55 / 159
54 よし。優勝しよう。
しおりを挟む
「おおー、兄弟対決だっ」
って、盛り上がってる。
「お兄様、代表選手だったんですか?言わなかったじゃないですかっ!」
なんと、準決勝の相手は兄7だった。
「んー、まぁ、言うほどでもないかと思って?そんなことより、リズ、本気出すよね?」
うわ、兄の目が怖い。
「わざと負けたりしたら怒るからね?僕には嫌というほどリズの力は分かってるんだから」
ひゃいっ。
兄7と私の対戦成績は、ほぼ互角。
ほぼ互角ってことは……。こう、本気出してるふりして、わざと負けるなんてそんな器用なことができるような相手じゃないってこと。
っていうか、ほぼ互角だけど、兄7はついさっき、4年生との激戦を制して準決勝に進んだところ。一方私はといえば……。
不戦敗だったり、初心者相手に一振りで勝負が決まったり、全く疲れていない。
どう考えても、私が有利じゃない?
「くっ、だめだ。もう、握力が……」
兄が力尽きた。
うえーい。
「まぁ、お兄様は優しいのでかわいい弟を傷つけられなかったんですわね」
「2回戦3回戦と強敵相手に戦って体力の限界だったんですわ」
とかなんとか言われて同情される兄7。
「しかし、どこまで運がいいんだ、あの1F。出来損ない八男」
「兄たちは何かの能力に秀でているが、もしかして、あの八男、運の良さに人一倍秀でているというのか?」
「かもしれない。だが、本当に運が良ければFクラスになるだろうか?」
「1回戦で4Cとの対戦カード引き当てるだろうか?」
「うーん、わからん」
決勝戦に進んでしまいました。いやいや、さすがに優勝とかないでしょう。
どうしようか。えへ。
え?もう十分目立ったから、この際勝っても負けても一緒だ?
しかし、目立ったというか、運がいいなぁってことでうまいこと落ち着いてるよ?
八男も意外とやるやつなんじゃないの?って声が全然聞こえてこない……。ん、じゃぁ、もう、ラッキーだけで優勝した男とかでもいいのかもしれないなぁ。
1Fを見る。
皆がいつの間にか腕につけていた布を取って手にもってぐるぐる頭の上で振り回している。
声が聞こえなくても「頑張れリザーク!」
と全力で応援してくれているのが分かる。
私、こんなに誰かに応援されたことなんてあったかな。あ、身内は別でね。
前世にだってなかった。
よし。優勝しよう。
「両者、開始位置へ」
学校中の人に注目される中、開始位置に着く。開始の合図で、剣を構える。
相手は、何年何クラスの誰なんて知らない。
剣の構えは、さすがに決勝まで進むだけのことはある。
微動だにしない。相手に先に動かせるタイプか。
……だとすると、相手が攻撃を仕掛けきた剣をいなすという戦い方はできない。
どれだけの実力があるか分からない……。兄1や兄4との訓練を思い出す。大丈夫。格上との戦いは慣れてる。勝とうと思わなければ、剣を避けることならば得意だ。
「はっ」
こちらから動くことにした。
大きく一歩を踏み出す。
ふにゃぁーっ。
「たぁっ!」
なんじゃこりゃぁ、足元に穴開いてるとか、思いっきり踏み込んだら、グラっと、グラっとなったわ!ちょ、まった、まった、!
相手の剣が私の背中に当たる。
ああ、力加減してくれて、ぽんっと軽く当てられただけだ。
「勝者赤!」
======
あかん、よく考えると、めっちゃタイトルでフラグ立ってる……(´・ω・`)
ま、いいか。
って、盛り上がってる。
「お兄様、代表選手だったんですか?言わなかったじゃないですかっ!」
なんと、準決勝の相手は兄7だった。
「んー、まぁ、言うほどでもないかと思って?そんなことより、リズ、本気出すよね?」
うわ、兄の目が怖い。
「わざと負けたりしたら怒るからね?僕には嫌というほどリズの力は分かってるんだから」
ひゃいっ。
兄7と私の対戦成績は、ほぼ互角。
ほぼ互角ってことは……。こう、本気出してるふりして、わざと負けるなんてそんな器用なことができるような相手じゃないってこと。
っていうか、ほぼ互角だけど、兄7はついさっき、4年生との激戦を制して準決勝に進んだところ。一方私はといえば……。
不戦敗だったり、初心者相手に一振りで勝負が決まったり、全く疲れていない。
どう考えても、私が有利じゃない?
「くっ、だめだ。もう、握力が……」
兄が力尽きた。
うえーい。
「まぁ、お兄様は優しいのでかわいい弟を傷つけられなかったんですわね」
「2回戦3回戦と強敵相手に戦って体力の限界だったんですわ」
とかなんとか言われて同情される兄7。
「しかし、どこまで運がいいんだ、あの1F。出来損ない八男」
「兄たちは何かの能力に秀でているが、もしかして、あの八男、運の良さに人一倍秀でているというのか?」
「かもしれない。だが、本当に運が良ければFクラスになるだろうか?」
「1回戦で4Cとの対戦カード引き当てるだろうか?」
「うーん、わからん」
決勝戦に進んでしまいました。いやいや、さすがに優勝とかないでしょう。
どうしようか。えへ。
え?もう十分目立ったから、この際勝っても負けても一緒だ?
しかし、目立ったというか、運がいいなぁってことでうまいこと落ち着いてるよ?
八男も意外とやるやつなんじゃないの?って声が全然聞こえてこない……。ん、じゃぁ、もう、ラッキーだけで優勝した男とかでもいいのかもしれないなぁ。
1Fを見る。
皆がいつの間にか腕につけていた布を取って手にもってぐるぐる頭の上で振り回している。
声が聞こえなくても「頑張れリザーク!」
と全力で応援してくれているのが分かる。
私、こんなに誰かに応援されたことなんてあったかな。あ、身内は別でね。
前世にだってなかった。
よし。優勝しよう。
「両者、開始位置へ」
学校中の人に注目される中、開始位置に着く。開始の合図で、剣を構える。
相手は、何年何クラスの誰なんて知らない。
剣の構えは、さすがに決勝まで進むだけのことはある。
微動だにしない。相手に先に動かせるタイプか。
……だとすると、相手が攻撃を仕掛けきた剣をいなすという戦い方はできない。
どれだけの実力があるか分からない……。兄1や兄4との訓練を思い出す。大丈夫。格上との戦いは慣れてる。勝とうと思わなければ、剣を避けることならば得意だ。
「はっ」
こちらから動くことにした。
大きく一歩を踏み出す。
ふにゃぁーっ。
「たぁっ!」
なんじゃこりゃぁ、足元に穴開いてるとか、思いっきり踏み込んだら、グラっと、グラっとなったわ!ちょ、まった、まった、!
相手の剣が私の背中に当たる。
ああ、力加減してくれて、ぽんっと軽く当てられただけだ。
「勝者赤!」
======
あかん、よく考えると、めっちゃタイトルでフラグ立ってる……(´・ω・`)
ま、いいか。
0
お気に入りに追加
3,173
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
【完結】悪役令嬢に群がるヒロイン親衛隊! 虐めて欲しいと言われても、そんな趣味はございません
との
恋愛
ヒロイン親衛隊が何故か私の周りを彷徨いてる。
えっ? いじめて欲しい?
蔑んで欲しい?
踏んづけてって・・
お陰で私の婚約者がドン引きしてるじゃないですか?
ヒロイン、違うとこでハーレム作って何してるの? 働こうよ、お願い。
ーーーーーー
完結迄予約済みです。
特に際立った変態は出てきません。微笑ましい変態達だと・・
R15は念の為
深窓の悪役令嬢~死にたくないので仮病を使って逃げ切ります~
白金ひよこ
恋愛
熱で魘された私が夢で見たのは前世の記憶。そこで思い出した。私がトワール侯爵家の令嬢として生まれる前は平凡なOLだったことを。そして気づいた。この世界が乙女ゲームの世界で、私がそのゲームの悪役令嬢であることを!
しかもシンディ・トワールはどのルートであっても死ぬ運命! そんなのあんまりだ! もうこうなったらこのまま病弱になって学校も行けないような深窓の令嬢になるしかない!
物語の全てを放棄し逃げ切ることだけに全力を注いだ、悪役令嬢の全力逃走ストーリー! え? シナリオ? そんなの知ったこっちゃありませんけど?
うちの娘が悪役令嬢って、どういうことですか?
プラネットプラント
ファンタジー
全寮制の高等教育機関で行われている卒業式で、ある令嬢が糾弾されていた。そこに令嬢の父親が割り込んできて・・・。乙女ゲームの強制力に抗う令嬢の父親(前世、彼女いない歴=年齢のフリーター)と従者(身内には優しい鬼畜)と異母兄(当て馬/噛ませ犬な攻略対象)。2016.09.08 07:00に完結します。
小説家になろうでも公開している短編集です。
運命の歯車が壊れるとき
和泉鷹央
恋愛
戦争に行くから、君とは結婚できない。
恋人にそう告げられた時、子爵令嬢ジゼルは運命の歯車が傾いで壊れていく音を、耳にした。
他の投稿サイトでも掲載しております。
[完結]18禁乙女ゲームのモブに転生したら逆ハーのフラグを折ってくれと頼まれた。了解ですが、溺愛は望んでません。
紅月
恋愛
「なに此処、18禁乙女ゲームじゃない」
と前世を思い出したけど、モブだから気楽に好きな事しようって思ってたのに……。
攻略対象から逆ハーフラグを折ってくれと頼まれたので頑張りますが、なんか忙しいんですけど。
転生した世界のイケメンが怖い
祐月
恋愛
わたしの通う学院では、近頃毎日のように喜劇が繰り広げられている。
第二皇子殿下を含む学院で人気の美形子息達がこぞって一人の子爵令嬢に愛を囁き、殿下の婚約者の公爵令嬢が諌めては返り討ちにあうという、わたしにはどこかで見覚えのある光景だ。
わたし以外の皆が口を揃えて言う。彼らはものすごい美形だと。
でもわたしは彼らが怖い。
わたしの目には彼らは同じ人間には見えない。
彼らはどこからどう見ても、女児向けアニメキャラクターショーの着ぐるみだった。
2024/10/06 IF追加
小説を読もう!にも掲載しています。
乙女ゲーのモブデブ令嬢に転生したので平和に過ごしたい
ゆの
恋愛
私は日比谷夏那、18歳。特に優れた所もなく平々凡々で、波風立てずに過ごしたかった私は、特に興味のない乙女ゲームを友人に強引に薦められるがままにプレイした。
だが、その乙女ゲームの各ルートをクリアした翌日に事故にあって亡くなってしまった。
気がつくと、乙女ゲームに1度だけ登場したモブデブ令嬢に転生していた!!特にゲームの影響がない人に転生したことに安堵した私は、ヒロインや攻略対象に関わらず平和に過ごしたいと思います。
だけど、肉やお菓子より断然大好きなフルーツばっかりを食べていたらいつの間にか痩せて、絶世の美女に…?!
平和に過ごしたい令嬢とそれを放って置かない攻略対象達の平和だったり平和じゃなかったりする日々が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる