135 / 159
133 数学教師代理
しおりを挟む
「リザークはどう思った?」
「どうって?」
「敵か、味方か」
はい?
敵?
味方?
やばい。
フレッドは敵認定すれば、発狂するまで追い詰めるのが得意な……。ぶるぶるっと、震える。
「フレッド、お前さ、その考えよくないぜ?」
マージがフレッドの肩をつかんだ。
「敵と味方って二つに分ければ、敵でも味方でもない一番多い人たちを切り捨てるも同然だぞ」
いいことを言うなぁマージ。
「味方でも、ある時は敵になることもありますわよ?例えば、一緒に悪者と戦っている味方と同じ人を好きになってしまえば恋敵という敵」
サーシャは乙女なことを言った。
「そうだぞ、フレッド。もしかすると、イーヤミー先生はAクラスをダンス大会で優勝させようとしている敵かもしれないけど……現時点でボクたちに何か不都合があるか?丁寧にしっかりダンスの指導をしてくれてるんだから、問題ないだろ?味方でもないかもしれないけど……」
フレッドが小さく首を振る。
「そうだな、僕が馬鹿な質問をした……ちょっと焦りすぎていたようだ。何をもってして敵とみなすか……そもそも、敵でも味方でもない人間……か。そうだな、確かに一番多いんだろう。日和見な人間が。ソフィア先生のように、何者にも屈服せずに自分の意思を貫く教師が稀で……」
教室のドアが開いた。
「私がどうかしましたか?」
ソフィア先生の姿を見て、皆自分の席に戻る。
「では、数学の授業をします。残念ながら、数学の教師がまだ不足していますので、今回は特別に外部の講師にお願いしました」
と、ソフィア先生に言われて教室に入ってきたのは……。
「あー、なんで、お前がっ」
「また、何か事件か?」
教室がざわざわとざわめいた。
そう、教室に履いてきたのは、呪われし裁判官のイケメン補佐官だったのだ。
「今日から、しばらくの間数学教師代理を務めさせていただくモンブフトです」
妙にニコニコしている。嬉しそう、楽しそう。
あ、こっち見た。
よろしくねって小首傾げた。
なんだ、何をよろしくなんだ。
「さぁ、ではこの間の数学のテストの復習からしましょうか。計算問題はみんな問題ないと思うけれど、スピードアップもかねてこれをといてもらおう」
と、用意してあるプリントをみんなに配る。
「問題は、この間のテストの点数に合わせて一人ずつ違うから、呼ばれたら取りに来てください」
一人ずつ違う?
「では、フレッド君、サーシャ君、マージ君、それからリザーク君は、こちらに」
と、なぜか教卓の前に机といすを並べて手招きしなじめるモンブフト先生……。
怖いよ、その笑顔。
「何を企んでいるんですか?」
フレッドが睨み付ける。
「もしかして、まだ呪いの裁判官はFクラスに疑いを?僕が何か不正をしたとでも?」
フレッドの問いに先生が目を細めて首を横にふる。それから、こそっと声を潜めた。
=======
はー。秋ですね。
ミニストップに行ったら「モンブランソフト」ののぼりが目につきまして……。
いえ、なんでもないです。
「どうって?」
「敵か、味方か」
はい?
敵?
味方?
やばい。
フレッドは敵認定すれば、発狂するまで追い詰めるのが得意な……。ぶるぶるっと、震える。
「フレッド、お前さ、その考えよくないぜ?」
マージがフレッドの肩をつかんだ。
「敵と味方って二つに分ければ、敵でも味方でもない一番多い人たちを切り捨てるも同然だぞ」
いいことを言うなぁマージ。
「味方でも、ある時は敵になることもありますわよ?例えば、一緒に悪者と戦っている味方と同じ人を好きになってしまえば恋敵という敵」
サーシャは乙女なことを言った。
「そうだぞ、フレッド。もしかすると、イーヤミー先生はAクラスをダンス大会で優勝させようとしている敵かもしれないけど……現時点でボクたちに何か不都合があるか?丁寧にしっかりダンスの指導をしてくれてるんだから、問題ないだろ?味方でもないかもしれないけど……」
フレッドが小さく首を振る。
「そうだな、僕が馬鹿な質問をした……ちょっと焦りすぎていたようだ。何をもってして敵とみなすか……そもそも、敵でも味方でもない人間……か。そうだな、確かに一番多いんだろう。日和見な人間が。ソフィア先生のように、何者にも屈服せずに自分の意思を貫く教師が稀で……」
教室のドアが開いた。
「私がどうかしましたか?」
ソフィア先生の姿を見て、皆自分の席に戻る。
「では、数学の授業をします。残念ながら、数学の教師がまだ不足していますので、今回は特別に外部の講師にお願いしました」
と、ソフィア先生に言われて教室に入ってきたのは……。
「あー、なんで、お前がっ」
「また、何か事件か?」
教室がざわざわとざわめいた。
そう、教室に履いてきたのは、呪われし裁判官のイケメン補佐官だったのだ。
「今日から、しばらくの間数学教師代理を務めさせていただくモンブフトです」
妙にニコニコしている。嬉しそう、楽しそう。
あ、こっち見た。
よろしくねって小首傾げた。
なんだ、何をよろしくなんだ。
「さぁ、ではこの間の数学のテストの復習からしましょうか。計算問題はみんな問題ないと思うけれど、スピードアップもかねてこれをといてもらおう」
と、用意してあるプリントをみんなに配る。
「問題は、この間のテストの点数に合わせて一人ずつ違うから、呼ばれたら取りに来てください」
一人ずつ違う?
「では、フレッド君、サーシャ君、マージ君、それからリザーク君は、こちらに」
と、なぜか教卓の前に机といすを並べて手招きしなじめるモンブフト先生……。
怖いよ、その笑顔。
「何を企んでいるんですか?」
フレッドが睨み付ける。
「もしかして、まだ呪いの裁判官はFクラスに疑いを?僕が何か不正をしたとでも?」
フレッドの問いに先生が目を細めて首を横にふる。それから、こそっと声を潜めた。
=======
はー。秋ですね。
ミニストップに行ったら「モンブランソフト」ののぼりが目につきまして……。
いえ、なんでもないです。
0
お気に入りに追加
3,173
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます
久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。
その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。
1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。
しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか?
自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと!
自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ?
ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ!
他サイトにて別名義で掲載していた作品です。
えっ、これってバッドエンドですか!?
黄昏くれの
恋愛
ここはプラッツェン王立学園。
卒業パーティというめでたい日に突然王子による婚約破棄が宣言される。
あれ、なんだかこれ見覚えがあるような。もしかしてオレ、乙女ゲームの攻略対象の一人になってる!?
しかし悪役令嬢も後ろで庇われている少女もなんだが様子がおかしくて・・・?
よくある転生、婚約破棄モノ、単発です。
【完結】異世界転生した先は断罪イベント五秒前!
春風悠里
恋愛
乙女ゲームの世界に転生したと思ったら、まさかの悪役令嬢で断罪イベント直前!
さて、どうやって切り抜けようか?
(全6話で完結)
※一般的なざまぁではありません
※他サイト様にも掲載中
逆ハーレムエンド? 現実を見て下さいませ
朝霞 花純@電子書籍化決定
恋愛
エリザベート・ラガルド公爵令嬢は溜息を吐く。
理由はとある男爵令嬢による逆ハーレム。
逆ハーレムのメンバーは彼女の婚約者のアレックス王太子殿下とその側近一同だ。
エリザベートは男爵令嬢に注意する為に逆ハーレムの元へ向かう。
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
婚約破棄されたのたが、兄上がチートでツラい。
藤宮
恋愛
「ローズ。貴様のティルナシア・カーターに対する数々の嫌がらせは既に明白。そのようなことをするものを国母と迎え入れるわけにはいかぬ。よってここにアロー皇国皇子イヴァン・カイ・アローとローザリア公爵家ローズ・ロレーヌ・ローザリアの婚約を破棄する。そして、私、アロー皇国第二皇子イヴァン・カイ・アローは真に王妃に相応しき、このカーター男爵家令嬢、ティルナシア・カーターとの婚約を宣言する」
婚約破棄モノ実験中。名前は使い回しで←
うっかり2年ほど放置していた事実に、今驚愕。
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる