62 / 159
61 く〇ん式……伏字。
しおりを挟む
「でーきたっ!」
マージが持ってきた。全問正解。
「へへ、どうだ。これで、俺が本当に計算速くてよくできるの分かっただろう!」
誰に向かっての主張なのか。ってか速い?いやいや、ずいぶんゆっくりと……。
え?
他の子の様子を見る。
……おっそ!
めちゃめちゃ遅い!
なんだよ、この遅さ……。って、
指かっ!指使って計算してるじゃないかっ!ここは、小学校1年生の教室かよっ!ってか、2年生になると、机の上じゃなくて、机の下で指をこっそり使うんだぞ?それくらい、2年生になるころには、もうみんな指を使わなくて……。
あ、あの子指つかってな……って、指の代わりになんか点とか書いて数えてるっ。
あっかん、何、これで、小学部卒業できたな!
「はい。できました」
一人の女の子が紙を持ってきた。
「結構速いね」
フレッドに声をかけられた子は、少し照れたように笑う。
「うちは、商店なので計算は叩きこまれてるんです」
はい?
叩き込まれて、このスピード?
いや、そんでもって、このスピードで速い?
「なめとんかぁーーーっ!文章題だろうがなんだろうが、すべての基本になる計算がこんなに遅くては話しにならんーっ!」
そういう子は、塾だよ。塾に通わせねばならぬ。く〇ん式だ。同じ計算繰り返させるんだよっ。そろばんでもいい。
いや、違う、最近は小学校でも使われるじゃないかっ。
「ちょ、いきなりどうしたリザーク」
二けたとか三桁とかの足し算引き算なんてちんたらやってる場合じゃない。もっと基礎を固めないと話にならない。
「フレッド、一桁の足し算の問題出して。私とマージとサーシャが、答えるから。誰が一番早くこたえられるか競争ね!」
「え?いいですけれど、私、計算は得意ですわよ?」
「俺も、一桁なんて楽勝すぎるぞ?」
クラスメイトの皆が手を止めて注目する。
「じゃぁ、問題出すね。5+8」
「13」
!
問題が言い終わるのとほぼ同時に答える私。
「え?あ、本当だわ。13で合ってますわ」
「次、7+9」「16」
めちゃ食い気味に答えを言う私。
「は、速っ。おい、リザーク、お前すげぇな、なんだよ、その特技!」
「特技じゃないっ。こんなの誰だってできるようになる。計算するんじゃないんだよっ。1+1から9+9は、どちらかと言えば答えを覚えるんだ。ボクの顔を見るとリザークという名前が出てくるように、8+8を見ると、16という数字が思い浮かぶように、覚える。いちいち計算なんていらないっ」
九九を覚えるのと一緒だ。ただ、九九みたいに便利な覚え方がないだけで。
「覚える?あ、そういえば……3+3くらいまでは私もそういう感覚かも……」
一人が口を開く。
「どうやって覚えるんだよ?」
「そんなの、繰り返し繰り返し問題解くしかないよっ!ってことで、く〇ん式!と行きたいところだけど……都合よくプリントないし」
あれは大量のプリントがいる。
「簡単に大量に足し算の問題を作って計算練習をすると言えば……」
紙に線をじゃっ、じゃっ、じゃっと引く。縦と横に6本。それから数字を左側と上側のマスに書く。
「100マス計算だっ!」
いや、100マスないけどね。指使ってる人間にいきなりの100マスは厳しかろう……。
「縦と横の数字が交わっているところに、その二つの数字を足した数字を書いていく。ひたすら足し算の練習をするためのものだよ」
マージが持ってきた。全問正解。
「へへ、どうだ。これで、俺が本当に計算速くてよくできるの分かっただろう!」
誰に向かっての主張なのか。ってか速い?いやいや、ずいぶんゆっくりと……。
え?
他の子の様子を見る。
……おっそ!
めちゃめちゃ遅い!
なんだよ、この遅さ……。って、
指かっ!指使って計算してるじゃないかっ!ここは、小学校1年生の教室かよっ!ってか、2年生になると、机の上じゃなくて、机の下で指をこっそり使うんだぞ?それくらい、2年生になるころには、もうみんな指を使わなくて……。
あ、あの子指つかってな……って、指の代わりになんか点とか書いて数えてるっ。
あっかん、何、これで、小学部卒業できたな!
「はい。できました」
一人の女の子が紙を持ってきた。
「結構速いね」
フレッドに声をかけられた子は、少し照れたように笑う。
「うちは、商店なので計算は叩きこまれてるんです」
はい?
叩き込まれて、このスピード?
いや、そんでもって、このスピードで速い?
「なめとんかぁーーーっ!文章題だろうがなんだろうが、すべての基本になる計算がこんなに遅くては話しにならんーっ!」
そういう子は、塾だよ。塾に通わせねばならぬ。く〇ん式だ。同じ計算繰り返させるんだよっ。そろばんでもいい。
いや、違う、最近は小学校でも使われるじゃないかっ。
「ちょ、いきなりどうしたリザーク」
二けたとか三桁とかの足し算引き算なんてちんたらやってる場合じゃない。もっと基礎を固めないと話にならない。
「フレッド、一桁の足し算の問題出して。私とマージとサーシャが、答えるから。誰が一番早くこたえられるか競争ね!」
「え?いいですけれど、私、計算は得意ですわよ?」
「俺も、一桁なんて楽勝すぎるぞ?」
クラスメイトの皆が手を止めて注目する。
「じゃぁ、問題出すね。5+8」
「13」
!
問題が言い終わるのとほぼ同時に答える私。
「え?あ、本当だわ。13で合ってますわ」
「次、7+9」「16」
めちゃ食い気味に答えを言う私。
「は、速っ。おい、リザーク、お前すげぇな、なんだよ、その特技!」
「特技じゃないっ。こんなの誰だってできるようになる。計算するんじゃないんだよっ。1+1から9+9は、どちらかと言えば答えを覚えるんだ。ボクの顔を見るとリザークという名前が出てくるように、8+8を見ると、16という数字が思い浮かぶように、覚える。いちいち計算なんていらないっ」
九九を覚えるのと一緒だ。ただ、九九みたいに便利な覚え方がないだけで。
「覚える?あ、そういえば……3+3くらいまでは私もそういう感覚かも……」
一人が口を開く。
「どうやって覚えるんだよ?」
「そんなの、繰り返し繰り返し問題解くしかないよっ!ってことで、く〇ん式!と行きたいところだけど……都合よくプリントないし」
あれは大量のプリントがいる。
「簡単に大量に足し算の問題を作って計算練習をすると言えば……」
紙に線をじゃっ、じゃっ、じゃっと引く。縦と横に6本。それから数字を左側と上側のマスに書く。
「100マス計算だっ!」
いや、100マスないけどね。指使ってる人間にいきなりの100マスは厳しかろう……。
「縦と横の数字が交わっているところに、その二つの数字を足した数字を書いていく。ひたすら足し算の練習をするためのものだよ」
0
お気に入りに追加
3,173
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます
久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。
その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。
1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。
しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか?
自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと!
自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ?
ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ!
他サイトにて別名義で掲載していた作品です。
えっ、これってバッドエンドですか!?
黄昏くれの
恋愛
ここはプラッツェン王立学園。
卒業パーティというめでたい日に突然王子による婚約破棄が宣言される。
あれ、なんだかこれ見覚えがあるような。もしかしてオレ、乙女ゲームの攻略対象の一人になってる!?
しかし悪役令嬢も後ろで庇われている少女もなんだが様子がおかしくて・・・?
よくある転生、婚約破棄モノ、単発です。
【完結】異世界転生した先は断罪イベント五秒前!
春風悠里
恋愛
乙女ゲームの世界に転生したと思ったら、まさかの悪役令嬢で断罪イベント直前!
さて、どうやって切り抜けようか?
(全6話で完結)
※一般的なざまぁではありません
※他サイト様にも掲載中
逆ハーレムエンド? 現実を見て下さいませ
朝霞 花純@電子書籍化決定
恋愛
エリザベート・ラガルド公爵令嬢は溜息を吐く。
理由はとある男爵令嬢による逆ハーレム。
逆ハーレムのメンバーは彼女の婚約者のアレックス王太子殿下とその側近一同だ。
エリザベートは男爵令嬢に注意する為に逆ハーレムの元へ向かう。
お嬢様たちは、過激に世界を回していく。
ラディ
恋愛
貴族令嬢に聖女や王妃や魔女に至るまで。
恋だの愛だの、一時の気の迷いのような感情で彼女たちは。
時に逆境を乗り越え。
時に破滅に向かい。
時に成長し。
時に狂い咲き。
それらは少しずつ重なって混ざり、繋がり広がり。
時に世界を動かす。
数珠繋ぎで繰り広げるドタバタ逆境愛情色恋活劇。
どうぞよしなに。
■完結しました! よろしければお気に入り登録などしてごゆるりとお読みください。
■数珠繋ぎオムニバス形式の話になります。基本的に一話完結ごとに主人公が変わりますが各話少しずつ話が繋がっています。
■感想コメントなどはお気軽にどうぞ!
■同一世界観で『虐げられ続けてきたお嬢様、全てを踏み台に幸せになることにしました。』という長編作品を別で執筆中です。よろしければ登録コンテンツから是非に。
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?
悪役令嬢に転生しましたが、行いを変えるつもりはありません
れぐまき
恋愛
公爵令嬢セシリアは皇太子との婚約発表舞踏会で、とある男爵令嬢を見かけたことをきっかけに、自分が『宝石の絆』という乙女ゲームのライバルキャラであることを知る。
「…私、間違ってませんわね」
曲がったことが大嫌いなオーバースペック公爵令嬢が自分の信念を貫き通す話
…だったはずが最近はどこか天然の主人公と勘違い王子のすれ違い(勘違い)恋愛話になってきている…
5/13
ちょっとお話が長くなってきたので一旦全話非公開にして纏めたり加筆したりと大幅に修正していきます
5/22
修正完了しました。明日から通常更新に戻ります
9/21
完結しました
また気が向いたら番外編として二人のその後をアップしていきたいと思います
悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!
ペトラ
恋愛
ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。
戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。
前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。
悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。
他サイトに連載中の話の改訂版になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる