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139 黒髪VS金髪
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ああ、彼女って、天使の話か。って、私の髪は、そう、このかつらよりもきれいなんだ。うふふ。そうか。
うんうん。
直接褒められたわけではないけれど、ちょっと嬉しい。髪は女の命だし。
「あの僕、噂で聞いたんです……。ダンス大会の代表選手にフレッド殿下は必ず出てくるだろうから、殿下の髪の色に似あう服は残しておくなってAクラスの人間がCクラスの人間に話をしているのを……」
フレッドがニヤリと笑う。
「ふっ、それはますます好都合。金色の髪に似合わない服といえば、対極の黒髪には似合う服ですねぇ。Fクラスにいやがらせをするためだけに他のクラスが服を選んでくれれば、けっこういい服が残るかもしれませんね」
フレッド殿下が黒いかつらを手に取りかぶった。
「どう?似合う?」
発狂死第二王子……。腹の中が黒いだけじゃ飽き足らず、外見まで黒くするつもりかっ。
黒髪になったフレッド。
むむ、むむむ。
「変っ」
思いっきり指をさしてしまった。
「リザーク、何が変だっていうんだ?失礼だなぁっ!」
「いや、だってさ、黒髪なのに、眉毛とかうっすい色のまんまだし、まつげもキラキラしてるし……」
前世生粋の日本人からするとさ、黒目黒髪黒眉毛黒まつげ、なんか、そろってないと違和感が……いや、美醜とか差別とかじゃなくて、こう、見慣れないので違和感が半端ない。
「ああ、そうか」
「それならメイクで何とかなると思いますっ!」
美容院の娘さんが手を挙げた。
うん。そうだね。アイブローと、マスカラ……ん?そんなものあるの?この世界、化粧品ってそこまで発達してるの?
気になって化粧品をのぞき込むと、ふわさっと後ろからかつらを乗せられた。
「リザーク、これ付けて踊ってみろよ」
肩からするりと落ちてきたのは長い金の髪だ。うむー、さっきの金髪のかつらか。
振り返れば、マージが赤毛のかつらをかぶっていた。って、お前、もともと赤毛なのに、なに赤毛のかつらかぶってんだよ。
将来剥げた時のための品でも物色してんの?かぶって見たかっただけ?意味が分からないぞ。
「これなら、問題ないか?」
フレッドが、眉とか書いてもらった顔をこちらに向けた。
途端に、顔を真っ赤にする。
なんだよ、化粧が恥ずかしいならやめればいいじゃないか。
「……!な、なんだよ、リザークか!脅かすなよ!」
と、フレッドが怒っている。
「何を怒ってるんだ?」
フレッドの顔をしたからのぞき込む。
「ば、やめ……」
真っ黒腹黒王子が、動揺して後ろに一歩下がった。
ぷはっ。面白い。なんだかしらないけど、こんなフレッド初めて見た。
っていうか、そこまで化粧した顔見られたくないのか?
===========
やばい。このままじゃ、フレッドがいろいろと、BLゾーンに入っていく……。
なんてな。
きゃはっ。
間が空いてしまいましたが、再びよろしくおねがいいたします(*'ω'*)
うんうん。
直接褒められたわけではないけれど、ちょっと嬉しい。髪は女の命だし。
「あの僕、噂で聞いたんです……。ダンス大会の代表選手にフレッド殿下は必ず出てくるだろうから、殿下の髪の色に似あう服は残しておくなってAクラスの人間がCクラスの人間に話をしているのを……」
フレッドがニヤリと笑う。
「ふっ、それはますます好都合。金色の髪に似合わない服といえば、対極の黒髪には似合う服ですねぇ。Fクラスにいやがらせをするためだけに他のクラスが服を選んでくれれば、けっこういい服が残るかもしれませんね」
フレッド殿下が黒いかつらを手に取りかぶった。
「どう?似合う?」
発狂死第二王子……。腹の中が黒いだけじゃ飽き足らず、外見まで黒くするつもりかっ。
黒髪になったフレッド。
むむ、むむむ。
「変っ」
思いっきり指をさしてしまった。
「リザーク、何が変だっていうんだ?失礼だなぁっ!」
「いや、だってさ、黒髪なのに、眉毛とかうっすい色のまんまだし、まつげもキラキラしてるし……」
前世生粋の日本人からするとさ、黒目黒髪黒眉毛黒まつげ、なんか、そろってないと違和感が……いや、美醜とか差別とかじゃなくて、こう、見慣れないので違和感が半端ない。
「ああ、そうか」
「それならメイクで何とかなると思いますっ!」
美容院の娘さんが手を挙げた。
うん。そうだね。アイブローと、マスカラ……ん?そんなものあるの?この世界、化粧品ってそこまで発達してるの?
気になって化粧品をのぞき込むと、ふわさっと後ろからかつらを乗せられた。
「リザーク、これ付けて踊ってみろよ」
肩からするりと落ちてきたのは長い金の髪だ。うむー、さっきの金髪のかつらか。
振り返れば、マージが赤毛のかつらをかぶっていた。って、お前、もともと赤毛なのに、なに赤毛のかつらかぶってんだよ。
将来剥げた時のための品でも物色してんの?かぶって見たかっただけ?意味が分からないぞ。
「これなら、問題ないか?」
フレッドが、眉とか書いてもらった顔をこちらに向けた。
途端に、顔を真っ赤にする。
なんだよ、化粧が恥ずかしいならやめればいいじゃないか。
「……!な、なんだよ、リザークか!脅かすなよ!」
と、フレッドが怒っている。
「何を怒ってるんだ?」
フレッドの顔をしたからのぞき込む。
「ば、やめ……」
真っ黒腹黒王子が、動揺して後ろに一歩下がった。
ぷはっ。面白い。なんだかしらないけど、こんなフレッド初めて見た。
っていうか、そこまで化粧した顔見られたくないのか?
===========
やばい。このままじゃ、フレッドがいろいろと、BLゾーンに入っていく……。
なんてな。
きゃはっ。
間が空いてしまいましたが、再びよろしくおねがいいたします(*'ω'*)
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