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133 数学教師代理

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「リザークはどう思った?」
「どうって?」
「敵か、味方か」
 はい?
 敵?
 味方?
 やばい。
 フレッドは敵認定すれば、発狂するまで追い詰めるのが得意な……。ぶるぶるっと、震える。
「フレッド、お前さ、その考えよくないぜ?」
 マージがフレッドの肩をつかんだ。
「敵と味方って二つに分ければ、敵でも味方でもない一番多い人たちを切り捨てるも同然だぞ」
 いいことを言うなぁマージ。
「味方でも、ある時は敵になることもありますわよ?例えば、一緒に悪者と戦っている味方と同じ人を好きになってしまえば恋敵という敵」
 サーシャは乙女なことを言った。
「そうだぞ、フレッド。もしかすると、イーヤミー先生はAクラスをダンス大会で優勝させようとしている敵かもしれないけど……現時点でボクたちに何か不都合があるか?丁寧にしっかりダンスの指導をしてくれてるんだから、問題ないだろ?味方でもないかもしれないけど……」
 フレッドが小さく首を振る。
「そうだな、僕が馬鹿な質問をした……ちょっと焦りすぎていたようだ。何をもってして敵とみなすか……そもそも、敵でも味方でもない人間……か。そうだな、確かに一番多いんだろう。日和見な人間が。ソフィア先生のように、何者にも屈服せずに自分の意思を貫く教師が稀で……」
 教室のドアが開いた。
「私がどうかしましたか?」
 ソフィア先生の姿を見て、皆自分の席に戻る。
「では、数学の授業をします。残念ながら、数学の教師がまだ不足していますので、今回は特別に外部の講師にお願いしました」
 と、ソフィア先生に言われて教室に入ってきたのは……。
「あー、なんで、お前がっ」
「また、何か事件か?」
 教室がざわざわとざわめいた。
 そう、教室に履いてきたのは、呪われし裁判官のイケメン補佐官だったのだ。
「今日から、しばらくの間数学教師代理を務めさせていただくモンブフトです」
 妙にニコニコしている。嬉しそう、楽しそう。
 あ、こっち見た。
 よろしくねって小首傾げた。
 なんだ、何をよろしくなんだ。
「さぁ、ではこの間の数学のテストの復習からしましょうか。計算問題はみんな問題ないと思うけれど、スピードアップもかねてこれをといてもらおう」
 と、用意してあるプリントをみんなに配る。
「問題は、この間のテストの点数に合わせて一人ずつ違うから、呼ばれたら取りに来てください」
 一人ずつ違う?
「では、フレッド君、サーシャ君、マージ君、それからリザーク君は、こちらに」
 と、なぜか教卓の前に机といすを並べて手招きしなじめるモンブフト先生……。
 怖いよ、その笑顔。
「何を企んでいるんですか?」
 フレッドが睨み付ける。
「もしかして、まだ呪いの裁判官はFクラスに疑いを?僕が何か不正をしたとでも?」
 フレッドの問いに先生が目を細めて首を横にふる。それから、こそっと声を潜めた。

=======
はー。秋ですね。
ミニストップに行ったら「モンブランソフト」ののぼりが目につきまして……。
いえ、なんでもないです。
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