義母ですが、若返って15歳から人生やり直したらなぜか溺愛されてます

富士とまと

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☆香草焼き

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☆リードル視点です
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「一年半ぶりね」
 え?
 会ったことあった?
「随分背が伸びたのねぇ。それに男らしくなったわ。学園ではモテるんじゃない?ふふふ」
 運命の少女が、僕が他の子にモテるのが嬉しそうだとばかりに笑う。
 何故だ。そこは、他の子と仲良くなってほしくないと嫉妬するところじゃないのか?
 いや、僕は浮気なんてしないよ。君以外、ジャガイモにしま見えないんだから。
「リードル、色々と話を聞かせてね。立ち話もなんだから、食事をしながらにしましょうか」
「そうね、お義母様。お腹ぺこぺこだわ」
 え?
 エリエッタが、僕の運命の女性に、お義母様と言わなかったか?
 僕と結婚すれば、エリエッタの義姉だ。呼ぶなら、お義姉様だろう?なぜお義母様と……。
 あれ?
 そう言えば、エリエッタは今日は、お義母様と一緒に領地から来るはずじゃなかったか?
「お義母様は?」
 どこにいるんだ?旅の疲れで部屋で休んでいるのか?
 キョロキョロとあたりを見回し、誰かに尋ねようとすると、運命の女性が僕を見てほほ笑んだ。
「なぁに、リードル?私もお腹ぺこぺこよ」
 ……?
「リードルやエリエッタがたくさん食べるのを見て、よくそんなに入るわねぇって笑っていたけれど……成長期ってお腹がすくのね」
 え?僕が食べるのを見ていた?どこで?
「若返ってから、やたらと食欲があるのよ」
 にこっと運命の女神がほほ笑んだ。
 若返った?
「ほら、お兄様早く席についてよ!お義母様が料理長に命じてお兄様の好物を準備させたんだからね!」
 だから、そのお義母様は一体どこに?
「ふふ、リードルは鶏肉の香草焼きが好きだったでしょう?」
 確かに、僕は鶏肉の香草焼きが好きだ。何故知っている?
「ほら、手紙に書いていたじゃない。だけど領地で食べる香草焼きと味が違うと。だから、領地からハーブを持って来たの」
 たしかに、お義母様に宛てた手紙にそんなことを書いた……。何故彼女が知っている?
 ……。
 ま、さ、か。
 一目ぼれした彼女は……若返った……。
「お義母様っ!お義母様なのですかっ」
 ちょこちょこと小柄で忙しく動き回る仕草はどこか小動物を思わせて……それは、確かに義母の姿と重なる。
「え?私が何?とにかく話は食事をしながらね」
 ……若返りの薬で、お義母様が若返った姿……。
 僕の理想の女性は、母親に似た人……どころか、義母そのものだったみたいだ……。
 マザコン、そう、僕はマザコンだから仕方がな……い?
 いやいや、いやいや、いやいやいやいや、問題山積な気がする……。
 気がするけれど……。
 後で考えよう。
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