖然としました。
「ちょっと前にも似たようなところで働いたことがあるので」
28歳、接客業。イベントごとの列整理とかもしたことがあるんです。
「手伝っていただきありがとうございました。これ、お礼には少ないのですが……」
と、肉を挟んだパンを差し出す。
「おう、いいのか?ありがとうよ!」
「では、気を付けて行ってきてください。あの……お二人に何かあれば、私も悲しみますから……」
冒険者ががしっと私の頭をつかんで乱暴になでまわしました。首がぐらんぐらんします。
「ダタズのためにありがとうな!」
二人の後姿を眺めながら、出来上がり次第、お客さんに商品を手渡していく。
「おれは、肉7本な」
「はい、3本セットが2つとバラで1本になりますから、全部で銅貨12枚いただきます」
即答すると、冒険者がうっとつまった。
「ん?今ので合ってるのか?」
後ろの人に聞いています。
「えーっと、ちょっと待ってろ」
指を立ててみて、お金の計算をしているようだ。
ああそうか。計算を普段しない人もいるんですよね。何本だといくらになるっていう一覧表みたいなメニューを用意したほうがいいのでしょうか?
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